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2018年8月21日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0573779 2018年8月22日更新公聴広報課
会見写真

平成30年7月豪雨災害に伴う組織改正について

 私からは、3項目、お話をさせていただきます。

 まず、平成30年7月豪雨災害に伴う組織改正についてであります。
 豪雨災害への対応について、地域産業の復旧・復興を迅速かつ着実に進めるため、国において、「グループ補助金」の制度が創設されました。
 この補助制度は、中小企業等がグループを形成して「復興事業計画」を策定し、県の認定を受けた場合に、そのグループに参加する事業者の施設や設備の復旧費用を国と県が支援するものです。
 一日も早い被災地の生業の再建が進むよう、円滑な支援を行うための体制を強化するため、産業企画課内に新たに「事業者復興支援室」を設置することとし、本日付けで組織改正を行いました。
 なお、この「グループ補助金」をはじめとした各種支援制度について、まずは、8月23日に支援機関や金融機関向けに説明会を行い、翌週8月27日から29日に事業者向けの説明会を開催し、9月には計画の受付を開始したいと考えております。

災害廃棄物処理基本方針について

 次に、今回の豪雨災害により発生した災害廃棄物につきまして、県の基本的な処理方針を定めましたのでご説明いたします。
 まず、3の「処理の主体」は、法に基づき市町村となります。県としましても、市町村の被害状況や災害廃棄物の発生量等を勘案し、市町村による処理が困難であると認められる場合には、地方自治法に基づく事務委託により、県が処理を代行することとします。
 次に、5の「処理期間」は、先日公表しました約41万トンの災害廃棄物について、他県における近年の大規模災害の処理期間や、今回発生している災害廃棄物の特性を考慮し、発災後2年間での処理完了を目指します。
 6の「処理方法」につきましては、円滑かつ迅速な処理を原則としつつも、平常時と同様に、可能な限り、環境負荷の大きい焼却処分や最終処分を少なくし、再使用、再生利用、熱回収を図ることとします。
 また、県内での処理を基本としますが、目標期間内での処理が困難となる場合には、県外広域処理や仮設処理施設の設置も検討します。
 なお、7の「財源」につきましては、国の補助制度を最大限活用するとともに、引き続き、国に対して必要な財政支援を要望してまいりたいと存じます。

建設型仮設住宅について

 最後に、仮設住宅についてであります。
建設型仮設住宅につきましては、先般、倉敷市から、市において借り上げる真備町内の民有地へ50戸の建設要望がありました。この敷地の状況を精査した結果、53戸を建設できることから、倉敷市と協議の上、53戸を建設することとしました。
 8月23日に着工する予定であり、一日も早く避難者の方々に入居していただけるよう、引き続き取り組んでまいります。

 私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 組織改正について、改めて組織を作られる理由と狙いというのと、今回のグループ補助金等の制度につきましても、国の方がある程度設計した上で、県が詳細について設計するというスキームだったと思うのですが、現段階では、ある程度、方針というかどのような補助になるかっていうのは決まっているのでしょうか。

知事)
 まず、この事業者復興支援室を新設する目的ということでありますけれども、これは単純に業務量が大きいということであります。グループ補助金を多くの企業に応募していただく、応募していただいた上で、その審査が必要になりますので、そういったことを鑑みるとかなりの事業量で、1つ組織を作って対応することが必要だと考えたところでございます。現時点で9人配置する予定といたしております。
 県の方でどれぐらい方針が固まっているかということでありますけれども、4分の3を助成して、残りの4分の1についても無利子融資が付くということ。あと、グループを組んで計画を申請していただくということ。大枠は国の方で決まっておりまして、これは熊本の地震でも使われた方針であります。細かいことについて、我々の方で制度設計をする余地が残されているわけであります。今の時点で全て何かきちっと決まっているというわけではありませんけれども、できる限り被災された事業者の皆さんの要望に沿えるよう、また国の要綱にきちんと対応していきたいと考えているところです。

記者)
 初めて2年間で処理完了と明言されましたけど、今のところの予定として、県が市町村に代わってやらないといけない量とか、計画とか、若しくは新しい施設の設置などについてのお考え、計画があるのであれば教えていただきたい。

知事)
 まず我々として方針を定めて今回公表させていただいたところであります。それをもとに、倉敷市をはじめ、今回災害廃棄物が大量に出た市町村と話をしているところでございまして、先方から希望があった場合に、我々としては真摯に対応するということであります。
 一緒にやることになったら、どういう形でやっていくのかということを話し合っていくわけでありますけれども、まだ今の時点でお話しできるようなことが固まっているわけではありません。

記者)
 現時点で、知事会とかでも他府県の要望、要請をお願いするという話があったと思うのですけど、現時点で協力してもいいよとか、そういうお話があるのを公表できるのであれば教えていただきたい。

知事)
 これは補完性の原則そのままですけれども、地域でできることは地域でやるし、地域でできない場合には全県でやりますし、県内で収まりがつかないというときには、これは他県若しくは国にお願いをするわけでありますけれども、今の時点で岡山県の中で処理ができるのか、それとも全国知事会等を通じて、他県にお願い、若しくは環境省を通じて他県にお願いすることになるかはわかっておりません。必要な援助については、適宜お願いをしますけれども、まだ41万トンというものが、どういうものなのか、我々としてもわかっていない状況です。

記者)
 2年間ということですけど、これに対して根拠といいますか、可能であろうという考えになったのはどういうところ。

知事)
 この2年間にそんなに大きな根拠があるわけではありません。この委託を依頼されるかどうか、その時に我々が依頼され委託をするとなると、入札をして業者を選定することになりますけれども、その業者がどういった事業計画を出してくるとか、大きな組織で早めにやるとか、ちょっと小ぶりの工場というか処理設備を使って長めにやるか、いろいろなことが考えられるわけですけれども、これまで同様の阪神淡路ですとか、新潟、中越地震ですとか東日本大震災など、そういった事例を見て、だいたいこれぐらいあれば対応できるのではないか、そういった目安でございます。

記者)
 2年間というのは、基本的に県内の施設で行って可能だという見通しですか。

知事)
 だいたいそれぐらいなのではないかということであります。別に2年間、1日もずらさずに処理をするという公約ではなくて、今の見通しということであります。
 私自身も、気になっておりましたのが、例えば、小さな設備でゆっくりやった方がトータルのコストが安くなることも考えられます。大きな組織の方が高くつくのですよっていうことも工学的に考えられますし、今度、逆にあんまり長く置いておくと、その間の管理費用ですとか、土地代が、実はすごく大変なのですよっていうことも考えられます。大きなものを作るって言ったって、どうせ燃やすだけの施設ですから、大きめのものを作ってさっとやった方が良いんですっていうものなのか、ちょっとそこについては余り急ぎすぎたり、あまり時間をとり過ぎたり、これはどういう性格のものなのかっていうことは、ずいぶん途中担当に聞いたわけですけれども、それについてはものすごく急がなくてもいいかわりに、延ばせば延ばすほど安くなるっていうことでもないので、ある程度ニュートラルに、これまでの事例で考えればいいだろうということで、だいたい2年間ということでございます。

記者)
 処理方法なのですけれど、この最終処理っていうのは、基本的埋め立てという風に考えてよろしいでしょうか。

知事)
 最後の最後は埋め立てるものも残っております。

記者)
 水島のプラントの方はいかがでしょうか。

知事)
 これもその委託を受けるかどうかということによりますので、例えばの話、倉敷市が自分たちで全部やりますっていうことになると、これは我々の仕事ではなくなります。
 元々災害廃棄物は一般廃棄物で、イコール市の担当ということになっています。

記者)
 では、プラントを建設しないまま終わるかもしれない。

知事)
 かもしれません。

記者)
 災害廃棄物につきまして、今後実行計画を策定していくという、今回2年間という期間を示されたわけですけども、改めまして、全体的に災害廃棄物処理を進めていく上での思いを教えていただきたい。

知事)
 災害廃棄物、これは私にとって、どこにあるかということでずいぶん意味合いが違ってまいります。真備町で皆さん方が家を片付けられる、元々で言えば、水で流されて、道を塞ぐような形で置かれていた動かない車ですとか、家の残骸、これは交通の若しくは救出の邪魔になりますので、一刻も早く撤去するということで臨みました。
 あと、被災された皆様が家の片付けをする過程で出てきたごみ、これがいろいろな経緯がありまして、道路脇に積み上げられてしまった。それが交通の妨げ、渋滞の元になり、また残念ながら、燃えるもの燃えないもの、腐るもの腐らないものの分別がなされていなかったこともあって、健康被害が大変心配をされました。
 そういった真備町内にある、ごみについては、それこそ、一刻も早く町外に出さなければいけない、分別をしなければいけないという思いで、かなり無理をし、自衛隊その他外部の力も最大限借りて急いだわけであります。一時置き場もそうですけれども、二次置き場で分別された状態で置かれたごみについては、そうそう悪さをするものではありませんので、ここについてはスピード命ということよりも、トータルの処理費用がどうなのか、他にもいろいろやらなければいけない仕事がいっぱいありますので、そういった仕事とのバランスの上で、どれぐらい急ぐのが適当なのかということで、そこまでの切迫感ではなく合理的に計画を建てることを今考えています。

記者)
 昨日、災害の検証委員会が開かれました。委員の方から危機感が最終的に避難をする住民にどう伝わっていたかを検証するためには、住民などへの意識調査が必要だと。それを是非とも県にも検討してほしいという発言がありましたが、それについては。

知事)
 昨日第1回の委員会で大変鋭い指摘、厳しい指摘をいただきました。
 これは私どもがいい委員を選ばせていただいた証拠だなと思っているところでございます。是非とも我々が気付かなかった点についても教えていただきたいと思っています。
 プロセスがどうだったのか、そのプロセスのベースになる考え方がどうだったのかということもそうですし、コミュニケーションの原則ですけれども、伝えたっていうことと、伝わったということは全く別のことであります。
 避難勧告、避難指示それぞれの意味するところは、避難勧告要支援者避難開始っていうことで、避難を開始しなきゃいけないので、避難指示が出た時点では避難が終わっていなければいけないというのが、その用語の定義だそうです。普通の市民、県民の皆さんが、避難指示って聞いたら避難指示が出たら避難しようかなっていうことで、この言葉のなんとなくの一般的な使い方、若しくはニュアンスと、我々が定義し使っている使い方が違うのと、若しくはそれを例えば1ランクずつ上げて、避難完了、命令とかそういう重いものにすると、それはそれで多分意味はあるのでしょうけれど、命令っていうことだとしても、100%皆さんが従うとは限らないということでありまして、いかに必要な情報が、必要な切迫感を持って住民の皆さんに伝わり、それが行動に繋がるかということは、本当に大事な問題でありまして、これは我々自身検証しなければいけないことを、委員の皆様からご指摘いただいたことであります。
湯崎知事と東京で一緒に要望活動をしながら話をした中で、湯崎知事は非常に強い危機感を持っていて、これについては検証しなければいけない、行動経済学ですとか、いろんな心理学の知見も使って検証し、新たな実行計画に反映させなければいけないというふうに言われ、かつまたそのペーパーを主要な大臣に配られていましたけれども、私もそれをその場で読ませていただいて、まさにそのとおりだと思ったところであります。是非これについては、県の方でも実行していきたいと思っています。

記者)
 何らかの方向で実行していくことは間違いない。

知事)
 間違いございません。アンケート等で、それぞれ住民の皆さんがそういう行動をとったのか、それぞれの情報に接して、何割ぐらい、何パーセントの人がどういう行動をとったのか、それはまず調べなければいけないと思いますし、その比率をどういうふうにすれば上げることができそうなのか。具体的にどういうふうにするかは、それぞれの担当者が考えることだと思いますけれども、結果的に、よりいい形で情報が伝わって、必要な行動に繋がるような改善が、必ず必要だと考えています。そのために、必要な仕事はしていかなければいけないと思っています。

記者)
 廃棄物の件ですが、これ処理主体が市町村とこれ原則論ですけど、広島なんかも被災市町村の意識調査、処理の工程スケジュールを出させるのを知事が行っている。岡山の場合は主に倉敷市になると思うのですけど、その辺りどのように言ってらっしゃるのか。

知事)
 今日この方針を皆様方にお示しすることができました。
 倉敷市をはじめとした多量の災害ごみが出ることが予想されている市町村とは、お話をしているところでありまして、お話次第ですけど、何か工程表みたいなものが外に出ているわけではありませんけれども、内部ではそういったことを想定しながら、お話をしているところです。

記者)
 裏にイメージで行程表を出していますが、各市なんかも有る程度の見込みがないと出せないと思うのですけど。

知事)
 今我々が持っているのは、それぞれの市から発生が予想されている分量であります。それは先日発表した数字、合計41万トンというもので、それぞれの市町村が持っている処理施設の容量ですとか、毎年どれぐらい処理しているから、余りがどれぐらいあるかって、これも基礎データとしてあるわけです。市町村によってはなかなか大きな量が出るけれども、自分たちの余力で吸収できそうだみたいなことで、特に県の関与を必要としていない市町村もあるわけでありまして、そういったことを比べ合わせながら、我々が関与する必要があるかどうかということを今検討しているところです。ただ検討というか最終的に決定をするのは、それぞれの市町村ですので。

記者)
 とりあえず2年という目標を定められていると思うんですけど、それはどこかの時点で市町村だけでは無理だとか、県が入っていかないと、という線引きみたいなものを。

知事)
 役割分担をどうするかということは、2年待つなんてことは全くありませんで、これからそう日を置かずに決めなければいけないと思っています。

記者)
 大体いつ頃を。

知事)
 今それぞれやりとりしていますので、今8月の終わりですけれど、今から一ヶ月もかかったらちょっと長いなっていうふうに、もう数週間とか、数日でできるかどうかちょっと私わかりませんけれども。

記者)
 それぐらいの期間で、有る程度、特に倉敷市だと思うんですけど、その辺から市がどのぐらいのレベルで処理できそうだという話し合いが。

知事)
 今もう現に話し合っている最中ですね。

記者)
 最終決定みたいなのは、この数週間以内。

知事)
 はい。

記者)
 ごみの問題ですけど、現時点で要請は県としては受けていないということでよろしいんですか。

知事)
 要請を受けているわけではありません。今話し合いをしているところです。

記者)
 実行計画自体は、知事としてはいつ頃を目処に最終確定をさせようとお考えですか。

知事)
 市町村との話し合いも関係するわけですね。1ヶ月とかぐらいでは、我々とすれば固めてしまいたいと思っております。計画ができなければ、動けませんので。

進行)
 それでは、以上をもちまして知事臨時記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見