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平成22年度研究テーマ

戦略的基盤技術高度化支援事業

金属・加工グループ

環境・コスト低減に対応した、光輝性アルミニウム合金鋳物製造技術の開発

アルミニウムホイールに対して光揮性および鋳造性に優れた材料開発ならびに開発材料への表面処理技術を検討した。その結果、既存材料と同等の機械的性質を有し、光輝性にも優れた新規Al-Mg-Zn系アルミニウム合金を開発し、同時に開発材料に対する新たな表面処理技術も構築した。

溶射プロセスに適応した合金設計とレーザ重畳ハイブリッド化による環境適合型高耐久性コーティングの開発

耐腐食性に優れた溶射皮膜の開発を目的に、新規設計した鉄基合金皮膜の元素分布を測定した。その結 果、溶射時の液滴表面に由来する酸素の網目状分布が減少した。これにより皮膜および基材への腐食因子 拡散を低減できることから、添加成分が溶射皮膜内部の酸化抑制に寄与することが確認できた。

鉄とアルミの異材溶接技術を用いた自動車部品軽量化の実用化研究開発

エラストマーシートを用いることで、鉄-アルミ間の強固な接合が可能となった。また、異種金属間にエラストマーを介在させることで、腐食抑制効果も確認された。

フォトニクスを用いた高性能マグネシウム製品のクローズド製造プロセスの創成

マグネシウム合金が環境に優しい材料として自動車や情報家電の部品に適用されている。本事業ではフォトニクスを適用したマグネシウム製品のリサイクル技術およびリサイクル材を用いた製品の高機能化技術の確立を目指している。今年度は、Ca添加難燃性Mg合金への新規表面処理技術の確立ならびに耐摩耗性に優れた新規トライボコーティング技術を確立し、マグネシウム部材の高機能化を実現した。

地域イノベーション創出研究開発事業

金属・加工グループ

組織制御したゴム材のレーザ光による先進的自動車部品の創生

ゴム材料に対する組成制御とレーザ加工により、(1)摺動部位の摩擦摩耗の低減、(2)シール部材のバリア性の向上に成功した。

地域イノベーション創出研究開発事業

連携推進グループ

3次元動態解析と手術ガイドを応用した新規人工関節手術システム

有限要素法を用いた人工膝関節コンポーネントに発生するVon Mises Stress評価に際して、実際の動態を伴った運動下(動態解析結果)における条件を導入した。その結果は、動態解析における関節面仮想接触領域と近似していることから、動作を伴った解析が可能となった。

きらめき岡山創成ファンド支援事業

化学・新素材グループ

液滴分散系のためのマイクロリアクターシステムの開発

ステンレス鋼製マイクロリアクターを用いたオリーブオイル/食品乳化剤水溶液のO/Wエマルションの調製に適したマイクロ流路の特性を検討した結果、流路壁面は鏡面よりも梨地面の方が、さらに梨地面にSiコーティングを施した方が単分散性エマルションを安定に調製できることが実証された。また、加熱オゾンガス処理による超親水化機構は、表面汚れの除去と水分子の化学吸着(配位結合)による表面水酸基数の増加に起因することを明らかにした。

リアルタイム尿素モニタの製品化開発(3)

リアルタイム尿素モニタ用の反応試薬として用いる次亜塩素酸ナトリウムの保存安定性ならびに包装に最適な素材を検討した結果、有効塩素との反応性が小さく紫外線遮蔽度が高い素材ほど、密閉度が高いほど、さらに保存温度が低いほど有効塩素濃度の減少が低く抑えられることが確認できた。最適な保存条件下では、尿素モニタに使用可能な次亜塩素酸ナトリウムの試薬寿命は少なくとも2年半であることがわかった。

高分子グループ

天然発酵染料による染色技術の確立と消費性能評価

天然染料を発酵させることにより作製した天然発酵染料を使用し、綿繊維を染色することで、耐光染色堅牢度が向上した草木染め製品を創出した。また発酵条件と染色特性について検討し、発酵染料による綿繊維の濃色染色技術を確立した。確立した技術を基に糸染めを行い、衣料品および雑貨製品を試作した。

産業活性化推進事業

化学・新素材グループ

CO2低減および再資源化を目的としたナノ粒子光触媒反応による光化学プラントの開発
酸化チタンの光触媒作用による二酸化炭素からメタノールへの生成を確認した。さらに,酸化チタンに銅を担持させることにより,メタノール生成効率が向上することを明らかとした。

金属・加工グループ

新規開発ステントとしてのカバードステントの研究開発

Ni-Ti合金製ステントの試作工程におけるレーザ切断後のバリの除去について検討を行った。ステント裏面に付着したバリに対して電着ダイヤモンド工具を利用することで除去が可能であることがわかった。また本実験におけるバリの除去については工具の番手が#200前後が適していることが分かった。

新事業活動促進支援補助金(新連携支援事業)

化学・新素材グループ

次亜塩素酸水溶液の作用効果の定量的評価および霧化器運転条件の最適化

新型インフルエンザウイルスH1N1を対象として、弱酸性(pH6)および弱アルカリ性(pH10)に調整した次亜塩素酸水溶液(50mg/l)の不活化効果を検討した結果、水溶液としての接触では1分間以内に、超音波微細粒子としての接触では10分間以内に感染価対数減少値5以上の不活化効果を得ることができた。また、各次亜塩素酸水溶液に1分間接触させることで、ヘマグルチニンによる赤血球凝集活性も喪失していることがわかった。

岡山バイオマスイノベーション創出研究委託事業

高分子グループ

ナノセルロースファイバー分散成形体の成形技術に関する検討

ナノセルロースファイバー(NCF)を乾燥することなく、樹脂と混合することによりNCF分散樹脂の混合物を調製した。さらに、混合物から圧縮成形や射出成形によりNCF分散成形体を作製した。

次世代戦略技術実用化開発事業

金属・加工グループ

安全性に優れた生分解性次世代冠状動脈用ステントの実用開発

生体への吸収が期待されるMg合金製ステントの試作のためのレーザ切断ならびに後処理技術について検討した。その結果、レーザ切断による網目加工は可能であったが、Co-Cr合金と比してバリの発生が顕著であることが分かった。またリン酸系の化学エッチング処理によりバリの除去は可能であった。しかしながらエッチング後の形状精度が不安定であった。

科学技術振興調整費(気候変動に対応した新たな社会の創出に向けた社会システムの改革プログラム)

化学・新素材グループ

森と人が共生するSMART工場モデル実証

檜チップを原料として、カッターミル及びディスクミルを使用して湿式粉砕を行った。その結果、カッターミルによる粗粉砕及び粉砕の2段階の粉砕処理の後、ディスク同士を接触回転させながら複数回通過(15パス)によるディスクミル微粉砕処理により、繊維幅500nm以下のリグノセルロースファイバーが得られることが分かった。

特別電源所在県科学技術振興事業(文部科学省)

金属・加工グループ

離型性に優れた金型コーティング技術の研究開発

高分子部品や粉体成形品などの金型成形において、成形品の品質および生産性の向上を目的とした離型性に優れた金型用の新規なPVDコーティング技術を開発した。

計測制御グループ

高効率な自然空冷機構の開発

電子機器の冷却技術として、ファンを用いない無騒音な自然空冷が注目されている。本研究では、煙突効果を用いた高効率な自然空冷機構について検討した。煙突内部の空間断面を発熱源と同形状とし、良熱伝導材料の直方体ブロックでそれらを接続する構造を考案した。その機構は、発熱源の熱を煙突部に放熱するとともに、その熱で煙突内部空気が暖められ、発熱源まわりに周囲空気を誘引することで冷却効率を増大させることができた。

電子機器の外来電磁波に対する耐性強化手法の確立

これまでに構築してきた放射イミュニティ耐性診断システムを実際の回路に対して適用するための手順を構築した。また、この手順による改良の有効性を検証するため、熱電対アンプ回路に適用し、その誤動作の発生原因を究明、改良手法に対する効果の定量的な評価に有効であることを確認した。

応用技術開発事業

連携推進グループ

福祉機器の高性能化に関する研究

人体モデルを用いた数値シミュレーションを行う中で、圧力分布評価を行い、腰部から臀部にかけて支えるパッドを調節自在に装着する構造の車椅子用姿勢保持装置を開発し、製品化を行った。また、これまでに作成した筋電信号の処理技術をベースに、PCに筋電信号を取り込むソフトウェアコンポーネントを作成した。これをサーボモータや信号入力に応じた動画を表示するソフトウェアコンポーネントと組み合わせて、筋電信号の変化を視覚的に提示するシステムを構築した。

計測制御グループ

配管内走行ロボットの視覚機能に関する研究

配管内を走行するロボットが、内部を撮影した画像は特有の歪みを生じ、見にくい映像となる。この画 像を人間が見やすい平面画像に変換するための条件設定について検討した。その結果、カメラと照明が同 軸上にあるなどの条件が満足されれば、撮影画像を配管内部を展開した平面的な画像に変換できることを確認した。

実用化技術開発事業

化学・新素材グループ

低環境負荷で高効率な洗浄殺菌技術の確立

清酒製造機器(洗米ブラシ、蒸米放冷機、搾り機、発酵槽の撹拌翼、製麹皿、床側溝)を対象に次亜塩素酸を活用して泡沫洗浄した結果(有効塩素200ppm, pH 10)、ATP基準の清浄度が2桁向上するとともに、洗浄に使用した次亜塩素酸ナトリウム溶液量は従来の1/50以下に抑えることができた。

高分子グループ

フィラー充填系高分子複合材料の高性能化

プラスチックの機械特性として、衝撃強度と弾性率は重要な特性の1つである。弾性率を高めるためのフィラー添加は、通常、衝撃強度を低下させる。しかし、ポリプロピレン(PP)系材料に炭酸カルシウム(CaCO3)を添加することにより、PP/エラストマー/CaCO3複合材料の衝撃強度を10kJ/m2から5倍以上に向上させた。

染料の浸透性制御による繊維製品の高付加価値化

インジゴ系染料、並びに各種染料の綿繊維に対する浸透性を評価し、ロープ染色やインクジェット染色における染料浸透性制御技術を確立した。インクジェット染色については各種プリント条件(重ね打ち回数、インク吐出量、浸透剤の併用等)とインクの布帛への浸透特性を明らかとし、検討結果を基にインクジェットによるジーンズ等の染色製品を試作した。

低炭素社会に対応した軽量・高強度繊維強化複合材料の開発

四軸織物強化複合材料の力学的異方性の新たな評価方法として、単層板の円形試験片を用いた曲げ特性(0°、45°、90°)を検討した。その結果、二軸織物強化複合材料と比較して、四軸織物強化複合材料では、45°での曲げ弾性率の変動が小さく抑えられるなど、力学的等方性に優れることが明らかとなった。さらに、円形試験片での曲げ特性は、JIS規格に準用した長尺試験片と同等の結果を示すなど、四軸織物強化複合材料の力学的異方性の試験方法としての妥当性が示された。

金属・加工グループ

金属材料の環境対応型高機能化技術の開発

マグネシウム合金鋳造・展伸材(ASTM AZ10, AZ31B, AZ61, AZ91D)について陽極酸化処理を行い、疲労特性を調査した。その結果、六価クロム・ふっ化物を用いる陽極酸化では、りん酸塩を用いる処理と比較して疲労特性が顕著に低下した。また、異種材料接合では、金属-炭素繊維入プラスチック間の接合において、10MPa以上のせん断強度が得られた。

微細加工部品の高機能・高精度化に関する研究開発

Ni-Ti合金に対する熱処理が機械的特性におよぼす影響について検討した。その結果、体温付近で超弾性機能を安定して発現させるための処理温度が明らかとなった。またNi-Ti合金に対する有限要素解析を行ったが、鉄鋼材料と比して、材料定数の設定が非常に多く、特に変態温度に依存するパラメータの設定がシミュレーション結果に大きく影響することが分かった。

計測制御グループ

機器の小型化に対応した計測制御技術の開発

小型軽量かつ高性能の防音BOXの開発を目標に、能動制御の適用を検討した。まず、一壁面が金属パネル、他の面が剛壁の直方体空間内部に騒音源がある場合について、波動方程式およびパネルの運動方程式から、外部へパネルを透過する音響パワーの式を導出した。この式を用い、シミュレーションにより検討した結果、最適に配置した4つのアクチュエータにより振動を制御することで、透過音を抑制できることが分かった。

グリーンバイオ・プロジェクト推進事業

化学・新素材グループ

セルロース系バイオマスの微粉砕処理による繊維状粉体の開発

湿式ディスクミル粉砕によりリグノセルロースナノファイバーを調製する際に、レシチン(大豆由来)を添加し、微粉砕物の沈降挙動を観察した。その結果、未添加の場合は6h後には沈降し始めたのに対して、レシチン添加により得られたファイバー(繊維幅10-70nm程度)は1週間以上沈降することなく安定に水中で存在しており、水分散性が向上していた。