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平成28年度研究テーマ

戦略的基盤技術高度化支援事業

金属・加工グループ

極短パルスレーザーとめっきによるパワー半導体ガラス基板のマスクレス配線工法開発

めっき工程の最適化により、目標である温度サイクル試験500サイクルを達成できた。また、ガラス基板にレーザを照射する条件を検討し、最適な切断加工が可能な条件を見いだした。

化学・新素材グループ

バイオマス分解酵素の大量生産を可能とする固体培養技術の実用化開発

菜種油粕を再資源化するために小型試験機を用いて、セルフクローニング麹菌(単独株および2重複合株)の固体培養条件を検討し、複合酵素の高生産を達成した。

きらめき岡山創成ファンド支援事業

化学・新素材グループ

微生物変換による未利用資源オリーブ葉からの高機能性素材の開発

微生物変換により高付加価値化した未利用資源オリーブ葉に含まれる機能性成分を商業化するためには、変換反応に大量の活性菌体が必要となる。培養条件、黒色酵母の増殖サイクル、変換活性の関係を評価した結果、増殖サイクルを確認することで、効率的な大量培養方法を確立できた。

金属・加工グループ

コバルト-クロム合金の熱間型打ち鍛造における加工率と再結晶の高精度制御による高信頼性人工股関節製造技術の開発

コバルト-クロム合金製人工股関節 (ステム) の製造に必要な鍛造プロセスの開発にあたり、熱間型打ち鍛造における変形挙動ならびに微細構造の変化について調査した。変形過程ならびに金型形状の検討により、丸棒からの塑性加工のみでステム形状を得るとともに、ASTM F799 規格を満たす微細構造ならびに硬さを得る事ができた。

企業支援グループ、計測制御グループ

非常用発電用の高効率バッテリーチャージャーの1次試作

バッテリーチャージャーの核となるスイッチング電源の電力変換回路を試作した。SiCを用いて試作することにより、定格負荷状態で85%を超える電力効率が実現できた。

岡山バイオマスイノベーション創出研究委託事業

連携推進グループ

岡山県産木材を原料としたリグノセルロースナノファイバーの樹脂用強化材としての開発

リグノセルロースナノファイバー(LCNF)の疎水化を目指し、作製条件の設定を行った。LCNFの疎水化条件を確立し、その疎水化LCNFを樹脂に混合し、樹脂用強化材としての基本的物性を評価した。

高分子グループ

セルロースナノファイバー添加ゴム製品の多用途展開の開発

セルロースナノファイバー(CNF)をゴムに添加し、均一分散・複合化する技術開発に取り組み、添加剤を利用することにより物性が向上した。また、CNF複合化ゴムの多用途展開に向け、各種試作品を作製した。

特別電源所在県科学技術振興事業(文部科学省)

金属・加工グループ

ハイブリッドプラズマによるDLC成膜技術に関する研究

スパッタリング源とLIAプラズマを用いたCVDプラズマ源をハイブリッド化することにより、プロセス温度が100℃以下で、かつ基板バイアス電圧を印加しなくとも、樹脂基材上に緻密で硬質な水素含有ダイヤモンドライクカーボン膜を形成することに成功した。

基盤技術形成事業

企業支援グループ

特許情報分析による技術動向の把握手法に関する研究

膨大な特許情報から関連する技術動向を把握するため、「特許分類」や「特許情報間の類似度」に基づいて抽出した特許群の特徴を、機械的に記述する手法を検討している。本年度は「特許分類」により抽出した特許群を対象として、明細書中にある”発明を特徴づける語句”に着目し、各特許の内容を1文で表現することを試みた。その結果、各特許の分類過程を見える化することにより技術内容の把握が容易となった。

連携推進グループ

水素の利用を含むエネルギーの有効活用システムに関する技術調査及び萌芽研究

水素の利活用事業を進めるために、地域の特性を活かしたエネルギー有効利用システムの構築に関する技術調査を行った。その結果、県内においては、水島コンビナートの副生水素やオフガスを燃料とした産業用燃料電池をコンビナート近隣に設置し、排熱により得られる温水をパイプラインで周辺地域に供給するシステムが、地域活性化やエネルギー効率向上の観点から有効ではないかと推察された。

計測制御グループ

共振移動機構に関する研究

共振移動機構の最適化を目標に、高速度カメラによる動作解析、有限要素法を用いた周波数応答解析による軌跡予測、低次元モデルによる楕円軌跡の最適化などに取り組んだ。動作解析の結果を基に製作した小型モデルについて数値解析および理論計算を行い、形状や材料を変化させた場合の動作状態を予測する技術を確立した。この動作予測技術を元に、構造の最適化が可能となった。

金属・加工グループ

金属と樹脂の接合に関する基礎的研究-実験と計算機シミュレーションによる評価

計算機シミュレーションを用いて、化学結合力の観点から、金属と樹脂の接合力の予測を試みた。その結果、シミュレーションで得られたエネルギーの利得と実験で得られた接合力が相関するという知見を得た。さらに計算で得られた安定な構造から、価電子密度分布や有効電荷を算出し、接合メカニズムを解析した。

応用技術開発事業

金属・加工グループ

難削材の切削とその加工現象に関する研究

加工現象の見える化と、これを利用した加工の安定化を目標として、高速度カメラと動力計を用いた測定システムの構築を行った。加工条件をパラメータとして、動画と加工力を比較・解析することにより、切りくずの排出の様子や、びびりの原因となる振動成分を確認することが可能となった。

グリーンバイオ・プロジェクト推進事業

連携推進グループ、高分子グループ

セルロース系バイオマスの微粉砕処理による繊維状粉体の開発

セルロース系素材の表面に様々な化学処理を行い、粉体特性評価を行った。セルロース系素材の疎水化条件を最適化し、疎水化セルロース系素材粉末を作製することができた。また、その粉末を用い、ポリプロピレン等の樹脂複合試験体を作製し、機械的強度を評価した。

実用化技術開発事業

連携推進グループ

粒子材料の高機能化・高精密化に関する研究開発

高温型マイクロリアクターを用いて、導電性を有する酸化インジウムスズ(ITO)ナノ粒子の合成条件の検討を行った。その結果、温度、pH、出発原料を最適化することにより、直径約7nmで、粒度均一性に優れた粒子を合成することができた。

化学・新素材グループ

固体発酵技術の高度化と応用展開に関する研究開発

製造現場では、それぞれ多様な環境・条件・装置で製麹を行っている。実際に、どのような作業因子により製麹状態を制御できるかは解明できていない。試験製麹により構築した麹菌の生育を適切に管理制御するための客観的な作業指標をもとに、製麹後半の乾燥が与えるハゼ状態への影響を明らかにした。

高分子グループ

複合化技術を用いた高分子材料の開発

異種材料の混入によるリサイクル製品の特性低下を防ぐ目的で、相溶化材の添加を検討した。ポリプロピレン/ポリエステル複合廃プラスチックでは、相溶化材の添加により、ポリプロピレン中に分散するポリエステルが微細化することを電子顕微鏡観察にて確認した。

化学・新素材グループ

食品製造環境の清浄化技術の高度化に関する研究開発

EHEDG Doc.2試験(洗浄性評価試験)の成立条件(基準パイプの汚れ残存率5~30%)を満たす操作条件を検討し、標準洗浄条件を基本として洗浄剤濃度、洗浄温度の最適条件を見いだした。あわせて、Doc.2の実施方法(操作指針)について手順書としてまとめた「Doc.2実施フローチャート(案)」を作成・提案した。

高分子グループ

洗い加工の高度化による革新的ジーンズ加工技術の開発

ストレッチジーンズの劣化を抑えた洗い加工技術の確立を目指し、ストレッチ糸に対する次亜塩素酸ナトリウムの各種処理条件や添加薬剤が伸度や強度に及ぼす影響について検討した。その結果、劣化に及ぼす主要因が解明でき、劣化抑制条件を見いだすことができた。

金属・加工グループ

高精度プロセス制御による精密加工・金属材料の高付加価値化

鋳造用マグネシウム合金の高機能化について、合金に添加する炭素源粒子の合成条件を検討し、適切な粒径にすることで、機械的特性が向上する事を確認した。工具の知能化について、音響領域の工具振動を加速度センサで検出し、デジタルフィルタリングによって周波数解析を行い、無線送信するためのファームウェアならびにソフトウェアを開発した。

計測制御グループ

高付加価値機器におけるシステムの複雑化に対応した最適制御技術の開発

機器の高付加価値化を目標に、電磁波シールド性能評価用アンテナの開発、微小板を用いた遮音構造の開発、加振力の伝達特性の解明、熱交換器の設計などに取り組んだ。評価用アンテナについては、2つの帯域に分けたアンテナを組み合わせることにより放射特性を向上できることを見いだし、新しい評価用アンテナの構造を提案した。微小構造の音響特性については、直径10mm程度の弾性板を用いて特定帯域の音を透過する構造を開発した。