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岡山県がん対策推進条例

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年4月1日更新

岡山県がん対策推進条例

 健康で心豊かな生活を送ることは、全ての県民の願いである。本県は、豊かで災害の少ない自然環境の下で、関係者の多大な努力により良好な医療環境が築かれ、また、全市町村に組織を有する愛育委員や栄養委員などの健康づくりボランティアの献身的で活発な活動に支えられ、県民の健康水準は概ね良好な状態を保っている。
  そうした中でも、がんは、昭和五十七年以降、県民の死因の第一位を占め、高齢者だけでなく、子どもや働き盛りの者なども含めて誰もが罹患する可能性がある疾患であり、県民の生命、心身の健康及び生活にとって大きな問題となっている。
  がんに立ち向かうために、行政機関のみならず、県民、保健医療福祉関係者、教育関係者、事業者、医療保険者、健康づくりボランティア、がん患者団体その他の関係者が、それぞれの役割を認識し、協働してがん対策に取り組むことが求められている。
  がんで死亡する県民を少なくすることを旨として、県民一人一人ががんに関する正しい知識を持ち、がんの予防及びがん検診の受診に努めることが重要である。また、県内どこでも良質で水準の高い医療や緩和ケアが提供される環境や、がん患者及びその家族の意向に応じた在宅医療及び介護サービスの切れ目ない提供などにより、住み慣れた家庭や地域で尊厳を保ちながら自分らしく生き、満足した最期を迎えることができる環境の整備も重要である。
  一方、がんに罹患しても、治療を終えて社会に復帰している者や、抗がん剤等による治療を受けながら就労を続ける者も多い。こうした状況を踏まえ、がん患者及びがん経験者に対する就労面における支援など、がんに罹患しても安心して暮らせる社会を構築することが必要となっている。 
  私たちは、このようながんという疾患並びにがん患者及びその家族を取り巻く状況を深く認識し、しっかりと未来を見据え、「県民が、がんを知り、がんと向き合い、がんになっても自分らしく生き抜くことのできる岡山県」の構築に向かって、一丸となってがん対策を推進することを決意し、この条例を制定する。
  (目的)
第一条 この条例は、がん対策基本法(平成十八年法律第九十八号)の趣旨を踏まえ、がん対策に関し、基本理念を定め、県、市町村、県民、保健医療福祉関係者、事業者(労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第十条に規定する使用者をいう。以下同じ。)及び医療保険者の責務又は役割を明らかにするとともに、県の施策の基本となる事項を定めることにより、がん対策を総合的かつ計画的に推進し、もって県民の健康で心豊かな生活の実現に寄与することを目的とする。
  (基本理念)
第二条 がん対策は、「県民が、がんを知り、がんと向き合い、がんになっても自分らしく生き抜くことのできる岡山県」の構築を目指し、次に掲げる事項を基本理念として推進されなければならない。
  一 がん患者(以下「患者」という。)及びその家族(以下「患者等」と総称する。)を含む県民の視点に立って推進されること。
  二 県、市町村、県民、保健医療福祉関係者、教育関係者、事業者、医療保険者、健康づくりボランティア及びがん患者団体(以下「患者団体」という。)その他の関係者の適切な役割分担の下に、一丸となって推進されること。
  三 県民のがんの予防及び早期発見に向けた自発的な取組の促進、良質ながんに係る医療(以下「がん医療」という。)の提供体制の整備等により、がんによる死亡の減少を図ること。
  四 良質な緩和ケア(患者の身体的若しくは精神的な苦痛又は社会生活上の不安の軽減等を目的とする医療、看護、介護、相談その他の行為をいう。以下同じ。)、在宅医療及び介護サービスの提供、相談支援の充実等により、全ての患者等の苦痛の軽減及び生活の質の維持向上を図ること。
  五 県民に対するがんに関する正しい知識の普及啓発、患者に対する就労面における支援等により、がんに罹患しても安心して暮らせる社会の構築を図ること。
  (県の責務)
第三条 県は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、本県の特性に応じたがん対策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。
2 県は、がん対策の実施に当たっては、県民の理解を得るよう努めるとともに、国、市町村、県民、保健医療福祉関係者、教育関係者、事業者、医療保険者、健康づくりボランティア及び患者団体その他の関係者と緊密な連携を図らなければならない。
  (市町村の役割)
第四条 市町村は、国、県、保健医療福祉関係者等との連携の下に、がんの予防及び早期発見に関する普及啓発、がん検診、在宅医療及び介護サービスの提供体制の整備等それぞれの地域の特性に応じたがん対策の実施に努めるものとする。
  (県民の役割)
第五条 県民は、がんに関する正しい知識を持ち、がんの予防及びがん検診の受診に努めるものとする。
2 県民は、患者等に対する理解を深め、がんに罹患しても安心して暮らせる社会を構築するための役割を積極的に担うよう努めるものとする。
  (保健医療福祉関係者の役割)
第六条 保健医療福祉関係者は、自らの本来業務を全うするとともに、県及び市町村が実施するがん対策に協力するよう努めるものとする。
  (事業者の役割)
第七条 事業者は、次に掲げる職場環境の整備に努めるものとする。
  一 従業員が、がんの予防のための知識を習得し、健康の増進に努めることができる環境
  二 従業員が、がん検診を容易に受診することができる環境
  三 従業員が、がんに関する知識及び患者等に対する理解を深めることができる環境
  四 従業員又はその家族ががんに罹患した場合において、当該従業員が、働きながら治療を受け、若しくは離職せずに療養し、又はその家族を看護し、若しくは介護することができる環境
  五 受動喫煙(健康増進法(平成十四年法律第百三号)第二十五条の受動喫煙をいう。以下同じ。)を防止することができる環境
2 事業者は、県及び市町村が実施するがん対策に協力するよう努めるものとする。
  (医療保険者の役割)
第八条 医療保険者は、その被保険者に対して、がんの予防、がん検診の受診等に関する啓発に努めるものとする。
2 医療保険者は、県及び市町村が実施するがん対策に協力するよう努めるものとする。
  (がんの予防の推進)
第九条 県は、がんの予防を推進するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
  一 喫煙、食生活、運動等の生活習慣、ウイルスの感染及び生活環境が及ぼす影響に係る知識その他のがんの予防のための知識の普及啓発
  二 未成年者の喫煙をなくすための施策
  三 受動喫煙を防止するための施策
  四 ウイルスの感染に起因するがんの発症を予防するための施策
  五 がんの予防に関係する生活習慣の改善を支援するための施策
  六 前各号に掲げるもののほか、がんの予防を推進するために必要な施策
  (がんの早期発見の推進)
第十条 県は、がんの早期発見を推進するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
  一 がんの早期発見の重要性に関する知識の普及啓発、がん検診を受診しやすい環境整備の促進その他のがん検診の受診率を向上させるための施策
  二 精密検査が必要とされた者の受診を促進するための施策
  三 がん検診の精度管理(がん検診の実施内容を評価及び検証することにより、がん検診の質の向上を図ることをいう。)の充実その他のがん検診の質を向上させるための施策
  四 前三号に掲げるもののほか、がんの早期発見を推進するために必要な施策
  (がんに関する教育の推進)
第十一条 県は、市町村と連携し、学校その他の教育機関において児童及び生徒ががんに関する理解を深めるための教育が行われるよう必要な施策を講ずるものとする。
  (小児がん対策の推進)
第十二条 県は、小児がんに係る対策を推進するため、医療機関の相談支援体制及び情報提供の充実その他必要な施策を講ずるものとする。
  (がん医療の水準の向上)
第十三条 県は、がん医療の水準を向上させるため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
  一 がん診療連携拠点病院等(国が定める指針に基づき、専門的ながん医療の提供を行う医療機関として厚生労働大臣が指定した病院をいう。)及びがん診療連携推進病院(がん診療連携拠点病院に準ずる診療機能を有するものとして知事が認定した病院をいう。)(以下「拠点病院等」と総称する。)の機能を強化するための施策
  二 拠点病院等を中核とした地域におけるがん診療の連携を強化するための施策
  三 白血病等の血液がんに対し有効な治療法である骨髄移植、末しょう血幹細胞移植及びさい帯血移植を推進するための施策
  四 前三号に掲げるもののほか、がん医療の水準を向上させるために必要な施策
  (緩和ケアの推進)
第十四条 県は、緩和ケアを推進するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
  一 緩和ケアに携わる医療従事者の確保及び資質の向上等、がんと診断された時から、どこに住んでいても、病状に応じて適切な緩和ケアを受けることができる体制を整備するための施策
  二 緩和ケアに関する正しい知識の普及啓発
  三 前二号に掲げるもののほか、緩和ケアを推進するために必要な施策
  (在宅医療等の推進)
第十五条 県は、患者が住み慣れた家庭や地域での療養を選択できるよう、がんの在宅療養の専門的知識や技能を有する医療従事者の育成及び確保並びに在宅医療及び介護サービスを切れ目なく適切に提供できる多職種協働による支援体制の整備に必要な施策を講ずるものとする。
  (がんに関する情報の提供)
第十六条 県は、県民に対して、がん医療及び患者の療養生活に関する情報その他の情報を提供するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 市町村及び拠点病院等は、県と連携して、前項の情報の提供に努めるものとする。
  (患者等に対する支援)
第十七条 県は、患者等の生活の質を維持向上させるため、次に掲げる施策を講ずるものとする。
  一 がん相談支援センター(拠点病院等が、患者等を含む県民に対して、がんに関する相談支援や情報提供を行うことを目的に設置した部門をいう。以下同じ。)の相談体制の充実を図るための施策
  二 ピアサポート(患者及びがん経験者による患者等に対する相談支援の取組をいう。以下同じ。)その他の患者団体等による患者等に対する支援活動を促進するための施策
  三 患者が治療と職業生活を両立することのできる環境整備を促進するための施策
  四 前三号に掲げるもののほか、患者等の生活の質を維持向上させるために必要な施策
2 県及びピアサポートを行う者は、ピアサポートが医師等の理解の下に、患者等の意思を十分に尊重して行われるように配慮しなければならない。
3 拠点病院等は、がん相談支援センターの相談体制の充実、セカンドオピニオン(診断又は治療に関する担当医師以外の医師の意見をいう。)を提示する体制の整備その他の患者等に対する相談支援機能の強化に努めるものとする。
  (がん登録の推進)
第十八条 県は、がん対策の企画及び立案並びにがん医療の水準の向上に資するため、拠点病院等、市町村及び医療関係団体と連携して、地域がん登録(一定の地域内における患者の罹患状況、受療状況、生存率の動向等に関する情報を収集し、登録する取組をいう。以下同じ。)を推進するものとする。
2 拠点病院等は、院内がん登録(病院において診断を行った患者の診断、治療、予後等に関する情報を収集し、登録する取組をいう。以下同じ。)を実施し、その成果を生かして、がん医療の水準の向上に努めるものとする。
3 県及び医療機関は、地域がん登録及び院内がん登録の実施に当たっては、収集された情報がその利用の目的の達成に必要な範囲を超えて用いられることがないようにする等、患者の個人情報の保護のために必要な措置を講じなければならない。
  (県民等による取組の推進)
第十九条 県は、市町村及び拠点病院等との連携の下に、県民又は関係団体によりこの条例の趣旨にのっとって行われる自主的かつ主体的ながん対策に関する取組を促進するよう努めるものとする。
 (推進体制)
第二十条 知事は、がん対策を総合的に推進するため、がん対策推進協議会を設置する。
2 がん対策推進協議会の組織その他の必要事項は、知事が別に定める。
 (推進計画)
第二十一条 県は、がん対策基本法第十一条第一項の規定によるがん対策推進計画(以下「推進計画」という。)を策定するときは、この条例の趣旨に基づいて策定しなければならない。
2 県は、推進計画を策定するときは、がん対策推進協議会の意見を聴くとともに、市町村、県民、保健医療福祉関係者、事業者、県議会等の意見を反映することができるよう適切な措置を講じなければならない。
3 県は、推進計画を策定したときは、遅滞なくこれを公表しなければならない。
  (財政上の措置)
第二十二条 県は、がん対策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。
        附 則
  この条例は、公布の日から施行する。

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