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2018年8月10日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0572523 2018年8月13日更新公聴広報課
会見写真

平成30年7月豪雨災害検証委員会について

おはようございます。
 私からは、4項目、お話をさせていただきます。
 まず、平成30年7月豪雨災害の検証についてであります。
 今回の豪雨災害は、河川の氾濫等による浸水被害が甚大でありました。大雨特別警報や土砂災害警戒情報が発表されていたにもかかわらず、なぜ、このような被害が生じたのか、などについて検証し、南海トラフ地震のような大規模災害にも対応できるよう、今後の防災対策に生かしていく必要があると考えております。
 今後、国においても同様の議論が行われるものと考えておりますが、県としても独自に、専門的な見地から防災体制や避難勧告等の発令・伝達、自助・共助の重要性の周知等について検討するため、検証委員会を設置することといたしました。
 委員は、関西大学の河田惠昭教授や、岡山大学大学院の前野詩朗教授をはじめとする地域防災の専門家にお願いしております。
 第1回委員会については、8月20日月曜日に開催する方向で、関係者と調整を進めており、詳細が固まり次第、お知らせしたいと考えております。

建設型仮設住宅について

 次に、仮設住宅の関係でありますが、建設型仮設住宅につきまして、昨日、倉敷市から63戸の追加の建設要望があったところであります。
 そのうち、13戸については、先般、市から建設要望がありました土地の現地調査を行う中で、建設可能な戸数が増えたものであり、前向きに対応したいと考えております。一方、残りの50戸については、市において借り上げる真備町内の民有地への建設要望であり、戸数については、敷地の状況に左右されることから、県において精査した上で、市に回答したいと考えております。
 いずれにしましても、一日も早く避難者の方々に入居していただけるよう、取り組んでまいりたいと存じます。

観光で岡山を元気に 第2弾!!新たな「宿泊クーポン」の発行について

 次に、新たな「宿泊クーポン」の発行についてであります。
 平成30年7月豪雨災害に伴い、県内主要観光施設の7月の利用者数は、対前年比で7割以下と大幅に減少し、美作三湯でもお盆の空室が目立つなど、県内の観光産業は引き続き厳しい状況にあります。
 こうした中、国の支援パッケージに基づく風評被害対策は、周遊旅行の促進に重点を置き、「2県以上・2泊以上」の宿泊を割引の要件としております。
 観光需要を喚起するためには、ニーズの高い県内のみでの宿泊にもインセンティブを付与する必要があり、このため、好評だった第1弾に続き、県内のみでの宿泊に対応し、民間の宿泊予約サイトで使用できる「宿泊クーポン」1万枚を新たに発行することといたしました。
 この宿泊クーポンは、「楽天トラベル」、「じゃらんnet」のほか、「るるぶトラベル」、「近畿日本ツーリスト」及び「日本旅行」のサイトを使い、県内の宿泊施設に2人以上、宿泊費合計1万円以上で宿泊する場合に、4千円を割り引くものです。
 この宿泊クーポンを、2万人以上の観光客の皆さんにご利用いただくことで、県内の観光産業を盛り上げることができればと考えております。
 観光は、裾野が広く地域経済に好循環をもたらします。今後も、「観光で岡山を元気に!!」を合い言葉に、国の風評被害対策と連携しながら、必要な施策を検討・実施してまいりたいと存じます。

第51回(平成30年度)岡山県三木記念賞受賞者の決定について

 最後に、岡山県三木記念賞についてであります。
 本年度で第51回を迎える、本県で最も権威のある賞の一つ、三木記念賞の受賞者が決定いたしました。
 黒住教名誉教主の「黒住 宗晴」様でございます。
 黒住様は、「重症心身障害児施設建設運動」を起こし、「旭川児童院」の設立に奔走されるなど、社会福祉分野において、多大な貢献をされています。
 また、青少年育成や芸術文化など、幅広い分野において、地域社会の発展に貢献されています。
なお、授与式は、8月31日に、ルネスホールで挙行いたします。

私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 検証委員会ですけども、国と別に県でということで、どちらかというと防災計画であるとか、その他のことをどうするのかを検証して考えてもらうというイメージで。

知事)
 国の委員会はかなり技術的な、実際にどういう力学が働いて、それぞれの破堤が起きたのか、そういうかなり技術的な委員会だと理解をいたしております。今回、県で独自に設置する検証委員会の方は、県として、一つは県内各所で浸水被害が発生した原因は何かっていう、これ技術的なところも一部含むのですけれど、県として応急対策に課題がなかったかどうか、若しくは市町村が実施する応急対策について、県としてもっと適切な助言ができたかどうか、地域の防災力の向上に対して、県がもっとできることがあったのかどうかという、ちょっと視点の違う発想、我々どうすべきだったのか、何ができる可能性があったのかということについて、教えていただきたいということです。


記者)
 関連で、第1回の8月20日はどういうテーマで。

危機監理課長)
 具体的な今回の県としての動きの情報を、委員の皆様方にお知らせをしたいという風に思っているのと、今知事がおっしゃられた、具体的に何をやるのか検証項目を委員の先生方に決めていただくことを第1回でやろうと思っております。

記者)
 検証の手法についてなのですけど、対象の自治体とか、若しくは民政委員とか、住民とか、どの程度聞き取りをされるのか。

危機監理課長)
 その辺り、具体的にどの辺りに調査をするのかというのも、委員の先生方と決めて判断していきたいと思っております。

記者)
 観光の関係でお尋ねしたいのですが、主要観光施設の利用者数が出ていますけど、改めてこの数字についてどのように受け止められているか。

知事)
 一時期、発災一週間二週間の頃に、大体前年比半分でありました。半分を切っている観光地も多々ありました。それと比べると、1か月経って少し落ち着いて数字を見ますと、大体7割前後ということで、少し回復傾向にあるということですが、それだけを見れば、大変明るい材料でありますけれど、例えば95%から97%に回復するというのと比べると、50%に一旦なったものが、今ようやく70%ということでありますので、大変深い落ち込みであります。今の70%というものであっても、単独では大騒ぎになるような数字でありまして、ですから現在私も大騒ぎしているわけでございます。
 実際、悪夢のような週末6日~8日で、人的被害は当然でありますけれど、金額的に大変な被害が岡山県に起きたわけであります。その回復だけでも、本当に大変な思いをこれからすることになるわけですが、残念ながらこの被害総額、今でも1日ごとに膨れ上がっているというのが実情であります。この観光ということをとらえてみれば、観光以外でも、農産物ですとか、水産業についても実は生産が回復していない状況でありますけれども、いまだに日々二次被害が積み上がっている。このうち、例えばもうサプライチェーンが寸断していて、1か月後まで部品の生産はできない、これはある程度やむを得ない部分もあるのかもしれませんけれども、観光の場合は、井倉洞も含めて主要な観光地へお客様を受け入れる用意ができているわけであります。アクセスについてもいろいろな形でアクセスはあるということですので、本当に風評被害という、一つは大丈夫なのか、まだまだ回復してないんじゃないかなという。これは勘違い。それから、例えば真備の皆さんがご苦労されてるのに自分だけその近くに行って綺麗な景色を見て、美味しい食べ物を食べるのはなんか申し訳ないなっていう、人とすれば本当に当然の美しい心持ちが、実は復旧復興ということを考えると、かえって足かせになってしまうということを払拭する。被災地のことを思うのであれば積極的にお越しいただいて楽しんでいただくことが、実は支援になります。寄付金はありがたい、ボランティアも大変ありがたいけれども、お越しいただいて楽しんでいただくことも支援になりますということをきちんとお伝えして、できるだけ早くこの二次被害、特に観光における風評被害を払拭したいと思っています。

記者)
 関連で観光なんですけど、第1弾が好評だといったお話があったと思うんですが、どういった調子で出ていますか。

知事)
 そうですね。結局のところいろんな見方がありますけれども、最初の予算がそもそもあのクーポン分が1,000万円、手数料も入れてせいぜい1,100万円、計2千枚ということでしたので、8月3日の楽天トラベル、8月9日のじゃらんnetでしたけれども、双方とも1時間程度で売り切れてしまったというふうに私は報告を受けております。そういう点で心配というのは、そもそも大した金額ではありませんので、ちゃんと周知されれば、1日、2日で売れるであろうということは予測がついたわけでありますけれども、その周知すらされずに、ずっと1週間経っても売れ残っているというのは、私の考えた最悪のパターンであります。それと比べれば、第1弾の岡山県も必死になっている、何とか観光の風評被害を払拭したいと願っているということが、幸い皆様方によって記事になったお陰で広まって、ただ、総額が大きくなかったものですから、すぐ売り切れてしまったということであります。何とか、国の対策が始まる前にもう1回やりたいということで、何とか今回間に合わせたというわけでございます。
 1万円に対して5,000円ほど引かなくても大丈夫らしいということがわかりましたので、今回は4,000円ということにさせていただいて、予算は約4倍の4,000万円を用意させていただきました。
 そういうことで、多くの方に応募をいただき、実際にはそういった応募をきっかけに、岡山の観光地大丈夫なんだと、行くことがむしろ歓迎されているんだということを広くお伝えしたいと思っています。

記者)
 検証委員会の話も出て、これは年度内にまとめるということですけど、一方で広島県なんかは今後の復興のスケジュールとかの話が出ているんですけど、岡山県としてはその辺のスケジュールはいつ頃まとめるつもりですか。

知事)
 広島県の方で工程表を外に向けて出しているというのはこれ私も、大いに参考にしているところでございます。
情報の非対称性をできるだけなくしていくというのは、元経営者であった私にとっても大きなテーマでありまして、これ面白いのが自分たちにとっては当たり前、こんな当たり前の情報を外に出して何かいいことがあるのかなということが、外から見れば全然当たり前じゃない。そんなに早くやろうと思っていたのか。それだったら、準備急がないといけないとか、若しくはこんなにゆっくりやるつもりなのかと、それだとちょっと逆にこういう心配があるとか、実は出す当人にとって当たり前のことが、受け取る人にとって当たり前のこともあれば、実はそれ自体が大きなメッセージになる新しい情報になるということもございます。良くないのが、常識的にこれぐらいのこんな大きなことだから3か月かかるんだろうとこっちは思っていて、こっちはいわゆる3か月もかけたら大変ながらも、1か月やるよ、多少無理をしてでもやるよということを別々の団体、組織が別々のことを考えていて、準備をしてふたを開けてみると、こんなにゆっくりでいいんだったら、もっとコストの安いやり方があったとか、そういうことがありますので、今それぞれの部局で工程表を仮に作っています。それについて県庁内部で相互に確認をした上で、できるだけ早く外に向けて必要な工程表が出せるように今考えているところであります。

記者)
 災害検証委員会の原則非公開について教えてください。

知事)
 原則非公開とし、会議終了後に委員長によるブリーフィングを行ということになっています。

記者)
 なぜそうなっているのか。

危機監理課長)
 委員の先生方にできるだけ忌憚のないご意見を頂きたいという趣旨で非公開としておりますが、終わった後に委員長によるブリーフィング、それから議事概要についてもホームページで積極的にフォローしていこうと思っているところでございます。

記者)
 逆に、検証であれば、検証過程を公開にしていただくことは難しいのでしょうか。

危機監理課長)
 基本的には、今のところは委員の先生方と具体的な、委員の先生方も基本的にはできるだけ公開とおっしゃっていますので、委員会の中では非公開にさせていただいて、その後で、課程をしっかりペーパー等で明らかにしていきたいと考えております。

記者)
 委員の先生は、公開したいと言われているんですね。

危機監理課長)
 出来るだけ透明性をもってやりましょうとお話は頂いております。

記者)
 じゃあますます公開していただいた方がいいんじゃないでしょうか。

危機監理課長)
 その辺りも、検証委員会で相談さしていただきたいと思いますので。

知事)
 この検証委員会については、どこから何か圧力を受けてやらざるを得なくなったということよりも、県の方でとにかく、私転んでもただで起きないというのがモットーでありまして、我々この1か月間、必死でできるだけベストを尽くしたつもりでありますけれども、必ず振り返ってみれば、あの時はこうするべきだった、次に似たようなものが起きるかどうかは別として、違う種類でも同じ教訓が生かせることが必ず幾つもあるに違いないという発想で設置をいたしておりますので、我々自身もできるだけ忌憚のない、それが我々を褒めることになる確率よりも、我々のミスを指摘してくださることになる確率の方がかなり高いということを重々承知の上で、是非いろいろ教えて下さいと申し上げております。
 大体において、自分がそういう厳しいことを言ったとか、自分がこういうことを言ったということが全部出ると、少し言い方がマイルドになることが大抵多いものですから、だれが言ったとか、どういう表現で言ったということじゃなく、こういうなかなか厳しい指摘があったということを最後にまとめていただいた方が、むしろ率直な意見が出るんじゃないかというのが発想の原点だと思います。
 もしそれぞれの委員の方がそんなことはなく、1人で言いたいこと言っている人間なら、そんな余計な配慮は不要ということであれば、全て公開ということも十分にオプションの中に入ってこようと思います。
 私ちょっと非公開に決めた議論の過程を全部承知しておりませんので、他の心配事がどういうことなのかわかりませんけれども、発想の元々の原点はそういうことです。

記者)
 まさに知事が言われたように、今回のことを県としても明らかにしたいという思いが込められると思うのですけど、だったらなおさら公開の方がいいかなと。

知事)
 これもの委員の方のそれぞれのご意見を聞いて決めていきたいと思っています。
当然我々が何か隠そうという意図があるわけではありませんので、出来る限り公開の方向で私は考えております。

記者)
 関連ですけども、検証委員会で構成メンバーが丸々第三者ということで、県が知事とか県の幹部の方が入って無いじゃないですか。このメンバー構成にしている狙いみたいなものは。

知事)
 そもそも我々とすれば、客観的な検証をしていただきたいということでありますので、メンバーを見る方が見られたら非常にそれぞれの分野において、評価の高い方だということがお分かりいただけると思います。我々自身も、とにかく今回これだけのことが起きたわけでありますので、事前の準備、若しくは発災中の対応を、何か改善すべきところ、本当はしておくべきだったことが必ず複数あるに違いないと思っておりますし、それについて、調査をした後で、これは何か県の影響力が強く、ある人をわざわざ選んでの手加減してもらったっていうふうに言われると、そもそもやった意味、意義が大変薄らいでしまいますし、疑問視されてしまいますので、非常にしっかりした方を選んだということであります。あまり我々が何か議論を引っ張っていくようにならないような構成を考えております。

記者)
 質問というより要望で、先程も有りましたけど、基本的に公開と言うことで調整していただけたらと思います。よろしくお願いします。

それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了いたします。

ありがとうございました。

2012年の記者会見