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位田<くらいだ>遺跡 新見市唐松
その2(令和7年6月27日更新)
4月に開始した発掘調査は5月末に終了しました。2か月間の調査では、主に弥生時代から古墳時代にかけての多くの遺物や古墳時代後期(約1,500年前)の竪穴住居や鍛冶<かじ>炉、多数の柱穴などが見つかりました。
竪穴住居は方形で2軒重なっており、同じ場所での建て替えが行われたことが分かります。鍛冶炉は一部熱を受けて赤く焼けており、周辺からは送風機として使われていた鞴<ふいご>の羽口<はぐち>や鉄滓<てっさい>が出土しました。
今回の調査で、古墳時代後期に鍛冶作業を行っていた集落の存在が明らかになりました。調査地のすぐ北側には古墳が2基所在し、古墳の被葬者に関係する集落であった可能性があります。
5月22日(木曜日)には、地元地域を対象とした現地説明会を開催しました。71名の方に御参加いただき、多くの方に位田遺跡の調査成果をお伝えすることができました。
現地説明会資料はこちらのページから御覧いただけます。
古墳時代後期の竪穴住居(南西から)
現地説明会の様子
その1(令和7年5月2日更新)
県道長屋賀陽線改築工事に伴い令和7年4月から位田遺跡の発掘調査が始まりました。
位田遺跡は新見市唐松に所在し、南に延びる丘陵と小坂部川にはさまれた緩やかな傾斜地に位置しています。調査ではこれまでに、弥生時代から古墳時代の土器や、建物の柱が立っていた穴が見つかっています。調査区の近辺には古墳も所在するなど、周辺遺跡との関係にも注目しつつ、調査を進めていきます。
4月としてはかなり気温の高い日が続いており、体調管理に注意を払っての調査となっています。位田遺跡でどのような遺物・遺構が見つかるのか、今後の調査成果にご期待ください。
調査風景(南東から)
建物の柱が立っていた穴を掘っている様子