本文
旭川ダム
旭川と旭川ダム
旭川の概要
・旭川は、岡山県3大河川の一つであり、過去から現在にわたり歴史と文化を育み市街地の発展に重要な役割を果たしてきました。
岡山県中央部を貫流して児島湾に注ぐ旭川は、幹川流路延長約142km(支川を含むと約825km)、流域面積約1,800k平方メートルの一級河川です。県北部蒜山高原の北端である朝鍋鷲ヶ山(標高1,081m)を源とし、途中、新庄川、備中川、宇甘川など146の支川を合わせて南下しながら、岡山市をとおり児島湾へと、とうとうたる流れが続いています。
旭川ダムの概要
・旭川ダムは、旭川の中流域部、河口から約40kmの岡山市北区建部町と吉備中央町にまたがる地点に、昭和26年から29年までの4年の歳月を費やして建設されました。
旭川ダムの歴史
旭川ダムの計画は遠く逆上り、大正10年頃に岡山県議会議員間に県営電気事業計画の話があがり、県下の各河川について調査したのが、事業のはじまりです。
大正13年に発電可能地点の適地調査報告書が、当時の県知事に提出されましたが、あくまでペーパープランに過ぎず、また発電本意であったため、河水の総合利用の観点から計画されたものではありませんでした。同年は県下で大旱魃となったため、河川総合開発が望まれましたが、おりしも第1次世界大戦後の不況時代にあたり、県営電気事業や灌漑対策等の新規事業の実現が困難な時代背景から、以降具体的な発展は見られませんでした。
その後、昭和9年9月の室戸台風による、未曾有の大災害(ダム地点流量5,100m3/秒、死傷者493人、浸水家屋49,165戸)を契機として、抜本的な治水及び利水を計画し、昭和13年に築堤箇所の選定、昭和15年に補助の内定、昭和17年に県議会の可決を経て、名実ともにダムの建設事業に着手しましたが、実施計画を進めつつあった昭和18年10月、第2次世界大戦による資金、資材の逼迫のため、事業中止のやむなきに至りました。
終戦後、国土再建の槌音が響く中、電気需用の増大に併せて、全国で河水の総合利用計画が推進されました。岡山県内でも県土復興を懸けて、洪水を防除し、併せて電力の確保と河水の総合的な利用を図るため、旭川総合開発計画が立案されました。時の県知事は、「県百年の大計」、「県政始まって以来の空前の大工事」と位置づけ、岡山県の総力を結集してダム建設事業に取り組みました。そして昭和26年から建設工事に着手し、旭川の治水、利水、灌漑、発電を目的とした多目的重力式コンクリートダムとして、ついに昭和29年に旭川ダムは完成しました。
大正13年に発電可能地点の適地調査報告書が、当時の県知事に提出されましたが、あくまでペーパープランに過ぎず、また発電本意であったため、河水の総合利用の観点から計画されたものではありませんでした。同年は県下で大旱魃となったため、河川総合開発が望まれましたが、おりしも第1次世界大戦後の不況時代にあたり、県営電気事業や灌漑対策等の新規事業の実現が困難な時代背景から、以降具体的な発展は見られませんでした。
その後、昭和9年9月の室戸台風による、未曾有の大災害(ダム地点流量5,100m3/秒、死傷者493人、浸水家屋49,165戸)を契機として、抜本的な治水及び利水を計画し、昭和13年に築堤箇所の選定、昭和15年に補助の内定、昭和17年に県議会の可決を経て、名実ともにダムの建設事業に着手しましたが、実施計画を進めつつあった昭和18年10月、第2次世界大戦による資金、資材の逼迫のため、事業中止のやむなきに至りました。
終戦後、国土再建の槌音が響く中、電気需用の増大に併せて、全国で河水の総合利用計画が推進されました。岡山県内でも県土復興を懸けて、洪水を防除し、併せて電力の確保と河水の総合的な利用を図るため、旭川総合開発計画が立案されました。時の県知事は、「県百年の大計」、「県政始まって以来の空前の大工事」と位置づけ、岡山県の総力を結集してダム建設事業に取り組みました。そして昭和26年から建設工事に着手し、旭川の治水、利水、灌漑、発電を目的とした多目的重力式コンクリートダムとして、ついに昭和29年に旭川ダムは完成しました。
旭川ダムの諸元
ダム | |
形式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 45.0m |
堤頂長 | 212.0m |
堤体積 | 146,000.0m3 |
非越流標高 | EL116.65m |
貯水池 | |
集水面積 | 1,140.0km2 |
湛水面積 | 4.21km2 |
総貯水容量 | 57,382,000.0m3 |
有効貯水容量 | 51,772,000.0m3 |
満水位 | EL110.0m |
制限水位 | EL103.5m |
洪水位満水位 | EL110.0m |
放流設備 | |
クレストゲート | 12.0×9.3m×10門 |
クレスト標高 | EL101.0m |
計画高水流位 | 4,700m3/sec |
旭川ダムの役割
旭川ダムの治水
・洪水が、一度に下流に流れて引き起こす被害を防ぐため、旭川ダムで河川流量を調節し、旭川の中・下流域の洪水による被害を少なくします。
・洪水期(6月15日から10月15日)には、ダム水位を満水位(EL110.0m)から6.5m低い制限水位(EL103.5m)以下に下げ、2,300万m3の洪水調節容量を確保しています。
旭川ダムの下流に、左のような看板を所々に設置しています。ダムから放流する場合は、サイレンを鳴らしてお知らせしますので、その時には河川に近づかないで下さい。 左:ダム放流警報看板 右:放流警報局(サイレン、スピーカ) |
旭川ダムの利水
・不特定用水
旭川下流域の農業用水などに必要な水量を確保して、水不足にによる渇水に備えます。また、河川環境を維持するための水量も確保します。
・水道用水
岡山市をはじめダム周辺地域の水道用水として約230万㎥を確保し、地域住民の快適な暮らしを支えています。
・発電
ダムからの落差を利用して、流水による水力発電を行っています(岡山県企業局)。発電容量は約3,350万㎥、最大出力は18,700kwです。旭川第一発電所では旭川ダムに貯めた水で発電し、下流の第二発電所では、川の流れを調整しながら発電を行います。