知事)
なかなか厳しい状況が続いているなというのが私の率直な感覚であります。例えばガソリン価格が180円/リットルを超えてきているということでありますので、この物価高への対応で一番難しいのが、風邪のときに熱が出たときの対応にちょっと近いような気がしていますけれども、無理やり抑えると、例えば助成金を出して(物価高騰を)抑える場合、我々自身の経済が持っているその値段を抑えるメカニズムが働かなくなるということなのですよね。つまり、例えば鍋を作るときに、野菜が高い年は野菜を節約して、他の豚肉を増やそうみたいなことになるし、今度逆にお肉が高いときには、しょうがないわね、お肉を減らして野菜を増やそうみたいな、そういうメカニズムが、節約をすることによって、値段が高くなっているものを使わずに、経済全体で回していく。それによってその値段が少し下がっていくという、そういうプロセスを取るわけですけれども、希少な資源で値段が上がっているのだけれども、そこに助成を、補助を打つことによって入手が可能に、入手がしやすくなると、そういった節約行為がなく、普段通り使いますので、その値段が下がる力が起きてこないということになります。インフルエンザ等で熱が上がっているというのは、実は熱を上げてウイルスをやっつける、身体自身の免疫反応だというふうに聞いていますけれども、表面上の熱を下げることで、そのインフルエンザと戦う力を削いでしまうということなので、熱だけを下げる薬というのがいい場合もあれば、裏目に出る場合もあるというのに少し近いのかなと思っています。我々自身、今高くなっているものを極力使わずに、同じような生産ができる、もしくは同じような快適な生活ができるようにするというのが非常に大事だと思っていますし、第一次オイルショックで、日本が危機を飛躍のきっかけにしたやり方もそういったやり方でありました。第一次オイルショックのときに日本が世界で一番燃費の高いエンジンを開発したとか、そういったことですけれども、我々としてもできるだけ、例えば断熱をするとか、ZEH(net Zero Energy House)、ZEB(net Zero Energy Building)、エネルギーを使わない建物、住宅を増やしていく。そういったことを通じて、もしくは次に車を買うときには、より燃費のいい車、EVなどに買い換えるということによって、社会全体のそういった資源に対する、今高騰をしているものに対する依存を減らしていくということが大事なのではないかと思っています。