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県立瀬戸南高校では、地域の小学生を高校の敷地内にある田んぼに招き、田植えや稲刈り体験を通した交流会を行っています。今年度は、6月に田植え体験を、10月に稲刈り体験をし、12月にそのお米を小学校に持っていく計画を立てています。
10月4日、稲刈り体験の日です。岡山市立江西小学校5年生の児童が、瀬戸南高校にやってきました。小学校5年生は、社会科の授業で「米づくり」について学習します。教科書だけでなく、実体験を通して学んでもらおうと、瀬戸南高校が学習の場を提供しています。高校による地域連携・地域貢献の一つです。
生物生産科3年生の生徒が迎え入れ、田んぼまで案内をします。
田んぼまでの道中、小学生はあるものが気になった様子。「あれは何?」高校生に尋ねます。「あれは稲わらで、干しておいて牛の餌にするんよ」「へぇーすげー!」
あちこちで、何気ない会話から交流がスタートしていました。
田んぼに到着です。6月に田植えをした苗が、立派な稲に育っています。久々に瀬戸南高校にやってきた小学生たちは、早くもワクワクしている様子です。一方、高校生は、「うまく説明できるかな」と考えているのでしょうか、緊張が背中から伝わってきます…
緊張もありましたが、生徒が主導し、今日の活動について説明します。
活動に入る前に、高校生が実際に稲刈りをやって見せます。鎌の扱いなど、安全の大切さについても訴えます。小学生も一生懸命聞いてくれました。
さあ、いよいよ稲刈り体験のスタートです。小学生は2人1組になり、稲を刈って、束ねて、と作業を進めていきます。「結べるかな?一緒にやろうか」「もう少し上の、稲のこのあたりを持ってから鎌を使うとやりやすいよ」と助言をするなど、高校生も近くで見守ったり束ねるのを手伝ったりし、あちらこちらで交流が見られました。
「ちょっと話聞いてー!」楽しく稲刈りが進んでいましたが、高校生からストップがかかりました。「踏んでしまっては危ないから、鎌の置き方には気を付けよう。それから、足元に落ちている稲は拾って、一緒に束ねてね。お米を大事にしよう」
活動の途中に安全上の注意、育ててきた米を大切にするという声かけをすることで、丁寧にその後の活動も進めていくことができました。良いタイミングでの、的確な指示はすばらしかったです。
1時間程の活動でしたが、みんなで力を合わせ、これだけの面積の稲を刈ることができました。高校生からの「がんばった人~?楽しかった人~?」の問いかけに、「はーい」と大きな返事が返ってきました。「今日刈った稲は、この後脱穀機にかけ、乾燥機で乾燥させ、もみすりをした後に精米をしたら、ようやく食べられる白米になります。12月のお米パーティで食べられるように準備しておくので、楽しみにしていてくださいね」と今後の作業過程の説明をして、稲刈り体験会は終了しました。
小学生からは、「楽しすぎた!」「束ねるのは大変だったけど、手伝ってくれて上手にできてよかった」「お米になるのが楽しみ」といった声が聞かれました。非常に充実した時間となったようです。
校門の外まで見送り、12月の再会を約束しました。
今後の活動について高校生たちは、「口に入るものなので、衛生面を一番に気を付けていきたい。また、等級検査も受けるので、1等になってくれると嬉しい。そうすれば、小学生も作ってよかったと思ってくれるはず」と抱負を語ってくれました。