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2021年9月3日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0737526 2021年9月6日更新公聴広報課
会見写真

新型コロナウイルス感染症について

 本日は、新型コロナウイルス感染症についてお話をさせていただきます。
 8月27日に緊急事態措置を開始してから1週間が経過しました。県民や事業者の皆様のご理解、ご協力により人流は順調に減少しているものの、新規感染者の発生は依然として高止まりの状況にあり、病床使用率は上昇傾向で、特に重症病床使用率が30%を超えるなど、医療提供体制は逼迫の度合いを増してきております。
 また、県内では多くの学校で2学期が始まり、県外では大阪府の新規感染者が一昨日初めて3,000人を超えるなど、さらなる感染拡大に向けて予断を許さない状況が続いております。
 こうした状況を踏まえ、県では、自宅療養者が夜間に急変する事例の増加に備え、8月23日から一時療養待機所を再稼働するとともに、8月26日からは増加する自宅療養者に対応するため、外部委託による健康観察体制の充実を図ったところであります。
 また、8月27日からは肥満や高血圧などのリスクを有する軽症、中等症患者等に対しまして、短期入院により重症化を抑制する効果が示されている中和抗体薬の投与を開始し、その後は宿泊療養施設で療養していただく体制を構築したところであります。
 さらに、岡山県医師会等のご協力によりまして、かかりつけ医による自宅療養者の電話・オンライン診療体制の充実を図ることといたしております。
 県民、事業者の皆様には、現下の感染拡大を一刻も早く抑え込むため、一人ひとりが高い危機感と警戒感を持って、引き続き、緊急事態措置の実施にご理解、ご協力いただきますようお願いいたします。
 また、ワクチンについては、県内の感染状況を見ても発症予防や重症化防止に効果があることから、積極的に接種していただきたいと考えておりますが、デルタ株の感染力が強いことから、接種後であっても、極力人との接触を減らし、マスクは感染防止効果の高い不織布を正しく装着するなど、これまで以上に基本的な感染防止策を徹底していただくようお願いいたします。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 (緊急事態)宣言で、同様の制限を課した第4波と比較して、減少はしてはいますが、鈍いかと思います。要因、慣れによる人流の下げ悩み、デルタ(株)等々あるかと思いますが、要因は何とお考えでしょうか。

知事)
 まさにその二つが大きいと思います。やはりどこの地域でも見られている2回目、3回目(の緊急事態宣言)は効きが弱いということが、残念ながら岡山でも起きていますし、デルタ株の感染力、これはアルファ株と比べても格段に強い。その結果、この(新規陽性者数の)山も大きくなり、また、宣言が出てから、もしくは時短が始まってから、この前の週の同じ曜日から落ちる日が始まるまでの期間が、第4波では2週間でありましたけれども、この第5波ではこれがほぼ3週間ということになっているということに表れていると思います。

記者)
 (緊急事態宣言期間満了の)9月12日に向けまして、減少傾向にはありますけれども、解除の基準、加えて、その解除に向けた鍵は何とお考えでしょうか。

知事)
 もうとにかく新規感染者を減らすということに尽きると思います、それが全ての入口になりますので。それまでに、ワクチン接種は粛々、淡々、しっかり進めていくわけですけれども、とにかく新規感染者数を抑えなければ、解除ということにはならないということです。

記者)
 冒頭にも言及ありましたけれども、東京に比較してより影響力の近い大阪、兵庫で感染が拡大傾向です。どのような危機感、ご認識をお持ちでしょうか。

知事)
 第4波のときも、大阪が大きく燃え上がったことに我々もダイレクトに影響を受けて、これまでにない状況に追い込まれたわけでございます。このタイミングで(新規感染者数の)過去最高を出すというのは、私ちょっと勉強不足で、どういう要因が大阪に起きているのかきちんと把握できていないわけですけれども、これは岡山県にとっていいニュースか、悪いニュースかと言われると、もう100%悪いニュースでありまして、県民の皆さんにはより注意をしていただきたいと思います。

記者)
 新規感染者をとにかく減らすということですが、現時点での指標でもステージ4の2倍以上の数字です。あと10日という元々の期限なんですが、知事としてはこのまま解除できる見通しが立っているんでしょうか。

知事)
 ステージ4のときには非常に大きな(新規感染者数の)山を作りましたし、また、一旦ピークを迎えてからの下げ幅、これは全国の中でも非常に速い下げ方をすることができたと思っています。今回のデルタ株による第5波については、第4波ほどの効き方、時短を始めてから比較的早くピークを作ることができた、そこからすごい角度で落とすことができたということにはなっていません。とりあえず今の時点で、ピークらしきものは見えてきています。7日間平均で見ても、もしくは前の週の同じ曜日と比較をしても、10日間連続して全週を下回ることができている、これはいいことでありますけれども、先ほどありましたように、大阪で過去最高を記録するですとか、もしくは学校が始まることで、学校による学校での感染の可能性は高まる。当然、休んでいてその子たちが遠くに旅行することでまた遠くから感染を持ち込むリスクは、減るわけなんです。またこれから新たなピークを作る可能性もあるわけでありまして、もうとにかく予断を許さない、県民の皆さんが油断した時点でもう大変なことが起きる状況には変わりがないと思っています。

記者)
 おかやまマラソンの中止が先ほど総会で決まりましたけれども、知事どういうふうに受けとめていらっしゃいますでしょうか。

知事)
 おかやまマラソン、2年連続中止をせざるを得なくなったというのは、もう本当に断腸の思いであります。これまで何度も断腸の思いということは使ってきましたけれども、本当に辛い決断になったわけでございます。ただ今回、医療関係の普段大変お世話になっている皆さま方から、正直このコロナの感染状況で言えば、それが11月だからといって、準備、医療体制の確保がもう事実上困難だというふうに伝えられたということは、これは重いことでありまして。我々、ただイベントをやっているわけではありません。40km以上走るわけですから、体にリスクはあるわけです。安全に走り切っていただくために、これまで本当にボランティアの医師、看護師の皆さん、特に大活躍をしてくださったわけでありますので、その安全の担保が難しいということになった時点で、これはもう開催は事実上無理という判断になりました。

記者)
 (緊急事態宣言解除の)見通しに関連して、この(緊急事態)宣言期間中にステージ3に下げるという目標を出しているんですけれども、現時点で達成に向けた進捗はいかがでしょうか。

知事)
 まだ(緊急事態宣言期間満了の9月)12日までは(日が)ありますし、国が延長するかどうかを判断するのも来週の後半頃になりそうだということですから、まだまだ(日が)ありますので、ぜひ我々、当初の見込みどおり解除されることを目指して、できることをしっかりやりたいと思っています。これは国が決めることですので、国の方もこれは解除できるような状況ではないなということであれば、これはもう延長ということになるでしょうし、我々とすれば、解除できるような状況を県民と一緒につくる、もうそれだと思います。

記者)
 今回重症者用の病床率が3割を超え、ステージ3に達したわけですけれども、今まで低く抑えていたんですけれども、ここのところ高まってきた理由というのは、知事どのように分析しますか。

知事)
 タイミング的には、だいたいこの重症者用ベッドの使用率が上がるタイミングではあります。もう何度もご説明しました、新規陽性者数がまず立ち上がって、それから少し遅れて、だいたい1週間ぐらい遅れて入院が出てくる。だいたい陽性がわかったときにはほとんどの人は軽症ですから、私、大したことないわよ、で、1週間したら急に息苦しくなって病院に入ります。でもまだ重症ではない、で、その中でいろんなリスク要因ですとか、いろんなことがあって、その一部の方が重症になるという、だいたいそういうタイミング。今回は、今に至るまで高齢者の比率が低い、これはもうワクチン接種の賜ですけれども、そのおかげで、いろんな指標が非常に悪い中で一番大事な指標であるこの重症者用の病床使用率がこの程度で今でも収まっている。これは本当にワクチンのおかげだと思っています。ただ一番最後に上がるものが、今じわーっと上がっていて、これがすーっと下がる保証はありません。どちらかというと、ここ(新規陽性者数)がようやく少し下がりだして、全部遅れて遅れてきますから、ようやくあとしばらくすると、これ(病床使用率)がどっかの時点で下がりだす、で、少し遅れてまたこれ(重症者用病床の使用率)が下がりだすということになるでしょうから、下がりだすまでにどこまで上がっているのか、どのあたりで抑えて下げることができるのか、当然これ(重症者用病床の使用率)が100に近いところになると大変なことになりますので、この数字(病床使用率)は、できるだけ低く抑えられる。ただこれ、人為的に使わせないとか入れないというんじゃなくて、やはり入り口(新規陽性者数)を減らすことで、ここ(病床使用率)を抑えていく、まあ当然のことでございます。

記者)
 病床使用率に加えて、自宅療養者の方がかなり増えています。(健康)観察体制強化などもされていますが、自宅療養者の方の容態の急変などに今後どう対応されて、引き続きどう向き合われていくのか、ご所見をお願いします。

知事)
 第3波あたりまでは、我々、自宅療養というのを極力使わずに、ちょっと早め早めに入院ということができたわけですけれども、これだけ感染者が多いとさすがにそれもできない。ただ我々ありがたいことに、一部の大都市で起きているような、もう明らかに入院させなければいけない、医療を受けさせなければ大変なことになるのに、その医療キャパシティがないので遅らさざるを得ないみたいなことは、まだ我々起きておりません。自宅にいらっしゃるけれどもこれはちょっとホテルに入ってもらうべきだ、ホテルにいらっしゃるけれども入院していただくべきだ、もしくは自宅から入院というケースもあるようですけれども、基本的に、前回も言いましたけれども、うわぁーこれは大変だと言って救急車で運び込んで大騒ぎするということは、ゼロとは言いませんけれども非常に稀な例でありまして、そういうステージを上げるところでは一歩手前ぐらい、場合によっては二歩手前と言われるかもしれないけれども、ちょっと早め早めに様子を見ておこうということで、我々としても軽症者がちょっと心配なときに、ちゃんと医療を、適切な医療を受けることがでできれば、そうそう滅多に重症化しないということをそれぞれの病院から報告を受けているところでありまして、ぜひそういう真っ当なことがきちんとそれぞれ行われている、それぞれの患者の方のリスク、状態に応じた措置がなされることで、これだけいっぱい患者を作ってしまった割には重症者がそれまでに比べるとかなり少ないということ、ワクチンが一番の理由ではあるんですけれども、そういう後手後手を踏んで不作為によって重症者を作ることを避けるということには、現時点では成功していると思っています。

記者)
 本日の発表で、放課後児童クラブのクラスターが県内で初めて発生したという発表が県からありました。やはり2学期で学校がまた再開していますけれども、やはり学校での対策であるとか、子どもの感染リスクであるとか、知事のご所見を伺えますでしょうか。

知事)
 今回のデルタ株は、若い人もしくは子どもでもかなりかかる。これまで新型コロナウイルスのある種特徴が、子どもが意外とかからないというのがむしろ特徴だったわけですけれども、インフルエンザですとか、風邪の原因菌いっぱいありますけれども、それに近い、子どももしっかりかかるタイプの病気に変わってきたということであります。学校自体が心配ということではないんです。学校に行って、みんなが先生の黒板を向いて静かにノートをとっているときの感染リスクは非常に低いという評価が出ており、体感的にも感覚的にもわかるわけですけれども、ただそれが休み時間になると、お昼の時間になると、もしくは教室じゃなくて、部活動であったり放課後児童クラブになると、少しずつリスクが上がるわけであります。ぜひそこを総合的にどうコントロールするかということが、大事だと思います。これで、いやもうそれだったら休みにしてしまえ、リモートにしてしまえというのも当然発想とすればあるわけなんですけれども、実際休みにして、その間に旅行をして一家みんな感染をしたみたいなケースもかつてあったわけでありまして、どういうことをすると必ず、感染のことだけ考えてもよくなるとも限らない、あと学びの保障ということもありますし、総合的に判断しなければいけないと思っています。ただ、そうは言っても、学校が始まっていろいろな状況が報告されるわけで、その一つひとつの報告についてはきちんと把握をして、場合によっては我々判断を変える、もしくは我々は変えないにしても、それぞれの地域の市町村教育委員会、もしくは学校が判断を変える場面があってもおかしくないわけです。とにかくきちんと、何が起きているかということは日々把握しておかなければいけないと思っています。

記者)
 今日午前中、菅総理大臣が次の総裁選に出馬しないということを表明されました。これについて知事の受け止めを教えてください。

知事)
 菅総理、自民党総裁選挙への不出馬を表明をされました。私自身も大変驚いたところでございます。菅内閣、発足が昨年の9月ということでありました。国民目線で必要な改革をするということで、いろいろな改革に取り組まれたところでございます。例えばデジタル化に大きく舵を切られたというのは、これは歴史的な決断でありまして、本当に素晴らしいお仕事だったと思います。これは必ず次の内閣に引き継がれるべき仕事だと信じていますし、我々もその方針に沿って岡山県庁としても取り組みたいと思っています。ただもうご案内のとおり、菅内閣発足から今日に至るまでずーっとコロナとの闘いが続いていたわけでありまして、私も最前線で闘っている者の一人ではありますけれども、私よりもずっとまたプレッシャーの大きいお仕事を日々されていた、それもほとんど休みなしにされていたということで、本当に大変なお仕事だったと思います。今回の決断もいろいろなことを総合的に判断された上でのご決断だと思いますけれども、今もう第5波、真っ只中であります。政治的空白をつくる、行政が停滞するということは、これは許されないわけでありまして、今から新総裁の選出、それから新内閣の発足、順番わかりませんけれども、衆議院議員の選挙が続くわけでありますけれども、国民に対する影響が最小限になるよう、ぜひ工夫をしていただければと思っています。本当に頑張られたと思います。

記者)
 総裁選をめぐる昨今の情勢というのが自民党内部の話が中心とは言え、知事がおっしゃられたように、コロナ対応、自治体のそういうところにも大きな影響を及ぼしているところもありまして、そうした、要は政局についてもし一言いただけるのであればいただけないでしょうか。

知事)
 例えば私の場合は、(県知事)選挙に受かれば4年間の任期を保障されているわけですので、そういったコロナ対応もやりやすいということですけれども、議院内閣制ですので、そういう点でご自身のポジションを確保することについても、どなたが自民党の総裁であっても、どなたが総理大臣であっても、ある一定のエネルギーを割かなければいけない。また、国会の対応についても、我々が県議会で割かれる日数よりもずいぶん多い日数を慣例的に国会で使われているわけであります。本当に大変なお仕事をされたと思います。そこのコップの中のどうのこうのという批判が一部あることは承知いたしておりますけれども、制度から来る必然的なことでありますので、これを誰かの個人の責任に帰すというのは私の思いとはちょっと違います。与えられた状況の中で、非常に頑張られた結果と思います。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事臨時記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見