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2018年7月24日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0569463 2018年7月25日更新公聴広報課
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平成30年7月豪雨災害への対応について

 まず、平成30年7月豪雨災害への対応についてでございます。
 今回の豪雨災害では、これまで、自衛隊、警察、消防、全国の自治体、さらには企業、団体の皆様方など、多くの方々に様々な形でご支援をいただいております。
 また、猛暑の中、連日、多くのボランティアの方々が被災地へ駆け付け、お力を貸していただいております。この場をお借りして、改めて心から御礼を申し上げたいと存じます。
 また、激甚災害の早期指定を国に要望しておりましたが、本日、正式に指定されるとのことであり、速やかな対応に感謝申し上げたいと思います。

 県では、被災された方々が速やかに普段の生活を取り戻せるよう、7月補正予算も効果的に活用しながら、現場のニーズを踏まえ、様々な支援策を検討し、可能な限り速やかに実施するよう努めているところであります。

 現在の対応状況についてでありますが、災害廃棄物の処理につきましては、特に被害が甚大な倉敷市真備町地区では、自衛隊や関係団体の多大なる協力をいただきながら、収集・搬出に全力を注ぐとともに、県としても緊急的に災害廃棄物の撤去を実施しております。他の被災市町村についても、関係団体と緊密に連携し、しっかりと支援してまいりたいと存じます。

 次に、住宅確保の支援策についてでありますが、民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」は、昭和56年6月1日以降の新耐震基準で建築された住宅を対象としておりますが、戸建て住宅などのニーズも多くお聞きすることから、それ以前に建築された住宅についても対象になるよう、検討したいと考えております。
また、昨日、倉敷市から建設型仮設住宅として、200戸の整備要望があったところであります。
県では、早期に着工し、一日も早く避難者の方々に入居していただけるよう、取り組んでまいりたいと存じます。

 次に、義援金についてであります。
このたびの豪雨災害に際し、7月10日に、日赤岡山県支部、県社協、県共同募金会などで構成する「義援金 募金運動推進本部」を設立し、募金活動を行ってまいりましたが、現時点で約2億9千万円に達し、今週中には6億円近くに達する見込みとなっております。
全国の多くの方々からの温かいご支援に対し、県民を代表しまして、改めて厚く御礼を申し上げます。
 そして、このたび、お預かりした義援金をいち早く被災者の方々へお届けするため、第1次配分として、約5億5千万円を市町村に配分することといたしました。
 現在も、多くの義援金が寄せられてきていることから、今後の状況を見ながら、2次配分以降の追加配分を行うこととしております。
 今回の災害では、多くの方が亡くなり、浸水などにより未だ多くの方々が避難生活を余儀なくされております。どうか、今後とも、皆様方の温かいご支援をお願いいたします。

 次に、被災者生活再建支援制度についてでありますが、県では、被災者の申請に基づき、基金を所管する法人を通じて速やかに支援金が支給されるよう準備を整えたところであります。今後、市町村による申請書受付が円滑に進むよう努めてまいりたいと存じます。

 次に、被災者の移動手段の確保についてでありますが、倉敷市真備町において、一般社団法人日本カーシェアリング協会が、車を失った被災地の方々に無料で貸し出す車の寄附を募る活動をしております。
 県としては、生活再建に向けて、当面の移動手段の確保が重要であることから、各方面に対して、広く寄附による車両提供を呼びかけ、協会の活動を積極的に支援してまいります。

 また、観光関係でも影響が出ております。
 今回の豪雨災害による旅館・ホテルのキャンセル状況について、岡山県旅館ホテル生活衛生同業組合と連携して取りまとめるとともに、県内全体の状況を推計しました。
 7月6日から18日までにキャンセルの連絡があった人数は、県内の一部の旅館・ホテルの数字でありますが、35,474人で、キャンセル総額は約3億5,300万円となっております。
 この数字を宿泊施設の収容人数割合で割り戻し、県内全体を推計しますと、キャンセル人数は約10万人、キャンセル総額は約10億円となります。
 こうした災害による観光への影響を最小限に抑えるためには、まず、観光総合サイト「旅ネット」や観光庁ホームページ、外国人向けのSNS等を活用して、観光客の皆様に正確な情報をお伝
えしていくことが重要と考えております。
 県内の主要な観光地はほぼ平常どおり営業していること、新幹線や高速道路についても問題がないことを積極的に情報発信してまいります。
 併せて、他の被災県とも連携し、国において強力な復興対策が講じられるよう要望するとともに、岡山を選んで訪れてもらえるよう県独自の取組を検討してまいりたいと存じます。

 最後に、人的支援の関係についてでありますが、県では、発災直後から総務省・内閣府をはじめ、中国地方知事会・関西広域連合等と連携し、昨日現在、避難所運営・罹災証明事務・救援物資の拠点運営等に、延べ3,024人による被災地支援を行っております。
 今後の災害復旧に向けては、土木職・農業土木職等の専門職員や、災害救助法に関連する事務に要する職員について、全国知事会を通じて人的支援を要請したところです。なお、26日から札幌市で全国知事会議が開催されますので、26日の1日に絞って出席し、全国の知事の皆様に、直接、支援のお礼とお願いをしたいと思っております。

 引き続き、県民の皆様が速やかに普段の生活を取り戻せるよう、国や市町村、関係団体等と連携、協力し、復旧・復興に向け、しっかりと取り組んでまいります。

 なお、災害への対応が続く中、7月30日から予定していたシンガポールでのトップセールスについては実施しないことといたしました。
担当課によるプロモーションは行うこととしており、岡山の魅力をしっかりとPRしてくるよう指示しているところでございます。

岡山県と三菱自動車工業株式会社との「EVシフトに対応した産業と地域づくり」に係る連携に関する協定について

次に、岡山県と三菱自動車工業株式会社との「EVシフトに対応した産業と地域づくり」に係る連携に関する協定についてでございます。
県と三菱自動車工業とは、これまでも「おかやま次世代自動車技術研究開発プロジェクト」などで連携してきたところです。
このたび、県内企業のEVシフト対応と、EV・PHEVを安心して利用できる環境の整備と普及促進を目的として、協定を締結することとなりましたので、ご報告させていただきます。
では、連携事項を紹介させていただきます。
一つ目は、県内企業のEV・PHEVに関する新技術及び新製品の開発支援に関すること。
二つ目は、EVシフト対応に向けた県内企業への積極的な情報提供に関すること。
三つ目は、EV・PHEVの普及啓発に関すること。
になります。
主な取組につきましては、配布資料をご覧ください。
県では、協定に基づくこれらの取組により、「EVシフトに対応した産業と地域」の実現を目指したいと考えております。
なお、締結式は、8月7日に行うこととしております。

私からは、以上でございます。

質疑応答

記者)
 先ほど激甚災害の指定について話がありましたが、通常の1割、2割の補助の割合が上がったりとか、安倍総理がこのたび補助対象にならなかった施設とかに上乗せしてやっていくと言われていましたが、それを受けて知事として、まず行わなければいけないことと、どう対応していくのか教えてください。

知事)
 激甚災害に極めて速やかにしていただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 本当にありがたく思っております。
 今回、その指定によって我々が行う災害復旧の補助の割合が1割若しくは2割上乗せをされることになります。それによって我々が対応の幅が広がる。無い場合と比べれば、躊躇なく、いろいろな踏み込んだ対応ができるようになります。
 また、今回政府として、首相自ら、またそれぞれの所管の大臣が、大変適切なタイミングで視察に訪れていただいております。我々の質問に、大臣自ら、若しくは大臣の随行の方々が非常に的確に質問に答えて頂いたり、若しくは我々の悩みに対応をして頂いております。フォローアップもして頂いております。
 そういった国の素早い適切な対応に大変感謝をしつつ、それを受けて我々としても、この被災された皆様をしっかりとサポートをしていかなければいけないと決意を新たにしているところでございます。
 でも、まずこの国の元々あるメニューをしっかりとしていくと同時に、今回の災害、日本の場合地震の災害が多いわけですけれども、水害、それから例えば総社では爆発事故と併発した、ちょっとこれまでの災害にない特徴、特色、地域ごとの違いもございます。それぞれの特色に応じた対応をきめ細かくしていきたいと思います。

記者)
 今のことに関連してですが、激甚災害指定で、知事として復旧、復興のスピードがアップすると考えているか。

知事)
 7月11日に総理がいち早く岡山県にお越しくださいました。
 激甚災害の指定に向けてしっかり努力をするという、それに関連してですけれど、とにかく政府がしっかりバックアップするので、財政面であまり狼狽えずに、きちんと必要な事業を進めるように背中を強く押していただきました。
 そういった一連の流れの中で、私自身は、激甚指定は個人的には確信をいたしておりましたので、それまでスピードを抑えていたものが指定された途端にスピード出していくというよりも、それを確信しながら、走ってきたというところがありますので、ほんの少しの心配がとれて、よりきちんと前に進めるようになったということでございます。

記者)
 続きで申し訳ございませんが、倉敷市から200戸の仮設住宅の件で、早期着工・入居できるように話がありましたので、これは県として申請を受け入れて承認をされるということで。

知事)
 はい。

記者)
 大体めどとしてはいつ頃を。

知事)
 物理的にこの住宅を造るということに時間がかかります。大体一番早く造るにしても1か月ぐらいかかると聞いておりますので、9月に入って以降になるのかなと思っております。良いところは場所がほぼ決まっているということで、場所の手当、地主との交渉、そういったことがあると、ずいぶん伸びましたけれども、今回は、かなりしっかりした地盤、公的な権利問題のない土地ということで建設の時間が一番長いです。

記者)
 旅館・ホテルのキャンセル状況について、これはキャンセルの有った期間、6日~18日という期間で、宿泊される予定が夏休みだったのか、シーズンだったのか。

知事)
 その期間についてのキャンセルが、どういう目的の予約だったのかということについて私自身は把握できておりません。

記者)
 あと、10万人10億という規模感というのは知事としては。

知事)
 10億円どうのこうのということだけとってみれば、この岡山県の観光消費額1年間で1,600億円ありますけれども、実際それぞれの観光地、例えば後楽園ですとか、美観地区の観光客が、当然場所毎で違いますけれども、4割台に落ちていたり、5割台に落ちていたりしています。ですから、これはただ事ではないということを感じています。
 実際、短い期間でそういうキャンセルですけれども、これから逆にもっとそのキャンセルの幅が大きくなる、キャンセルの額が大きくなることも、もし手を打たなければ十分予想されるわけでありまして、この1番最初の反応で、ほぼそこそこ固い推計で10億というのは、これは大変憂慮すべき事態だと私自身は感じております。

記者)
 知事がおっしゃった、ただ事ではないというのは、手当をしないとなかなか復活は難しいと。

知事)
 はい。

記者)
 観光の関連なのですけど、手当をしないといけないということで、県独自の取り組みをということをおっしゃいましたが、基本的にどういったことを考えられているのか。

知事)
 これは国が被災地、これが3県の括りなのか、どういう括り方かはわかりませんけれども、そういったやり方の方が多分の強力な支援ができるであろうと思っています。
 ただ、国のレベルでまとめるとすると、ある程度の時間がかかるということと、国がどこまで踏み込んだ支援をしてくださるかということには確信は当然もてないわけでありますので、我々自身も、素早く動かなければいけないところは素早く動こう、また、我々が期待しているような政策を国でしてくれなかった場合には、規模感は落ちるかもしれませんけれども、それに変わるようなことを我々自身も考えていかなければいけないと、今の時点ではそのように思っています。
 まず急がなければいけないのは、観光地、大丈夫なのです。新幹線、高速道路、大丈夫なのです。いう事実の発信ですね。あと、もう一つは、東日本大震災の時もありましたけれども、こんなに被災されてる方がご苦労されているのに、自分たちがこんな綺麗な景色を楽しみ、美味しい物を食べるのは申し訳ないんじゃないかっていうふうに思うのは、これ人間の自然な感情なのですけれども、そういう、一人一人の自然な感情、これは本当にありがたい行動が、実は被災地域をますます厳しい状況に追い込んでしまうということが、東日本でも実際に起きました。ですから、それぞれの人ができる支援、例えばボランティアに応募するとか、専門知識を生かすとか、義援金を送るとか、そういったことと同等に、被災地の観光地に行って、何かみんなで楽しむっていうこと自体が、実は被災地の支援になっているということをきちんとお伝えをしたいと思っています。

記者)
 広島県で、政府の方に九州ふっこう割りで使った政府の交付金を使って、手当を要望していくといったスタンスを出されていますけど、岡山県はここに関してはどういう風なスタンスを。

知事)
 そうですね。九州ふっこう割のことは私どもも大変気になっておりまして、ぜひ、この単県で要望するのか、それとも、被災3県でまとまって要望するのか、まだ我々決めていませんけれども、そういった動きを政府に要望していこうと考えているところです。

記者)
 観光の関係でお尋ねしたいのですけど、先ほど後楽園や美観地区が4割5割落ちているという数字がございましたけど、県内の傾向ですね、美観地区を中心に減っているとか、なぜ減っているのか、その分析を伺えたら。

知事)
 私の時点で聞いていますのが、後楽園の入場者数が7月6日から18日で、前年対比56.2%、かなり落ちています。あと例えば、大原美術館など7文化施設、これ倉敷っていうことでいいんでしょうか。それとも、いがらしゆみこ美術館等7文化施設入館者数が対前年比、これは7月6日から16日ですけれども、対前年比48.2%、これは半減以下ということですね。あと、市バス専用駐車場、これも倉敷市ということで、倉敷市のバス専用駐車場の利用台数、これは7月6日から18日までですけれども、これが対前年比44.1%ということで1地点ではなく、いろいろな指標において、大体同じような傾向、半分弱を若しくは半分強に落ちているということであります。

記者)
 その傾向からなのですけど、団体客のツアーのキャンセルはいくつですとか、外国人客が減っているとか、その辺りは。

知事)
 その辺りは特に今申し上げられるようなことは。それはきちんとわかると、また対応の仕方も違ってきますので。大変いい指摘をありがとうございます。

記者)
 小田川の支流の決壊の事なのですけど、今回、小田川本流だけでなく、支流も決壊をして、取材のなかで、例えば末政川で流されて亡くなられた方もいるという目撃証言もあるのです。県管理の支流に水位計も付いてなくて、倉敷市さんとしては決壊の情報とか水位の情報が全く県から入ってこなかったと言っているのですけど、知事として、県管理の河川、今回氾濫が有った河川に水位計が付いてなかったことや、情報が集められなかったことについてどのように思われますか。


知事)
 1つは決壊したことと、水位計を付ける、付けないというのは別個の事ですので、順々にお話をいたします。
 実際、高馬川、末政川、真谷川は決壊をいたしております。これをどうすれば防ぐことができたのかということでありますけれども、まだ実際どうして今回のようなことが起きたのか、これは検証委員会、国の委員会が検証している最中ですので、確たることは申し上げられませんけれども、いろいろな専門家の方が、これはまず間違いなく本川に合流できなかった、支川の水位が上がることが、後ろ倒し、後ろ倒し、後ろドミノ倒しのようなことが起きたのだろうということが言われております。もしそれが本当であるならば、高梁川の水位が上がっている、高梁川に合流できない小田川の水位が上がると、小田川に合流できない末政川ですとか高馬川、真谷川の水位が上がるという順で発生した場合、実は末政川の堤防を例えば50cm高く設定をしていたとしても、その越水が例えば30分なのか、1時間なのか遅れる効果はあったかもしれませんけれども、基本的には、やはり溢れるということになりますので、根本的に、今回の水害を防ぐ効果が出たかどうかは、ちょっとよく分からないという。当然これをしていればこうなる、あれをしていればああなるというのは、かなりきちんとシミュレーションをしなければわかりませんけれども、根本的な原因は、この高梁川と小田川の合流の条件が大変悪かったということでありまして、今、採択を受けて工事を始めようとしていた、高梁川と小田川の合流地点の付け替え、これができていなければ、他の策というのは、ほとんど弥縫策に近い作品になっていた可能性が、今のいろいろな分析を聞く限りにおいては高いのかなと感じています。
 水位計が有った方がよかったのか、無かった方がよかったのか、情報は有ることに越したことはありませんので、有った方がよかったと思いますけど、ただ、我々実は今、国と相談をしながら、小田川ですとか、それぞれの支川について水位計をこれから設置しようという相談をしているところでありますけれども、実際そこの水位計が高くなったから初めて避難をするっていうことじゃなくって、豪雨が予想された時に、本来避難をすべきでありまして、当然情報あった方がいいのですけれども、それが本当に聞く情報、犠牲者を減らすのに有効な情報であったかどうかについても検証が必要かなと考えております。  
 我々、ずっとこの小田川の水系、潜在的に非常に危険だということは認識していたからこそ国にずっとこの毎回お願いをしていただけでありまして、実際こういうことが起きたわけですので、これからさらに備えをきちんとしていかなければいけないと考えています。

記者)
 もちろん堤防であったり、住民の方、情報を受け取る側の意識っていうのも、色んな課題があると思うのですけど、避難指示とか、勧告出すための情報収集に絞っていうと、やはり支流の決壊を把握できていなかったって事はまずかったのではないかと思うのですがそれはどう思われますか。

知事)
 いろんな情報があります。情報の来るタイミング、その情報の正確性、いろいろありますけれども、私、元々経営者ですので、どの情報を取りに行くのか、どのサイクルで取りに行くのか、それがどのタイミングでどれぐらい重要なのかっていうことについては、ずいぶんいろんな授業を受けたことがありますけれども、もし原因が、バックウォーターということでありますと、実は支川の水位が上がるのは、実は1番最後ということになります。支川の水位が上がって、小田川が上がって、高梁川が上がるっていうことで言えば、先行指標としての意義が大変高いわけでありますけれども、もし、この合流できない、合流できないっていうことで、後ろ倒しに水位が上がっていく場合、末政川若しくは真谷川、高馬川の水位が上がるのも1番最後の最後ですから、確かにそれわかるよと。でも、それがわかってどうなるのか。例えばミサイル防衛システムでも、ミサイルが打ち上がった直後の情報というのは大変有用なのですけれども、ミサイルが着弾する5秒前の数字が取れて、それが何に具体的に避難に生かせるかっていうと、なかなか難しいみたいな。同じ情報でも先行指標になるのかどうなのかっていうことでも意味が違ってくるのかなと思います。
 ただ、そもそも根本的な原因について、きちんと検証ができていない段階ですので、今確たることは申し上げられません。ただ一つ言えるのは、データは多い方が生かす可能性が増えるということであります。

記者)
 今回の被災について、専決処分をされて、予算取りをされてます。ところが僕らが現地で、被災地なんかで取材をさせていただきますと、みなし住宅申し込み当選しました。それでも入居までに1か月ほどかかります、と現地で言われている。その理由は、市と県との協議に時間がかかりますと。

知事)
 みなし仮設についてですか。

記者)
 そうです。その辺は例えば、先ほどお話しにありました、仮設が仮に9月に出来るとなると、タイムラグがそんなに無くなってしまうので、その辺、例えば本当にそんなに協議に時間がかかるのであれば、何らかの対応を考えなければ。

知事)
 おっしゃる通りですね。私自身はもっと早く事務手続き進むものと期待しているわけなのですけれども、ちょっとそれについては対応しなければいけないと思っています。

記者)
 現地にですね、未だに溢れている災害ごみについて、知事として、ごみ処理について支援策というか、対応策をお考えならその辺を教えてもらいたい。

知事)
 ごみについては、一番問題になっているのは倉敷市のごみであります。総社市のごみも矢掛町のごみもそれぞれ大変で、今相談を受けているところでありますけれども、倉敷市のごみについては、もうこれは倉敷市だけではどうしようもないということがかなり早い段階で明らかになりましたので、我々も入り込んで、あと自衛隊にも応援を求めて、若しくは産業廃棄物の団体の皆さんにも応援を仰いで、今急ピッチで真備地区から外に運び出しているということであります。地区によって、非常にごみの量が減っているという報告を受けております。まずその災害ごみを外に排出して、それ自体が悪臭を放つ、若しくは衛生上問題になる、人々の病気の元になる、若しくは渋滞の元になる、ということをまず取り除かなければいけないと思っています。遠くのところで分別して処理した後は、半年なり1年なり、ある程度時間がかかってもいいわけでありまして、まずその処理についてはかなり県と国も踏み込んだ援助をしていると認識しています。

記者)
 次の知事会で、その辺のお願いみたいなのをされるべきと思うんですが、その辺はいかがですか。

知事)
 もうごみに限らずいろいろお願いをすることがありますし、もうすでにかなり対応して頂いておりますので、お礼を申し上げた上で、更なるお願いということになろうかと思います。
 ごみについては、中川環境大臣がお越しになりまして、これも市だけで回ることじゃない、これは見てすぐわかる。県だけで処理できるかどうかもよくわからないので、これ県境を跨いだ事も含む広域処理が必要だということを、ご視察当日からおっしゃっていただいております。とにかく市だけ若しくは県だけで抱え込むことによって、処理が遅れたり、何か悪影響が出ることが極力無いようにしたいと思っています。

記者)
 最後に、一週間が経ちましたけど、どうなるんだろうっと思っている避難されている方が結構いらっしゃると思うので、今の時点で県としては、何処に優先をおいてスピードをもって対応してるか、また、その人達に対してメッセージみたいなのをお願いします。

知事)
 まず避難された方の生活が回るようにということであります。この避難所、これ例えば1週間前であれば、いかに避難所の生活を日々回していくかということですし、今はいかに早く次の仮設住宅に移っていただくかということになり、若しくはご自身の自宅を修理、補修、清掃することで、住んでいただく。体育館の避難所じゃなくて、ちゃんとした住めるところに移っていただくということになります。その仮設住宅に移っていただくと、ようやくその2年間のスパンの中で、自宅の再建と、本当の意味での生活の再建ということが考えられるのかなと思っています。
 その一方で、ごみ問題ですとか、緊急に対処しなければいろいろな悪影響がどんどん広がってしまうことについては、急いで対処しなければいけないと考えていたところでございます。悪循環のもとになるようなものについては、この2週間でずいぶん手は打てたのかなと思っています。

記者)
 県はこれまで、晴れの国という言葉を使って災害の少なさをPRしてきましたが、今回の豪雨で、これが県民の避難行動や対応の遅れに影響した部分はどのようにお考えでしょうか。また今後もこの晴れの国というキーワードでどのようにPRされるお考えでしょうか。

知事)
 地震ですとか台風ですとか、いろいろな面で岡山県歴史的に、例えば戦後っていうことでとっても、この100年ということでとっても、いろいろな種類の災害が他の地域と比べて低いことが多かった。あともう一つは、そもそも晴れの日が多いということで岡山県晴れの国とキャッチフレーズを使ってきたわけであります。
これが避難行動にどう影響したのかということは、ちょっとまだ検証できていないところでありますけれども、その晴れの国というキャッチフレーズがどうかは別として、岡山県は災害の少ないところであるという岡山県民の漠然とした、信頼感というか、岡山県民にとってのある意味常識のようなものが今回、避難、避難行動の遅れに繋がった可能性は十分あろうかと思います。
 県としても、これまで実際、他の地域よりも統計的にこれまで被害が大きくなかったということが、イコール、それぞれの災害について、岡山県は全く安全であるということにはならないということは、いろいろなメディア、いろいろな機会を通じて、発信をしてきたつもりでありますし、避難訓練ですとか、いろいろな防災対策をしっかり進めてきたつもりではありますけれども、やはり起きた結果を見れば、いろいろなところに油断があったのではないかと思わざるを得ないところでございます。
 実際と看板に差があるときにどうするべきか、ということでありますけれども、一つは、全く事実と違うというときには、看板を下ろすというのも一つであります。もう一つは、いやこれはもう看板と実態にずれがあったにしても、ぜひ看板に近づける更なる努力をしようというアプローチも一つあろうかと思います。今、災害対応している最中ですので、ちょっとそういうことについて、真剣な議論をできるような状況ではありませんけれども、いったん落ち着いたときにそういったことは考えることもあろうかと思います。私は今の思いとすれば、晴れの国おかやまという看板にふさわしい、より安全な、より安心な県にしていくということが前向きなアプローチなのかなと現時点では考えております。

記者)
 先程みなし仮設の話が出たのですけど、新耐震基準が今の基準で、それ以前のものを検証していくって事だったのですが、そうなった経緯というか、受給のバランスが悪いとか、どういったことでこうなったのか。

知事)
 実際これは私自身も聞いた話でありますし、それ以外でもずいぶんお話をいただいているのですけれども、真備地区にはいろんな方がいらっしゃいます。若い子育て中のご家族もいらっしゃいますし、そういう方は、例えばアパート、マンションへの入居があまり抵抗ないわけですけれども、高齢のご夫婦も多くいらっしゃいます。高齢のご夫婦を抱えたお嬢様から直接お話を伺いましたけれども、もともと一軒家に住んでいたのだと。もう見てのとおり、かなりの年齢なので、ここでもし狭いアパートに2人が押し込められて、これまでの暮らしと全然違う暮らしになると、本当に健康をすぐ損ねてしまうのではないかと大変心配をしている。もう極端な話、直ぐにぐれてしまうのではないかというのは、切実な心配なのだと。ぜひ以前の家に近い、ちょっとしたお庭のある田舎らしい一軒家があれば、それがお父さんお母さんにとっても一番いいのだと。見ると、大抵の物は、昔の家なので、今の耐震基準を満たしてないけれども、元々住んでいた家だって、今岡山にそういう家って、大抵そうなのだから、それを紹介出来ないっていうのは何か意地悪をされているような気がするので、ここはちょっと知事さん考えてくださいと。よかれと思って、我々の希望をつぶしてしまうようなことは止めてください、という話を伺いました。翌日いらっしゃった石井国土交通大臣に、実はそれは私だけじゃなくて、いろいろ伺っているということを、その後聞いていたものですから、お伝えをしましたら、そうか、そういうこともあるのだなあ、ということでちょっと検討をしていただくことになりまして、我々自身でも検討をいたしております。
 法律面では1番最新の耐震基準を満たしているということは、法律の要件ではないということがわかりましたので、ですから、事実上、最新の耐震ではないものについて紹介することは可能であるということになりましたので、それをそれぞれの方の、はい。

記者)
 一戸建てでもうそういうことになるのですか。検討ではなくて。

知事)
 そういう方向で検討したいと思っています。まだ決定というわけではありませんけれども、実は今から検討するというよりも、研究をしていて大丈夫そうだっていう事を、いま内部で考えているところです。

記者)
 近くそういうことになりそうだということ。

知事)
 なりそうだと思います。

記者)
 仮設住宅なのですけど、倉敷市が、みなしとか色々と他の条件をみたうえで、追加で県の方に建ててもらう事の要請も考えていると言うことなのですけど、今回の200戸というのは、要請があって第1弾という考え方なのか、もっと要請があったら県としては要望に応じていきたいというお考えなのか。

知事)
 みなし仮設、建設型の仮設それぞれ利点があります。みなし仮設については先ほどちょっと事務に1か月協議にかかるっていうのを、私ちょっと実はそんなにかかるっていう認識を持っていなかったので、ちょっとすぐこれから検討をもっと短くする工夫をしなければいけないと思っていますけれども、一般的には新しく造るものと比べると、有る物を紹介するわけですから、一般的には、みなし仮設の方が早くご紹介ができると。また、みなし仮設の中にはいろいろなタイプの住居がありますので、それぞれの家族構成ですとか、好みに合ったものを提供しやすいですとか、あと2年後にみなし仮設が廃止になったときに、造った仮設住宅は、結局それを壊すことになりますけれども、みなし仮設は、それぞれ有る物件を紹介しているわけですから、その後もこの元々のマンション、アパートとして使うことができる。いろいろなメリットがあります。ですから、仮設住宅を建ててみて、実は余ったっていうのはかなりまずいことになりますので、ぜひ早く紹介できるみなし仮設の紹介状況を見ながら、必要な数を見きわめて、仮設住宅を建てていきたいと、このように考えています。
 当然、この200戸で終わりというふうに決めているわけではありません。必要があれば、建てるしかないわけでありますので、必要な限り建てていくということであります。


記者)
 先ほどの災害ごみの処理に関してですけど、倉敷市に計画しているものの、中間処理を行う専用プラントの事についてですけど、繰り返しになる点も有ると思うのですけど、ちょっと教えてください。

知事)
 大量のごみが出ています。これからも、家の整理が進むに従って、まだまだ出てこようかと思います。分別した上で、どこかで処理をしなければいけないわけでありまして、岡山県で産業廃棄物として普段から処理をしている量の例えば5%増しぐらいのことであれば、それぞれのプラントにちょっとずつ頑張ってもらって吸収するということも十分考えられると思いますけれども、出てくる量が、ちょっと大量に出てくる、岡山県で処理する量と比べてもかなり多いということですので、この量を処理しようと思ったら、新たなプラント、これは新築なのか、借りてくるのか、中古を持ってくるのか、いろんなやり方があるかもしれませんけれども、処理能力を増強して対応するということも、多分必要であろうと、今、検討をしているところであります。

記者)
 具体的には、方向性としても決まってきているのですか。

知事)
 もう場所とすれば水島の場所しかちょっとほぼ考えられませんし、今そこでどれぐらいの処理施設がいるのか、いろいろ検討してもらっているところです。

記者)
 今後の生活を考えていくと、ごみをひとまず持ち出さないと。

知事)
 はい。それは喫緊の課題です。とにかく腐るもの、腐らないものいろんなものが混じっている、ある種危険な、住民の皆さんの健康にとって危険なものが町中に放置されているという状況は大変よろしくないわけですから、もう一刻も早く、町外に出す。そこで分別をして送って、分別して腐る物を焼却した後は、そんなにこの1週間2週間を争うような状態ではなくなりますので、これをどういうふうにきちんと処理していくか、考えていきたいと思います。

記者)
 確認なのですけど、キャンセル状況でですね、10億円というのは、知事は殆どが風評被害という風に御覧になっているのか、受け入れには問題が無いということなのですが、その辺りどのように。

知事)
 私はほぼ風評被害、この心理的な、邪魔することになったら申し訳ないとか、あんなに苦しんでいるのに浮かれているようだから自粛しなきゃっていう善意のことも含めて、広い意味での風評被害が10億円で、多分私は10億円よりも大きいと思っています。というのが、一部の例えばビジネスホテルは、いろいろな新たに発生した業務、国からも、大量の人員を、各県からも人員を受け入れていますので、若しくはレンタカーの業者ですとか、不動産の業者、保険の業務、そういった新たに発生した、急に発生した業務で出張が増えているそうです。その出張の業務で埋まっているビジネスホテルもあってのことですので、失礼。今計測しているのはキャンセルですから、それからすると、大体10億なのかもしれません。
 正確な数字ではありませんけれども、ただ、観光地でも明らかに皆様方の報道を見ても、もう普段の夏の週末とは全然違う景色でありますので、これを大きな影響が出ているということは間違いないと思います。

進行)
 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見