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平成23年度研究テーマ

戦略的基盤技術高度化支援事業

高分子グループ

高機能有機・無機ハイブリッド薄膜材料を用いた超ガスバリアフィルムの開発のためのロールツーロール型有機触媒CVD装置の開発

各種バリアフィルムの耐候性並びに皮膜の特性評価を行い、欠陥やシミ、クラックなどの構造的な欠陥や膜組成の変化がバリア性に及ぼす影響について解明した。さらにナノ領域における機械的特性評価により、膜の緻密度と密着性を評価できた。

金属・加工グループ

溶射プロセスに適応した合金設計とレーザ重畳ハイブリッド化による環境適合型高耐久性コーティングの開発

耐腐食性に優れた溶射皮膜の開発を目的に、新規設計した鉄基合金皮膜の元素分布を測定した。その結 果、溶射時の液滴表面に由来する酸素の網目状分布が減少した。これにより皮膜および基材への腐食因子 拡散を低減できることから、添加成分が溶射皮膜内部の酸化抑制に寄与することが確認できた。

鉄とアルミの異材溶接技術を用いた自動車部品軽量化の実用化研究開発

エラストマーシートを用いることで、鉄-アルミ間の強固な接合が可能となった。また、異種金属間にエラストマーを介在させることで、腐食抑制効果も確認された。

フォトニクスを用いた高性能マグネシウム製品のクローズド製造プロセスの創成

マグネシウム合金が環境に優しい材料として自動車や情報家電の部品に適用されている。本事業ではフォトニクスを適用したマグネシウム製品のリサイクル技術およびリサイクル材を用いた製品の高機能化技術の確立を目指している。今年度は、Ca添加難燃性Mg合金への新規表面処理技術の確立ならびに耐摩耗性に優れた新規トライボコーティング技術を確立し、マグネシウム部材の高機能化を実現した。

被削性およびコスト低減を可能にするスマート鍛造プロセスの開発

鍛造の加工歪と保有熱を制御し、鍛造品の組織を制御する新しい加工技術の開発を行った。その結果、粒度No.3以上の細粒が得られる制御鍛造条件を確立するとともに、目標値であるHB160の硬さであるフェライト+パーライト組織が効率よく得られる恒温熱処理(温度、時間)を確立した。

地域イノベーション創出研究開発事業

計測制御グループ

局所がん病巣を標的とする革新的生物製剤治療システムの開発

カーディオメディック(株)が開発した小型・軽量製剤注入装置について、保冷ボックスおよび薬液注入シリンジまわりの複数ポイントの温度変化を測定し、それらの保冷性能を評価した。また、電磁波試験等として放射電磁界測定や雑音端子電圧測定、消費電力測定を行った。雑音端子電圧測定においては、規制値を超えていたため入力にフィルタの追加等の処置が必要であることを示した。

産業活性化推進事業

化学・新素材グループ

CO2低減および再資源化を目的としたナノ粒子光触媒反応による光化学プラントの開発
CO2を原料として,有用物質(メタノール,エタノールなど)を生成できる光化学反応式マイクロリアクターを作製した。光化学反応に有効な触媒の選定,マイクロリアクター形状などを検討し,最適条件を見い出した。

岡山バイオマスイノベーション創出研究委託事業

高分子グループ

超微粉砕ナノセルロースが均質に分散された成形材料及び成形体に関する研究

京都大学が開発したナノセルロースファイバー(NCF)表面の化学修飾技術を活用し、表面にアセチル基を導入したNCFを作製した。アセチル基の導入によって、NCF分散成形体の脆さが改善される結果が得られ た。

次世代戦略技術実用化開発事業

金属・加工グループ

安全性に優れた生分解性次世代冠状動脈用ステントの実用開発

Mg合金製チューブに対してレーザ切断を行い、イオンミリング法を用いて切断面近傍の断面観察を行った。その結果、AZ系では明確な熱影響層は観察されなかったが、 WE系においては熱影響層が10-20μm存在することがわかった。

課題解決型医療機器の開発・改良に向けた病院・企業間の連携支援事業

高分子グループ

界面制御CNTコンポジット材料を用いた高機能人工関節の開発

人工関節用摺動部材として用いられるポリエチレン材料について、従来製品(クロスリンク品)と比較し、耐摩耗性は同等以上、かつ、耐衝撃性の向上したナノカーボンポリエチレン複合材料を開発した。

民間企業の研究開発力強化及び実用化支援事業(新規産業創造技術開発費補助金)

化学・新素材グループ

海外向け透析装置へのBパウダ機能付与の実用化研究開発

海外向け透析装置の販路維持と拡販を目的として、原液準備の機能(Bパウダシステム)を新たに付加した新型人工透析装置の開発を行った。工業技術センターでは、医療機器認証において必要となるEMC性能ならびに無菌性保証水準の向上のための性能評価と対策技術の検討・指導を行った。その結果、いずれの項目についても必要とされる性能を満たすことを確認した。

金属・加工グループ

高精度板厚内部残留応力計測システムおよび計測装置

金属材料の溶接にともなう残留応力の発生について、深穴開け加工・穴内面形状測定・くりぬき加工による応力分布測定法を開発した。形状測定方法として、共焦点レーザ方式による試作機を開発し、測定分解能ならびに繰り返し精度が、残留応力を±5MPaの精度で決定するのに必要な性能を有することを確認した。

研究成果展開事業(研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP))

化学・新素材グループ

オリーブ葉抽出物の微生物処理による新規機能性成分の実用化

微生物処理したオリーブ葉抽出物に含まれる新規機能性成分の分析法を確立するとともに、O2ラジカルに対する抗酸化性の評価を行った。

科学技術振興調整費(気候変動に対応した新たな社会の創出に向けた社会システムの改革プログラム)

化学・新素材グループ

森と人が共生するSMART工場モデル実証

檜チップを原料として、カッターミル、ディスクミル及び高圧ホモジナイザーを使用して湿式粉砕を行った。その結果、カッターミルによる粗粉砕の後、ディスクミルによる接触回転での微粉砕を行い、更に高圧ホモジナイザー処理を行った結果、繊維幅100nm程度のリグノセルロースファイバーが得られることが分かった。

特別電源所在県科学技術振興事業(文部科学省)

金属・加工グループ

離型性に優れた金型コーティング技術の研究開発

自動車用ゴム・プラスチック部品、溶融紡糸などの高分子部品や粉体成形品などの金型成形において、 成形品の品質および生産性の向上を目的とした離型性に優れた金型用の新規なPVDコーティング技術の開発を行った。

計測制御グループ

高効率な自然空冷機構の開発

電子機器の冷却技術として、ファンを用いない無騒音な自然空冷が注目されている。本研究では、煙突 効果を用いた自然空冷機構の高効率化に向けて検討を行った。自然空冷機構の入口面積と放熱フィンの断 面積の関係を用いて効果的なフィンの設置方法を示すとともに、冷却効率の予測式を作成した。また、煙 突部を加熱することで冷却効率が増大することを明らかにし、その加熱効果が現れる構造条件を示した。

基盤技術形成事業

金属・加工グループ

パンチ加工現象の把握

自作した微細パンチ加工システムを用いて、高速度カメラによる現象の解析ならびに加工力の測定を行った。高速度カメラでの撮影により、ストリッパの有無が金属箔の挙動に大きく影響を与えることがわかった。また、加工力を測定した結果、貫通加工の正否によって加工力の最大値が大きく異なることが確認できた。

連携推進グループ

CFRPの高品質加工技術の開発

CFRP(カーボン繊維強化プラスチック)の高品質・高能率加工を目的に、ウォータジェット加工を適用し、送り速度による切断面の評価を行った。その結果、送り速度が遅すぎても早すぎてもエッジ断面に切り残し(ダレ)が発生することが確認できた。

応用技術開発事業

計測制御グループ

配管内走行ロボットの視覚機能に関する研究

配管内を走行するロボットが、内部を撮影した画像は特有の歪みを生じ、見にくい映像となる。この画 像を人間が見やすい平面画像に変換するための条件設定について検討した。その結果、カメラと照明が同 軸上にあるなどの条件が満足されれば、撮影画像を配管内部を展開した平面的な画像に変換できることを確認した。

実用化技術開発事業

化学・新素材グループ

低環境負荷で高効率な洗浄殺菌技術の確立

密閉型食品機械の洗浄性評価に使用するモデル汚れの作製を検討した。食品由来汚れの主成分であるタンパク質を基本構成成分としながら、付着残留量の制御と拭き取り法による定量が可能という点に留意した結果、低脂肪加工乳(主要タンパク質:カゼイン)とタンニン酸の混合物が適することを見出した。本モデル汚れと拭き取り法の利用により、ステンレス鋼製のT字配管等で、表面粗さやL/Dや洗浄時間等を変数として洗浄性が評価可能であることを確認した。

発酵技術による物質生産とその高度化

無通風箱培養法を用いた試験製麹法を構築し、酵素生産におよぼす品温と水分の状態を評価した。グルコアミラーゼの生産は高温になるほど多く乾燥により減少したが、吟醸麹に重要なグルコアミラーゼ/αアミラーゼ比を高くするためには、より乾燥させ、αアミラーゼの生産を大きく抑えることが重要である考えられた。

マイクロリアクターを利用したナノ粒子合成技術の確立

マイクロリアクターを利用して、生体親和性を有するリン酸カルシウムナノ粒子を合成する条件を検討した。マイクロ反応場に強制的に所定濃度のカルシウムとリンを導入し、pHを6~9で制御し、温度を制御したマイクロ流路を通過させることにより熟成時間を確保した。その結果、不安定pH域でも粒子を強制的に形成させることができ、粒子形状をシート状・球状・棒状などに制御することができた。

高分子グループ

低環境負荷・高性能な高分子複合材料の開発

通常のプラスチック材料は石油を原料としているために、環境負荷が高いことが懸念されている。この環境負荷を低減させる試みとして、天然素材を用いることが挙げられる。そこで、最も汎用されているプラスチックであるポリプロピレンにセルロース粉末を複合化させることについて検討し、重要な特性の1つである弾性率を2倍まで向上させた。さらに、天然ゴム/ポリ乳酸系複合材料について検討し、良好な柔軟性を有することを見いだした。

染料の浸透性制御による繊維製品の高付加価値化

ロープ染色における中白状態の制御技術を確立するため、インジゴ系染料、並びに各種染料の綿繊維に 対する浸透性をフィルム巻層法により検討した。その結果、染料の浸透速度は染料ごとに大きく異なるこ とを確認し、各種染料の浸透速度とロープ染色における中白度と関係性を明らかにできた。

低炭素社会に対応した軽量・高強度繊維強化複合材料の開発

四軸織物複合材料の積層板における曲げ弾性率の角度依存性を円形試験片により評価した。その結果、 四軸織物複合材料の積層板における曲げ弾性率の角度依存性は、二軸織物複合材料と比較して、積層数、 積層方向に依存しないことを明らかにした。

金属・加工グループ

金属材料の環境対応型高機能化技術の開発

マグネシウム合金鋳造・展伸材(ASTM AZ91D, AZ31B)を対象として陽極酸化処理を行い、疲労特性なら びに微細構造について調査した。その結果、六価クロム・ふっ化物を用いる陽極酸化では、りん酸塩を用 いる処理と比較して疲労特性が顕著に低下し、この原因は、結晶粒の粗大化と、それに伴う変形領域の高 速伝播であることが示された。また、異種材料接合では、SUS-Al間にゴム状弾性体(エラストマー)を介 在させることで、ガルバニック腐食を防止できることを明らかにした。また、顕微鏡法を用い、腐食形態 を直接観察できる手法を確立した。

微細加工部品の高機能・高精度化に関する研究開発

切削加工により仕上げたTi表面に対して化学エッチング処理を行い、表面状態の変化について基礎的 な検証を行った。その結果,0.5-1.0μmRaの切削面に対して、エッチング処理を30~60sec.程度行うこ とで、0.2μmRa程度の表面粗さを実現できることが分かった。

計測制御グループ

機器の小型化に対応した計測制御技術の開発

軽量かつ高い遮音性能を実現するアクティブ遮音制御技術について、圧電フィルムによりパネルの振動をセンシングし、透過音を抑制する方法を新たに開発した。二次曲線でシェイピングした2本の帯状圧電フィルムを最適な位置に配置することで、400Hz以下の低周波数において、大きな制御効果が得られることを計算シミュレーションと実験から明らかにした。

グリーンバイオ・プロジェクト推進事業

化学・新素材グループ

セルロース系バイオマスの微粉砕処理による繊維状粉体の開発

檜チップを原料として、亜塩素酸塩処理(Wise法)した後に、ディスクミル及び高圧ホモジナイザーに よる粉砕を行った。その結果、Wise法処理した方が未処理と比較して微細な粉砕物が得られており、繊維 幅20-100nm程度のセルロースナノファイバーが得られた。繊維形態を有する結晶性セルロースミクロフィ ブリルと強固に複合しているリグニンが分解されることにより、粉砕が容易に進行したと推察される。