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2025年5月20日知事定例記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0975943 2025年5月21日更新公聴広報課
会見写真

岡山県少子化要因「見える化」ツール

 私からは5項目、お話をさせていただきます。
 まず、少子化要因「見える化」ツールの作成についてであります。
 このたび、県では、少子化問題の背景にある、地域の住宅、生活、経済環境などの社会経済特性と県民の希望を市町村ごとに見える化し、市町村における少子化対策の施策形成を支援することといたしました。
 この「見える化」ツールでは、まず、公的統計の最新データ等を活用し、出生率に影響を及ぼす地域の社会経済特性を「見える化」しております。
 次に、出生率には、住民の主観が大きく影響していると考えられることから、2023年度に実施した県民意識調査を活用し、公的統計では集計されない県民の希望を「見える化」しております。
 これに加え、施策の効果等を「見える化」するため、「出生率シミュレーター」として、出生数に影響を与える要因の変化に伴う、合計特殊出生率を予測できるようにしております。
こ れらの3つの「見える化」により、市町村では、少子化の要因を多面的に捉えることができ、これまで以上に、根拠に基づいた施策形成が可能となります。
 なお、こうした県の取組は、国に確認したところ、全国初と聞いております。
 今後、少子化要因「見える化」ツールの活用について市町村説明会を開催するなど、市町村への丁寧な伴走支援を通じ、県全体として少子化対策の底上げを図ってまいります。

おかやまハレいろキャンペーン2025

 次に、「おかやまハレいろキャンペーン2025(にせんにじゅうご)」についてであります。
 7月19日から10月31日まで、「アート」と「食」をメインテーマとして、「おかやまハレいろキャンペーン2025(にせんにじゅうご)」を開催いたします。
 キャンペーンのイメージキャラクターに、本県出身のMEGUMIさんを起用し、「美をつくる岡山の旅」と題して、ふるさと岡山の魅力を発信していただきます。お手元には、MEGUMIさんからのメッセージをお配りしております。
 今回のキャンペーンでは、「森の芸術祭 晴れの国・岡山」のレガシーを活用し、アート周遊バスや「mt(エムティ) project鏡野」を実施するなど、アートを通して岡山の多彩な魅力に触れていただく特別企画を展開いたします。
 また、「晴れの国ガストロノミー」と銘打ち、旬の白桃やぶどう狩りが楽しめる「おかやまフルーツ狩りバス」やワインツーリズムなど、岡山ならではの美食体験を提供いたします。
 その他、岡山の夜を楽しむ企画や、歴史や文化を深く体感していただく企画、岡山の魅力に触れながら県内周遊を楽しんでいただく企画なども展開いたします。
 なお、キャンペーンの初日となる7月19日と20日の2日間、JR大阪駅でオープニングイベントを開催し、大いに盛り上げてまいります。
 さらに、大阪・関西万博を訪れる国内外からの観光客の本県への周遊と宿泊を促進するため、キャンペーンに合わせ、「ハレ旅宿泊割引プラン」を販売いたします。
 今後、お手元に配付しておりますガイドブックや本日から開設する特設サイト等を活用し、キャンペーンを広く周知し、大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭からの誘客拡大につなげてまいりたいと存じます。

美作三湯芸術温度2025

 次に、「美作三湯芸術温度2025(にせんにじゅうご)」についてであります。
 8月29日から12月7日まで、県北の美作三湯を中心に展開する3年に1度の回遊型アートイベント「美作三湯芸術温度2025(にせんにじゅうご)」を、開催いたします。
 4回目を迎える今回は、参加旅館・施設が27か所、県内外から参加するアーティストが31名であり、過去最多の規模となる予定です。
 県民の皆様はもとより、国内外からの観光客やアートファンの皆様に、是非、美作三湯にお越しいただき、温泉とアートのコラボレーションを堪能いただきたいと考えております。

大阪・関西万博自治体参加催事への出展

 次に、「大阪・関西万博自治体参加催事への出展」についてであります。
 8月22日から24日の3日間、万博会場内にある屋内展示場「EXPOメッセ」において、県及び県内27市町村が参加する催事、『おかやま「桃太郎の夏休み」』を出展いたします。
 会場は、4つのエリアで構成し、ステージエリアでは、オープニングセレモニーをはじめ、うらじゃ などの多彩なイベントを計画しております。
 体験エリア「マルシェ」では、県産ぶどうの試食や、桃ジュースの試飲など、来場者に岡山の食を味わっていただきます。
 また、「ワークショップ」の体験エリアでは、県産ヒノキのプールや、デニムキーホルダー作りなど、岡山の特産品に触れていただくことができます。
 そして、情報発信エリアでは、美星の星空や備中松山城のVR体験など岡山の観光や歴史・文化等の情報を発信してまいります。
 大阪・関西万博は、国内外の方に岡山県をPRする絶好の機会であり、多くの方にご来場いただき、本県の魅力を効果的に発信してまいりたいと存じます。

岡山市の林野火災跡地復旧に向けた調査結果

 最後に、本年3月に岡山市で発生した林野火災跡地の調査結果についてであります。
 4月14日から5月2日にかけて、県と岡山市、玉野市と合同で焼失区域の確認や、渓流56か所の土砂流出対策の必要性、転石群18か所の落石対策の必要性を調査しました。
 調査の結果、岡山市南区飽浦(あくら)地区の1渓流において、早急に治山ダムによる土砂等の流出防止が必要と判断し、現在、工事の着手に向け、国と協議を行っているところであります。
 転石群については、同飽浦(あくら)地区の1か所において、人家が近接していることから、対策を検討してまいります。
 焼失区域の復旧は、急傾斜の山腹も広範囲にあり、人力による植栽のほか、ヘリコプターを使用した種子散布により、早期の緑化を考えております。
 緑化などの復旧事業は、県が、国の補助事業を活用し、実施するものであり、今年度中に事業採択に必要な復旧計画を作成することとしております。
 今後、岡山市、玉野市と連携し、地元住民や森林所有者の方々の理解を得ながら、林野火災跡地全体の早期復旧に取り組んでまいります。

私からは、以上でございます。

質疑応答

 記者)
 少子化要因「見える化ツール」の作成のことでお尋ねさせてください。ツールの活用ということが書かれてありますけれど、県内全27市町村を対象にしていると思うのですが、具体的にどういった活用を期待されていますでしょうか。

知事)
 今回3つの内容が入っています。考えていただければ当たり前のことなのですけれども、例えば、仕事がないとか、何かいろいろな制約が、客観的な制約があればなかなか結婚、出産ということにはなりづらいだろうという、この社会経済的な特性というのは明らかに影響を及ぼしています。能力というか、はたから見ると、この人ちゃんと学校も卒業して、就職もしていて、もういつでも結婚して子どもを生み育てる準備ができているよねというふうに見える方でも、本人にその意欲がなければ当然ね、結婚には至らない、出産には至らないわけでありまして、ですから、客観的にどういう状況にあるのか、それからご本人はどういうふうに思われているのか、この2つが非常に大事なファクターになると。これ皆さんおわかりだと思います。その2つのファクターについて、それぞれ細かく因子を考えて、それぞれの因子ごとに27市町村、どういった特徴があるのかということが、このチャートでかなりわかりやすく見える化されているということでございます。実際今回は早島町と奈義町のケースを見本として、皆様方のお手元にお配りしているわけでありますけれども、実は両方とも、この岡山県内においては少子化対策の優等生の2つの市町村ということになります。ただタイプが全然違いますよね。県南の優等生である早島町、かなり都市型の強み、弱みを持っています。早島町らしいやり方、もしくは早島町らしい状況の中で、この良い結果を出されていると。非常に全国的にも有名になった、総理大臣が視察にもお越しいただいた奈義町の方ですけれども、これもう全くパターンが違います。良い悪いではなくてパターンが違うと。ここであまり細かく分析をするつもりはありませんけれども、奈義町の場合は、第3子のところでずいぶん稼いでいます。何か流れとすると男女共同参画、女性が男性と同じような状況にいて居心地が良くて、もう性差を感じないような中で過ごしていただければ、出生率も自然と上がるのではないかという、我々ある種の仮説に基づいて、それと、出生率に関係なく女性の居心地が良くなるというのはいいことです。人口の半分の方の居心地が良くなるわけですからいいのですけども、奈義町を見ると、そういう何か社会の仕組みとか、もしくは捉えられ方がガラッと変わって数字が良くなっているというよりも、ある種、ずっと以前から続いてきた価値観がそんなに大きく変わっていないけれども、やっぱりここは居心地がいいから、3人生んでも大丈夫だな、4人生んでも大丈夫だなということで実績を上げられている。少子化克服の道、自然増の道というのは一つではないと思うのですよね。現状いろんな制約があったり、事情があってこういうことなのだけれども、ここが改善するとずいぶん違うみたいだ、ここが我々にとっての目標をかなり妨げているのではないか、という仮説みたいなものがご自身の市町村の状況を見て、もしくは他の市町村と比べてみるとよりわかりやすいのではないかと思っています。また実際、我々の市町村で、取らぬ狸の皮算用と言われるかもしれないけれども、もしこの指標がこれぐらい改善したら、結局どれぐらい大きなインパクトになるのだろうというのが、3番目のこのエクセルのツールでありまして、ここでいろいろ数字遊びをする中で、ここはすごい頑張りようがある、ここの5%アップというのは頑張ればできるかもしれない、それがこういう結果に繋がるのか。ここについては、実は5%上げる、10%上げるというのはものすごく大変なのだけれども、そんな思いをして上げても、実際のインパクトはあまり大きくないのだな、そしたら優先順位とすれば1番、2番にはなりようがないなとか、それぞれの市町村の特性に応じて、敏感度、感度が違ってきますので、ご自身の市町村で結果を出そうと思ったら、どこのファクターが効いてくるのかというのは、ぜひいろいろな方がいろいろなことで、数字をカチカチ(分析)やっても壊れませんので、もし(データを)壊したら県庁に言っていただいたらすぐ(元データを)お渡ししますので、そういう感度分析をもう何度でも何度でも試すことができると、そういったツールで具体的にどういう作戦を取っていくのかということについて、非常に役に立つツールになると我々は確信をしています。

記者)
 今のお話で一点また伺いたいのですけど、例えば、今、早島町と奈義町、こういうグラフを、データを示してくださっていると思うのですが、例えば奈義町は非常に出生率が高い模範的だということで、低い別の自治体と比べたときに、例えばですけれども、奈義町は地域社会の点数が非常に高く見えると。一方の都市型の早島町ですとか岡山市を見ると、移動利便性は高いと。出生率を上げるには、もう移動の利便性ではなく、地域社会を盛り上げるのが必要だと。例えばですけれど、その他の市町村にこの状況早島町のようなバーグラフになるように真似をしたら、早島町のように(出生率が)上がると、そういうことになろうかと思われますか。

知事)
 相関関係と因果関係というのは別ですので、それぞれの市町村の今のこの出生率はわかっていると。それぞれの市町村がその社会経済特性それからそこにお住まいの方のご自身の県民意識調査のアンケートの結果は、これはもう間違いない数字としてあると。おっしゃられるとおり、例えばその外的な要因、奈義町はもうあんなすごい数字になっている、そこにバーチャートで示されたここの部分を全部奈義町みたいに引っ張ってくると、すーっと出生率が奈義町みたいに上がるかどうかということについては、確証はありません。ただ、大体人間は、環境とインセンティブの動物なのだとか、個人の資質と置かれている環境で大体行動がわかるというふうによく心理学で言われるわけですけれども、その電磁場における粒子の振る舞いとほとんど同じような感じです。こういった環境、社会経済特性に、それからこういう思考、こういう性格を持っている人が置かれると、大体こういうことに確率的にはなるということで言えば、そんなに人間として、岡山ぐらいの同じようなところに住んでいる27市町村、こっちとあっちでもうそこまで違うとは思えないので、そういった細かく分けた状況が似てくればくるほど、最終的な合計特殊出生率も似てくることが、まあ普通に予測できるということでございます。あくまで仮定ですので、それも何かちょっと筋道がよくわからないけどなというタイプのロジックもあれば、それはそうでしょうという、できるかどうかは別としてという、かなり確かに思えるロジックも、いろいろな道筋が、勝ち筋というのが想定されるのだろうと思います。先ほどのSensitivity Analysis(感度解析)と3番目のエクセルチャートでこれだったら変えられそうだ、これを変えるのは非常に難しそうだという、それぞれの市町村にとって、これなら頑張れば変えられそうなものを変えることで、どれぐらい状況が改善すると予測されるのかというところは、ぜひいろいろ試して、それから実行に移して推移を見ていただきたいなというふうに思っています。必ずこうなるというような全てが因果関係で紐付けされているものではありません。

記者)
 岡山市南区で発生した林野火災についてお伺いします。今回復旧の対象範囲がすごく広くて、地元の理解ですとか地権者さんの許可取りも必要になって、今後相当の時間がかかるのかなと考えられると思うのですけども、今後の見通しと、どう進めていきたいかというのをあらためてお伺いできますでしょうか。

知事)
 (焼失面積)565ヘクタールというのは、我々が統計を取り始めて、最大面積ということになります。しかも結構市街地に近い場所で起きたということもありまして、例えば一番極端な話、無人島で起きたものであれば、無人島なのですから、岩がコロリんと落ちたからと言って、基本的に怪我人が出るということは心配しなくていいわけですけれども、今のあの山の場合、どちらかに巨石が転がり落ちても人を怪我させる可能性があるというわけですので、実際調べてみました。先ほどお伝えしましたように、渓流についても1か所、転石群についても1つというか、1か所ちょっと気になるということがある以外は、比較的安定をしているというのが、最初の我々の調査の結果でありますけども、それにしても、あれだけ焼けてしまって、地面を支えてくれていた(木の)根っこが機能をしなくなる、もしくは土の状態が変化をして、本当にかなり大きな石がむき出しになっていると。これで梅雨になると、どういうふうに力が働くかわからないというのは、これはもう本当事実でありますので。先ほどお伝えしましたように、何とか今年度中に復旧計画を策定して、国の承認を得たいと。国と一緒に具体的な復旧に入りたいと思っています。その際、国から補助をいただく条件として、林の所有者の方に保安林にしていただくなどの制約があるのだそうでありまして、まず所有者の特定、それから説得、そういったこともあって、私が直感的に思うほどテキパキできないのだということを聞いておりますけれども、ただ大きな岩がむき出しになっているのが見えているわけですから、モタモタしないようにということで、発破をかけているところでございます。まず梅雨前に、早急にやらないといけないということについては、土嚢を積むといったような応急対応も考えられるんだそうであります。これは例外的に地元市町村、例えば(山林の)北側であれば岡山市、南側であれば玉野市の担当だということを聞いております。

記者)
山林火災の関係で、追加で質問です。今おっしゃった梅雨前、もうまもなく出水期が始まるということで、1か所渓流で治山ダムの対策が必要になったということで、これ緊急的にやるということですけれども、これは梅雨に入る前までに何とかするというふうな理解でよろしいんでしょうか。

知事)
 梅雨までにできるというのはちょっと考えられない。今担当者来ておりますので。

治山課長)
 梅雨前までというのは、災害関連緊急治山事業というのを実は考えておりまして、それについては林野庁と今協議しているところでございます。それにあたって着手自体はまだ秋以降になりそうです。それ以前に、岡山市さんと今協議をしている最中でございますけれども、土嚢等で応急対策を考えております。

知事)
 決めるのにも時間がかかりますし、実際結構な構造物になりますので、今日決めたとしても、多分梅雨入りまでにできるということはないと思います。

記者)
 大阪・関西万博の自治体催事への出展ですけれども、今日詳細がいろいろ出ていますけれども、この万博、外国人観光客の方を岡山の方に呼び込むという、そういった視点からも非常に大切なものになっていますけれども、そういう意味で言うと、今回のこの具体的な内容、外国人を呼び込むにあたって、こういった項目が特に注目だよとか、この項目によってどういう外国人をどんなふうに引き込みたいとか、その辺の思いがあれば教えてください。

知事)
 もう本当に各自治体が知恵を絞っているところであります。決定打、もうこれをすれば(観光客を呼び込める)というのはなかなかないのですけども、これまでも関西方面で、地元の方々、また関西方面に来られている外国人の方に、大阪には来るのだけど、その後どうしようかという人に、ちょっと足を延ばしてもらって岡山に来てもらおう、泊まってもらおうというのはやっています。露出をいかに上げるかということが、具体的な我々の取組ということでございます。それからせとうちDMOという形でもやっていますし、新たに作ったのは、何度かこちらでも紹介をさせていただきましたけれども、福岡市の高島市長が提唱されて、岡山県はじめ、かなりもう20、30ぐらいの自治体が参加をしている、西のゴールデンルートアライアンスという取組になります。もうご案内のとおりゴールデンルートというと、大阪が西の端で、京都があって富士山があって東京があってということは東海道ルートで、もうここに外国人観光客が集中をしているというのが、この10年ぐらいの現実でありますけれども、(来日が)2度目、3度目、4度目になってくると、同じところに行ってもつまらないわけでありまして、そこから(大阪から)西を西のゴールデンルートなのだと。ゴールデンルートは1つだけではない、2つあるのだと。あっちはただのゴールデンルートではなく東のゴールデンルートで、大阪から西が西のゴールデンルートなのだということで、もう共同して盛り上げていこうということを考えています。実際、今日の発表には含まれていませんでしたけれども、8月27日から30日までは、この西のゴールデンルートアライアンスの主催事業でありまして、岡山県も出展をすることになっています。岡山県として働きかける、それから県内27市町村と一緒に働きかける、また、近隣の県ですとか自治体と協働して働きかける、いろいろなパターンでこの絶好の機会に、ちょっとでも岡山県が目にとまってチャンスが増えるように取り組んでいきたいと思っています。実際、この大阪・関西万博への出展ですとかいろいろな企画というのは、どんどん今でも増えていまして、お声掛けをいただいて、そしたらちょっと追加で行ってみようかとか、参加してみようかということですので、半年後、(万博が)終わってみれば、今我々が持っている表よりも、もうちょっと長いリストが多分出来上がるのだろうなと思っています。とにかく我々もうチャンスがあれば、積極的にそのチャンスを取っていきたいと思っています。

記者)
 万博催事の関連で、内容をお示しされて、すごくいろいろなコンテンツが盛り込まれてるなというふうに思うのですけれども、一方でちょっと何か総花的な感じの印象もちょっとあったりして、先ほどの質問ともちょっと重複するかもなのですけど、なんかもっと具体的に世界に対して、催事を通じて岡山のここを見てほしいとか、どんなことをアピールしたいかみたいなコンセプトを、もうちょっと教えてください。

知事)
 これちょっと難しいところで、それぞれのパビリオンもちょっと大げさに言えばそうだったのかなというふうに思ったりするのですけれども、確かに27市町村、それぞれの良いところということになると、特に岡山の人からすると総花的だなというふうに、ベタな感じのものがずらっと並んでるなというふうに思われると思います。私が資料を見た一番最初の直感も、なんかベタなものが並んでいるなということなのですけど、ただ、私(知事になる)以前マーケティングとかやっているときに思ったのですけれども、自分自身、例えば私が何でもいいです、初デートのときでもいいですし、就職の面接のときでもいいのですけれども、自分にとって得意でよくやっていることというのは自分からすると当たり前すぎて、あんまりすごいことという感じがしないのですよね。ところが何か始めたとか思いついてやってることがすごく素晴らしく思えることがありまして、例えば、私でいえばフランスに1年いたということもあって、なんかフランス語で冒頭のものの1分でも2分でも挨拶すると、何かすごいことやったという感じがするのですけれども、客観的に言えば、すごい下手な発音で、なんかたどたどしく言っているだけなのですよね。例えば英語で冒頭3分挨拶するというのは、昔(アメリカでは)英語で生活していたわけですから、3分て、(たった)それだけやってどうするのだとか思うのですけれども、でも多分、客観的にはそっちの方が真っ当というか良いわけであって、我々からするとベタに見えるものなのですけれども、他のものを、なんかもうこれ斬新だなというものをやっても、実は客観的に見ると大したレベルに達していないというか、それがどうしたのと、他のところも似たようなものいっぱいあるよねというときに、我々から見るとベタなのだけれども、かなり作り込んで、もう本当に決まりきった鉄板ネタみたいなところがありますので、特に海外の方、岡山に来たことのない方にとってみれば、そういうベタなのが実は一番効果的ということもあるよねというのも、あらためて考え直したところであります。いろんなやり方があろうかと思います。まずはこれでしょと、やっぱり岡山を説明するときには、桃太郎とかきびだんごとか瀬戸内だとか後楽園とかを抜かしてこう話し始めるというのも、あれで(ないかなと)。一旦ザーッと(ベタなものの説明が)終わってみると、実はこんなものもあるのですというのが、非常にまた魅力的になってという、段階を追ってということなのかなと。今回はある種、もう日本(に来る)も初めて、大阪も初めて、岡山なんていうのはここに来るまであることも知らなかったという人に紹介をするということで言えば、ベタなのが一番効果的なのかなというふうにも思っています。

記者)
 各自治体が知恵を絞っているというようなお話もあったりして、会場でも本当にいろんな国がやっているイベントだったりとか、もちろん自治体の催事で同じようにいろんな県も出(展)されていたりして、常設の関西パビリオンなんかもあったりするわけで、それぞれ機会を使ってアピールしたいという思いが会場のいろんなところにあるかと思うのですけども、その中で岡山が埋没をしないようにするためには、どうアピールをしていこうと思われますか。

知事)
 私まだ1回しか(万博会場に)行けていなのですけれども、フランスのパビリオンだとかイタリアのパビリオン、アメリカのパビリオンが人気だというふうに言われています。私はちょっと予約ができていなかったので、そういったところには行っていないのです。アフリカ、アジアの小さい国がブースを出展しているような、コモンズでしたっけ、一つの建物の中に、何か30ぐらいの国が一緒に出展しているコーナーというか建物があって、そこはもう全く予約とかいらないので、見て回ったのですけれども、そんなのでもすごい面白いのですよね。それがケニアなのか、ガーナなのか、モザンビークなのか、そういういろんなところというのは、もうそこの一番の特産品とか、そこでは当たり前のものを出しているのだろうと思うのですけれども、やっぱ国が違うと、ずいぶん違うのですね、我々なんかアフリカの国というとなんか似ているような感じがするのですけれども、あれだけ広い大陸で、東西だけじゃなく南北もすごい長いわけであって、結構寒いアフリカの国だってちょっと山の上だったらあるわけですし、暑いところも当然ありますし、砂漠みたいなところもあれば、かなり湿潤なところもあるわけで、結構違うのだなと。景色も違えば、特産品も違うのだなということを、私も大変興味深く一つ一つ見て回ったのです。ちょっとそれに近いようなところがあるのだと思います。岡山が岡山ではないみたいな展示をするよりも、岡山が岡山ならではの展示をし、愛知県が愛知県らしい展示をし、福井県が福井県らしい展示をするのは、それぞれ来られた人からすると、日本て結構なんか1ヶ所の狭いところにあるみたいだけど、結構気候とか、食べ物とか、特産品て違うのだなという、それが魅力であって、そこに埋没するというのはそこまで心配しなくてもいいのかなと。それぞれの人の素顔を見せることで、トータルとして非常にこの全体として、日本の地域はいろいろ豊かなのだなと、金太郎飴みたいなものがザーッとどこに行っても同じような街、同じような景色というわけではないのだなということがむしろ伝わるのではないかなと思っています。ものすごい大金をかけて、何十億(円)もかけてなんかすごいことをやっていないことに対する何か自己弁護みたいな感じもしますけれども、でも実際(ベタなことは)悪いことではないと思っています。

記者)
 岡山を知らない人も多く来られるわけなので、あえてベタなことをすることで、実際に岡山をまず知ってもらうだったりとか、誘客に繋がるというふうに考えられているということですね。

知事)
 さっきの最初のデートとか、もしくは就活の最初の面接のときに、私と全然違うタイプの自分を作って出ていくのはあんまり得策じゃないというのに近い感じがいたします。結構もう、私こんな感じなのですというのが、岡山、大都会と言われるとそうなのですみたいな、なんかもうディスコとかクラブとか、何かそういうのがもう夜中あれでどうのこうのみたいな、へえってびっくりさせて岡山に来られたら多分がっかりされるのだと思います。全然そうではないですから。ですから、岡山ってこんなとこなのですということをお伝えして、いやこれは私が行きたいところではないという方はそういう方だし、意外といいねという方が来ていただくとすごく本当に来てよかったということなので、そこはお互いにとって一つのこのお見合いというか、スクリーニングの場所になるのだと思います。それぞれの方の好み、相性というのがありますから。

記者)
 PFAS問題関連について伺います。先日、住民の方が県に対してあらためてダムの汚染対策についての要望を出したと思うのですけれども、今回2度目(の要望)ということで住民の不安の解消の点で、県としてどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。

知事)
 ああいうことが起きたわけです。要望書の中にもありましたけれども、大きな工場もない場所で突然ああいう問題が沸き上がったと。PFOS、PFOAについては、まだまだわかっていないことがたくさんあるわけでありまして、地域住民の方が不安に思われるというのは、これはもう当然だろうと思っています。実際、いろいろな薬害、公害の問題があるわけですけれども、本当にPFASについてはもうわからないことだらけでありまして、PFASでこういう病気を発症してこうなったという人も、海外の事例を含めても、我々きちんとしたエビデンスはないということであります。(吉備中央)町が血液検査をするということを決定して、血液検査をしたと。それについてニュースでも報道されていましたけれども、岡山大学の頼藤教授が暫定的な結果の発表をされたということで、町としてもできることをしっかりされているなというふうに思っていますし、我々としても、まず発生源と思われる場所から、フレコンバッグを撤去してもらった。そのフレコンバッグ、時間はかかっていますけれども、粛々と今処理が進んでいるということで、町、県、国、国は今、実証実験という形でこの保管されていた場所をどういうふうにすれば無害化できるのかという研究をこれからされるというふうに伺っていますけれども、それぞれの立場でやるべきことを、やれることを今進めていると私は考えています。

記者)
 それぞれの立場というふうな今発言がございましたけれども、今後そういった現状、ダムに対する汚染についての不安があるということだと思うのですが、それについての今後の対策だとかですね、県としてのこの問題に対する関与の方向性、スタンスをあらためてお聞かせ願えますでしょうか。

知事)
 まずもって県の関わりということで、これご案内のとおり水道というのは市町村の事業でありますけれども、我々報告を受けて、もし問題があれば我々が対応する、もしくは国に報告するというたてりになっているわけですけども、実際、町が発表をされる前に、県の職員が気づいて、この一連の問題が始まったということでございます。これ3年間でしたっけ、放置をしてしまったというのはこれ事実ですけれども、逆に言えば、(気づいた)県職員に私も一度お会いしましたけれども、あの職員が、今ちょっと全国的に問題になっているということで、膨大なデータの中から手作りでソフトを作ってスクリーニングをして、何時間なのか何十時間なのか知りませんけれども、ご自身の作業の末にPFAS、吉備中央町で(数値の)超過が起きているということを見つけ出していなければ、多分我々今でも気付いていなかったかもしれない、気付いたときには3年分じゃなくて、4年分、5年分の蓄積が起きていたかもしれないということで、私はその担当者、本当によく頑張ったと思っています。で、それぞれの中で今できることをどうやって進めていくのかということで言えば、その保管されていたところも結構長い間保管をされていて、ずいぶん下の土壌に染み込んでしまっているようであります。で、そこから最終的にはダムの方に流れて、そこで水が取られていたので、水道水も汚染してしまったという流れになります。まずそのフレコンバッグ、汚染源を取り除かないといけない。それはその場所からは取り除くことができた。で、熱分解できません。かなり大変な普通の処理場ではできない温度で焼かないと分解しませんので、今そういう特殊な処理場を持っているところに処理をお願いしているわけですけれども、それで処理ができれば、これからどんどん10年、20年にわたって汚染が進んでいくということは、まずは防げるであろうと。ただ、その保管していた場所の下の土、それからダムの水、これはなかなか量が多いわけでありまして、我々も定期的に測定をしているようでありますけれども、急激に下がっているわけではないと。かつ又、集中しているものであれば、焼却ということもありますけれども、広く、例えば水の中に溶けた場合に、どうやって処理をするかという技術は確立されていないわけであります。どういうふうにするか、国がそういった実証実験をする、いろいろなやり方について大学の研究室で研究がなされているという報道もありましたけれども、世界的にこれからどうやってその環境に広まってしまったPFASを処理していくのか、そういった研究の行方も注視しながら、我々としても国と相談しながら対応していかなければいけないと思っています。

記者)
 現状で言うと、具体的なダムに関しての何らかの方策を取るだとか調査をするだとか、そういった具体的なものについての検討はいかがでしょうか。

知事)
 調査は少なくとも1回しています。大変残念なのが、そのPFASが全部表面に浮いているとか、全部下に沈んでいるということであれば、まだ対応がやりやすいと。浮いていればすくい取るということもあるわけなのですけれども、比重が水と大体一緒なのか、それとも非常に水と強く結びついてるのか、すいません、私はそこの科学的な要因はわかりませんけれども、上の方、真ん中の方、底の方、ほぼまんべんなく、薄く広く広がっているということでありますので、大変対処が難しい状態になっているという報告は受けております。

記者)
 ふるさと納税の件でお願いします。先週の16日でしたかね、総務省の担当の方が吉備中央町の方に来られましてヒアリングが実施されました。現場の方では担当の課長さんが、今回のヒアリングの件は省に持ち帰って慎重に検討すると、取り消しの可否についておっしゃっていましたけれども、これについて県の方ではこの聞き取りの内容についてどう把握されているのかと、知事の今回のヒアリングについての受け止めの2点、お願いします。

知事)
 聞き取り調査が行われたということであり、我々も相談を受けて、その都度我々の方からアドバイスをしてきたところでございます。今はもう国の調査が入っていますので、国が判断をすることになりますし、我々とすれば、その動向を注視していきたいというのがスタンスであります。

記者)
 PFASの件で、知事も先ほどおっしゃったように、あの場所には大きな工場もない中で突然ああいう問題が起きたということで、住民の方から提出された要望書の中にも、活性炭がどこから来たのかということを追跡調査してほしいという要望があったかと思うのですが、県としてその点についてどのように対応されるか、お聞かせください。

知事)
 我々としても保管をしていた会社は当然把握をしています。どこから来たのかというのは当然我々としても興味のあるところであるわけなのですけれども、何か、例えばエンジンだとか、非常に大きくて1つ、2つと数えられるようなものであれば、その型番とか形式番号とかで追いかけていくというのも可能なのだろうと思うのですけれども、活性炭であります。活性炭というのはもう一つ一つね、そこに名前書いたりなんていうのはしないものですし、それをフレコンバッグと呼んでいますけれども要するにビニール袋です。(フレコンバッグ)に詰めて、そこに日付も何にも入れていない、これ後ほど再利用をするつもりで一時的にそれに詰めて置いていたのだけれども、結局気が付いてみたら、数週間、数ヶ月で再利用するのではなくて、10年も20年も置いておくことになったということなのだそうですけれども、全くそのシリアル番号ですとか、この会社から受けたものはこの色とか、こんな識別タグを付けてということになっていませんので、我々にとっても、その保管をしていた会社にとっても、どこから預かった、どこから引き受けたものなのかも全くわからないというのが現状のようであります。

記者)
 そこに対して追加で調査するとか、そういうことは、現状予定はないという認識でいいですか。

知事)
 調査しようとしても手がかりがないというのが実際のところだろうと思います。

記者)
 「見える化」ツールの方なのですけれども、「全国初」というワードがあったのですけれども、その定義をちょっと確認したくて質問です。この見える化ツールの特徴といいますか新しいところとしては、データから見られる社会経済特性と県民の方にアンケート調査をした主観、希望の部分について、この二つを定量化して一緒に見ることによって、効果的な施策が得られるようなデータセットを作ったという点が全国初ということになりますか。

知事)
 もうちょっと詳しく言いますと、京都府さんも我々とすごく似た問題意識で、非常に良いお仕事をされているようでありまして、我々は社会経済特性、それから意識とあとはエクセルのいろんなSensitivity Analysis(感度解析)、その社会経済特性に関しての非常に似たようなダッシュボードを作られていると。これが初めて作られたのが2021年で、2024年に改訂版を出されていると。実は我々、この社会経済特性のみのこの見える化、京都府さんでされている見える化を、初めて手掛けたのが2017年。私も最初にこれ出来上がったときに、これいいねみたいなことを言ったのをよく覚えてますけれども、ですから、本当に社会経済特性のダッシュボードという点で言えば、2017年に、我々初めてやりましたし、今そういうことでこれいいねと言って取り組まれる自治体、少しずつ増えていますけれども、それぞれ社会経済特性だけでなくて、他の要素も入れて、より包括的に使える形にしているという点では、国の調査によると、我々が1番なのだそうです。これ1番でも2番でも実績を上げるというのが大事ですし、我々も他のうまくいっているところは真似したいですし、岡山県のやり方がなんかうまくいってそうだということであれば、どしどし参考にしていただければと思っています。

記者)
 ファジアーノスタジアムの前回の会見で、知事が現ホームの増強改修というところを示唆されたのですけども、その後時が経ちまして、何かその辺り進展があったりとか、新しいスタジアムの整備について考えが変化したりとか、何かありましたらお願いします。

知事)
 なんか定期的に定点調査のように、私のスタジアムに対する意識がどう変わっているかというの(を聞かれるのが)恒例になっているみたいです。私、今回のゴールデンウィークは、どこか遠いところに旅行に行くのではなくて近場を回ろうと。その中でせっかくファジアーノ岡山がJ1に昇格をして、アウェーの試合もずいぶん行きやすくなりましたし、スタジアムに対する期待がものすごく盛り上がっている。なかなかこれについてはもう何度も申し上げているように難しい問題があります。そもそも県が関わるかどうかというあたりから、いろんな県民の皆さんの議論があるのですけれども、何かのことで、何かの理由があってこれは県が関わるべきだと、しかも主体的に動くべきだというときに、いや全然勉強もしなかった、何がどうなっているかもわかんないのですいません、勉強をするので半年、1年くださいと言うと、これは皆さんちょっとびっくりされるだろうということで、やるやらないとか、関わる、関わらないとは別に、勉強はしようということで、今動いています。私自身もそういう観点から、極力、全国にあるJ1で使っているスタジアムについては勉強もさせていただくし、できれば私自身足を運んで見てみたいということで、(5月3日)神戸に、神戸のノエビアスタジアムですか、それから(5月6日)名古屋については豊田スタジアムに行ってまいりました。その前にね、(4月12日)広島のピースウイングにも行ってきましたけれども、やはり本当に盛り上がっていまして、それぞれたまたま2万5,000人ぐらいのスタジアムでしたけれども、もう(観客で)ぎっしり埋まってね、岡山からもずいぶんサポーターが行って、はい、盛り上げました。それで今岡山の場合、1万5,000(人)、1万5,500(人)しか入らないと。つい先日のホームでもね、チケットを買えない人が、また今回も出たということで、(ゴール裏の)芝生がねすごく気になるわけですよ。あそこを使えたらなということで、前回この庁内で正式にどうのこうのというわけではないけれども、私自身は気にしてるよというお話をさせていただきました。で、庁内の方でもう少し、実際どれぐらいお金かかるのかな、どういう工法になるのかなということをちょっと調べてもらい、またそもそもファジアーノが望んでない形で勝手にすると、これはもう本当におせっかいというかご迷惑にもなりかねないので、どうなのですかということを問い合わせたところでありますけれども、工法ということで言えば、結構難しいということがわかってきました。杭をガーンと打って、それを基礎にして、椅子をざっと並べればいいわけなんですけれども、もうご案内のとおり、あそこは遺跡がありますので、杭を打つ、打たないというところですぐ遺跡の調査になると、もうすぐに2、3年かかるということで、杭を打たずにコンクリートを敷き詰めてちょっとコストが掛かりますけれども、ベタ基礎と言うのだそうですけれども、それをしたらどうなのだ、杭なしでも基礎になるではないかということなのです。それは工法的には可能なのですけども、そうなると今度は内水氾濫を防ぐための岡山市の条例に引っ掛かるということで、ものすごい貯水槽を作らないといけなくなると。どこに作るのだということになって、なかなか私も結構簡単にできるはずだと思っていたのですけれども、何か非常に難しいということと、あともう一つ、ファジアーノサイドでも、あそこがもしぎっしり席が埋まると、アウェーの応援席と隣接をすることになるということと、元々あそこは椅子を連ねるように考えていなかった、だから芝生なんですけども、なので動線があの部分は大変細いんだそうです。トイレもそこには別にね芝生用のトイレなんて作っていませんから。その観客の誘導を、安全面についてちょっと今の時点でありがたいということについては結論が出せないという回答をいただきましたので、ファジアーノとしても、もう本当に席数が足りなくてすごく悔しい、もう本当にそうなのだけれども、だからといってファジアーノとしても芝生席をぜひ普通の座席に変えて欲しいという要望は現時点ではないということですので、ちょっとこの件については、一旦振り出しに戻ったような形になりました。

記者)
 先立って言われた増強改修というのは、たちまちちょっと難しいという状況にあるということですね。

知事)
 一旦振り出しに戻ったと。とにかく我々、トイレの増強ですとか、通信会社さんが一旦とりあえず対応していただきました通信環境の改善ですとか、あと何がありましたっけ、必要とされることについて今対応を検討していますし、それとはまた別に、新スタジアムが必要なのかどうなのかと、これ今回、県議会の方で特別委員会の方で議題にするということが決まったそうでありますし、そういった議論も注視しながら、我々としても対応を考えていくと。対応するかどうか考えていくと同時に、その研究は続けていきたいと思います。

記者)
 国の方の議論で、ガソリン税の暫定税率の廃止というものが現実味を帯びてきている中で、知事の受け止めというのはどういうふうになりますでしょうか。

知事)
 私も納税者の1人ですので、減税というのはね、それは嫌か嬉しいかと言われると嬉しい方なのです。ただ、実際このガソリン税というか軽油引取税、揮発油税というのは、地方自治体にとって非常に大事な安定財源の一つでありまして、これを先日報道にもありました、岡山県の場合、市町村分、県分も合わせて110億円分ありますので、それが全く代替財源なしに減税ということになりましたら、この上乗せ分をもう一気に廃止ということになると、(歳入に)ものすごく大きな穴が開くということになります。これは国の方で考えていることですので、もしされるのだったら当然代替財源を手当していただきたいというのは、もう都道府県からすると当然のことだろうと思います。全国知事会を通じてその心配については伝えていますし、ぜひどういう結論になるにしても、何か国の方でやったことが、実際払うのは、実際サービス低下が起きるのは地方だということにならないようにしていただきたいと思います。

記者)
 PFASの要望の関連でお伺いしたいのですけれども、(汚染源がどこから来たものか)手がかりがないのが実際だというお話でした。ちょっとニュアンスの確認なのですけども、追跡調査をする意思はあるのだけれども、現実問題難しいよねというようなことなのか、それともこういう状況だから現状以上の追加調査をする意思はないということなのか、どちらになるのでしょうか。

知事)
 我々として、情報はあればあるほど、こういう対応方法、こういう処理方法があるのではないですかというオプションが増えるので、知っておきたいと。現に我々とすれば、その保管をしていた業者に報告を求めたわけですけれども、いや、これもうわからないのですと。こういう事情でこういうことなのですからという説明を聞くと、確かにこれは、もうその業者が嘘をついてるとか隠してるとかということではなくて、もう本当にその業者にとっても切実に知りたいということがあっても、多分これ無理だなということでありまして、ちょっとなかなか(難しいな)。あともう一つはこの会社のPFASだからすごいこういう問題があってというのではなくて、PFASはPFASですので、知っておいて損はないけれども、そこ(汚染源がどこから来たものか)を知ったから急に何が起きるわけでもないというのが今の我々のスタンスであります。もうとにかく、今あるものをどう処理して無害化するのかというのが大事なのかなと思っています。

記者)
 追跡調査に関してはあまり積極的ではないというか、今のところする意思はないという認識でいいですかね。

知事)
 元々、通常の商取引の中でものすごい猛毒を隠して渡したということではないので、わからない上にわかったから急に何が起きるとも思えないということです。

記者)
 ふるさと納税のことでお尋ねしたいのですけれども、先般、総務省の市町村税課長が来られたときに焦点になっていたのが、いわゆる支援金、奨励金というものがどういう目的で設定されていたのかという話だったのですけども、この支援金、奨励金(について)今年に入って県の方が町に対して助言をされたということなのですけども、一番最初に県がこの支援金、奨励金について、これはどういうものかということを注目されたのはいつになりますでしょうか。

知事)
 1年、2年ではないのですよね、数年前で、国が(返礼品調達割合の)3割基準の要請をする文書を発出したのが2017年の4月、それで町が奨励金支援金制度を創設したのが2018年の3月と。我々が把握をしたのが、その同じ年の5月、県が3割不適合のおそれのある市町村から状況を聴取する中で、この町の奨励金制度創設を把握して、これはちょっと問題になる可能性があるので見直しをしてはどうですかということを助言したわけですけれども、それについては町の方は大丈夫だと判断をされたのだろうと思います。そこで何か行動が変わることはなかったというふうに聞いています。

記者)
 最初に助言をされたのが2018年の5月ということになりますか。

知事)
 はい、そのように記録されています。

記者)
 それ以降、地方税法が改正(2019年6月)されて3割ルールというのが法律で明確化された以降で、今回のその助言よりも前ですよね。それの間で何かまた2回目ぐらいで何か気付かれたりされたことはありますでしょうか。

知事)
 その先ほどの2018年5月の次に、2019年4月に国の方から、奨励金が実質的にふるさと納税に関与していないと証明できれば問題はないのだと、明確に区別をしてほしいという回答が国からあったと。その回答に基づいて県の方から町に助言をしたところです。そこの区別できるかどうかというのが大事ですよということです。その後に、2019年6月に3割基準が法制化をされたという、そういう流れ。その次にずいぶん飛びまして、2024年の11月から(2025年)2月にかけて国から県の方に奨励金を調達費用として合算すれば、3割基準を超過するという連絡があって、これを踏まえて県が町に見直しを助言し、そこからはいろいろなことがバタバタと起きたということです。

記者)
 県の立場としては、一経由機関に過ぎないと思うので、なかなか主体的な調査というのはできなかったと思うのですけども、これまで度重なる助言をしておきながら、なかなか実態の詳しい調査まで至らなかったという現実だと思うのですけども、その辺の原因といいますか、なぜここまで時間がかかったというふうに思われますでしょうか。

知事)
 実際、言い訳ですけれども、この2018年5月に県から町に対して見直しを助言したとき、それから2019年4月に県において町に助言をしたとき、この2019年4月は(吉備中央)町長にも県の担当者が助言をしたのだそうですけれども、ちょっとそこまでの大ごとになるという意識が、県にも多分なかった、町にもなかったと。私にも報告が上がっていなかったということであります。もうご案内のとおり、3割を超えると、何か急にその返戻金に毒が入るとかということではなくて、すごいどんどんエスカレートしていくと、このふるさと納税でふるさとを応援しようという主旨が何か台無しになるのではないかと、ある程度の基準はいるよねということで、とりあえず3割にしてみようかということにしたわけで、そのときに大半の人が守っているのに他の人が守っていないとすごく有利になりますから、幅跳びのときにこの人だけはちょっと10センチぐらい踏み外してもいいのですよみたいなことですから。ですから、その趣旨として、やっぱりみんなでもうこういうふうに決めたことなのだから、あんまりなんかすごい後で何かね問題だというふうに言われるようなことではなくて、皆さんが吉備中央町いいところだから、もしくは吉備中央町は美味しいものがとれると知っているから応援しようという、非常に純粋に応援してくださる方に、気持ちよくお応えできるようにした方がいいのではないですかということを、私からもね、お伝えできればよかったなというふうに思うのですけれども、非常にテクニカルな問題として県も扱ったのかもしれないな、町もどこか当然ながらね、問題にならないレベルで競争力を付けたいというのは当然思うわけでありまして、そこの対応が双方ともに、ちょっと問題意識が少し薄かったのかなと思います。今考えればそのように思います。

記者)
 こないだの(4月25日の)会見でもあったと思うのですけども、今のところ他の自治体さん、県内のその他の市町村さんは大丈夫そうでしょうか。

知事)
 前回、いやもう吉備中央町さん以外は大丈夫ですということを、胸を張ってお答えしたわけですけれども、その数日後に、実際別の市町村から、1市町村から担当課に相談がありまして、ちょっと、もしかしたら問題になるかもしれないということで、今我々相談に乗っているところでございます。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了します。

知事)
 ありがとうございました。


2012年の記者会見