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岡山県工業技術センター 研究・成果 > 研究テーマ > 令和元年(平成31年)度研究テーマ

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令和元年(平成31年)度研究テーマ

国等からの外部資金による研

自動車部品適用のための高強度・高熱伝導マグネシウム合金の開発(戦略的基盤技術高度化支援事業)

輸送機器関連分野では、CO2削減に対応するため、車体重量を軽量化することで燃費の向上を図っている。マグネシウム合金の自動車部材への適用では、構造部材への高強度化と放熱部材への高熱伝導率化の2つが大きな課題となっている。前者は合金への炭化アルミニウムの添加により、後者については高熱伝導合金へのレーザ表面処理を用いて解決を図り、リサイクル可能な合金開発を実現する。

塩素系薬剤の作用機構と高分子材料への影響に関する研究( 特別電源所在県科学技術振興事業)

塩素系薬剤は食品・医療分野の洗浄・殺菌操作で広く用いられている。当センターはこれまで次亜塩素酸の作用機構と材料への影響を研究し、殺菌・洗浄の高効率化や高分子材料の劣化の防止に貢献してきた。本研究では亜塩素酸の作用機構と高分子材料への影響を統一的に把握し、塩素系薬剤による洗浄・殺菌操作におけるイノベーションを目指す。本年度は亜塩素酸が高分子材料に及ぼす影響について調査する。

県単独で実施している研究

繊維製品の風合い評価に関する研究

風合いは消費者が繊維製品を選ぶためのひとつの評価指標であるため、それらを客観的に評価することが望ましい。ジーンズに使用されるデニム生地は加工方法によって触り心地が異なると感じるが、それらを支配する物理パラメータは明らかでなく風合いを客観的に評価することは困難であった。そこで、本研究ではデニムの触り心地に影響を及ぼす物理パラメータを明らかにするとともに、デニムの触り心地について官能評価結果と物理特性を関連付ける手法の確立を目指す。

オシロスコープを用いた簡易伝導雑音測定システムの検討

本研究では、電子機器の電源線に生じる伝導雑音をオシロスコープを用いて簡易測定する手法について検討する。現在、市販されている多くのオシロスコープには内部で波形を周波数スペクトルに変換する機能が搭載されているが、雑音測定用に最適化されていない。そこで本研究では、オシロスコープで取得した雑音波形を外部の計算処理で周波数スペクトルに変換するシステムの開発を目指す。また、オシロスコープの最適な設定について検討する。

磁界解析を用いたモータの高性能化に関する研究

温暖化・省資源対策としてモータの高性能化に取り組む。モータの高性能化には、電気機器開発のためのシミュレーションである磁界解析を用いて、モータの温度上昇や耐熱性の検証を行う。また、磁石と鉄心が引き合うことによって発生するトルクむらの解析と実機の乖離原因の究明を行う。

バイオマス素材の活用技術に関する研究

木質バイオマスを微粉砕処理することにより、セルロース系微粉材料が得られる。このセルロース系微粉材料の特性を活かした用途の開発を目指し、セルロース系微粉材料と高分子材料など、異種材料との複合化技術を開発する。また、セルロース系微粉材料の表面構造を設計し、化学修飾するなど、セルロース系微粉材料の特性向上を図る。

企業の皆さまと共同で実施している研究

「実用化技術開発事業」と銘打ち、工業技術センターが掲げる研究テーマに対して、毎年、参画企業を募集して共同研究を実施しています。

清酒製造技術の高度化に関する研究開発

清酒の製造工程管理及び製品の品質は、麹の品質により大きく左右される。製麹技術は長く経験と勘に支えられてきたことから、麹の品質や工程管理の科学的指標が未だ限られており、これが、製造現場において一定品質の麹を安定して製造することを困難にしている。本研究では、一定品質の麹を安定して量産するための要素技術とその制御の確立を目指し、これにより製造される麹について、総合的な品質評価に取り組む。

地域資源を活用した高付加価値繊維製品の開発

県内の繊維産業は、海外からの安価な製品の流入による厳しい状況下にあり、国際競争力の強化や高付加価値な製品作りが急務な課題となっている。本研究では、センターが蓄積したジーンズ等の染色加工技術・評価技術を活用し、セルロースナノファイバー(CNF)や薬剤等を繊維へ浸透固着する技術の確立を目指す。

金属加工製品の環境対応・高機能化を可能とする製造プロセス技術の開発

本事業では、各種産業分野に用いられる金属加工製品のリサイクル性、小型軽量性、易加工性、耐久性の向上を目的に、高品位な組織制御、高精度な成形加工、高機能な表面処理技術による素材の開発および、それを可能とする製造プロセス技術の確立を目指す。

ものづくりの高度化に向けた計測技術の開発

製造現場では異常診断や運転管理の高度化などを目的に、IoTの導入が進展している。しかし、IoT技術をより有効に活用するには、多種多様なデータから必要な情報を高精度に計測する技術が求められる。そこで、本研究では周囲の複数センサからの信号を用い、直接測れない物理量を算出する計測技術を開発する。本年度は、物理量の算出に有効なセンシング手法を理論的に検討する。

粒子材料の複合化に関する研究開発

粒子材料の高機能化を目的として、マイクロ空間場を利用した金属粒子を作製する。実用化に向け、大量生産可能な稼働条件を検討し、作製した粒子材料を用いた用途開発を行う。

構造制御技術を用いた高分子複合材料の開発

高分子材料を高性能・高機能化させるために、母材(マトリックス)と異種材料との複合化を行う。このとき、母材中に分散するフィラー(無機粉体)や他種高分子など異種材料の分散状態や母材/異種材料界面の接着性制御が重要である。この複合材料の構造制御技術さらには構造観察・解析技術を開発する。これらの技術は汎用性が高く各種の高分子複合材料の開発に適用できる。このような技術を駆使してプラスチックリサイクル材の高性能化をはじめとした高性能プラスチック複合材料やプラスチック製品の開発に資する。