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平成29年度研究テーマ

戦略的基盤技術高度化支援事業

金属・加工グループ

極短パルスレーザーとめっきによるパワー半導体ガラス基板のマスクレス配線工法開発

めっき工程を最適化することより,目標である温度サイクル試験1000サイクルを達成し、ガラス基板の信頼性が向上した。また,従来までのレーザ加工条件を見直すことで,生産時間の大幅な短縮に成功した。

化学・新素材グループ

バイオマス分解酵素の大量生産を可能とする固体培養技術の実用化開発

育種された複合酵素高発現セルフクローニング株の有用株を決定し,固体培養条件の最適化により目的とする複合酵素の同時高生産を達成した。また,固体培養物を適切に乾燥させることで複合酵素の活性を維持し,保存流通のための安定性を確保することができることを示した。

CNFトライアル支援補助事業

高分子グループ

セルロースナノファイバーを用いたインクジェットプリント技術の開発

繊維布へのインクジェットプリントでは,濃色印刷が困難であり,またプリントエッジ部分に滲(にじ)みが生じるなどの問題があった。本研究で,セルロースナノファイバー(CNF)を繊維布に塗布することで,印刷品質が向上することを明らかとし,各種試作品を作製できた。

特別電源所在県科学技術振興事業(文部科学省)

基盤技術創成グループ

ハイブリッドプラズマによるDLC成膜技術に関する研究

高電力パルス電源を用いたバイアススパッタリングと高密度プラズマ源によるハイブリッドプラズマにより、高硬度水素含有DLC膜の成膜に成功した。さらに異なる膜質のDLC膜を作製し、表面の化学結合状態とゼータ電位の関係について知見を得た。

基盤技術創成グループ

塩素系薬剤の作用機構と高分子材料への影響に関する研究

次亜塩素酸に替わって食品等の殺菌用途での活用が拡(ひろ)がっている亜塩素酸について,殺菌特性を速度論的に評価した。亜塩素酸水溶液の殺菌効果はpHが低いほどが高く,アレニウス型の温度依存性であることを明らかにした。次亜塩素酸と比較して亜塩素酸は殺菌に1000倍の濃度が必要と見積もられた。

基盤技術形成事業

企業支援グループ

技術文献を対象とした概要把握手法の効率化に関する研究

技術文献群の内容を容易に把握するため,テキスト処理や統計的手法等を用いて,文献群の概要を効率的にまとめる手法を検討している。今回はWeb上に公開されている特許公報情報を対象として,数十件程度の技術文献群の内容について,その文献が属する文献群の中でどれくらい一般的な内容であるかを順位付けするため,文献群全体に対する類似度を数値化する実験を行った。

連携推進グループ

県内低未利用資源を活用した次世代エネルギー産業の創出に関する調査研究

本研究では,県内の農林業及び工業における未利用資源を活用した地産地消の取り組みについて調査研究を行った。その中でバイオマスの利活用に関しては,廃棄されているヒノキの葉に着目した。ヒノキの葉を無酸素下で加熱処理したところ,ペレット燃料として利用可能な半炭化物を試作することができた。

金属・加工グループ

次世代インバータの基礎的研究

次世代インバータパワーモジュール”SiC-MOSFET”の特有の問題である高速スイッチングに起因する電気ノイズの抑制について取り組んだ。その結果,ゲート駆動回路の電源を検討することによって,低負荷領域でのノイズの影響を緩和することが可能になった。また,低負荷領域においては,従来型のSi-IGBTパワーモジュールより, SiC-MOSFETの方が,約10%効率がよいことが確かめられた。

応用技術開発事業

金属・加工グループ

難削材の切削とその加工現象に関する研究

開発した加工現象解析システムによって,高速度カメラによる動画と加工力を同期して現象を可視化することが可能となった。また,得られた加工力や断面粗さ曲線に短時間周波数解析を適用することで工具摩耗と転写性を評価することが可能となった。

グリーンバイオ・プロジェクト推進事業

連携推進グループ

セルロース系バイオマスの微粉砕処理による繊維状粉体の開発

疎水化したセルロース系素材をフィラーとして用い,ポリプロピレン樹脂複合試験体を作製した。マイクロX線CT測定により,試験体中のセルロース系素材の分散性を評価し,その分散性評価と強度物性評価に関して,相関性を解析した。

実用化技術開発事業

化学・新素材グループ

食品製造環境の清浄化技術の高度化に関する研究開発

国際的な食品製造装置の定置洗浄適性試験(EHEDG Doc.2)の国内での実施を目的として,洗浄適性評価試験法に含まれる暗黙知の形式知化を行い,その作業手順をマニュアル化した。洗浄適性試験を行うためのプラントを試作し,この試作プラントの構成で洗浄適性評価試験を実施できることを実証した。洗浄適性評価の操作性と再現性を向上させるためにはバルブの開閉のシーケンス制御,すすぎ水の温調などのハード面での改善が望ましいことを確認し,認証試験機関に設置するプラントに反映させた。

計測制御グループ

高付加価値機器におけるシステムの複雑化に対応した最適制御技術の開発

機器の高付加価値化を目標に,電磁波シールド評価法,乾燥特性予測手法,音響フィルタ設計法などの開発に取り組んだ。電磁波シールド評価法においては,アンテナ位置の影響について検討し,適切な設置位置を明らかにした。乾燥特性予測手法においては,野菜等からの水分の蒸発をモデル化し,数値解析手法により重量変化などを予測することが可能になった。音響フィルタについては,弾性板と微小孔によって,特定周波数の音を透過させる構造の設計法を確立した。

高分子グループ

洗い加工の高度化による革新的ジーンズ加工技術の開発

ストレッチジーンズの劣化を抑えた洗い加工技術の確立を目指し,次亜塩素酸ナトリウムの各種処理条件や添加薬剤がストレッチデニムの脱色及び伸度や強度に及ぼす影響について検討した。その結果,脱色及び劣化に及ぼす主要因を解明し,更にストレッチデニムの劣化を抑えた脱色条件を見いだすことができた。

金属・加工グループ

高精度プロセス制御による精密加工・金属材料の高付加価値化

鋳造用マグネシウム合金の高機能化について,適切な粒径の炭素源を添加することで,高圧金型鋳造品の内部空隙が減少し,機械的特性が向上した。工具の知能化について,音響領域の工具振動を加速度センサで検出し,加速度波形を無線送信するとともに,高速フーリエ変換によって周波数解析を行うためのファームウェア並びにソフトウェアを開発した。研磨の高効率化について,回転曲げ疲労試験片のクビレ部を対象とした電解研磨の条件を決定するとともに,板状試験片に電解砥粒研磨を行うためのハードウェアを作製し,計測制御ソフトウェアを開発した。

連携推進グループ

粒子材料の複合化に関する研究開発

マイクロ空間を反応場として利用できる連続流通式の銀粒子製造装置の設計・構築を行った。原材料の選定及び反応条件を最適化し,平均粒子サイズ2.5nm(標準偏差±1.0nm)の銀粒子を連続で合成することに成功した。

化学・新素材グループ

清酒製造技術の高度化に関する研究開発

麹(こうじ)の品質を評価する新たな科学的指標を構築するために,製麹工程における脂質の動向と,空間を含む熱と水分の動態を確認した。また,麹粒切片の質量解析に必要な検出条件を確立した。

高分子グループ

構造制御技術を用いた高分子複合材料の開発

異種材料の混入によるリサイクル製品の特性低下を防ぐ目的で,相溶化材の添加を検討した。廃プラスチックとして排出されたポリエチレンとポリアミドとの複合化では,相溶化材の添加が材料中の分散相ポリマー粒子の微細化に有効であった。