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「吉備の考古学講座 第2回」を開催しました!

更新日:2025年10月10日更新

 9月20日(土曜日)に岡山県立図書館において、令和7年度第2回目の「吉備の考古学講座」を開催しました!

 岡山県立図書館と古代吉備文化財センターが連携し、年に2回開講しているこの講座。第2回は、“古墳時代の埴輪と鉄”をテーマとして、「吉備の埴輪づくり」・「古墳に眠る鉄の祭祀-古墳の副葬品から-」の2本の講演を行いました。

 西村奏主事は、埴輪の種類と起源、制作工程と観察のポイント、岡山県の金蔵山古墳、造山古墳、土井遺跡の埴輪の特徴について解説したうえ、吉備の埴輪づくりについて各時期の特徴や生産体制について見解を述べました。特に、制作工程では埴輪をつくるイラストを用いたほか、埴輪に残る黒斑、透かし、表面調整、突帯間隔などの各時期の特徴や移り変わりについて分かりやすく解説しました。
 また藤井雅大主任は、令和5~6年度に実施した古代歴史文化協議会の研究テーマ「古墳時代の中央と地域」での研究成果について報告しました。鉄生産に関わる鉄滓、鍛冶道具、鉄鐸<てったく>を中心に、その出土古墳の分布や時期、出土状況を整理することで、古墳時代中期から後期にかけて鉄器・鉄生産に関わる集団や古墳での祭祀について紹介しました。

 受講者の皆さんからは、「埴輪といえば形象埴輪にひかれるが、これからの円筒埴輪の鑑賞時には今回の講座で聴いた円筒埴輪の見方で、意識して見ることができそうだ」、「鉄滓は製鉄や鍛冶で生じるカスと思っていたが、供献品として備えられる例があり、祭祀的な意味があることに驚いた。」などの感想をいただきました。

西村主事の講演の様子
<写真>西村主事の講演の様子

藤井主任の講演の様子
<写真>藤井主任の講演の様子