ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 岡山県環境保健センター > 紫外線とオゾン層について

本文

紫外線とオゾン層について

印刷ページ表示 ページ番号:0040980 2017年10月20日更新環境保健センター

紫外線とオゾン層について

紫外線

 最近、テレビや新聞などで紫外線情報やUVケア商品のコマーシャルなどよく見かけるようになりました。紫外線はお肌の大敵・・・。確かにお肌の大敵ですが、なにか美容とだけ関係があるようなイメージをお持ちではないですか?
 紫外線はお肌の美容のみならず、人の健康や地球環境と大きく関わっているのです。本ホームページで皆様にわかりやすく伝えたいと思います。

オゾン層

 オゾン層ということば、どこかで聞いたことがあると思いますが・・・。
 オゾン層は地上から約10から50kmあたり(成層圏)に集まるオゾンのことで、私たちが気がつかないところで私たちを守ってくれている大切な大気の層なのです。
 オゾン層は今から約4億年前にできたのですが、どのようにできたかといいますと、原始の海に誕生した植物プランクトンにより約32億年かけて酸素がつくられ地球が空気で覆われるようになりました。そのうちのほんの一部がオゾン層になったのです。
 実は地上に生物が住むようになったのは、このオゾン層ができて太陽からの有害な紫外線をカットしてくれたからなのです。
 つまり、地球上の生命は太陽からの光をそのまま浴びているのではなく、オゾン層というフィルターによって有害紫外線をカットした「ソフトな太陽の光」の中で暮らしているのです。

オゾン層の破壊

 1985年に南極上空にオゾンホールが発見されて以来、毎年オゾンホールの拡大が確認されてきました。
 オゾン層は私たちが大気中に排出したフロンという物質により破壊されています。
オゾンホールの拡大
 フロンは冷蔵庫やエアコンの冷媒、精密機械の洗浄、ヘアスプレーなどに使用されてきました。
 現在ではフロンは製造中止になりましたが、それまでに排出されたフロンは10から20年程度かけてオゾン層に到達するため、
現在でもオゾン層の破壊は進行しており、南極上空のみならず、北半球、日本上空でもオゾン層が減っていることが確認されています。

紫外線の種類

 紫外線の種類は波長により以下の3種類分けられ、生体への影響が強い紫外線のうち、UV-Bがオゾン層の変化に影響されることから、現在その増加が問題となっています。
紫外線の種類

種類(波長)

地上への到達度

生物への影響

Uv-A

(315から400nm)

地表まで到達する。

Uv-Bほど有害ではないが、長期間曝露された場合の健康影響が懸念される。

Uv-B

(280から315nm)

ほとんどは成層圏オゾン層などに吸収されるが、一部は地表へ到達する。

一般に、有害紫外線と呼ばれる。皮膚や眼に非常に有害である。日焼けを起こしたり、皮膚がんの原因になる。

Uv-C

(100から280nm)

大気や成層圏オゾン層に吸収されて、地表には到達しない。

非常に有害である。殺人光線と呼ばれる。

紫外線の体への影響

 日焼けとは、皮膚が「やけど」をすることで、熱湯などによるやけどとは違い、皮膚が紫外線により被曝した結果生じるものです。
 日焼けを繰り返せば、シミ、シワといった美容として皮膚の老化が早まるだけでなく、皮膚ガンの原因にもなってきます。
 紫外線、特に紫外線Bはエネルギー量が大きいため皮膚細胞の中のDnaを傷つけてしまいます。
 少量の場合は自然に修復されるのですが、過度の日焼けをするとDnaが突然変異を起こして修復不可能になり、皮膚ガンが発生するようになります。
 皮膚ガンはオーストラリアで最も発生率が高く、年間1000人以上の人が死亡しています。悪性黒色腫(メラノーマ)の発生率も世界的に増加しています。
 ほかにも紫外線Bは目にも影響を及ぼし、白内障と関係があるといわれています。
 WHOによると、現在、世界中で1600万人が白内障の結果失明しており、この内20%は紫外線が原因と推定しています。
 さらには人体の免疫システムにも紫外線は関与していて、一般的に日本人など有色人種は白色人種に比べて、さほど紫外線の影響は受けないと思われていますが、免疫系に関しては紫外線Bは肌の色とは無関係に有害だと考えられています。

紫外線の強さ

 紫外線の強さを表す方法はいくつかあります。Uv-B強度は280nmから315nmまでの紫外線を単純に積算したもの。これに対してCie紫外線強度は人の皮膚に紅斑(赤い日焼け)を引き起こす線量を重みづけし、人体に対する影響の強さを的確に反映しているものです。
 現在、国際的に用いられている紫外線の指標はUvインデックスと呼ばれ、290nmから400nmの範囲のCie紫外線強度を40倍して指標化したものです。
紫外線の強さ
 紫外線の強さは時刻や季節、さらに天候、オゾン量によって大きく変わります。
 同じ気象条件の場合、太陽が頭上にくるほど強い紫外線が届きます。
 一日のうちでは正午ごろ、日本では6月から8月に最も紫外線が強くなります。
 下のグラフは当センターで測定した2006年7月14日のもので、朝、晩は数値が低いですが、10から15時ぐらいまでが紫外線が強く、12時を中心に最も高くなっています。
センターで測定した紫外線