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2018年3月20日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0552602 2018年3月22日更新公聴広報課
会見写真

今議会を終えて

 はじめに、今月開催された平昌パラリンピックにおいて、本県出身の新田佳浩選手が見事金メダルに輝きました。並み居る世界の強豪相手に熱戦を繰り広げ、2大会ぶりに2つのメダルを勝ち取った新田選手の活躍に対し、心からお喜び申し上げます。
 それでは、私からは、2項目、お話をさせていただきます。
 まず、先程、閉会いたしました。2月定例会についてでございます。
 今議会では、県政全般について、幅広いご質問やご提言をいただきました。
 教育県岡山の復活についてでありますが、教育による人づくりは本県の発展に向けた好循環を生み出す原動力であります。引き続き、様々な教育課題の解決に向けた効果的な取組を進めてまいります。
 また、留学コーディネーターによる留学促進など、グローバル人材の育成にも取り組んでまいります。
 産業の振興につきましては、EVシフトに関連企業が適切に対応できるよう、自動車関連企業ネットワーク会議と連携しながら、影響把握を促し、研究開発、販路開拓を支援してまいります。
 また、観光振興につきましても、フルーツをメインテーマにキャンペーンを展開し、滞在時間の延長や観光消費額の増大を図ってまいります。
 多くのご質問をいただきましたバス路線の維持・確保につきましては、県が設置する岡山県地域公共交通対策協議会におきまして、関係の皆様とともにしっかりと協議してまいりたいと存じます。
 新生き活きプラン2年目となる来年度は、成果につなげるための重要な時期と考えております。市町村など様々な主体と連携しながら、実効性の高い政策を推進し、「生き活き岡山」の実現に向け全力で取り組んでまいります。

業務改善の取組について

 次に、業務改善の取組についてでございます。
 県では、行財政経営指針に基づき、不断の改革・改善に取り組んでおります。
 仕事のやり方の見直しや業務改善もその一環でありますが、このたび、より効率的・効果的に業務を進めるため、本庁を中心に、次の3点に取り組むことといたしました。
 資料をご覧ください。
 まず1点目は、「モバイルワークの試行導入」であります。
 出張先から県庁舎内の業務用パソコンにリモートアクセスできる仕組みを今月中に構築し、4月以降、試行的な運用を順次開始したいと考えております。
 2点目は、「ICTを活用した会議録の作成」であります。
 これまで職員が直接行うなどしていた会議録の作成について、最新のICT技術を活用し、省力化・迅速化を図ります。
 実は、本日の会見も会場後ろで、ライブによるテキスト化を行っているところでございます。
 最後に3点目は、「ダイヤルイン電話への自動応答機能の導入」であります。
 休日を含めた勤務時間外には、課室ごとに状況を判断しながら音声案内に切り替えられるようにしました。
 これは「ひとり1改善運動」による、職員からの提案をもとに、全庁的に取り組んだものであります。
 いずれも、県庁の働き方改革にもつながるものであり、引き続き、こうした不断の改善に取り組んでまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

質疑応答

記者)
 パラリンピックの新田選手の件で、メダルを取った2つのレースは激しいレースだったですがどうご覧になってたかと、県民栄誉賞についてはご検討はいかがでしょうか。

知事)
 ニュースでレースの模様を流されたわけでありまして私も拝見をいたしました。惜しかったレース、雪に転がって悔しがった場面、それから、転んだあとで抜き返した、いろいろなレースの結果、2大会ぶりに複数メダル、それも金メダル、銀メダルであるということであります。本当にとにかく努力をすれば、必ずかどうかわかりませんけれども、実際報われることがあるんだということを強烈に印象づけたシーンだったのかなと思っております。今自分がどういう状況にいても自分の努力というものが道を切り開くんだということを、ぜひ県民の皆さんも感じていただければなと思っているところでございます。
 競技が終了したばかりでございます。新田選手も帰国されたばかりと伺っておりまして、どのような形で業績を顕彰させていただくか、これから検討してまいりたいと存じます。

記者)
 働き方改革についてお伺いします。ICTを活用した会議録の作成など県が率先して取り組むという意味で、民間に率先垂範という意味もあるかと思いますが、そのあたりの思いをお伺いします。

知事)
 そもそも、大体このような取組というのは、企業から始まって、いろいろ研究をしている。必死で頑張っている企業が試行的に取り組んで、いろいろ広がっていくものだと思っています。で、そうですし、そうあるべきだと思うんですが、それぞれの企業、全ての企業が、全ての分野について、常にアンテナを張って調査研究するということはなかなか現実、難しいわけです。特に中小企業の場合には、そういった人材は限られているわけですので、この技術を導入すれば確実に成果が上がるということになっても、何かきっかけが無くて、もしくは確信が無くて、導入されていない技術とか、いろいろな工夫・取組というのはあります。そういうときには、役所が取り組んだんだというのはずいぶん安心感の元であったり、もしくは、いいきっかけになるであろうと思っております。県庁はなんと言っても、3,600人以上の職員が働いている場所ですから、そこで効率化ができるというのは、これも税金の有効活用につながりますし、それ自体が県内の主に企業ですけれども、それぞれの団体、組織の皆さんに対する大きなメッセージになるのかなと考えています。

記者)
 まもなく瀬戸大橋の開通30周年ですが、今の早島のあたりも物流拠点としてかなり存在感も高まっていて、そういう意味で一定の効果はあったと思うんですが、ここで、よくいろんなところで橋を使った観光資源としての面で充分活用されていないのではないかという意見も聞くんですが、例えば対岸の香川県や官以外の民間とか経済団体と連携してもっと活用するというお考えとか、今お持ちでしょうか。

知事)
 せっかくの瀬戸大橋が十分使えてないじゃないかというご意見は多分30年前にできたときからあったんだと思います。それはもともと人と物をつなぐ橋としてちゃんと使えているのかということでいえば、人を動かすということでいえば、マリンライナーは、私がよく使ってきた頃は1470円だった時ですが、比較的低廉な値段で使えた。1時間で、岡山駅から高松駅まで行けるわけですから、かなり通勤通学で使われるようになったなと実感をしています。
 車の方は最初の料金が、これも投資回収のための料金設定ということで仕方がなかったのかもしれませんが、一般の人、物流企業にとって高すぎて、実際なかなか使えなかったということがございます。造って使わないというのは本当に大変もったいないことでありまして、投資回収は非常に大事だけれども、それは造るときにいろいろ考えるべきことであって、造ってしまった後はこれは経済学のサンクコストの本当に教科書的な例であるので、一番その橋があることによる効用、ユーティリティーを最大にするような料金設定がどう見ても、少なくとも、経済学的には正しいということをずっと主張してきたわけでありますが、今の料金設定は非常にそれに近い形になっておりますので、随分、車両の通行台数も増えました。非常に、今は人も物も、瀬戸大橋を十分活用して、相互に行き来するようになっているのかなと思っています。当然、この料金が厳密な意味で今ベストかというとそれはいろいろ分析しなければわからないんですが、ざっくり言えば以前よりずいぶん良くなったという意味であります。
 あと、観光ということに関してはまだまだ私はできてないことが多いなと思っています。明らかにこれまでも観光資源としてたいへん活躍してきているわけでありますが、実際、私自身も県外のお友達、特に海外のお友達をこれまで30年間、連れていったわけですが、ほぼ全員がびっくりするわけなんです。これはすごいなということで。びっくりするということは、実力ほど知られてないっていうことなんですよね。もったいないなということがあります。
 特に夜景ですね。ライトアップされた瀬戸大橋というのはやっぱり間近で見ると、すごい迫力があります。サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジもそうですし、ブダペストの鎖橋もそうですね。すごい大きくて印象的な橋がライトアップされると、また昼間と違う感動を呼ぶことは多々あるわけでありますが、瀬戸大橋もせっかくのライトアップの施設はある、コストはそんなに大したことはない。しかし今いろいろな事情があるそうでありまして、現在、年間80日までしかライトアップができない。このたび、瀬戸大橋開通30周年ということで、その年間に関しては、123日に延ばしていただけるということを環境省から教えていただいて大変喜んではいますが、でも1年間は365日あるわけですので、まだまだちょっともったいないなということは思っております。いろいろな主体と協力をしながら、せっかくの我々の資産である瀬戸大橋を人流の面でも物流の面でも観光の面でもその他できるだけ活用していきたい。その工夫を進めていきたいと思っています。

記者)
 教育長の人事についてお伺いします。鍵本新教育長は竹井教育長を次長として支えている立場、いわば、内閣でいえば官房長官という立場だと思いますが、その起用に対する狙いと、特に期待している部分をお教えください。

知事)
 私が知事になったときには竹井教育長ということで、竹井教育長とは最初のうちはずいぶんやりとりもしながら、これはどうするんだと、このままでどうなのかということで、ずいぶん活発な議論をさせていただく中で、私はたいへん竹井教育長に対して信頼感を増してきたわけであります。信念、思いというものを感じて一緒に戦ってきたわけであります。竹井教育長とも、後任は誰がいいのかということについて、意見交換したこともありますけれども、私とすれば、この教育県岡山の復活にかける思いを共有できる人は誰なのかと。私とすれば今いい方向に向かって進んでいると信じていますので、スピードがどうかというご批判はあろうかと思いますが、この路線をきちんとした形で引き継ぎ、発展していってくれる人は誰なのかという観点で選ばせていただきました。

記者)
 繰り返しになるんですが、期待している分野をお聞かせください。

知事)
 教育ぐらい大きなものというのは、何か魔法のようなことがあってこれさえすれば、全てうまくいくというようなことにはなっていないと思っています。基礎からの積み上げということが大事で、これは何度もこちらで申し上げました、学級崩壊が起きているようなところでは、まず落ち着いた学習環境を取り戻さなければいけない。同じような話ですが、非行が頻繁に起こっているような場所でまず非行率を下げなければいけないということで、先日発表された昨年の非行率がまた下がりまして、3.8になったというのは大変嬉しく思っているわけですが、そういった積み上げの努力をきちんと継続してもらいたいなと考えています。

記者)
 瀬戸大橋の話に戻ります。この先知事自身は瀬戸大橋をどのように活用していくか、
概念的な話になるかもしれませんが、どのような橋であり続けてほしいか、思いをお聞かせください。

知事)
 海というのは、貿易、船を通じて二つの土地をつなぐものでもあり、でもそうは言っても、人間が歩いて渡るわけにいかないという意味で言えば、分断するものでもあります。 実際、例えば、日本とアメリカということで言えば、その間に地面がずっとある場合の輸送コストよりも海がある方が輸送コストはずっと安いんですよ。船の方が。なので、アメリカと日本の間に海があるというのはその貿易という点でいえば、事実上つないでいるものなのかなと思います。
 しかし、あれぐらい近いと、船に積み替える方がむしろ面倒くさいぐらいのことでありまして、その人間が歩いてもしくは自転車でいけないという点でいえば正直、岡山と香川もしくは、本州と四国を分断するすごく狭い、水の幅の瀬戸内海かなあと思っています。それをこの瀬戸大橋を含む3本の橋でつないだということで、ずいぶん我々にとっても四国が身近なものになってきました。当然四国の方にとっても、本州の各地域が身近なものになったのかなと思っておりますが、分断されているからできなかったことができるようになってくる。その逆もあるかもしれません。このストロー効果と呼ばれるものは、我々特に地方にいる人間からすると非常に注意しなければいけない現象ではありますが、ぜひこのせっかく作った1兆円以上もの巨費を投じて造った橋でありますので、きちんとメンテナンスすると同時に、どういうふうにうまく活用していけばいいのか。あとこれ我々というよりも多分四国側の課題かもしれませんが、デメリットをいかに回避するかということも一つなのかなと思います。最近、30周年のことに関していろいろ検証記事等を読んだり見たりしていますけれども、やはり四国についても、ストロー効果というものが出ているんだという記事がございます。近くなると、いろんな会社の支店がなくなってしまうという現象はよくあることでありまして、ぜひ、お互いにとって、メリットのある活用を考えていきたいと思います。

記者)
 瀬戸大橋は今経済の面で、先ほど物流の話が出たかと思いますが、今後どう経済発展とか、ビジネスチャンスにつなけていくか、具体的にいくつかお教えください。

知事)
 これまでつながっていなかったものがつながったわけですので、この30年間、いろいろな変化が岡山、私は特に、より大きな変化は四国側に起きたと認識をいたしております。私それぞれの分野について中途半端にしか勉強できてませんけれども、多分一番詳しく勉強したのは経済学であります。その経済学において、すごいコストをかけて造るときにはしっかり考えなければいけないということを教えてくれるわけですが、造ったからにはいかに寿命が終わるまでうまく活用するかということが非常に大事なわけでありまして、このままでどううまく使えるのか、あと、意外と物事には作用だけでなくて、副作用も出てきますので、その副作用を抑えていくのか、しっかり考えていかなければいけない問題なのかなと思っています。また、しまなみ海道のように当初の目的からするとなかなか良い使い方がされていなかったけれども、開き直って、自転車道とすればいいんじゃないかみたいな使い方も一つしまなみ海道では成功したのかなと思っています。もともと考えていたやり方で使うのがこれはもう本道、王道でありますが、また全然違う使い方が非常に小さい追加投資で大きなメリットを呼ぶ可能性もあります。いろいろ頭をやわらかくして考えていきたいと思っています。

記者)
 まだまだ新しいビジネスチャンスはありそうですか。

知事)
 これまで分断されていた地域が橋でつながったわけです。30年経てばだいたいいろんなアイディアが試されたのかなと思うんですが、でも実際我々去年、一昨年、その前と振り返ってみると、いろんな新しい工夫が出てきて、そのたびに実はこの取組というのは、思いついたのがその年であって、本当言えば、5年前にあってもおかしくなかったなみたいなことは多々あるわけです。ということは、今行われていないけれども、後で振り返ってみれば本当はこの2018年にやってても良かったんだよね、もしくは2017年に始まってもおかしくなかったんだよね、技術的にはもう十分できたよね、とかいうものがいっぱい残されていると思います。それは瀬戸大橋についても、あってもおかしくないと思います。

記者)
 改めて予算について、新年度に向けての、例えば地方創生とか、人口減少対策、そういったところも含めて、お考えを教えてください。

知事)
 今回、予算の議決をいただいて大変喜んでいるところでありますけれども、私自身の思いなんですが、会社も行政も似たところがあって、人体もそうですけれども、何かナイフでぱっと切られたとかというときにはかなり素早く反応をします。その反応が遅れているようでは多分組織としても大変危ない状態でありまして。どの組織もなかなかその対応が難しいのが慢性病のような問題、我々も野菜を食べるよりはお菓子を食べる方が大抵嬉しいわけでありまして、あんまり体にはよくないんだろうなと思いつつも、今日1日のことを考えれば、運動しない方が楽だしとかということを積み上げていって、20年後に糖尿病その他で健康を害してしまう。こういうことをぜひ防ぎたいというのが私が県政にチャレンジした理由の一つでありますので、今すぐ大きい副作用が出てるわけでなくても、将来のことを考えれば、今、やるべきであることにいかに資源を投入できるかで、人口減少問題はまさにそれに相当するものだと思っています。本来は20年前、30年前にもっときちんと手がけるべきだったのかもしれませんが、ようやく今、国全体で手がけられるようになりました。
 岡山県としてもこの問題を放置していけば、10年後、20年後にもっと厳しいことになっているんだということできちんと進めていきたいと思っています。

記者)
 議会マターかもしれませんが、国内外の視察や政務活動費など、公費の使い方について、改めて知事としてのメッセージをお願いします。

知事)
 私は監視される側ですので、あまり申し上げられるようなことではないんですが、一般論として、私自身も県庁職員も、議会の議員の先生方も、活動原資は税金でありますので、納税者の皆さん、有権者の皆さんに対して、説明ができるような使い方をしなければいけない、これは議論の余地のないところかなと思います。
 あとどういう形の報告にすべきなのか、どういう形の公開にすべきなのかということは、まさに議会マターですので、有権者、県民の皆さんがこれならなと納得していただけるような形になっていけばいいんじゃないかなと思っております。
 あと、視察についてですが、特に海外の視察に関しては、私自身が今痛感をしているところでもありますし、以前そういう機会があってよかったと思うんですが、海外はなかなか行けません。お金のこともあります。スケジュールのこともあります。百聞は一見に如かずとはよく言ったもんだなということで、私もアメリカ1年、学位を取るためのアメリカ2年、それから留学に近いようなフランス1年。行く前にこの程度ぐらいは何か見られるのかなと思っていた想像と、たった1年ですとか2年なんですが、終わった後の自分はずいぶん変わっています。
 びっくりすること、考えを改めること、多々ありまして、やはりその本とかいろんなインターネット等で知識を入れることはできるんですが、自分の身をその場にどっぷり入れて、現地でお話を聞く、現地の空気を吸うということは大事なんだなというふうに思っています。
 私自身、今よりも良いやり方があるはずだと、遠いところ、別の分野、別の業界、別の地域の人たちの工夫が我々にとって取り入れたら良い結果をもたらすということは、必ずまだ残っているはずだと思っている人間からすると、我々自身も勉強したいですし、我々が提案したことを例えば議会の中でそれを実際に見たことのある人がいらっしゃらなくて、何かぴんとこないなということで否決をされてしまう残念さよりも、現地を見に行って、実は非常にうまくいっているということをご覧になられていろんなお話、どういう苦労どういう工夫でここにたどり着いたのかということを聞かれた後で、そうだよね、それはなかなかいいんじゃないか、もしくは、こういう修正がいいんじゃないか、という議論ができた方が私は県の予算6000億円ですとか岡山県のGDP、7兆、8兆だっていうことを考えると、私はぜひやってもらいたい。ただ、その使い方について、疑念が出るとなかなか難しいですから。そういうふうに考えています。

記者)
 A型の事業所ですが、フィルの事案が起きたが、行政区分的には県の手から離れたと言えば離れたと思うが、そうはいっても、県としても経営支援とかしてきた中で、改めてどう受け止めておられますか。

知事)
 フィルの問題に関しては、事業所いくつかありまして我々にとっては総社の事業所が、直接責任を持っている事業所が一旦そこを閉めて、倉敷の事業所が吸収をするような形で、我々とすれば、倉敷に残った事業所がきちんと回るように、倉敷市役所と連携しながら、指導を続けてきたところであります。で、今回このようなことになって、我々としても大変残念に思っているわけでありますが、お話のとおり、これは倉敷市役所のことですから、我々は関係ありませんという思いは全くございません。とにかく岡山県内で、私はこの福祉も大事だけれども、この就労というのが非常に大事だと思っている人間でありますので、障害のある皆さんが働く場所をせっかく見つけて、元気に頑張っていたのに突然解雇されているわけでありますので、ここは何とか新しい受け入れ先をみんなで見つけなければいけません。先日総社市の片岡市長がやるぞと、これも総社市に直接責任があるわけではありませんが、そういうふうに手を挙げてくださるというのは大変頼もしいことでありますし、我々も一緒になって、それぞれの皆さんの再就職先について取り組んでいきたい。また、県内に経営改善が必要なA型事業所まだあるわけであります。なかなか経営をご苦労されているところもそれだけではありません。我々自身、きちんと経営指導に取り組んでいかなければいけないと考えています。

記者)
 県内では7割強ぐらいが経営改善が必要ですが。

知事)
 8割ぐらいです。どこで取るかで変わりますが。

記者)
 そこを踏まえて、改めてお願いします。

知事)
 そもそも制度が途中で変わるということがありましたので、参入した事業者にとっても、なかなか全て自分たちが悪いと言われても、困ると言われると思います。
 だからといって、一度入れた仕組みはもう未来永劫変えられないということはよくありませんので、こういう行ったり来たり、トライアルアンドエラーの中でより望ましい制度が残っていくということなのかなと理解はしておりますが、でもそこに事業者、それから利用者の皆さん、従業員の皆さんいろんな方が関わりになっていくわけでありますので、いかにこの時点からいい着地点を探していくのか、もしくは、より実効性のある制度を考えていくのかというのはこれは我々の仕事だと思っています。
 それぞれの市町村であったり国とも組織がどうあるべきなのか、仕組みがどうあるべきなのか考えていかなければいけないなと思いますし、これはある種経営ですので、他の福祉ということだけでなくて、一般の会社が障害者を雇用してくださるということとの中間的な形態でやはり経営センスのある皆さんに参入をして頑張っていただかなければいけないということであります。我々いろいろ取り組まなければいけない課題はあるなという感じです。

記者)
 政務活動費の関係で、議会マターとおっしゃっていますが、どういうふうに公表していくかというのは議会の問題だと思いますが、ただ透明性が確保されないまま県費が使われて補償請求になったときに訴えられるのは当然知事なわけで、知事が訴えられて負ければお金を払う、いろんな一連の報道もあって、議員の中からも再検討すべきではないかという声もあったり、今回の議会でもまた継続審査となって遅々として改革が進まないと。こういう現状について、お立場はわかるんですが、率直なご意見を改めてお伺いします。

知事)
 私がもし一市民、一県民だとまた違ったコメントもあろうかと思いますが、私自身がチェックされる立場でありますので。あまり何か意味のあるコメントにはならないかもしれません。とにかく、原資が税金であるということは、我々含めて常に意識しておかなければいけないなと思っています。

記者)
 もどかしさとかはありますか。

知事)
 こういうことが話題にならないのが理想なのかなと思っています。

記者)
 両備バスの件の協議会のことです。当面の目的であった31路線の維持というものは、
達成できたのかなというところがあるんですが、今後この協議会はどういうふうな性質というか、性格を目指していかれますか。

知事)
 おっしゃる通りで、協議会をつくるということを表明させていただいたときには、この31路線が、1年後には廃止されるかもしれないという大変な危機感のもとで設置を決めたわけでございます。
 先日の撤回表明ということで、とりあえず表面上の状況は激変をしたわけでありますが、実際、多くの路線が赤字であると。これは我々帳簿まで見たわけではありませんので、どういう定義による赤字なのかということはありますが、まず両備グループ2社から路線廃止届けの提出、それから撤回に至った経緯などについてご説明をお伺いをいたしまして、また、中国運輸局それから関係4市のご意見を伺うということは、今後、今回の問題に関連して、少なくとも該当の地域の地域公共交通の維持確保を考える上で必要であろうと考えております。皆様方のご説明、ご意見を伺った上でその後の議論をどう考えていくのか、協議していきたいと思っています。

進行)
 それでは、以上をもちまして知事定例記者会見を終了いたします。

知事)
ありがとうございました。

2012年の記者会見