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感染症の注目情報(インフル注意報解除、百日咳報告数が過去最多)
インフルエンザについて(注意報を解除しました)
県では、令和6年11月21日に「インフルエンザ注意報」、令和6年12月26日に「イ ンフルエンザ警報」を発令し、令和7年2月7日からは注意報に切り替えて、県民 への注意喚起を図っておりましたが、県内の定点当たり患者報告数が第18週(4月28 日から5月4日)に0.92人、第19週(5月5日から11日)に0.70人と、県で定める注意報解除基準(2週連続して、1人を下回った場合)を満たしたことから、令和7年5月16日に「インフルエンザ注意報」を解除しました。
【令和7年5月16日報道発表資料】「インフルエンザ注意報」を解除しました [PDFファイル/229KB]
なお、県内のインフルエンザの流行期は過ぎたものの、依然として患者が報告されており、また、県内では「百日咳」の患者報告が急増している状況にあることから、手洗い、手指消毒の実施など、引き続き、基本的な感染対策をお願いします。
インフルエンザ対策について(現在、注意報等の発令はありません)
(R6年度シーズン)岡山県内の学校等におけるインフルエンザとみられる臨時休業(報道発表資料)
百日咳について(県内の患者報告が過去最多となりました)
県内において、5類全数把握感染症に規定されている百日咳の患者報告数が、4月に入り過去に例を見ないペースで患者報告が急増している状況にあったことから、4月25日に次のとおり県民への注意喚起を図ったところです。その後も患者報告は増え続け、第19週(5月5日から5月11日)には37人報告(5月14日時点)され、令和7年の累積報告数は430人となり、これまで県内で最多報告数であった令和元年(2019年)の428人を上回りました。今後も患者が増加することが懸念される状況にあるため、注意が必要です。患者報告の多くは、5歳から14歳に集中しており、全報告の74.0%を占めています。
【令和7年4月25日報道発表資料】百日咳の患者報告が急増しています(注意喚起) [PDFファイル/576KB]
百日咳は、百日咳菌の感染によって、特有のけいれん性の激しい咳発作を特徴とする急性の気道感染症です。いずれの年齢でも罹患しますが、小児が中心の感染症です。乳児(特に新生児や乳児期早期)では重症化し、肺炎・脳症を合併し、まれに死に至ることもあるため注意が必要です。
感染経路は主に飛沫感染・接触感染であるため、感染予防と拡大防止には、手洗いや咳エチケットなど基本的な感染防止策が有効です。
また、予防には、定期接種の対象で生後2か月から接種可能な、百日咳ワクチンを含む5種混合ワクチン等の接種が有効です。
ダニ媒介感染症について(患者報告の多い時期に入っています)
ダニ媒介感染症が発生しやすい時期に入っています。県では昨年、日本紅斑熱の患者報告数が過去最多を更新しており、今後も患者数の増加が懸念される状況にあります。日本紅斑熱を含むダニ媒介感染症の予防には、ダニに刺されないことが最も重要です。これからの時期に、野山などへ入られる方は、下記チラシに記載のとおり予防対策の実施をお願いします。
ダニ媒介感染症予防啓発チラシ(R7年度版) [PDFファイル/528KB]
ダニが媒介する感染症について詳しくは(岡山県感染症情報センター)
急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスが開始されました
厚生科学審議会感染症部会での審議を経て感染症法施行規則の改正により、令和7年4月7日から急性呼吸器感染症が感染症法上の5類感染症に位置付けられ、全国一斉に定点サーベイランス(継続的に発生動向を把握すること)が開始されました。サーベイランスは患者報告だけではなく、患者の一部から採取した検体を用いて病原体の検出も実施しております。
県内の最新の急性呼吸器感染症(ARI)の動向はこちら(岡山県感染症情報センターホームページ)
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)とは、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)又は下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群の総称です。インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルス、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナなどが含まれます。
今回、急性呼吸感染症を5類感染症に位置付けた理由は、新型コロナウイルス感染症の経験を踏まえ、(1)飛沫感染等により周囲の方にうつしやすい急性呼吸器感染症の流行の動向を把握すること、また、(2)仮に未知の呼吸器感染症が発生し増加し始めた場合に迅速に探知することが可能となるよう、平時からサーベイランスの対象とするためです。
急性呼吸感染症を5類感染症に位置付けられたことにより、風邪のために病院に行く際の負担などが変わることはありません。また、就業制限や登校制限の対象になることもありません。5類への位置付けは、感染症の発生動向を把握できる体制を整え、県民や医療関係者の皆様へ情報提供するためのものです。
より詳しい情報については、下記の厚生労働省ホームページをご覧ください。
急性呼吸器感染症(ARI)に関するQ&A(厚生労働省ホームページ)
RSウイルス感染症(例年同時期と比較して県内の患者報告が増えています)
県内の定点当たり患者報告数が、例年同時期と比較して多い状況です。
RSウイルス感染症は、RSウイルスによる急性呼吸器感染症であり、症状は、発熱や鼻汁などの軽いかぜ様の症状から肺炎まで様々です。このウイルスは、生涯にわたって感染を繰り返しますが、多くの場合は軽い症状で済みます。ただし、初めての感染時には重症化しやすく、特に生後6か月以内の乳児では、重症化により入院にいたるケースもあります。
国内では、これまで夏頃から患者が増加傾向となり秋にピークが見られていましたが、コロナ禍以降は、春から初夏に増加傾向となり夏にピークが見られるようになっており、流行時期が早まっている可能性があります。今年は、県内同様、全国データからも流行時期がさらに早まっている可能性があり、今後患者が増加していくことが考えられるため、発生動向には注意が必要です。
腸管出血性大腸菌感染症について
その他注目すべき感染症について
岡山県感染症情報センターについて(メルマガ配信等)
岡山県では、感染症に対する地域の監視体制を充実し、流行の実態を早期に的確に把握し、感染症のまん延を未然に防止するため、岡山県環境保健センター内に「岡山県感染症情報センター」を設置しています。
岡山県感染症情報センターでは、ホームページを開設して、インフルエンザなどの感染症発生情報(週報、月報)等の詳しい情報を定期的に掲載しております。また、ホームページへ感染症情報を掲載した際には、メールマガジンによる配信も実施しております。