今議会を終えて
私からは、2項目、お話をさせていただきます。
まずは、先ほど、閉会いたしました2月定例会についてでございます。
議決を賜りました「第4次晴れの国おかやま生き活きプラン」では、少子化対策を新たな柱に加え、若い世代の出会い、結婚の希望がかなう環境づくりを推進するとともに、若者の還流と定着に、これまで以上に取り組むこととしており、若い世代が本県を選び、安心して住み続けることができるよう、効果的な施策を強力に推進し、「生き活き岡山」の実現に向け、邁進してまいりたいと存じます。
また、人口減少や県外への女性の流出等が課題となる中、今後とも、官民連携の下、男女ともに働きやすい環境づくりや固定的な性別役割分担意識の解消などを着実に進め、女性活躍の推進を図ってまいります。
来月から開催される大阪・関西万博の機会を捉え、本県を滞在拠点とした周遊を促進するプロモーションを実施するとともに、全県的な観光キャンペーンを展開するなど、本県の認知度向上と宿泊客の増加に向けた取組を強化してまいります。
企業向け子育て支援情報ポータルサイトの開設について
次に、少子化対策の取組について、2点、お話をさせていただきます。
1点目は、企業版子育て支援ポータルサイトの公開についてであります。
県では、本日から、企業向けの子育て支援情報をお届けするポータルサイト「ハレまる。」を公開いたします。
サイトには、子育て支援に係る県内企業の取組事例や、県などが実施する企業向けのセミナー、国や市町村を含めた補助制度の情報等を掲載しております。
また、そうした情報の中から、各企業の関心や課題に応じて、おすすめの取組や支援制度等をピックアップして紹介する独自の機能も備えております。
このポータルサイトを活用いただくことで、各企業の従業員の子育てを応援する取組が県内全域に広がっていくよう、様々な場面でPRし、男女ともに安心して子育てと仕事を両立できる職場環境づくりの一層の推進を図ってまいりたいと存じます。
「おかやま縁むすびネット」登録無料キャンペーンについて
次に、「おかやま縁むすびネット」登録無料キャンペーンについてでございます。
令和5年度に登録無料キャンペーンを開始して以来、縁むすびネットの会員数の増加に大きな効果が得られており、この流れを継続させるため、期間をさらに1年延長し、来年度も継続することといたしました。
また、会員登録手続についても、この4月から、出会い・結婚サポートセンターに来所することなく、オンラインでも登録できるようになります。
引き続き、より利用しやすいシステムの改善を図るとともに、登録無料キャンペーンの展開に継続して取り組み、会員数や成婚数のさらなる増加を目指してまいります。
私からは、以上でございます。
質疑応答
記者)
「ハレまる。」について伺います。知事は来年度、企業との連携を特に重視されるということだと思いますけども、あらためてこの「ハレまる。」の狙いと、思いを教えてください。
知事)
これまで一般の方の子育て支援のサイトというのはあったわけなのですけれども、今回企業の方にとって非常に使いやすいサイトを作ろうということで、これは全国初というわけではないのですけれども、中国地方では初だと思います。我々は2年前(令和5年度)でしたっけ、大規模な調査をいたしました。そこでわかったことが、経営者がどれぐらいこの(少子化)問題について大事だと思っているかどうかで、その会社の取組がずいぶん変わってくる。一般的には大企業ほど、もしくは特定の業種ほど取組が進んでいるということなのですけれども、とにかく経営者が(少子化問題について)強く思うかどうかということで決まると。強く思うと同時に、どういうふうにすればいいのかわからない、どういうやり方が成果を上げているのかぜひ教えてほしい、という声も多数いただいたところでありまして、他の企業の取組事例紹介、それから取り組んでいただいている企業を積極的にPRさせていただくということで、(子育て支援に)取り組みやすく、また取り組んだことで、その会社の評判が少しでも上がるようにと、いろいろな思いを込めて作ったサイトになっています。興味のあるキーワードで検索できるようにするなど、我々なりに一生懸命工夫を凝らしておりまして、使っていただきながら、さらに改良を進めていって、もうとにかくうち(の会社)は子育て支援をもっと頑張らないと、男性でも女性でも働きやすい、子育てしやすい会社にしたいと思っていただいた経営者幹部の皆様を、もう全力でサポートできるようなサイトにしたいと思っています。
記者)
大阪・関西万博や、来月は瀬戸内国際芸術祭も、(開催まで)もう一月切りましたけれども、今日夕方には香川県知事とも(両県知事会議で)そういった話もされると思いますけど、あらためて新年度を前に、そういった賑わい作りの思いを一言いただけますか。
知事)
万博が賑わっていないじゃないか、という何か記事のタイトルが時々出るわけですけれども、これまであったほぼ全てのイベントは大抵そうなるのですよね。岡山県で言えば、直近の森の芸術祭も始まるまでは、(昨年の)9月28日に始まるまでは、地元はそんなに盛り上がっていないよ、みたいなことを、親しい方からも「大丈夫?」みたいなことで何度も聞かれましたし、東京オリンピックも大丈夫かという話がありましたけれども、いざ始まってみれば、いやもうこんなことが、あんなことかっていうことで、もう大騒ぎをしてるうちに終わったと。いやあなんかもうすごい盛り上がったよねっていう、本当に日本の大型イベントの典型的なパターンでありまして、私自身は大阪・関西万博が始まって1ヶ月もすると、もうあの話題、この話題、あなた行きましたか、私は行きました、これすごかったよね、また行きたいみたいな、もういろいろな話題で、日本中大盛り上がりになることは間違いないと思っています。また、いろいろな国から来た外国のお客様が、ここが面白かった、これがすごかったという万博の話題、それから万博の外、大阪の街、もしくは岡山も含めた周辺地域でこんなワンダフルなことがあった、こんな体験があって日本素晴らしいみたいな話題も、日本、海外であふれることになるのだろうと思います。ぜひ我々とすれば、しっかり準備をする。我々自身が大阪の万博を利用して、岡山をPRしていく。また、大阪万博をきっかけに、特に海外から日本にお越しいただいた方に、(大阪から)もうすぐですけども、新幹線に乗ってもうすぐですから、岡山をぜひ訪れていただく努力を、今もいろいろな、今日お会いする香川県の池田知事とも相談をさせていただいていますし、西のゴールデンルートということで、西日本の知事、市長と一緒にいろいろな企画を練っているところですし、しっかりこれまで準備してきたことを活かして、盛り上げていきたいなと思っています。瀬戸内国際芸術祭もそうですね。元々、瀬戸芸の3年に1回に合わせて、岡山芸術交流もぶつかっている。我々もたまたま美作三湯芸術温度が県北である。これ全部事実上のトリエンナーレということです。それに大阪・関西万博もぶつかっているということで、大変盛り上がる年になりますので、1年を通して元気に頑張っていきたいと思います。岡山県内、それぞれ隅々まで盛り上げていきたいと思っています。
記者)
「ハレまる。」についてなのですけれども、今回、企業に特化したサイトを作って、企業に向けて情報発信することで解決したい課題といいますか、どうして企業に向けて特化したものを作ったのかというところをお願いします。
知事)
これまで少子化対策について、県庁が一生懸命頑張る。また市町村と一緒に連携するということは最初から考えていたわけなのですけれども、言われてみれば当たり前だろう、それに気がつかなかったのかと言われると恥ずかしいのですけれども、我々が働きかけたい方々、結婚をこれからしよう、これから子どもを産んで子育てしようという20代、30代を中心とした方々というのは、大抵の場合働かれているわけなのですよね。働いている場所というのは、大抵の場合、民間企業なのですよね。日本は社会主義ではないですから。ところが民間企業もそれぞれあります。もう大きな会社も小規模な会社も、いろいろな業種があるのですけれども、あまりにもいろいろあることもあって、きちんと一つ一つの会社に対してアプローチをかけるということが、なかなか現実的じゃないなということを思って、広く訴えかけるぐらいのことで終わっていたわけなのですけれども、でも実際のところ、それぞれの方々の環境、働いている環境、その会社の子育て支援、結婚支援のための制度であったり、もしくはよくあるパターンが、制度はあるのだと、制度はあるのだけれども、いざ使ってしまうと出世で損をするとか、いざ使ってしまうと本人は休めるのだけれども、そのしわ寄せが同じ課の人にどんと行ってしまって、まあ優しい人、日本人は多いですから、口には出さないけれども、なんか迷惑しているので我々はということがじわじわと伝わってきていたたまれなくなるとか、実際、この少人数のところから1人抜けるとうことは、1人応援を入れないといけないのだなということで、もう私も企業経営していましたから、なかなか人を入れるのは大変なのです。それでも、そこに援軍を送ってあげて、この人が子育てに入った、休暇を取った、もしくは産むための休暇を取ったことで、周りの人がひどい目にあったのだよみたいなことにしないということが、要するによく仏作って魂入れているかどうか問題ということで、そこまで考えて動いてくださっているかどうかで、全然その当事者の方々が、これだったら産めるのだ、育てることができるのだというふうに、これよくあるのは、先輩方、自分よりも5歳、10歳上の先輩が、すごくバリバリ仕事のできるかっこいい女性の先輩が、結婚して、子どもを産んで、(仕事に)戻ってきて、またさらに素敵に輝いているなといって、私もそうしたいというふうに思うのと、子どもを産んだ後なかなか大変そうだ、辛そうだということになると、私はどうするのか考えてしまうという、ぜひ子育てをしながらも、仕事を続けられる、仕事、出世、キャリアを諦めることがないのだということが、ちゃんと後輩たちに伝わるようにしてもらいたいと思っています。これは少子化ということも強く思っているのですけれども、岡山県民の幸せということを考えても、男性の場合はあまりこれまでも影響がなかったということですけれども、女性の場合は、以前はもう子育てするのだったら、はいどうぞ、キャリア諦めてくださいね、キャリア追求なんですか、ではもう子育てというのは事実上諦めていますねという、そういう選びたくもない二者択一を選ばされていた世代があるというのは、これもうよく言われることでありまして、そうじゃなくて、男性だろうが女性だろうが、子育てもするよ、キャリアもしっかり追求するよということができるような環境整備、これぜひそれぞれの組織、団体、会社でやっていただくよう、岡山県庁はそれを市町村と一緒にしっかりサポートしますと、そういう趣旨でございます。
記者)
岡山県庁の耐震改修、前川國男の顕彰を兼ねた改修からほぼ1年が経ちまして、見学ツアーは累計600人以上が参加して、だいぶ一般の方を県庁で見るようにも、風景も変わったかなと思うところもあります。その辺りの知事のご感想と、2025年度は天神山文化プラザと、それから林原美術館と前川國男の3建築の一体的なPRでアーキツーリズムの高まりをもとに世界から、国内外から観光客を呼び込むというふうなところだと思います。そこへの思いという2点をお願いします。
知事)
今日の午後、高松市で(開催される岡山・香川両県知事会議で)その話をすることになろうかと思いますが、本当におっしゃられるとおりであります。この岡山県庁は前川國男というすごい人が作ったのだよというのを知っている人は多いのだと思うのですけれども、具体的にどんな人だったのか、日本の建築史の中でどういう位置付けを占める人なのかというのは、あまりそこまでわかっている人はいないのだと思います。これから香川県池田知事とその話をさせていただくわけですけれども、あちらの香川県庁の方は、旧館、東館の方が丹下健三ですよね。丹下健三もやはり世界の丹下健三ですから。でも丹下健三は前川國男の弟子なのですよね。そういう系譜がありますので、あの時代、とにかく建築家というのは時代背景とは全く切り離すことができませんので、日本はもう敗戦でぺしゃんこになってしまった。もう日本は終わりだというふうに思っている人もいたのだと思います。いやいやそんなものじゃないぞ、日本人の力というのは、町も工場も全部焼かれているのですから、もうぺしゃんこになっているのだけどそれでも我々まだやるのだと言って、一生懸命立ち上がった人たちに対して、見える化、目で見えるもので、このドンと、いやいや俺たち負けるつもりはないのだという、この三木(元岡山県)知事が予算がない中、この県庁舎はその後東側にこの部分を増築していますからこの大きさではないのですけれども、この3分の2の大きさを建てたわけですから。もう岡山県民は多分びっくりしたのだと思うのですけれども、しかもそれが前川國男の非常にモダンなル・コルビュジエから習って、よしこれでやるぞという、この庁舎建築として初めてここで作ったわけですから、これがいかにすごいことだったのか、またそれが他の建築家に、他の建築にどんな影響を与えたのか、また前川國男が岡山で、さっきおっしゃっていただいたような天神山文化プラザ、それから林原美術館も作ってくださったそのご縁が活かされたということですけれども、そういったことについて、ぜひ、私としては、岡山が戦後の荒廃から立ち直っていった大事なときに、我々を励ましてくれた偉大な建築家ということで、ぜひ長く岡山県民に覚えておいてほしいな、その魂がここにずっと残っていまして、今回の耐震化においてギャラリーまで作りましたので、ぜひこれからたくさんの方に訪れて、勉強してもらいたいなと思っています。
記者)
瀬戸芸で建築・美術ファンが今年いっぱい来ますけれども、そういった人を県内に呼び込もうという、そういう思いはあるのですか。
知事)
建築というのは、いろいろな分野の中でも特別な重要性がありまして、それぞれの分野も素晴らしいのですけれども、長く残るということと、時代を反映して次の時代を提案するという役目というものですので、ぜひ我々としてもそれぞれの時代の大事な建築を伝えていきたいなと思っています。
記者)
先日の報道で、2019年までの7年間で、(政治資金収支報告書において)知事名義の架空の記載が繰り返されていたという報道について、知事の受け止めをお聞かせください。
知事)
私自身、全く政治の世界に関わっていない中で、2012年に(岡山県知事選挙に)立候補させていただいたと。私の知る範囲で、そういったことに詳しい人にお願いをした。会計責任者にそれからずっといろいろな団体の会計をお願いしたということでございます。ご案内のとおり、結果を見れば、不正確であったり、不適切な記載があったということで司法にも調べていただきまして、結果的にはこれはもう罰金刑だということで裁定が下ったわけでございます。それについてはこの場を含めて謝罪をさせていただきまして、とにかく我々、きちんとこれを正しい記載をする体制もできていなかった、知識も足りていなかったということで、公認会計士の先生、それから弁護士の先生に常に相談をできる体制を新たに作りまして、これからはそういったことをしないという決意で今取り組んでいるところでございます。
記者)
罰金刑になったものとは、今回の報道は少し立件されてないものとはなっているのですけれども、実際に会計責任者が知事の名義で架空の記載をしていただとか、かつ隆友会の、知事が代表を務められている団体でそのようなことが起こっていたということについては、知事はどのように受け止めていますか。
知事)
実際、検察の方で調べられたと。もう我々はあるもの全部を検察の方に提出をしまして、検察の方で調べていただいて、その結果、罰金刑ということになりました。今回NHKで報道されている内容というのは、検察からの資料と、我々が検察に提出して検察からの資料なので、我々からすると、もう全部検察にお伝えした内容、罰金刑が出た内容について、報道が出ているなというのが私の受け止めでございます。
記者)
その報道の後に申し入れとかもあったと思うのですけれども、県民への説明責任といいますか、あらためてこの報道を受けて、知事の方から説明するという姿勢はありますか。
知事)
不正確な記載だったと、記載に明らかな間違いがあったということについては、同じ会計責任者が団体は違っても同じようにやっていたということでございます。検察にもお知らせをしていたことですので、特に私が場をあらためて説明するということは、現時点では考えておりません。
記者)
処罰をされたのは会計責任者になりますけれども、やはり今回の報道では知事名義であったり、知事が代表を務める資金管理団体であったり、知事が知らないところで起こっていたとしても、知事が手綱を握っておくべき場所で起こっているものだと思うのですけれども、それも含めて県民が不信感を抱くきっかけにもなるのではないかなと思っていまして、それについて知事はどのように対応していきたいとお考えですか。
知事)
それぞれの団体は違うのですけれども、私、全てその会計責任者にお任せをしていたという点では同じですので、特にこれまで説明してきたことと同じことが起きていたというのが、私の認識であります。
記者)
会計責任者に任せていて起きていたということですけれども、今後はこういった報道を受けて不信感を持つ県民に対して、どのように誠意を見せていきたいとお考えですか。
知事)
前回もうそれがいつになりましたっけ。2021年の12月21日にNHKの朝のニュースで報道されてからですけれども、ですからもう3年(※「4年)を修正)ですか、とにかく私とすれば、そのミスがこれから起きないように体制の整備をするということ、あと、日々一生懸命県民のために仕事をすると。これが私にできる、これからできるベストだと思って頑張ってきたところでございます。これについてはこれからも変わらないと思っています。
記者)
特に今回の報道で進退にはご影響しないということですかね。
知事)
はい。
記者)
新しいスタジアムについて、本日時点での必要性の有無について、知事のお考えをお聞きしたいのと、J1にファジアーノ岡山が昇格して非常に盛り上がっておりまして、もちろん応援はされると思うのですが、今後どういったスタンス、思いで支援をしていくのか、何をどこまで支援していくのかについて、何か基準としてお持ちのことがあればお聞かせください。
知事)
何か私から前向きなコメントを引っ張り出したいという強い思いを感じますが、もう当然私もずっとファジアーノを応援してきた1人ですので、とにかく頑張ってもらいたいという気持ちは人一倍ございます。問題なのは、今スタジアムを作ると、県が関わるということになるときに出すお金が、私のお金ではなくて、県民の税金だというところでございます。そういうことになると、私が応援しているとか、そういう問題もあまり関係ないところになりまして、もう県民の全員がということにはなりませんけれども、県民の多くの方が、これは良いお金の使い方をしたなというふうに思っていただけるような、機運が盛り上がるのかどうなのかというところは、すごく大事なことだと思っています。このポジティブサイド、ネガティブサイドということで言えば、例えばわかりやすい、先にネガティブなことでいきましょう。今、サッカーをする場所がないという、どこかの学校の校庭を借りて試合している、これがJ1だということはあり得ないですよね。何かもう早急に作らなければいけないということで、できるだけ早くどこに作るのだということになるわけですけれども、今でもこのJFE晴れの国スタジアムはあって、(観客数)1万5,000人は入ると。場所はすごくいいということですので、問題なのは(サッカー)専用スタジアムではないので、(陸上の)トラックがあるので、ちょっと他の専用スタジアムと比べると臨場感に欠けるなとか、最新のいろいろな工夫は取り込めてないなとか、もしくはJ1に上がると、たくさん応援の方が県外から来られますし、県内の人もこれまで以上に見たいわけですから、これまでだったら足りていた1万5,000の席では足りないなということになっている。これは私も実感をしているところなのですけれども、ただ(スタジアムを)新しく作るときに、他の街でよくあるパターンの、(中心部から)遠い場所に、アクセスのあまり良くない場所にできてしまった。で、あまり評判が良くない、あまり人が来なくなってしまったと言ったら、何しに作ったかわからないようなことになるわけです。ですから、どういう形であれば、皆さんがこれは作ってよかったということになるのかというのは、なかなか簡単な話ではありません。他の街で、スタジアムができた場合でも、結構、紆余曲折があったケースも多いと聞いています。ぜひ、いろいろな方がいろいろな議論を通じて、こういうふうにするのがいいのではないかということ、これ特に最終的に予算を承認する権限を持っているのは県議会でありますので、県議会の中でも議論を重ねていただく、いろいろな場所でこの議論をしていただく、このメリットデメリット、いろいろな可能性も考えながら、県がどういう関わり方をすべきなのか、ぜひ、しっかり議論をしていきたいなと考えています。
記者)
知事が考えられる県民の盛り上がりというのは、何を見て、盛り上がっているなというふうに思われるのでしょうか。
知事)
それはもうやはりホームの試合がどれぐらい盛り上がっているのかというのと、アウェーの試合がどれくらい盛り上がっているのかということと、例えば中継したときの視聴率というのもずいぶんあるのだと思います。で、いろいろなデータが入ってきておりまして、私自身ホームの試合に行ったら、(観客が)ぎっしり詰まっているなというと、もうすごく盛り上がっているということですし、別の非常に大事な試合の岡山の視聴率が、実は意外なほど低かったというデータを教えてもらって、へぇそんなものなのかというふうに思ったりもしますし、いろいろな、私自身も今は話を聞いて、どれぐらい県民の皆さんが盛り上がっているかというのを、私自身も気になっているところです。
記者)
先日高校の無償化が国の方でも決まりまして、多分私立人気が高まるのではないかとか、いろいろな影響が考えられると思うのですけど、それに対する知事の受け止めや、こういう手立てを打ったらいいのではないかというお考えのことがあれば教えていただけますか。
知事)
高校の無償化というのは、まずものすごい予算が要ることですし、1年こっきりのことではないのですよね。今私の理解するところでは。非常に大きな影響を高校教育に与えるのは、間違いないと思っています。当然ながら、もう少し家計に余裕があれば、評判の良いこの私立学校に自分の子どもを通わせられるのになというふうに思っている人にとってすごく良いニュースである。これはもう間違いないと思います。お子さん、また親御さんにとって選択肢が増えるというのは、それ自体素晴らしいことだと思っています。ただ、ものすごいお金があれば、どの分野でもここが充実できて、関係の皆さん喜ばれるだろうな、安心できるだろうなということはもう常にある中で、今回、そこに国としてドンとつけることにしたと。そのときに、メリット、デメリット、もしくはそれだけの金額であれば、他の分野に入れればどう違ったのかというのは、これはもう国会でまさに議論をするべき問題なのですけれども、今回はちょっとそういう議論は、ほぼないままに決定が、非常に大事な、のちのちまで大きな影響を与える決定がなされてしまったということは私自身も、当然心配事とかデメリットと言われているものは、一応挙げられているわけで、それが顕在化するのではないかという心配は私も持っているところであります。いくつか挙げられていますけれども、その中で一番わかりやすいのは、先行して事実上の私立無償化が導入された大阪において、公立高校の人気が急落をしているということであります。私自身、自分自身は公立高校に責任を持つ立場だからということもありますし、その立場を外れたとしても、一岡山県民として、私の知り合い友だちで、東京で子育てをした人はたくさんいるわけですけれども、やはり話を聞くと、東京においては公立教育が少し今ひとつしっかりしていないのだと。大抵の良い子どもというのは私立に行ってしまうので、うちは公立でいいよというふうに思っても、なかなか公立で自分が思うような、子どもをここに通わせたいというような環境がないということは、多くの人の率直な意見です。それと比べると、岡山は地方でそういうケースは多いと思いますけれども、何か考えがあって、もしくは余裕があって、私立に行かせるのもいいのだけれども、公立でも十分素晴らしい教育を受けることができる。公立の学校に行っても、生涯の友だちと出会って、3年間なら3年間、切磋琢磨することができるというのは、これ本当に岡山で子育てをする素晴らしいことだと思います。そんなに実家がお金持ちではなくても、そんなに教育費を出さなくても、この本人のやる気と努力次第で良い教育が受けられるというのは、これはすごく大事なことだと思っています。もしその前提が崩れてしまうと、きちんと稼ぐ人にとってはあんまり変わらないのかもしれませんけれども、普通の生活をしている人にとっては大変悩ましいことになりかねないというのは、私の正直な心配でありまして、その無償化というのはそれ自体、私も教育を応援する立場ですから、それ自体はいいことなのですけれども、思わぬ副作用というか、今、現に心配されているわけですけれども、そういった心配が現実のものにならないようにしていただきたいですし、我々とすれば、努力をしなければいけないと思っています。
記者)
先日、真庭と笠岡のアクションプランも公表されて、既に中山間地を中心に定員割れをしている学校が多いような状況もある中で、私学の無償化があると、どうしてもその公立校離れみたいなことが起きうるのではないかというふうな懸念もあるかと思うのですけれども、公立高校、県立高校の魅力化に向けて何か考えていらっしゃることとかはありますか。
知事)
アクションプラン、真庭市と笠岡市について発表させていただきました。今の高校生というのが大体1学年で1万7,000人、岡山県でいるような状態です。それでこの再編しなければなかなか難しいということを言っている段階ですけれども、この残念なことですけど、去年生まれた子の数が1万1,000人程度ということで、あと15年経つと、そういう子どもたちが高校に進学するということですから、今この1万7,000人でも、少ないからなかなか大変だというふうに言っているものが、半分とは言いませんけれども、ぐっと少なくなるのがもう見えているわけです。今は公立7、私立3ということで生徒が配分、定数が配分されていますけれども、これからその比率がどういうことになるのか、無償化によって、どちらかというと私立に有利になっていく可能性というものが考えられるわけですけれども、そうなった場合、公立の学校の定員はどうなるのだろうか、特にこの岡山市、倉敷市以外の地域の定員はどうなるのだろうかというのは、これもう本当に我々自身も心配をしているところです。
記者)
私、岡山の県北の高校の出身なのですけれども、もう現役だった時代を考えると、もうあそこの高校もない、ここもない、ここもないというような形で、結構もう通える学校が限られてきている中で、結構特に県北の方なんかを中心にどうやって教育の機会均等みたいな、そこに住む最低限の基盤を確保していくかみたいなところの所感をお聞かせいただけたらと思います。
知事)
おっしゃられるとおりなのだろうと思います。実際、現に、その学校に、その学年に生徒がいないと、その状態でどうやって教育を維持するのかということを考えると、これ特に小学校、中学校で顕著ですけれども、統合した方がまだその児童生徒にとって良い環境を提供できるということで、統合するということが多いわけですけれども、ただその結果として、地域から学校がなくなっていく、その過疎の結果の統合ですけれども、その統合がまた過疎を進めてしまうということについて、これ実際、県北にあった学校が県南に移転をしたり、もしくは廃止になったりということが起きています。特に県北において、小学校、中学校、高校、大学の減少ということが現に起きているわけなのですけれども、そういった県北ですとか、東備、井笠の岡山市、倉敷市でないところの学校の存在感というか、意義というものは、同じ規模の同じレベルの学校が、例えば県南にある場合よりもさらに大きいのだと思うのですよね。地域にとっても、大切さというのは大きいわけですので、もうぜひ地域の皆さんにも頑張っていただきたいですし、我々も応援をする。これまでそういうふうにしてきた、県教育委員会もしっかり頑張ってきたのに、それをきちんと止められていないということが、本当に悔しいわけですけども、今、第4次生き活きプランにおいては、とにかく子どもを増やしていくのだということでやっています。これすごく時間のかかる取組なのですが、これほど本質的な取組もないと思っています。ぜひ、いろいろな形で、おっしゃられたように、やはり自分が生まれ育った地域にちゃんと学校があるというのは、いろいろな意味で大事ですので、全ての学校を守るみたいなことをここで宣言する自信はないわけですけれども、どういうふうにして守っていくのかということは、これまで以上にみんなで真剣に取り組む大事な課題だと思っています。
記者)
先ほどの政治資金の問題で、検察に資料を全部提出して調べていただいたということなのですけども、今、市民団体からの疑惑とか報道とかにあることも含めて調べていただいたという認識なのですか。
知事)
はい、私が代表を務めている団体の資料も含めて提出をさせていただいて、それも見ていただいた上で、罰金100万円ということでございます。
記者)
ということは、今回の疑惑についても事実関係があったという認識なのですか。
知事)
最初に刑事告発をされた団体がいくつかありまして、我々それ以外にも団体がありますので、書類は全部提出をさせていただいて、全部見ていただいた上で、その罰金刑になったということです。
記者)
今回のこの資金管理団体の件も検察が調べた上で、こういった事実関係があったという認識なのですか。
知事)
はい、調べていただいてその罰金刑の際に、ここがあったから何万円、ここがあったから何万円、計100万円というわけではありませんので、どういうことかわかりませんけど、我々の認識とすれば、全て提出して見ていただいた上での(罰金刑)100万円ということです。
記者)
例えばこの事実が時効にかかっているから立件できなかったとか、そういうことはありますか。
知事)
私は時効については詳しくありませんけれども、提出したものについて調べていただいて、確かに時効にかかっていれば、罰金刑になっていないのかもしれませんけれども、全部見ていただきました。
記者)
今、報道されている事実関係について、事実はあったけれども、それが検察によって立件されなかったという認識なのですか。
知事)
立件されなかったかどうかは刑事告発があって調べていただいて、略式起訴ということになって罰金を払ったというのが、事実であります。
記者)
罰金払った中に今回の疑惑についての件がなかったわけですけども、その疑惑についての事実関係のご認識というのはいかがなのですか。
知事)
もう同じ会計責任者が、そういう団体はたくさんあるわけですけれども、全部同じ人が処理をしていましたので、考え方、方針は同じでありまして、こちらで不適切とされたことは、こちらでも不適切というようなことをしていたということなのだろうと思います。
記者)
ということはその疑惑について事実関係をお認めになるとことですか。
知事)
私自身、そもそも毎年、これができました、そうですかよく頑張っていただきました、という程度のチェックしかしていなかったので、これはこうなのですというふうに検察に言われたら、いやもうそうなのでしょうということしか言えませんけれども、もう我々自身が体制がきちんとできていなかった。その会計責任者も一生懸命やっていたのですけれども、そもそもの考え方ですとか、扱い方ですとか、そういったことが間違っていたということですので、そこはもう申し訳ないということです。
記者)
まとめると、その疑惑についてはお認めになるということですか。
知事)
ここでやっていたミス、間違い、不適切なことが、ここでやっていても全然おかしくないわけでありまして、私自身そもそも全部任せていたので、これはこうなのですと言えるような記憶も資料もありませんけれども、ここで不適切ですというふうに言われたことがここで起きていても、全くそれ自体、そうなのでしょうねと、同じ人が同じ考えでやっていたのだからということです。それについても全て検察に提供をして見ていただいたということです。
記者)
先日、日本スポーツ協会が、国民スポーツ大会の秋の集中開催から通年開催への提言案をまとめられました。その狙いとしては、交通利用の平準化や宿泊期間の分散など、そして有力選手の参加しやすさなどということで、開催地の経済効果とか、財政負担の軽減に繋がる可能性があるということです。そういった提言案について、知事の所感をお聞かせください。
知事)
実際、国体、国スポが開催県にものすごい負担になっているというのは、私、知事13年目ですけれども、多くの知事が思っていたことでありまして、1順目というのは本当に意義があったと思います。いろいろな意義があったのだと思うのですけれども、敗戦で、本当に自信を失った国民に対して、スポーツを通じて元気を出してもらう。それも県別の甲子園のような形ですよね、みんなで盛り上げていこうということですから、天皇陛下にもお越しいただいて、みんなで元気を出すと、そこにせっかくこの国体が我が県に来るのだからということで、スポーツ施設を整備して、大規模なスポーツ施設が東京、大阪とかだけではなくて、全国に整備されたというのは、これ本当に意義があったのだと思います。ただ2巡目あたりからは、もうほぼそれは達成しているわけであって、かなり大げさになってきた。岡山県もそうだというふうに聞いていますけれども、県によっては国体があるがために、その前後でものすごい職員を採用して、県庁の年齢別の職員の数というのをグラフにすると、この件でいつ国体があったかわかるというぐらい、それも、国体はすごい大会ではありますけれども、その1回のために10年経っても20年経っても、その県庁の人員構成に影響が残っているというのは大げさすぎる話でありまして、これは何とかしてほしい。これはスポーツ大会なので、ぜひ県政にそこまでの大きな影響がないようにしてほしい。(全国知事会の)村井会長(宮城県知事)は廃止も視野に入れてほしいぐらいだというふうにおっしゃられたわけでありまして、それを受けてのいろいろな真剣な議論があって、これまでもう少し何とかして欲しいということを個別にはいろいろ伝えてきたはずなのですけれども、ほぼ取り上げていただけなかったことが、今回初めて全国知事会の総意として取り上げていただいたということについては、私を初め、多くの知事が評価をしているのだろうと思います。他の地域のことは聞いてないということであれば私自身は評価をしています。ただ、これよく指摘されることなのですけれども、評価をしながらも開催経費の財政支援について、具体的に示されていませんので、そこが非常に大きな課題なので、ぜひ、我々とすれば開催県が(費用の)大半を持つみたいなことはぜひ、やめていただきたいと。(日本スポーツ)協会が主催をしているので、ぜひ、その協会の方できちんと持っていただきたいと。何%かというのはそれぞれあろうかと思いますけれども、というのは、今思っている心配事というかお願いであります。
記者)
2030年代に2巡目の国体開催が終了して3巡目に入ると思うのですが、今知事がおっしゃられたように、施設の整備、準備というのが過大な負担になるようであれば、3巡目の開催ということについてはどのように考えられますか。
知事)
例えば、こんなことだとなかなか開催は難しいということで、手を挙げる県がなくなってくる。もう来年は決まっているけれども再来年が決まっていないみたいなことになると、これ本当に良くないことだと思っています。3巡目に入るのであれば、素直にやりたいという県が順々に出てくるような仕組みにしてもらいたいなと思っています。
記者)
「ハレまる。」の話で、いつ企業向けにオープンになったのでしょうか。
知事)
今日です。
記者)
企業さんへの周知というのはどういうふうにされていますか。
知事)
この記者会見に大いに期待をいたしております。ぜひ皆さん方が大きく扱っていただくと周知ができたということになります。
記者)
「ハレまる。」サイトをオープンされて、例えば生き活きプランの中の、具体的にこの数値がこれぐらいになったらいいなみたいな目標数値があれば教えてください。
知事)
「ハレまる。」によってということを考えているわけではありません。いろいろな手を尽くして、最終的には子どもの数が増えるようにということで、子どもの数が増えるというのはもう究極の目標なので、その手前の指標をいくつか用意して、管理をしているわけですけれども、全部手段とそれぞれのKPI、一対一対応にはなかなかならない、なっている必要もあまりないのですけれども、いろいろ手を尽くしてそれぞれ大事な指標が良くなる、もしくは今現実で言えば悪化を止めるということで、最終的にこの岡山でまた子どもが増えていく地域に、それぞれ戻したい。先ほどのお話にありましたように、それぞれの地域の子どもが増えていかないと、また教育機関の維持ができなくなる、もしくはその場所のいろいろな大事なものが維持できなくなる、もしくは公共交通も採算割れになるとか、いろいろな悪いスパイラルが今でも起きていますけれども、さらに強くなりますので、できるだけ早い段階で止めたいと。良い方向に戻していきたい。そのための努力の一環ということになります。
記者)
子どもを増やすというところは多分大きい最終目標だと思うのですけれども、例えば生き活き指標として重点戦略のところの3の子育てと仕事の両立支援プログラムで挙げられているような、例えばおかやま子育て応援宣言企業のアドバンス企業の認定数を増やすとか、14日以上の男性の育休の取得率の底上げに繋がればみたいな趣旨として考えてよろしいですか。
知事)
まさにその通りです。特に育休を、男性の育休をぜひ当たり前にしたいのですよね。これ私が新婚のときにもよく言われたのですけれども、最初が肝心だと。最初の1年をどうするかで、その後が決まるのだということで、でも本当にそうなのだと思います。どこで当たり前をセットするかということですので、ぜひ子育てがしやすい、お互いにとってこれならいいなというものが当たり前になりやすいような関係をぜひ企業に整えてもらいたいなと思っています。我々はしっかりサポートしたいと思っています。
子ども未来課)
先ほどの企業に対してどうアピールしているかという「ハレまる。」の件ですけれども、企業調査を昨年度(※「今年度」を修正)やりまして、そのとき4,000社ほどアンケート調査を行いまして、協力いただいたところには全部、今回(会見場で)配付しているチラシを配らせてもらおうと思っています。また、先ほどの目標の関係ですけども、今回、先ほど知事のコメントにもあったのですけども、「ハレまる。」相談の中に、例えば男性の育児参加を推進したいという項目を選んで検索していただきますと、男性育休を増やすような取組がずらっと出てきますので、そういうところを見ていただきながら、先ほど14日以上の男性育休の取得目標を増やすといった、そんなことも視野には入れておりますので補足させていただきます。
司会)
それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。
知事)
ありがとうございました。