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百間川原尾島遺跡 岡山市中区藤原光町
更新日:2021年3月26日更新
その1(令和3年3月26日更新)
令和3年1月から岡山市北区にある百間川原尾島遺跡の発掘調査を行っています。百間川原尾島遺跡は、百間川の堤防内で行われた過去の調査において、弥生時代から中世にかけての大きな集落が見つかったことで有名な遺跡です。今回は過去の調査地の北側を発掘しており、集落が北にどう広がっているのかが注目されています。
調査の結果、調査区を南西から北東方向に縦断する古墳時代から古代にかけての大溝が見つかりました。大溝の幅は約5m、深さは約1mで、最下層からは古墳時代後期の土器が多く出土しているほか、動物の骨や桃の種など、祭祀的な性格の強い遺物も出土しています。周辺からは、大溝に並行して掘削された溝や、その溝と大溝をつなぐ溝が見つかっており、水流の調整が行われていたようです。位置や規模から、今回見つかった大溝は過去の調査で見つかっていた溝につながると考えられます。
遺跡からはほかにも、中世以降の掘立柱建物2棟や、古墳時代後期の竪穴住居1軒などが見つかっています。今年度の調査は3月で終了しましたが、調査は来年度も引き続き行う予定なので、今後の成果にご期待下さい。
古墳時代の大溝
大溝内の土器出土状況