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「税金って知ってる?」「税金を払ったことある人?」そんな呼びかけから始まったのが、西大寺高校3年生が先生となって行った「租税教室」です。9月29日に、岡山市立西大寺小学校6年生を対象として実施しました。
西大寺高校の商業科では、3年次に「課題研究」に取り組みます。これは、「簿記」「商品開発」などの講座から、生徒が自分の興味や関心に応じて選択し、自主的にその分野を学習するというものです。そのうちの一つである「開放講座」を受講する6名が「租税教室」に取り組みました。
小学生に対しては、税の仕組みや大切さを理解してもらい、税の使われ方にも興味をもたせることを狙いとし、高校生にとっては税についての理解を深めるとともに、授業を行う経験をとおして、実行力・プレゼンテーション力・コミュニケーション力など社会人として必要な力を身に付けることを目指したものです。
児童に税に関する興味をもたせようと、「みんなにとって一番身近な消費税について勉強しよう」「消費税はどこにいくのか勉強しよう」と、身近な話題から授業を進めていきました。初めはお互い緊張がありましたが、高校生が笑顔で児童に寄り添う声かけをすることで、小学生も積極的に発言できるようになり、だんだんと明るい雰囲気で授業が進んでいきました。
消費税については馴染みの深い児童も、公園、コンビニ、ファミレス、市役所、パトカーなどから「税金が使われているものはどれかな」というクイズが出されたときには悩んだようで、税金が使われているもの、使われていないものの違いを学ぶことができました。
この取組は、高校と小学校との学校間の連携のみにとどまらず、地域の税務署、法人会、商工会議所との連携のもと展開されています。生徒はこの日に向けて、約1か月にわたり準備をしてきました。その中では困難もありましたが、税務署職員の方などと協力し、授業づくりを進めました。
「楽しんで学習してもらいたいと思って準備をしてきたが、楽しんでくれているのがわかったので嬉しかった」「税に興味をもってくれるか不安だったが、質問をしてくれるなど興味をもってくれたのが伝わり、安心した」「小学校の教員になりたいという思いをもっていたが、今回の経験でよりその思いが強くなった」と活動を振り返った生徒の表情は、充実したものでした。