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劇症型溶血性レンサ球菌感染症について
県内でも劇症型溶血性レンサ球菌感染症患者が報告されています。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症について
原因となる溶血性レンサ球菌は、一般的には急性咽頭炎の原因となりますが、まれに重篤な劇症型溶血性レンサ球菌感染症を引き起こすことがあります。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症の初発症状は、咽頭痛、発熱、消化管症状(食欲不振、吐き気、おう吐、下痢)、全身倦怠感、低血圧などの敗血症症状、筋痛などですが、明らかな初発症状がない場合もあります。後発症状は、軟部組織病変、循環不全、呼吸不全、播種性血管内凝固症候群(DIC)、肝不全や腎不全などで、敗血症性ショックを病態とした多臓器不全が急速に進行します。
基本的な感染防止策や創傷部位の適切な処置などが予防に効果的とされていますが、発熱、咽頭痛や創傷部位の発赤、腫脹、痛みなど、本症を疑う症状がみられた際には、早めに医療機関を受診しましょう。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症は、感染症法上の分類で全数報告対象の5類感染症に属しており、診断した医師は7日以内に最寄りの保健所へ届け出ることとされています。
岡山県内の劇症型溶血性レンサ球菌感染症発生状況について
県内の2023年の患者報告数は10名であり、例年より多くなっています。さらに2024年は、過去10年間で最多となった2018年の報告数(14名)を既に超えています(5月末時点)。年齢別では、30歳代以上での発生が多数を占めています。