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一丁グロ38号墳  総社市秦

更新日:2019年9月25日更新

その2(令和元年7月1日更新)

 4月から継続してきた一丁〈いっちょう〉グロ〈グロは、土偏に丸〉38号墳の調査が6月で終了しました。調査に入る前は、墳丘〈ふんきゅう〉の南側が大きく削平されていたことから墳形や規模は定かではありませんでしたが、発掘調査の結果、墳丘の北側などで周溝〈しゅうこう〉が検出されたほか、東・西裾を中心に多くの遺物が出土しました。これらの成果から、38号墳は一辺15mをこえる方墳〈ほうふん〉であり、5世紀中頃に築造されたことが分かりました。埋葬施設については削平のため無くなっているようです。
 墳丘の北側では周溝が比較的よく残っており、性格は不明ですが周溝内に拳大の礫が集中する様子がみられました。墳丘の東側に周溝は続かず、替わりに段を成していることから、38号墳はもともとの東に延びる丘陵を切断して形を整え、その上に盛土を施すことによって墳丘をつくったと思われます。墳丘上ではほぼ原位置を保つ2基の円筒埴輪〈えんとうはにわ〉が出土しているほか、東西の墳裾で多くの埴輪・須恵器片が散らばって見つかっています。このことから、本来は墳丘上に埴輪・須恵器が据え置かれていたことが分かりました。

古墳東裾の状況(東から)
古墳東裾の状況(東から)

墳丘上の円筒埴輪(南から)
墳丘上の円筒埴輪(南から)

周溝と集石の様子(北東から)
周溝と集石の様子(北東から)

その1(令和元年5月23日更新)

 一丁〈いっちょう〉グロ〈グロは、土偏に丸〉古墳群は高梁川右岸の丘陵上に4世紀~5世紀にかけて築かれた古墳群で、多くの方墳や円墳からなっています。前方後方墳としては県内第2位の規模を誇る全長約70mを越える1号墳とその周辺は、岡山県指定史跡に なっています。
 このたび調整池が増設されることになり、4月中旬から38号墳の調査を行っています。38号墳は一丁グロ1号墳から南東に降った尾根の先端にあり、古墳群中最も南に位置しています。古墳からの眺望は良く、高梁川を望むことができます。
 調査は始まったばかりで墳形や時期も確定できていませんが、周辺から5世紀の埴輪や須恵器のかけらが出土しています。
 調査は6月中旬まで続く予定です。今後の進展を楽しみにしてください!

調査風景(北西から)
調査風景(北西から)

調査風景(南東から)
調査風景(南東から)