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平成17年度研究テーマ

地域新生コンソーシアム研究開発事業(経済産業省)

金属材料研究室

ディーゼル用燃料噴射ノズルの細孔化による実用化研究開発

本研究は、燃費向上・排出物質の改善のため高温高圧化・微細多数孔化が求められているディーゼルエンジン燃料噴射ノズルの開発において、新規な粉末冶金法による微細孔ノズル開発の指針を得ることを目的としている。微細粉末を用いた高速静水圧プレス法により微細孔をもつ焼結体の作製条件の最適化を行った。その結果、焼結条件による粉末焼結ノズルの金属組織変化が明らかとなり、また機械的強度も確認することができた。

課題提案型産業技術開発費助成事業(NEDO)

有機材料研究室

ナノフィラー分散エラストマー系複合材料の創製

温度および時間の混練条件を最適化することで、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)へのカーボンナノファイバー(CNF)の均一分散を達成できた。本研究で得られたCNF とエラストマーの複合化技術は、今後、カーボンブラック補強を超える高硬度、高弾性率のエラストマー製品の開発につながるものと期待される。

都市エリア産学官連携促進事業(発展型)(文部科学省)

食品工学研究室

マイクロ反応プロセス構築のためのアクティブマイクロリアクターの開発

ステンレス鋼基板上に加工したマイクロ流路を親水化(加熱オゾンガス処理)することにより、マイクロ流路の一端を水と接触させるだけで、ポンプ等の機械的な駆動力を与えなくても、水が流路内を自発的に流れる効果を実証した。さらに、マイクロ流路の微細加工時の発熱に起因するタンパク質の吸着親和性の増加や洗浄性の低下も、上記の親水化処理により改善されることを確認した。

特別電源所在県科学技術振興事業(文部科学省)

無機材料研究室

ナノ制御技術による先進電極材料の開発

酸化チタンナノ粒子を用いたナノポーラス半導体電極の開発を目的に、ジルコニアを被覆した酸化チタンナノ粒子を作製し、その物性について調べた。その結果、ジルコニア被覆処理は酸化チタンナノ粒子の光電変換作用に影響を及ぼし、かつ、ジルコニア被覆によりインピーダンス(交流抵抗)が低下し、電気的特性が向上するのがわかった。

金属材料研究室

レーザ光技術を利用した高機能熱加工プロセスの開発
半導体レーザによる鉛フリー代替はんだめっきプロセスの研究開発を実施した。その結果、レーザ処理は、現状の処理と同等のはんだ濡れ性への影響およびウィスカー発生を抑制することが明らかになった。

計測制御研究室

ミクロ構造を制御した音響材料の開発

通気性が無い薄い弾性板の遮音性能に与える試料サイズの影響を一次元音場の計算モデルから解析的に導出した。この結果から、音響管を用いて遮音性能を評価する際の評価可能周波数領域と材料の損失係数との関係式を求めた。実験と計算を比較することで、求めた関係式を実証した。また、多孔質材料を積層した場合の吸音率予測ソフトを開発した。

計測制御研究室

電子回路微小接続部から発生するノイズ放射の評価

高速、高密度実装の電子回路では、多層プリント回路基板が必須である。この多層プリント回路基板の層間接続に用いられるビア接続がノイズ発生に及ぼす影響を検討した。その結果、このビア接続はGHz帯では放射ノイズ発生の要因となることを実験により確認した。また、このノイズはビア近傍より電源層とグランド層間を伝播し、基板端部より磁流源アンテナとして放射するという発生過程を明らかにした。

微生物利用研究室

抗酸化能の評価

抗酸化能の高い食品素材について、それらの抗酸化能をさらに高めることを目的に、抗酸化能を増強させる方法、ならびに食品素材の疾病予防効果について検討した。その結果、紅麹色素、モナコリン、C3G色素を併用することにより、抗酸化能の相加効果が認められた。またこれらの抗酸化物質を含む食品素材は、脂質過酸化抑制、DNA 変性抑制効果が認められた。

微生物利用研究室

紅麹菌による機能性付与食品の開発

紅麹菌は、モナコリンK、赤色色素などの機能性を有する代謝物を生産する。この生産物について、紅麹の培養条件、発酵過程(製麹)における生産物の機能性成分の動向(色素、抗酸化能)を評価、検討した。抗酸化能に関わる色素の生成量は、培養温度27 及び30 ℃で最大となり、酵素力価も高い値を示した。

微生物利用研究室

赤色色素生産機構の解析

抗酸化性食品素材として紅麹に注目し、紅麹および紅麹菌が生産する赤色色素の抗酸化性への寄与を確認した。そして、赤色色素の生産についておもに培養基質の面から検討を行い、炭素源と窒素源の種類と濃度を最適化することにより高生産を達成した。赤色色素の高生産のためには、グルコース抑制を解除する炭素源が必要で、窒素源はペプトンが適していることが分かった。

微生物利用研究室

テンペの抗酸化能の増強

食品由来の抗酸化性物質による疾病(特に糖尿病)予防、ならびに生活向上を図るため、テンペ菌を用いた抗酸化性の高い食品・素材の開発について検討した。抗酸化活性の相乗効果について検討し、活性の増強法を図ったところ、大豆に、大豆胚芽、ゴマ、ハトムギ等の原料を配合して、抗酸化性が高く食味の良好なテンペが製造できた。テンペ菌の種類によって抗酸化性が異なった。

中国・四国地方公設試験研究機関共同研究

精密加工研究室

高硬度材料の微細加工技術の開発

人工股関節は体内で使用されるため、人体への負担が小さく長期耐用性に優れている必要がある。人工股関節の長期耐用を目的に、人工股関節の摺動面を形成するCo-Cr-Mo合金製骨頭の形状精度および表面粗さの向上を検討した。その結果、多軸超精密旋盤+大面積電子ビーム装置による骨頭の新加工法を提案し、その有用性を確認した。

特別研究

環境対応型ものづくりチーム

環境対応型ものづくり技術の開発

(1)製品から放散するVOC の除去及び分析評価に関する技術開発

生活環境内のVOC(揮発性有機化合物)が社会問題となっている実情を踏まえ、アルデヒド類を加えたVOC 放散量測定法、超臨界二酸化炭素によるVOC 除去性能評価、活性炭と酸化チタン複合系によるVOC 除去性能評価を行った。また、VOC 吸着能を有する炭ボードを用いた製品開発及びVOC ゼロ建材を目的とした石灰を主成分とする成形体の開発を行った。

(2)環境対応型接着/接合技術の開発

本研究では、粘着剤の普及啓蒙を行い、VOC を極力放出しないこと、接着工程を簡略化・連続化できる特徴を基に、自動車だけではなく幅広い分野で適用が検討された。それにより装飾品やパッケージ分野で実用化することが出来た。さらに、樹脂と異種材料のレーザ接合において特殊なシートを用いることにより、接合できることを新たに見いだした。

医療福祉機器開発チーム

車椅子の快適性評価技術の開発

(1)車椅子におけるトータルな接触圧力分散技術の確立

車椅子使用者の座位姿勢の安定保持のために、これまで後から車椅子に装着する姿勢保持装置を提供し、身体の傾き防止、姿勢保持を行ってきた。今年度は新たに車椅子自体の姿勢を変えることが出来る機構を検討し、既存の車椅子にも対応可能な構造を開発した。これにより、より効率的な身体の安定保持が可能となる。

(2)人間の応力解析

三次元人体有限要素モデルを用い、ベッドの背もたれを上昇させる解析を行い、背もたれを上昇させる前に、大腿部と頸部を適切に上昇させることで、人体の前方への滑りを低減できることを示した。さらに、人体の左右脇に姿勢保持装置を置くことにより身体が左右方向へ滑ることを低減できることもシミュレーションにより示された。姿勢保持装置の有効性の検討に三次元人体モデルを用いたシミュレーションが有用であることが分かった。

マグネプロセス開発チーム

高生産性Mg合金筐体製造プロセスの開発研究

(1)マグネ筐体の最適設計技術の開発

電子機器用マグネシウム筐体について、高品質・低コスト化をめざし、表面仕上げと表面処理を同時に行う研磨化成処理を検討した。その結果、Mn 等の重金属を使用しない環境問題に適合した処理技術確立した。

経常研究

繊維加工研究室

環境適合型染色加工技術の開発

インジゴはジーンズ等に使用される染料であるが、染色堅牢度が低いことが問題となっている。インジゴ染色における各種染色堅牢度向上方法について検討した結果、摩擦堅牢度に関しては染色時において空気酸化前に繊維水分量を減少することにより、また耐光堅牢度に関しては染色物を超臨界二酸化炭素処理することにより向上がはかれることがわかった。

繊維・資材研究室

環境対応製品への繊維系素材の応用技術

快適性住空間の確立と資源の有効利用の立場から、吸音・静音材料への天然セルロース素材の利用を目的とし、樹皮や木質繊維などを用いた成形体を作製した。樹皮粉砕物など繊維が太いものは、単独では成形体とならなかったが、熱接着性繊維を用いることで吸音性能を有する成形体を作製することができた。

微生物利用研究室

機能性発酵食品の開発

紅麹やテンペ菌を活用した食品、食品素材の開発を行った。紅麹を浸漬することにより、色調変化と共に、グルコース量が貯蔵期間に応じて増加し、十分な甘味を呈する香味に特徴を有する酒類製造が可能となった。抗酸化能も、移行する色素量の増加に伴い、増加した。テンペ菌の生育は、低温蒸煮処理米が最も早く、次に蒸煮米、生米の順であった。酵素活性、線溶活性共に、低温蒸煮処理米の麹は蒸煮米の約2 倍の活性があった。

食品工学研究室

疎水性複合汚れの洗浄除去技術の開発

本研究の基盤となる吸着・洗浄除去実験系の構築を目的とし、油汚れ量の測定法及び洗浄評価技術を検討した。溶媒抽出-赤外分光分析による濃度測定方法を採用、トリオレイン(油)とガラス、ステンレス鋼、PTFE 製小球(被汚染材料基材)を組み合わせた回分式洗浄実験系を構築した。各基材に対するトリオレインの付着性、水による除去性を検討したところ、ガラスは難付着・易除去性、PTFE は易付着・難除去性、ステンレス鋼はガラスとPTFE の中間の性質であることが判明した。

メカトロシステム研究室

コンピュータ画像処理応用技術の開発

(1)画像処理による電子部品検査システムの開発

フラットパネルディスプレイの構成材料である、液晶ガラス基板に対し、前年度までに開発した欠陥検出手法を適用して欠陥検出を試みた。その結果、微細欠陥は良好に検出できることが分かった。

(2)アクセシビリティに関する研究

現状のウェブの画面デザインの大部分は、健常者だけの閲覧しか想定されておらず、高齢者や視覚障害者等は、必要な情報を得られず、情報弱者となってしまう可能性が高い。そこで、ウェブアクセシビリティを向上させるため、視覚に問題を抱えるユーザのために、ブラウザの画面設定を司るユーザースタイルシートの設定を行うツールを開発した。

備前陶芸センター

備前焼の試作・開発

備前焼は、従来日用雑器として作られ、その後茶陶に変わり現在に至っている。昔ながらの茶陶製品の製作が多い中で、今後の新しい備前焼の展開としてデザイン開発、用途開発による食器・室内装飾品・インテリア製品等の試作を検討した。

ミクロものづくり研究開発事業

有機材料研究室

ナノ粒子分散によるエラストマーの高性能化

熱可塑性エラストマー(TPE)はゴム弾性を持ちながらリサイクル可能で加工も容易であるが、耐熱性が低いために用途が限定されている。ナノフィラーであるカーボンブラック(CB)を用い、力学特性ならびに耐熱性の向上を試みた結果、補強性の向上は層状化合物には及ばなかったが耐熱性は10 ℃程度向上させることができた。さらにCB と層状化合物を組み合わせることで、耐熱性と力学物性の両方を向上させることができた。

繊維・資材研究室

超臨界流体を利用した高分子素材のミクロ・ナノ制御技術

各種ナノ粒子の高分子素材への注入技術に関する検討を実施した。その結果、適当な共溶媒を選択することで、超臨界流体中でナノ粒子注入の可能性を見いだした。また繊維に対する微粒子担持技術について検討を行い、繊維の改質処理の影響について明らかにした。

繊維・資材研究室

マイクロ波加熱による炭化物分散複合体のナノ/メゾ細孔構造形態制御

多孔質材料にセルロース系素材を吸着させた後、マイクロ波加熱装置を用いてセルロースを炭化させる手法を検討した。マイクロ波加熱出力、雰囲気条件を最適化することにより、多孔質材料の細孔内部に炭化物を形成することが可能となった。セルロースの炭化状態は、不十分であるが、細孔径分布が広いなどの特徴が見受けられた。

食品工学研究室

生体物質による医用素材表面の汚染と劣化

病原性細菌、食中毒細菌、バイオフィルム形成細菌に対する無電解Ni-P-PTFE めっき皮膜の抗菌活性を検討した。その結果、試験に供した全ての菌株において、生菌数は検出限界以下となった。無電解Ni-P-PTFE 複合めっき皮膜は、撥水性、摺動性、非粘着性(離型性)を兼ね備えていることから、生物学的な高い清浄度が要求される医療関連機器や食品製造機器への適用が期待される。

精密加工研究室

医療用機器のマイクロ化のための超微細加工技術の開発

(1)超精密加工による人工関節の長寿命化の実現

人工関節の長寿命化を実現するために、多軸超精密旋盤による人工関節の摺動部を形成する骨頭の形状精度の向上を目指し、CBN 工具による骨頭の加工を行った。その結果、仕上げ面粗さは0.07umRa 程度の良好な結果が得られた。

(2)レーザを利用した血管拡張用ステントの高品質加工法の確立

医療デバイスのひとつであるステントの形状作製には、レーザによる精密切断が適用されている。高品質な形状作製のためには、再凝固物の抑制ならびに除去が非常に重要である。一般に再凝固物の付着状態は、加工パラメータが大きく影響をおよぼす。本実験では、ビーム出力に着目し切断品質を検討した結果、低出力で切断することによって、再凝固物の付着が抑制される傾向があることが分かった。

計測制御研究室

能動制御技術による低振動・低騒音化

能動制御により軽量な構造で透過音を抑制する能動遮音制御法について検討を行った。今年度は制御理論を実証するため、まず実験を行う前に実験条件での制御効果のシミュレーションを行い、実現性を確認した。さらに、2 室間に2mm のAl 板を取り付け、6 つのポイントアクチュエータで制御する実験システムを構築し、実験を行った。この結果、300Hz 以下の低周波数で15dB を超える大きな制御効果が得られた。

計測制御研究室

マイクロアクチュエータ構成要素と制御技術

出力重量比が大きく装置の小型、軽量化に有効な形状記憶合金ワイヤ(SMA ワイヤ)の駆動システムに含まれる電気ノイズをハード的に10 分の1 に低減させた結果、SMA ワイヤの歪み推定精度が向上し、ステップ状目標歪みに対する定常偏差が減少した。また、歪みの微分値を用いたPID 制御が適用可能となり、サーボ制御時の誤差が3 分の2 に低減する結果を得た。

ものづくり試作開発支援事業

無機材料研究室

環境対応型無機系粉体の高機能化

(1)環境浄化性能に優れた表面改質酸化チタン系粉体の開発

環境浄化性能に優れた酸化チタン系光触媒材料の開発を目的に、ジルコニア系複合酸化物を被覆した酸化チタン粉末試料を作製し、光触媒性能を調べた。光触媒性能として、紫外線照射下におけるアセトアルデヒドの分解・除去性能を調べた。その結果、光触媒性能は被覆系により異なり、ジルコニアを被覆した試料は、アルミナ-ジルコニア及びセリア-ジルコニアを被覆した試料より、高い光触媒性能を示すことが判明した。また、紫外線照射の初期の段階では、セリア-ジルコニアを被覆した試料の方が、アルミナ-ジルコニアの場合よりも高い光触媒性能を示すことも分かった。

(2)環境浄化性能を有した石灰系粉末の特性評価

シリカやアルミナをコーティングしたカルシウム粉末は、酸性ガス吸収性能が飛躍的に向上することが知られているが、この粉体表面の形状とその特性についてモルフォロジーな考察を行った。Al、Si 成分をコーティングした炭酸カルシウム粉末を評価したところ、特にAl 成分は粉末表面で数十nmの組織を形成して存在しており、この形態が比表面積や酸性ガス吸収性能に影響していると考えられる。

有機材料研究室

複合化によるポリマー材料の高性能化

(1)異種ポリマー複合技術を利用した複合材料の開発

PP/エラストマー/炭酸カルシウム複合系において、PP の強化に用いるエラストマーの化学変性が力学特性に及ぼす影響を明らかにし、高分子の衝撃強度と弾性率の改善を達成した。このことにより、エラストマーの種類や官能基変性、多種エラストマーの複合、および微粒子フィラーの複合化技術を開発した。

(2)複合フィラーを利用した複合材料の開発

低コストかつ高性能なポリマー素材開発が地域企業から求められている。そこで、本研究において、100nm 炭酸カルシウム/タルクや針状フィラー/炭酸カルシウム複合フィラーを開発し、これらをポリマーに充填した複合材料の研究を行った。その結果、これを充填した複合材料は、弾性率だけではなく衝撃強度も優れた複合材料および線膨張率の低い複合材料が得られることが明らかとなった。これらのフィラーは自動車部品や住宅部品向けの実用化が検討されている。

有機材料研究室

高性能エラストマー材料の開発

カーボンブラックを配合したゴム材料について、粒子径や分散状態、ゴム/フィラー間の界面状態、架橋構造がゴム材料の諸特性に及ぼす影響について検討した。カーボンブラックの粒子径と架橋構造と防振ゴムなどの動的特性との関係について調べた結果、防振ゴムとしての動的特性を最適化するための配合設計指針を得ることが出来た。

金属材料研究室

金属表面の高機能化技術に関する研究

環境調和型陽極酸化処理を施した鋳造用マグネシウム合金について、製膜条件が耐食性ならびに機械的特性に与える影響を調査した。X 線・電子線・イオンビーム等を用いた微細構造観察から、皮膜が有する化学組成・非晶質構造ならびに処理中の母材における微細組織変化が、耐食性ならびに機械的特性に影響を与えることを示した。

県内公設試共同研究

産業資材研究室

樹皮を原料に用いた木質材料の開発

樹皮繊維粉砕物を用いて作製した不織布状成型物のホルムアルデヒド吸着特性を評価した。24 時間経過後のホルムアルデヒド濃度測定を行った結果、樹皮繊維の成型物は、同じ重さの活性炭よりホルムアルデヒド吸着能が優れていることがわかった。

共同研究(岡山県共同研究取扱方針に基づくもの)

食品工学研究室

アルミニウムの表面処理

酸素から発生させたオゾンガスを用いて、加熱条件下にてアルミニウム板を処理した結果、アルミニウム表面の酸化皮膜が成長するとともに、表面の親水性が著しく向上することを見出した。表面処理したアルミニウム表面に対する油汚れの親和性は著しく減少し、水溶液中での油滴の濡れ広がりも抑制されるなど、水系洗浄剤で容易に洗浄可能な表面へ改質されることが明らかとなった。

繊維加工研究室

微粒子分散被膜法による天然繊維素材の高機能化

天然繊維素材への機能性微粒子の被覆技術に関する検討を実施した。繊維素材表面を改質することで、微粒子被覆量が増大し、天然繊維素材へ各種機能性を付与可能であることがわかった。

繊維加工研究室

難染色素材の高機能化

超臨界二酸化炭素中で難染色素材を効率よく着色する技術について検討を実施した。温度・圧力条件、共溶媒量、超臨界流体雰囲気の制御を行うことで、素材を濃色に着色する技術を確立した。

産業資材研究室

プルランをバインダーとした天然素材成形体の作製技術

天然多糖類であるプルランをバインダーとして天然素材(籾殻、檜、い草)を用いたバイオプラスチック成形体(実用的なトレー容器)の作製を行った。プルラン/檜配合系において、圧縮成型機を用いた成形体(曲げ強度20MPa)の作製が可能となった。

微生物利用研究室

生理活性因子の探索研究

産業に応用できる資源(農産物等やがん抑制因子探索のための培養細胞等)を用いて、がん関連因子や農産物等の抗病原性因子およびこれらの調節遺伝子を見出すことを目的に、マウス乳がん由来の細胞を用いて遺伝子発現パターンの比較解析とプロテオミクス解析を平行して行った。その結果、培養がん細胞の細胞死を決定する因子の候補として、クロマチンの凝集に関与する核内タンパク質、中間径フィラメント、レドックスタンパク質などをコードする遺伝子を同定した。

地域結集型共同研究事業(科学技術振興機構)

有機材料研究室

ナノ粒子コンポジット材料の基盤開発

ナノ粒子分散コンポジット材料は次世代素材として自動車、IT、光通信、ロボットなど国内の主要産業において強く求められている材料の一つである。本事業は開発した新素材を高輝度放射光(Spring 8)によるナノ計測・評価技術を活用し、この新素材の実用化を推進した。