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2020年10月27日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0687204 2020年10月27日更新公聴広報課
会見写真

感染者の大幅な増加を踏まえた県民の皆様へのお願いについて

 昨日、感染者がおひとり、コロナが直接の原因ではないとはいえ、亡くなられました。県内では2人目となります。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
 県内の新規感染者数は、この2週間で51件と、大幅に増加しています。特徴としては、県北に多く発生していること、医療機関や高齢者施設、会食の場などでのクラスター4件が発生していることなどであります。
 県では、市町村や関係機関と連携しながら、積極的疫学調査を行ってまいりました。また、医療機関や高齢者施設に対し、早い段階から、県のクラスター対策専門チームを派遣するなど、先手先手の封じ込めに取り組んでまいりました。その結果、現時点では、医療機関でのクラスターは、病棟を超えては広がっておりません。また、高齢者施設のクラスターも、入所者と職員から外へは広がっていないところであります。51件のうち、クラスター関連が33件と大半を占めておりますが、あちこちで感染が発生している状況にはありません。このため、件数増加だけをもって、市中に感染が蔓延しているとは言えない状況であると認識しております。
 そこで、クラスターの経緯も踏まえ、県民の皆様には、次の4点をあらためてお願いいたします。
 まず、国の新型コロナウイルス感染症対策本部分科会の指摘にあるとおり、感染リスクが高まる「5つの場面」を避けてください。特に、マスクなしでの会話をしつつ、大人数、例えば5人以上で長時間飲食することは、感染リスクを高めるとされています。飲食を楽しむ際には、なるべく普段一緒にいる人と、少人数・短時間で、感染リスクを下げながら楽しむ工夫をしてください。
 次に、発熱などの症状が出たときは、勇気を持って、職場や学校を休んでください。また、職場を管理する方は、クラスターを発生させないためにも、そうした方を休ませてください。自分のためだけでなく、周りの人の安全を守るためにも、是非、無理をせず休ませてあげてください。
 3つ目は、重症化リスクの高い高齢者の方が感染しないよう、特に気をつけてください。
日本での死者の8割は70歳代以上が占めています。この2週間に県内で感染が確認された51件のうち、12件は70歳以上であります。高齢者ご自身だけでなく、周りの方が十分配慮してあげてください。
 最後に、コロナ差別や誹謗中傷を絶対にしないでください。コロナ差別のある町に住みたいと思う人は誰もいません。新型コロナウイルス感染症は、誰もがかかりうる病気です。「コロナ差別」が起こらないよう、ご協力をお願いいたします。
 以上4点とともに、マスク着用、手洗いなど「新たな生活様式」を実践し、新型コロナウイルスを過度に恐れ、萎縮することなく、社会経済活動を維持・推進していただくよう、あらためてお願いいたします。
 そうした中で、発熱などの症状がみられた場合には、保健所、または、かかりつけ医にご相談ください。県では、身近な医療機関で相談や、診療、検査が受けられるよう、県医師会や県病院協会のご協力をいただき、診療・検査医療機関を募集いたしております。これまでに、353の医療機関に手を挙げていただいており、引き続き、医療提供体制の整備に努めてまいります。
 最後に、普段より、医療現場でご尽力いただいている医療従事者の皆様に感謝を申し上げます。
 私からは以上でございます。

質疑応答

記者)
 知事からのメッセージとしては、感染増はあるけれども、過度にオーバーリアクションをせずに感染に気をつけてほしいということだと思うのですが、その点で県民の方に注意してもらいたいというのはどういうところにありますか。

知事)
 実はメッセージの出し方が大変難しいわけなんですけれども、このままでいいんですよということではないんです。ぜひ注意をしてくださいということではあるんですけれども、ご指摘いただいたように、大変なことが起きています、皆さん生活様式を一変させてくださいというわけでもないんです。今のこのウィズコロナ、コロナに注意しながら生活を回していく、これはそのままなんですけれども、クラスターを我々ができるだけつくらないように努力をしてきた、努力していただいていた高齢者施設でのクラスター、医療機関の中でのクラスターが起きた。また、同じ時期に別のクラスターも起きているということですので、我々、もう少しメリハリを考えなければいけないということであります。多くの方は本当に気をつけてくださっています。リスクの低い行動、それからリスクの高い行動、それぞれ分かってきていますので、ぜひリスクの高い行動を取らないように。感染リスクが高まる5つの場面というものをお手元に配布させていただいておりますけれども、こういったことをきちんと気をつければ、逆に言えばこれ以外の行動については、あまり気にすることがない。普段のマスクですとか、手洗いをしていれば大丈夫なわけですから、特にこの5つの場面に気をつけていただきたい、そういうメッセージでございます。私、これまでクラスターの報告ですとか、いろいろなことについて報告は毎日受けておりましたし、これはというときは県庁に戻って、レクを受け、指示を出していたわけでありますけれども、もうご案内のとおり、選挙期間中は1候補でありますので、知事として皆さん方に訴えかけることが事実上不可能ということでありました。ちょっともどかしいところもありました。元々今回のクラスターについて、クラスター対策班を派遣もし、分析をして、あと、数日、1週間超かかるかもしれませんけれども、1か月ではなくて1週間程度の後には、それを踏まえたお願いですとか、対策を共有するつもりでありましたけれども、ちょっとそこまで待っていられないということで、今日メッセージを出させていただいたということでございます。

記者)
 これまでこの2週間前までは、高齢者施設、医療機関でのクラスターがないということが一つ岡山県のコロナ対策がうまくいっている根拠であったと思うんですけれども、何が変化したのかという、もし理由を分析されていたら教えてください。

知事)
 これまで医療機関に勤めていらっしゃる方々、高齢者施設、福祉施設にお勤めの方々、本当によく気をつけてくださいました。また歓迎会等でいろいろご不便をおかけしたわけですけれども、皆さんよく守ってくださいました。本当にありがたく思っております。今、春の第1波の時とは違って、あの時は絶対に封じ込めるんだ、死亡率も高いし、感染者を一人でも減らすんだ、出さないんだということで取り組んだわけですけれども、それが経済、生活に大きなダメージを与えるということが分かってきた。また、死亡率も下がってきたっていうことで、現在はウィズコロナ、ゼロリスクではないけれども、ポイントポイント、例えばさっきの5つの場面、感染しやすいところは気をつけよう、もしくはそういう高いリスクを避けよう、もしくは感染した時に大変なリスクを背負う高齢者ご自身、基礎疾患をお持ちの方、もしくはそういった方と普段から接している方、一緒に高齢者と同居している、自分自身が高齢者施設で働いている、そういう方は他の人よりも気をつけてくださいということを伝えてきたわけでありますけれども、その網が今回破られたということでございます。どなたがきっかけになったかということは、このコロナウイルスの潜伏期間が人によってずいぶん違うということもありまして、分かりません。今からどう調べたって多分わかりませんし、我々自身、かかりたくてかかったわけでもない、著しいミスを犯したわけでもない方を特定をして、コロナ差別にさらす意図も全くありませんので、どなたがということじゃないんですけれども、何らかの形で網が破られたのは、これは事実でございます。

記者)
 知事が冒頭で決して感染者の数にとらわれるものではないと言われましたが、知事選の最中でも連日感染者が増えておりまして、今日も9人ですか、数字としては9人である。そして先ほどの会見でもさらにこの数が拡大する可能性があるという部分もあります。このとらわれてはいけないと言われますが、今214人ですか、こういった感染が今増えておるという事実についてはどのようにお考えですか。

知事)
 危機感を持っております。危機感を持っているからこそ、数日待てばそういった本部会議もしくは通常の会見をするのを分かっていながら、実は今日この時間、ある放送局の方にお願いして収録をさせていただくことになっていたわけですけれども、大変ご無理をお願いしてこの時間を無理やりつくらせていただいたわけでございます。こういう記者会見の場を設定させていただきました。まず、やはり、例えば2週間前、4週間前のような落ち着いた状況とは少し変化が出ています。少しじゃないかもしれませんけれども、ちょっと心配な状況になっているということはお伝えをしたいということでございます。ただ、これについて先ほども言ったばかりですけれども、あまり過度に皆さん方の日常生活に影響が出ることは、私としては意図していないところでございます。メリハリ、何がリスクが高くて、どこを気をつけるのかということをもう1度思い起こしていただきたい、そういうことでございます。あと、夏の感染の時に、春の感染ほど過剰に反応をしなかった一つの理由は、若い人の感染が多くて、リスクの高い高齢者ですとか、基礎疾患をお持ちの方の感染が少なかった、重症化率が岡山県でも少なかったということがあります。院内感染、福祉施設、高齢者施設での感染クラスターもなかったということでありますけれども、今回はかなり高齢者の比率が高い状況になっています。また、地域的にも、夏の感染は岡山だとか、もしくは夜の繁華街、非常に地域的にも特定されていた状況から、広く県内に広がっているということでありますので、少し春とも夏ともパターンの違う感染が広がっていますので、注意してくださいということでございます。やはり、先ほど申し上げた注意すること、あと夏の時にお願いしました、旅行者が来られることをあまり心配する必要はないんです。知らない旅行者と急にベタベタ濃厚接触はしないです、普通の人は。ところが、元々の家族ですとか、仲のいい友だちが、岡山よりも感染の広がっている場所、東京、大阪なんていうのは常にくすぶっている状態がずっと続いているわけですけれども、そこから来て、やあ久しぶりだなと言って、懐かしいので、もしくは東京に勉強に出ている息子さんが戻ってきて、やあやあ元気にやっているなと言って家族で迎える、それ自体美しいことなんですけれども、症状がないままうつしてしまうという、お盆の時に皆さんにお願いしたことは、実は今でも全く同じリスクがございます。ぜひ、感染が続いている地域から、親しい方、ご家族が戻って来られる時には、いやあ懐かしいな、嬉しいなということなんですけれども、感染に注意をしながら旧交を温めていただきたいと思います。

記者)
 これから冬、さらには冬になってインフルエンザも流行するシーズンになりますが、これから岡山県が重点的に新型コロナ対策として取り組まなければいけないこと、例えばPCR検査の拡充なのか、医療機関を先ほど言われた病床を拡充させるのか、そのあたりを知事、どのようにお考えでしょうか。

知事)
 実は私、選挙期間中にアップデートを受けていたつもりでありましたけれど、ちょっと表面的なアップデートでありまして、選挙期間中もしくは選挙に出る前については、PCR検査体制の1日のキャパシティ700件です。10月末までに7,000件の抗原検査キットを使った検査体制の拡充を別途つくる予定ですというふうに聞いておりまして、40件から400件を目指して頑張りますっていうことで、基本的にその方向で進んでいるというように聞いておりましたけれども、先ほど申し上げましたように、今の時点で言えば、手を挙げてくださっている医療機関が353ということで、悪くはないんですけれども、ちょっとザクッと400を思っていたのには届いていない。ただ、それがその致命的に我々の準備に影響するということではございません。もう350も手を挙げてくだされば、取り敢えずもう大丈夫、さらに少しずつ上積みを考えております。実際のところ、それは何件の検査能力に匹敵するんですかということについては、実は353で7,000件できるとも言えるし、できないとも言えるということでありまして、どういうことかというと、実際これはもう以前から申し上げて、PCRもそうなんですけれども、検体を取る能力と、それからその取った検体を検査して結果を出す能力、どちらかの能力の小さい方が総合的な能力ということになるわけなんですけれども、今、検査キットを使って検査をする方については、全くリミットがないというか、検査キットもザクっとあるわけですから、受けた分だけそれをくっつければすぐ結果が出てくるということで、どれだけその検体を採取するかっていうところで、キャパシティが決まってくる。ですから、その350で検体を取るのか、400で検体を取るのか、何らかの形で7,000人の方がおられれば、そこで検体を取って検査をすれば7,000ですし、マックスがどのあたりになるかということで言えば、そんなに変わらないかもしれない。7,000ということが、私、700についてはかなり根拠がございまして、厚労省の計算式に当てはめてやっているんですけれども、7,000については大幅に増やそうという認識だったんですけれども、いろいろ深堀をして聞いてみましたら7,000もそこそこの根拠がございまして、岡山県で、インフルエンザで毎年どれぐらいの検査があったんですか、それがどれぐらいある特定の月、週に集中するんですかということから計算をしていますので、そこそこ根拠のある数字が7,000、7,000あれば大丈夫だろうということであります。

記者)
 ちょうど時期的な話なんですけれども、週末がハロウィンとかで、さらに月曜を休日にすれば連休にもなるというような、特に今週末の状況ですよね。去年なんか岡山駅前でも結構人集まっていたりとか、実際に繁華街でも、今年もやっぱり屋内での歌とかお酒のイベントなんか企画されているとこが多いみたいですが、それを踏まえて考えは。

知事)
 政府の方から、主催者が特定されないイベントに対する注意喚起が出ております。昨日出たのかぐらいですけれども、本当に私、自分で思いついて指摘したわけじゃないんですけれども、言われてみれば大変いい指摘でありまして、これまでの慣習、自然発生的に起きているイベント、これが3密になると、やはりリスクがございます。岡山県のそれぞれの地域の場合、渋谷のようなハロウィンのようなことにはならないわけですけれども、とにかく周りの方の安全を考えると、ちょっとやはり集まり方というのは例年とは違って当たり前でございます。渋谷のハロウィンも、オンラインでコスプレを披露するんだとか、いろんな工夫をされているようでありまして、今、インスタですとか、いろんなものがありますので、コスチュームに着替えて写真を撮ってみんなで見せ合っこするなり、そういったこれまで違う形で楽しんでいただければなと思っております。ハロウィンだけじゃなくて、これまで固まって集まって楽しむもの、あったと思います。それについても、極力オンラインですとか、気をつけていただく。絶対に行くなとか、一切許さんとかということではないんですけれども、ご自身のため、周りの皆さんのため、どういうやり方がいいのか考えていただくというのが大事だと思っています。

記者)
 先ほど知事、危機感を持ってらっしゃるとおっしゃいましたが、今持ってらっしゃる危機感とはどういうものなんでしょうか。

知事)
 岡山県の場合、春の第1波、夏の感染についても、比較的、他県と比べ、周辺と比べ、うまく乗り切ってきたと思います。これも県民の皆さんのご協力、特に医療関係、福祉関係の皆さんのご協力の賜物だと思っています。もしかしたら、岡山は比較的大丈夫なんだということで、ちょっと油断があったのかもしれません。もしくは、本当に偶然がずいぶん左右するところです。春についても、夏についても、この人が家にいてくれたからこそ助かったみたいなことは、もう何回もあったわけでありまして、夏に春に運がよかった分、今たまたまちょっとサイコロの目が悪い方に何回か連続して転んだのかもしれませんけれども、ただ我々として実際にこういった事例が分かった以上、やはりそれにふさわしい、ちょっとした気持ちの切り替えはいるんじゃないかと。これも何度も繰り返しますけれども、それってことは外出しないでほしいんですか、行動を控えてほしいんですかというと、そうじゃないんです。そういうことで、経済を下押しする生活を抑えてしまうと、そもそも、せっかくの楽しいはずの日々が楽しくなくなりますし、お店が会社が大変なことになります。ですから、これまで通りの生活を続けていただくんですけれども、メリハリ、この5つの場面、マスクを外して食べたり飲んだりする時にどれぐらいちゃんと距離を取っているだろうかということをもう一度思い起こしていただきたい。多くの方は気をつけてくださっているんです。それが1割なのか2割なのか、私、正確には分かりませんけれども、ちょっと油断しがちな方にもう1度思い起こしていただきたい。つい先日、ある研究所の方から、食事をする時に真向かいに座るリスクが1だとすると、お隣というのは非常にリスクが高く、確かにここ(前)にアクリル板を立てることがあっても、ここ(横)にはなかなかアクリル板を立てませんから、ここ(横)だと5倍になってしまう。これが斜めになると1に対して4分の1になるという、ちょっとした座席の関係で、リスクが全然違う。ですから、ここ(斜め)とここ(横)を比べると20倍違うわけですよね。ですから、夜の飲食をするなということじゃ全然ないんです。ぜひ楽しんでいただきたい、せっかくミシュランが星をつけてくれたり、ミシュランプレートとかやってくれているわけです。どんどん行っていただくんだけれども、その時にどういうふうにするか、ぜひきちんと気をつけながらご飯を食べていただきたい、そういうことでございます。

記者)
 これまで感染にとても気をつけていらっしゃった医療機関や高齢者施設で、クラスターが起きてしまったということも県民は重く受け止めていると思うんです。知事は、現時点では春のような外出自粛や行動の制限はかけるお考えはないということを教えていただきましたが、その中で岡山県民これから冬を迎えるにあたって、どういう意識、どういうこの気持ちで過ごしてもらいたいというふうに考えてらっしゃるんでしょうか。

知事)
 その質問にお答えする前に一つ、関連でお話をさせていただきたいと思います。クラスターを起こしておいて自慢できるようなやつはわかっていないわけですけれども、この総社の高齢者施設に関して、実際、最初30人のうち4名が陽性になりました。私自身、PCR検査の癖というのはそこそこわかってるつもりでありますので、この残りの26名、何日かしてからもう1回この検査をしてくれるように、保健所と調整するようにお願いをしました。その通りやってくれました。後で聞いたら、私がそういう指示をしなくてもやるつもりだったということですけれども、数日後にPCR検査、もう一度やってもらったら、陰性だった26人の中から4人の陽性者が出て、それでクラスター認定になったわけですけれども。それからまた一歩進んで、これは私が指示したことではないんですけれども、部長が指示してくれまして、残りの陰性者についても、非常に高齢な、大変リスクの高い方々ですので、その施設ではなくて入院をさせるという判断をしまして、今、全員入院をされているという、その施設が空になった状態ですけれども、そこからもう外に広がりようがありませんので、非常に厳重な体制で、漏れる、知らないうちに染み出していく広がっていくというリスクを抑えたことになります。また、津山市内の医療機関についても、こちらの方にもクラスター対策班入ってもらいまして、いろいろ広く検査をしました。また、対策をしまして、今のところその患者が発生をした病棟の外に出ていないわけでありまして、クラスターを起こしてしまったわけですけれども、クラスターをその場に封じ込めるということについては、現時点でかなりうまくいっているのではないかなと思っているところで。何に注意してほしいかということなんですけれども、先ほどの遠くから来た仲のいい人と会う時に注意してくださいという、そもそもここのメッセージ、これがそのものなんですけれども、それプラス、特に2番、熱などがある場合に仕事を休みましょう、数日後に多分もう少し完全な形でお知らせできると思いますけれども、今回のクラスターをはじめ、この2週間ほどに大量に起きた件数のうち、もし微熱があった、ちょっとした症状があった時に仕事を休んでくれていれば、この件数、大幅に少なかったであろうということが考えられますので、これがかなり大事かなと思っています。冬になってくると、やっぱりちょっと熱があることってあるんですよね。皆さん方も、入社して若手の頃は、そんな37度にもなってないのに熱で休んでたら仕事にならんだろうみたいなことを、上司から言われたことがあるかもしれません。その時はそうだったのかもしれませんけれども、今のコロナの状況で言えば、仲間に迷惑をかける、シフトがとか、お客様との約束だとか、大人の事情がいろいろあるんですけれども、そこで勇気を持って申告をして休むことができるか、その職場の同僚、上司がこれはしょうがない、リスク管理のための掛け捨て保険だということで、その人に休んでもらう決断ができるかどうかというのは、大変大事なことになりますし、よっぽど余裕のある人員体制をとっている会社や組織、団体でなければ、お客様に多少の迷惑が行くのも避けられないんです。ですから、予約したのになんでちゃんと料理が出てこないのか、ミーティングすることになっているのに担当者が出てこないんだ、高熱でうなっているんならともかく、微熱で休んでいるなんて馬鹿にしているんじゃないかみたいなことをお客様が言われてしまうと、なかなか大変なところがあるんです。社会全体でコロナウイルスを何とかこの冬、乗り切っていくためには、そういうこともあるんだという意識を持っていただきたいと思います。自分だけのことを考えると、少し体調が悪いのを隠して働く方が多分楽なんです。何も言わないでおこうという、そのちょっとした配慮がある確率で、それが20分の1なのか、50分の1なのか知りませんけれども、大変な事態を引き起こしてしまう。それが1人2人を介して、基礎疾患をお持ちの方、高齢者にうつすことになると、まさに命の問題になってくる。微熱で会社に行くことがこんな迷惑をかけることは普通はないわけなんですけれども、ちょっと飲酒運転に近いような、飲酒は別に違法でも何でもないです、運転も違法でもないです、それが組み合わさることでかなり危ないので、こんなに今厳しくやっている。微熱っていうのは別に自分が悪いわけでもない、よくそういうことあります、仕事に行くのはこれはある種国民の義務です、でも、今の時期、微熱で、もしくは熱が出て体調が悪いのに仕事に行くというのは大変悪い組み合わせであって、飲酒運転したから必ず人を殺すわけではありませんけれども、ある確率で全く関係ない人を事故に巻き込んでしまうのと同じように、ある確率で多数の方を病気にしてしまうということですので、これに対する社会全体のご理解をお願いしたいと思っているところでございます。

記者)
 病院と高齢者施設について、県が専門家チームを派遣していまして、現在その封じ込めが図られているということなんですけれども、県北の会食のクラスターが本日も2次感染者が発表されています。その会食のクラスターの対策の進め方と、公表のありようについて知事はどういうふうに考えてらっしゃいますでしょうか。

知事)
 会食クラスターについては、最初に感染をした方がすぐ症状が出ていれば、多分ここまで広がっていなかったんだろうと思います。新型コロナウイルスのクラスターは、こういうことがよくあるわけでありまして、本人は元気だと思っているうちに、知らず知らずのうちに会食をして感染を広げてしまったという例の一つだろうと思っています。あと、私自身は、皆さんご案内だと思いますけれども、感染拡大防止に資するのであれば、極力情報は公開すべきだ、それによって、その地域の皆さんが注意することができるということなんですけれども、ただ、だいたい情報公開派の私であっても、もう今更その情報がわかっても、これから拡大防止と関係ないだろうなということについては、特に公開したいわけではありません。今の状況で、そのお店の名前を出したところで、たまたまそこで感染が起きて、そこから別の場所で広がっていますので、もうそこにはもう何もありません。今の時点で、私がお店の名前を公開するつもりはございません。それ以外で、これは公開しておかなければ、皆さん方を実質的に守れないのではないかということがあれば、その時にまた必要な情報を公開してまいります。

記者)
 今、11月30日までの県の対応方針を出されていますけれども、今回のことを受けてその辺の方針を変えたりですとか、そういうことは考えているのでしょうか。

知事)
 大きく変わっているわけではありませんけれども、上乗せ、上書きに近いようなところでございます。

記者)
 今の対応を、上乗せ、上書きするということですけども、特に新しく対策本部会議を開いて、新しい方針をつくるというわけではないということでしょうか。

知事)
 そういうわけではありません。もう本当に、あれあれあれという間にクラスターが複数発生しておりますので、県民の皆さんにあらためて注意喚起、特にあらためてということに加えて、例えばこういうことについてはあまりこれまで強調していなかったと思いますけれども、今、現状、お伝えしたいことについて今日お伝えをしたということになります。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事臨時記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見