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大林遺跡 美作市城田 

更新日:2021年3月26日更新

その1(令和3年3月26日更新)

 大林遺跡は、美作市南部の城田<じょうでん>地区にあり、南西から北東にのびる丘陵の尾根上に立地します。美作岡山道路の建設に伴い、昨年12月から今年3月まで発掘調査を行いました。調査の結果、塚状遺構1基と、近世の土葬墓群を確認しています。

 塚状遺構は、全長約6m、最大幅約3mを測るいびつな楕円形で、地元ではその形から「ひょうたん塚」と呼ばれていました。今回の調査で、塚の頂部から骨片を含む土で埋まった穴が見つかったことから、火葬骨を収めた墓と判明しました。また、墓穴の上には豊島石<てしまいし>製の石塔の部材が置かれていました。出土した遺物からみて、中世末から江戸時代初め頃の墓と考えられます。

 塚の北東側では、江戸時代中頃以降の土葬墓が23基まとまって見つかりました。人骨や棺桶はほとんど残っていませんでしたが、銅銭の寛永通宝をはじめ、硯や陶磁器など、さまざまな副葬品が出土しました。

 今回の調査成果は、本地域における埋葬の方法や儀礼などの歴史を研究する上で、貴重な資料になりそうです。調査は3月で終了しました。

中世墓の調査風景が写っています。
「ひょうたん塚」の調査風景

豊島石の石塔が写っています。
火葬墓から見つかった豊島石の石塔

近世墓を調査する様子が写っています。
近世墓の調査風景

近世墓から出土した硯が写っています。
硯が出土した墓