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2021年2月1日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0700837 2021年2月2日更新公聴広報課
会見写真

令和3年度当初予算の概要について

 私からは、令和3年度当初予算の概要についてお話をさせていただきます。
 各部局からの要求状況を、先月15日にご説明させていただきました。
 今月15日に当初予算案として取りまとめますが、それに先立ち、現時点での歳入見込みなどの概況をご説明いたします。
 資料1ページ「1 予算要求額」をご覧ください。
 令和3年度当初要求額については、先月15日に発表したものであり、一般会計の総額は、7,597億円と、前年度比1.8%、132億円の増となっております。
 次に、「2 歳入見込み」であります。今回見積もった歳入の主な内容についてであります。
 まず、県税全体については、前年度比5.9%、142億円減の2,272億円を見込んでおります。これは、コロナ感染拡大の影響等により企業収益が減少し、法人関係税が減となることが主な要因であります。地方消費税清算金については、感染拡大の影響等による消費や輸入の減により、前年度比2.5%、22億円減の850億円を見込んでおります。地方譲与税については、感染拡大の影響等により、前年度比29.6%、103億円減の245億円を見込んでおります。以上、税収は、前年度比7.3%、267億円減の3,367億円を見込んでおります。
 地方交付税と臨時財政対策債を合わせた地方交付税等については、来年度の地方財政対策や、県税をはじめとした歳入の状況などを踏まえた結果、前年度比14.2%、272億円の増を見込んでおります。
 特定財源については、感染症への対応に係る経費の増加に伴い、国庫支出金が大きく増加することなどから、全体で、前年度比6.9%、122億円の増を見込んでおります。
 以上により、歳入全体では、前年度比1.7%、125億円増の7,508億円となっております。
 資料2ページ「3 一般会計予算の状況」をご覧ください。
 歳出要求額と、今回見込んだ歳入額との差額が89億円となっており、この差額については、財政調整基金の取崩しにより対応する予定としております。
 次の「4 主な増減要因」に歳入歳出の主な項目についての説明を記載しておりますが、歳出については、先月15日にご説明したもの、歳入については、先ほど申し上げた内容となっております。
 資料3ページでは、参考として「地方一般財源総額の推移」などをお示ししておりますのでご参照ください。
 資料の説明は以上でございます。
 本県財政は、感染拡大の影響等により、一層厳しい状況となっておりますが、「生き活き岡山」の実現や、感染症を契機とした社会の変化への対応、豪雨災害からの復旧・復興に向け、必要な事業は最大限予算化し、全力で取り組んでまいりたいと存じます。
 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 財政調整基金の残高についてお伺いしたいんですけれども、今後の予算、来年度以降に使われる可能性もあるということで、どれぐらい残るかわからないんですけれども、現時点でこれだけの額を確保できたというのは、知事としてどう思われましたでしょうか。

知事)
 財政調整基金、まず2月の補正予算のところで不用を戻す、毎年だいたい増える、戻るということです。だいたいこれ、最初の予算の時に足りないものですから、そこでこの財政調整基金を使って、そのギャップを埋める。これを繰り返しています。実は我々、西日本豪雨までは順番が逆でした。2月補正で戻す前の財政調整基金を使って、この当初予算を組むことができたわけですけれども、それだとつじつまが合わないということで、これまでずっと続けてきた岡山県の予算の組み方の順番を変えて、まず財政調整基金を戻して、その戻したところから取り崩さないと、途中でマイナスが出てきてしまう。どっちがいいか、それぞれあるんですけれども、これまで慣れてきたやり方を変えなければいけないぐらい、そもそも水準が低くなってしまっているということはございます。あと、財政調整基金、今のところ単純計算をすると40億円ぐらい、予算のギャップを埋めた後で残りそうなんですけれども、それが残っていないと何が困るかって言いますと、これは我々にとっての手元資金になりますので、いざという時に、このお金はすぐに使えて、またこのお金が常にベースマネーのような形になります。それはどういうことかというと、何か国から支援がある時に、10分の10であっても、まず使えるお金というのはここにある財政調整基金ですし、それが例えば、4分3、支援しますよという大変ありがたい率だとしても、残り4分の1は我々が払うことになる。それが払えるかどうかという時に、とにかくこの財政調整基金が全ての種というか、元になりますので、これがないと、例えば出水期の時に、いざという動きが取りづらくなる。最終的にはいろんなところに助けてもらって動くわけなんですけれども、初動が遅れるということがあります。本当にぎりぎりの額を残して、何とか立てることができたということです。

記者)
 今回要求ベースでの発表なんですけれども、基本的に予算案としては、ここから知事査定で大きくは変わらないという理解でよろしいですか。

知事)
 そうですね。これ、名前と実態が、少しギャップがあるかもしれません。要求ということで、要求なんだから、それぞれの部局が思い思いにドーンと乗っけてきて、それに対して私が、何を言っているんだ、つじつま合わないだろうと言って、バサバサバサっとカットすると、なんか要求ということにふさわしいように聞こえるわけなんですけれども、実際のところは、本音のところで言えば、もっとこれぐらいほしい、これもしてほしい、あれもしてほしいというところを、数次にわたる協議によって、いやこれはごめんなさい、無理ですよという、事実上の査定が終わった後の外に出してもいい要求額ということですので、事実上もうほとんどの査定作業が終わっています。そこに、額とすれば大したことないんですけれども、そうは言っても、いろいろ査定をする中で、思い残しがあるというか、もしくは、ここについては象徴的な意味合いがあるというものについて、ほんのちょっとずつ私が最後に乗っける。私が最後に削るということは、これまでやったことがありませんので、今回もするつもりはありません。

記者)
 財政の健全性を示すいろんな指標があると思うんですけれども、例えば、ここに書かれています財政調整基金、このまま89億円を取り崩して使った場合に、知事がおっしゃったように残り40億円程度、これは過去、岡山県の財政の中でどれぐらい厳しいんでしょうか。

知事)
 過去、本当に厳しかったなということで言えば、平成20年度、2008年度ですか、予算組みの時がもう本当に厳しかった。その時の収支差額、今回89億円になっている収支差額が、359億円でありました。こんな収支差額がありますと、財政調整基金では到底賄いきれないということでありまして、その当時は、行政改革推進債、これは緊急の時にしか発行しない、有利でも何でもない債券でありますけれども、それを123億円、また特定目的基金からの借り入れ、これは禁じ手とよく言われるわけなんですけれども、それを136億円、また企業会計からの借り入れ、40億円で対応した。もう本当にすれすれの手法を使ってでも何とかしなきゃいけなかったというのが、多分近年、この数十年における岡山県庁の中で一番厳しい予算組みであったと思います。今回我々、以前、岡山県庁が頼らざるを得なかった特定目的基金からの借り入れですとか、企業会計からの借り入れ、そういったことにまでは手を出さずに済んだということなんですけれども、本当にそのぎりぎりまで追い込まれているというところであります。私、知事に就任してから、少しずつ少しずつ岡山県の財政、健全な方に健全な方に持っていった自負がございますけれども、西日本豪雨の時の対応でずいぶん、その時点で私、6年間知事をやっていましたので、6年の改善分のかなりの部分を吐き出したわけですけれども、そこにまたコロナがありますので、ずいぶん景色が変わってしまったということでございます。

記者)
 このままいった場合に基金の残高が40億円前後になるというのは、例えば何年前になるのですか。

財政課長)
 昨年度の財政調整基金取崩後の当初予算後の残高が、46億円でございました。それ以前の水準ということで、それ以前ですと、近年ですと、令和元年度が63億円、平成30年度が122億円ということで、まだまだちょっと余裕があるという形になります。なので、近年では一番取崩後の残高としては少ない額ということになります。

記者)
 もしできれば、後ほどでもいいんですけれども、40億円前後になるのは何年ぶりぐらいか。

財政課長)
 はい。後ほど、財政課の方でお伝えさせていただきます。

(財政課別途説明:平成25年度当初取崩後の残高が約38億円で、8年ぶりの水準となります。ただし、平成25年度当初取崩後の残高は、前年度の2月補正の取崩中止等を含まず、令和3年度残高とは一概に比較できませんので、ご了承ください。)

知事)
 私の見えてきた景色というのは、だいたい財政調整基金というのは120億円だ、130億円だというのがあって、でも我々の標準財政規模の5%、210億円ぐらいあるといろんなことに対応できるから、目指せ210億円ということでやってきたんですけれども、ずいぶん違うところで今頑張らざるを得ない。

記者)
 知事ご自身の任期中の財政、今まで毎年ご覧になってきて、この財政というのは、知事ご自身の任期の中でいうとどれぐらい厳しいと実感されていますか。

知事)
 やはり予算を組む時に、禁じ手を使わずに組めるのかどうか悩まなきゃいけないとか、そもそもこれまでと違う手順を踏んで、先にこの不用額を使って収支改善をして、それを使って初めて予算を組む、以前そんな必要なかったわけですから、ということからするとやっぱり厳しい状況になっている。これは、私が西日本豪雨の時に踏み込んだ対応をした裏返し、もしくはコロナにおいて対応した裏返しではある。これはある種、誰に言うわけでもなく、自分がこれまで判断した結果ではあるんですけれども、なかなか厳しい状況の中で泳がざるを得ないなと思っています。あと、財政調整基金というのは、ある種、家計で言えば、手元の資金に相当します。これをへそくり、お財布の中のお金というふうに言うのか、それともそれプラスすぐに引き出せるもの、普通預金の金額というふうに考えてもいいかもしれません。その後ろ側には、住宅ローンという、その何十倍、何百倍の借金がドンとある状態です。会社で言えば、手元流動性と、それから長期の借金と一緒ですから、実際のところはそれを足し上げた数字で、倍率からすると、後ろの借金の方がずっと多いわけですから、手元にどれぐらいあるか、例えば今40億円だ、ぎりぎりだと言ったって、そこに200億円をポンと積んで、後ろ側の借金に200億円積んだって、これ両建てでも本当は変わらないはずですけれども、それで手元流動性が40億円じゃなくて240億円になった、ばんざーいということには本当はならないです、後ろには1兆円以上の借金があるわけですから。ただ、いろいろなルールで、企業では許されるそういった操作が許されないことになっている。どんどんどんどんそうやって勝手に借金を膨らませて、偽りの潤沢さを演出されても困るということで。ですから、擬似的に手元流動性が、自分たちの財政のある種、いい指標になっているということがございます。ただ本当の意味で言えば、後ろ側の県債と、それから臨財債を足した借金が、どれぐらい我々の財政規模に対してあるのかということの方がより本質的ではあるわけなんですけれども、実際の予算組みの時には、財政調整基金がどれぐらいあるのか、それから、この収支の差額がどれぐらい出てしまうのかというのが、非常に切実な問題として迫ってくるというわけであります。

記者)
 今回、2008年度以来の行革推進債にも着手して、知事に就任されてやはり一番厳しい歳入の新たな予算組み方ということは言えるんでしょうか。

知事)
 はい。一言で言えばそのとおりです。西日本豪雨の時に、我々にとってずいぶんこれまで改善してきたものを逆戻りさせるような効果がありました。ただ、西日本豪雨の時に税収そのものが落ちたわけではないんです。局地的に大変な被害があって、出るものが増えたんですけれども、入るものが特に減ったわけではなかった。今回のコロナに関しては、出るものが大量に増えたと同時に、歳入も大きくダメージを受けているというところが大きく違うかなと思っています。コロナで影響を受けているのは、全ての都道府県、今共通をしているわけでありますけれども、岡山県の場合は、元々財政状況が悪かったところに、少しずつ、石井前知事が、私が改善をする努力をしてきたわけでありますけれども、そこに西日本豪雨があり、今回コロナということでなかなか厳しい中での予算編成になりました。

記者)
 今回歳入部分で、各税目のコロナによる影響の減り具合が出ましたけれども、予想よりというか、やはりコロナの大きさというのは大きく感じられますか。

知事)
 これを予想以上にという時に、なかなか難しいんですけれども、我々、2020年度、この令和2年度の中で言えば、最初、減収見込みが200億円から300億円というふうに予想をしていまして、いろいろ精査してみると、210億円ぐらいなんじゃないか、もっと近くになってくるとそれが200億円を切るぐらいのことに、どっちかというと180億円ちょっとということで、途中少し感染状況が緩くなって、政府の方もGoToキャンペーンですとか、いろんなことで景気を盛り上げる、そこの時点でずいぶんまた企業活動も平常に近くなったということもありましたので、予想以上にということかどうかわかりませんけれども、2021年度についても、なかなかワクチンがあるにしても、かなり制約のある中での企業活動であろう、そうなると税収もなかなか厳しいだろうと予測せざるを得ないというところであります。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見