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2013年8月29日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0349106 2013年8月29日更新公聴広報課
会見写真

第3次おかやま夢づくりプラン改訂素案について

 おはようございます。
 それではまず、私のほうからお話をさせていただきます。今日は、5項目あります。
 まず、「第3次おかやま夢づくりプラン改訂素案」についてでございます。
 プランにつきましては、5月に改訂方針を公表し、県民の皆様や市町村、有識者の方々からの御意見・御提言をお伺いしながら検討を進め、この度、素案を取りまとめました。
 お手元の「改訂素案の概要」をご覧ください。
 「1 『生き活き岡山』の実現を目指して」のとおり、名称は、「晴れの国おかやま生き活きプラン(仮称)」とし、現プランの性格や大枠は維持しながら、県政の基本目標を、「全ての県民が明るい笑顔で暮らす『生き活き岡山』の実現」とするなどの改訂を行いました。
 また、長期構想に県民局の所管区域ごとの「地域別構想」を新たに加えております。
 続いて、「2 改訂の主な内容」ですが、「戦略プログラムと施策・事業」については、行動計画における現プランの4つの基本戦略などを、内容の一層の重点化を図る観点から見直し、「教育県岡山の復活」、「地域を支える産業の振興」、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」の3つの重点戦略に再編いたしました。
 その結果、「改訂の一例」にありますように、現プランの19プログラム・4プロジェクトは、15のプログラムとなり、施策数も大幅に集約されています。
 また、現プランの「暮らしやすさ指標」につきましては、戦略プログラムの達成状況を適切かつわかりやすく表すものとなるよう精査し、名称も「生き活き指標」に改めました。見直しの概要は「改訂の一例」に記載しています。
 続きまして、素案冊子をご覧ください。
 1ページをお開きいただき、「第1章 基本的な考え方」では、基本目標である「生き活き岡山」の実現に向けて、「顧客重視」、「コスト意識」、「スピード感」の3つの視点を持って取り組むことなどを新たに盛り込んでいます。
 プランの性格等につきまして、長期構想は、現プランを5年間延伸し、2025年頃の目指すべき岡山の姿を展望するとともに、行動計画には、平成28年度までの3年間に重点的に取り組む戦略や施策を盛り込んでいます。
 3ページからは、「第2章 岡山の将来像」であり、「1 時代の潮流と課題」と、6ページからの「2 岡山の発展可能性」は、現プランを基本的に引き継いだ内容としています。
 8ページの「3 2025年頃の目指すべき岡山の姿」では、まず「全ての県民が明るい笑顔で暮らす岡山」において、子どもたちが規律を持って伸び伸びと学んでいる社会の姿などを描き、9ページの「中四国の拠点として、グローバルに発展する岡山」において、旺盛なチャレンジ精神で頑張った人が報われる仕組みづくりが進み、そうした人々を応援する気運に満ちた社会の姿などを描いています。
 11ページからの「4 地域別構想」では、備前、備中、美作の各地域が目指す将来の姿や政策展開の方向性などを記述しています。
 20ページ以降が「第3章 行動計画」であり、21ページは、重点戦略1「教育県岡山の復活」の戦略プログラムである「学力向上プログラム」です。
 「概要」では、学力向上に向けた施策の方向性を明らかにしています。
 次の「生き活き指標」には、「全国学力・学習状況調査の全国順位」など7つを挙げています。
 また、「重点施策」は、指標により達成度を示す施策であり、「子どもたちが落ち着いて学習できる環境の整備」など5施策を掲げ、その他を「推進施策」として、「国際化に対応した教育の推進」など3施策を挙げています。
 同様に25ページからの重点戦略2には、「企業誘致・投資促進プログラム」など5つの戦略プログラムを、また37ページからの重点戦略3には、「保健・医療・福祉充実プログラム」など8つの戦略プログラムを掲げています。
 各戦略プログラムは、計画期間中に目に見える成果をお示しできるよう、しっかりと取り組まなければならない施策に重点化を図ったところです。
 最後に、53ページをお開きください。
 ここでは、プランの推進に当たり、県の行政サービスに係る関係者全てを顧客と捉えて、マーケティング重視の県政を推進するとともに、統計分析や明確な根拠に基づいて政策を立案する能力の養成や、チャレンジする組織風土の確立、さらには、より良い行政サービスの提供に向けた見直しを継続的に実施する「カイゼン」の浸透に取り組むことなどを述べています。
 今後は、パブリックコメントなどを通じた幅広い御意見や、市町村、県議会などの御意見をお聞きした上で必要な修正を加え、年内の議会に議案として提案する予定であり、「生き活き岡山」の実現に向けた県政の確かな羅針盤となるよう取組を進めてまいります。

今後の収支見通し(粗い長期試算)について

 次に、今後の収支見通し(粗い長期試算)についてでございます。
 本日、今年度の税収見込みや普通交付税の算定結果のほか、12日に公表した平成24年度決算見込みを踏まえた社会保障関係費の伸び率の見直し等を反映させた、今後10年間の長期財政試算を行いましたので、ご説明申し上げます。
 まず、お手もとの資料の1ページをご覧ください。
 今年度の収支見通しは、まず、歳入について、税収が法人事業税等の増により当初予算編成時と比較して約21億の増、地方交付税及び臨時財政対策債が交付税の算定結果を踏まえると約66億円の増、その他一般財源の増が約1億円になると見込んでおります。
 次に、歳出については、6月補正予算において、国の要請に基づく職員の給与減額措置を講じた結果、人件費が約52億円の減、9月補正予算案の影響などにより約1億円の増となったことから、収支は、前回試算から139億円改善する見込みであります。
 一方で、当初予算において臨時的歳入対策として計上している、企業局からの借入金40億円の借換について、解消を図る必要があるほか、今後予定される行政需要に備える必要があると認識しております。
 次に、2ページをご覧ください。
 向こう10年間の収支の推移について記載しております。
 県税収入については、今月8日に国が公表した名目経済成長率のうち、穏やかな成長シナリオである「参考ケース」の2分の1の率を用いて試算しておりますが、今年度の税収や地方交付税の増等の影響により、前回の試算と比較して改善しております。中期的には社会保障関係費の増加により、改善幅は小さくなるものの、全体としては前回とほぼ変わらない傾向となっております。
 4ページ以降は、参考資料となります。
 4ページの県債残高の推移と将来推計をご覧いただくと、今後、臨時財政対策債を除いた県債残高は引き続き低下傾向であり、ストックベースの改善は続いていく見通しです。
 5ページの実質公債費比率についても、起債の許可が必要となる基準18%を下回って安定的に推移する見込みとなっております。
 今回の試算では、今年度の税収や地方交付税が増額となったことから、今後の試算の前提となる歳入の額が増加し、その結果、来年度以降についても収支が改善する姿となっておりますが、来年度以降の実際の税収や地方交付税がどのようになるかについては不透明な部分が多く、いまだ予断を許さない状況は続いているものと認識しております。
 県としましては、これまでの行革の成果を維持しつつ、不断の改革の取組を進めるとともに、国に対しても地方交付税等所要の地方一般財源総額を確保するよう強く働きかけ、持続可能な財政運営を行う必要があると考えております。

岡山県行財政経営指針(素案)について

 次に岡山県行財政経営指針(素案)についてでございます。
 資料の1ページをご覧ください。
 これまでの行財政改革の取組の成果を維持するとともに、「晴れの国おかやま生き活きプラン」の実現を支え、社会経済情勢の変化等に即応できる行財政基盤を構築するため、今後の依るべき指針として、「岡山県行財政経営指針」の素案をとりまとめましたので、その概要についてご説明させていただきます。
 3の「基本理念」ですが、「顧客重視」、「コスト意識」、「スピード感」の3つの視点を持ち、不断の改革・改善に取り組み、県民の要請に応えることのできる行財政経営を目指すこととしています。
 2ページ目をご覧ください。
 4の「基本方針」ですが、基本理念に基づき、「不断の改革姿勢」など5つの基本方針を定めています。
5の「推進期間」ですが、平成26年度から平成28年度までの3年間としています。
 次に、6の「県財政の現状と今後の見通し等」ですが、他県比較も含めた財政状況分析を行い、3ページ、4ページに、中長期の目標として、財政調整基金の積立額や財政健全化判断比率、県税の収入率等の目標を記載しています。
 次に、7の「推進に向けた取組」ですが、主な内容としては、「(1)歳出適正化」の「義務的経費」では、公債費の平準化や社会保障関係費の適切な水準の維持、「一般行政経費」では、予算の計画的な執行や事業の重点化、「投資的経費」では、事業の必要性や熟度、費用対効果を重視した事業選択の実施に取り組むこととしています。
 5ページをご覧ください。
 「(2)歳入確保」では、県税収入率の向上や産業振興等による税源の涵養、6ページですが、「(3)将来の財政負担への備え」として、財政調整基金等への積み立てや公共施設の維持修繕費など将来見込まれる財政負担に対応するための基金の新設検討を進めることとしています。
 また、(5)(6)では、県有施設の計画的な修繕による維持管理経費の縮減や長寿命化対策、「(7)人材マネジメント及び組織風土の改革」では、職員の能力開発や士気の向上、コスト意識の醸成、慣例や前例にとらわれない組織風土づくりに取り組むこととしています。
 7ページをご覧ください。
 最後に、8の「取組のフォローアップ」ですが、この指針に基づく取組については、毎年度、検証を行いながら次年度の改革につなげることとしています。
 8ページをご覧ください。
 「今後のスケジュール」についてですが、本日から9月30日までパブリック・コメントを行い、さまざまなご意見を伺いながら、11月には最終的な指針を取りまとめたいと考えています。

第3回事業再点検に関する有識者会議の概要について

 次に事業再点検に関する有識者会議についてでございます。
 先般、第3回事業再点検に関する有識者会議が開催され、既存事業9件及び将来県財政に大きな負担を生じる事業について御議論いただきました。
 様々な分野から構成される委員の皆様には、本県の現状や展望すべき将来を見据えながら、我々とは違った観点から、各事業について、運営手法のあり方や受益と負担の関係等を踏まえた見直しの提言、今後の事業のあり方等について、活発な御議論と前向きな御意見をいただき感謝申し上げる所存です。
いただきました御意見については、重く受け止めており、県議会等の御意見も踏まえながら、県としての対応方針を決定するとともに、平成26年度以降の予算編成など今後の財政運営に生かしてまいりたいと考えております。

「平成25年度全国学力学習状況調査」結果の概要について

 最後に平成25年度全国学力・学習状況調査結果の概要についてでございます。 このたび、全国学力・学習状況調査の結果が公表されましたが、昨年度の非常に厳しい結果に比べ、学力に関して全国平均との差が縮まったことや、小学校における家庭学習時間の増加など、本県の課題の改善が少し見られたと感じています。
 これは、学校・家庭・地域が一体となった取組の成果が少しずつ現れているものであり、引き続き、実効性のある取組を着実に実施していくことが大切であると考えています。
 私からは以上でございます。

質疑応答

記者)
 夢づくりプランのほうで、新たに盛り込んだ施策や事業といったものはよくわかったのですが、逆に何を削ったのかということ、特に中四国州構想プロジェクトはなくなっているのではないかと思うのですが、その理由も含めてお願いします。

知事)
 まず、中四国州を削除したことについてなのですけども、道州制の制度設計ですとか効果、影響については、まだ明確になっておりません。何度も申し上げますとおり、連邦制のようなものすごい権限をもらうものから、単に県境を外しただけで霞ヶ関がしっかり残っていくものも含めて、同じ名前で呼んでいるわけでありまして、まだ道州制の導入の適否を判断するような状況に至っていないと考えていたことから、中四国州構想は削除をさせていただきました。否定したわけではありません。これから議論を進めていく中で、今後どうするのが本当に県民、国民のためになるか考えていきたい。
 あと、項目について、新たに入れたもの、削ったものがあるわけですけれども、削ったものの多くは取りまとめて吸収をしたものが大半でございます。削ったもののうち、例えば食中毒を防ぐための施策とかがあったわけですけども、これは今の法令ですとかに従って粛々とやっていくことでありますので、特に重点化されるプログラムからは外したという、そういうものがございます。何かやらなくなるということはございません。そのプランが本当に重点化するプランであるということでございます。

記者)
 行財政経営指針についてですが、行革大綱では財政削減の目標値を定めて、コストカットを前面に出していたと思うのですが、今回はそういった数値目標がありませんけれども、これは何か方針転換とかそういった見直しがあったのでしょうか。

知事)
 数値目標がないということなのですけれども、例えば財政調整基金の積立目標額ですとか、実質公債費比率については目標を定めております。
 財政調整基金のほうでしたら、この標準財政規模の5%である210億円程度はためておきたいですとか、もしくはそういった基準の数値については大体全国の平均を目指したいというようなものでございます。
 でも、何か何億円減するとかこうするというがちがちの数字が入っていないのではないかという御指摘に関しましては、そもそも目標が、前回の石井知事の時代に立てられたものについては本当に予算が立てられない、歳入が足りない部分が余りにも多いということでそういうことになったと理解しておりますけれども、今回、私がこの岡山県の行財政経営指針を立てた理由とすれば、生き活きプランを支える方針として考えておりますので、何か財源を捻出すること自体が目標ではなくて、やりたいこと、岡山をもっとよくするために必要なことをしていく、数字ありきではなく、この方針を定めたものであります。

記者)
 それは、これまで厳しい財政状況が続いていた中で、一定の改善がみられたということで、今回削減でなくて職員の意識改革などに特に重点化をしたということでしょうか。

知事)
 これまでの改革の成果は維持しなければ、やはり岡山県の財政は依然として厳しいですし、毎年社会保障関係費の増があって厳しくなるわけですけれども、前回のときは本当に緊急避難、とりあえずこれだけの削減をしなければ破綻をするかもしれないという中で策定をされた。今回、今年度ですとか来年度の財政破綻を恐れて緊急的にやっているものではない。普通の厳しい県に戻ったという認識に立って策定したものでございます。

記者)
 プランのほうで、今回数値目標がかなり具体的に示したものだとかある分野のものをより直接的に反映するような指標に変えられたのかなという印象なのですが、プラン全体にもかかることですが、どういうお考えで策定されたのでしょうか。

知事)
 この指標なのですけれども、私自身、ずっと思っておりますのが、その指標が県民の幸せ、私の言う「生き活き岡山」に直結する指標にできるだけしたいわけです。例えばこれが達成できたら本当に岡山県にとって、岡山県民にとっていいなというものを指標に選びたい。あと、その指標が計れるものでなければ指標になりませんので、実際、評価ということを考えると、達成しやすいものを選びたいという誘惑は常にあるわけですけれども、研修を行ったかどうかみたいな指標なんていうのは、本当に研修を年20回すれば20回研修をしました、目標達成しましたということになるのですけども、研修をすること自体が県民の幸せに直結するわけではなくて、実際に県民の機会が増えたかとか県民の不幸が減ったかとか、いろんなことに県民にとってこれがよかったというような指標をできるだけ選ぶように苦心をいたしました。
 なかなか思ったような指標、はかれる指標はないのですけれども、頑張ったつもりです。

記者)
 関連で。ある意味、結果責任を問われる指標をあえて選ばれたと思うのですが、指標が達成できなかった場合にどうされるのかということについては。

知事)
 おっしゃられるとおり、今回の指標はより達成が難しいめの指標になっていると私自身認識をしていまして、自分でちょっと高めのハードルを自らに課したような格好になっていますが、そもそも私は楽な仕事だと思ってこの仕事を目指したわけではありませんし、せっかくいただいた4年間の任期、もう9カ月たってしまいましたけれども、いかにうまく生かすかということを考えていますので、結果がどういうふうに見えるかということはあえて気にせず、しっかり果敢にチャレンジしていくつもりであります。

記者)
 「顧客重視」という言葉があちこちに散見されるのですけれども、商売の上での「顧客」という意味と、行政サービスの上での「県民」とが一概に一致するのかなという部分があるのですが、知事のお考えをお願いします。

知事)
 おっしゃるとおりです。県民でいいじゃないかというお話はあるのです。ただ、顧客という観点というのは、考えていくと次のステップが見える非常にすばらしい考え方だと私は考えています。これは私が商売をしていたということではなくて、商売と全然関係ない分野においても顧客という考え方が応用できるのだというのは、「もしドラ」、数年前に大流行しましたよね、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」というので、その野球部の顧客は何なのかということを考えるときに、実はいろんな顧客がいるのだと。試合を見てくださる方も顧客であるし、野球部で頑張っている部員も顧客であるし、生徒の授業料を払っている親御さんも顧客だ。それぞれ望んでいることがちょっとずつ違って、そういう人たちの協力があって初めてこの野球部が回っていっている。そういうことを考えるにおいて、漠然と県民というふうに考えるよりも、より自分たちのやることが明確になるということがあります。それは、営利企業でなくてもやるべきことというのはありますし、それを明確にしたほうがいい。
 私は、是非、この営利企業でない、当然そうなのですけども、岡山県庁において、この仕事は誰を幸せにしなければいけないのか、それは一つでないことが多いわけですけれども、きちんと考えることがよりよい仕事につながると考えています。

記者)
 全国学力学習状況調査について、今回の結果を踏まえた受け止めと、新しい「生き活きプラン」の最初に出てくる数値目標が全国10位以内を28年度までに目指すということになっていますけれども、今回の結果を踏まえて、この10位以内という目標を達成できると思っていらっしゃるのかどうかということと、あと残り3年間でどういったスケジュールで達成していこうと思われているのかお聞かせください。

知事)
 もともとのスタート台が、小学校45位、中学校42位からのスタートであります。この教育に関して、権限が分散をしていますし、関わっている人数がものすごく多いことを考えると、この生き活きプランの目標、10位以内というのはかなり高い目標であることは承知しておりますけれども、あえて下げることなく掲げました。とにかく、この高い目標を目指してできることを全部やるつもりで頑張ってまいります。
 私自身よく言うわけですけれども、富士山を目指していて気づいてみたらエベレストに登った人はいないわけでありまして、やはり目標は高く持たなければいい結果にはならない、こう思っています。
 できるだけ早い段階で、その目標が達成できるよう、もしくはできるだけ近くまで行くように頑張ってまいります。

記者)
 この目標を見られた県民の方の中には、38位と32位が3年後に10位以内というのを本当にできるのかと思われる方も多いかなと思うのですが、そういった疑問にも答えるために、今後3年間のスケジュールをお示しいただきたいと思うのですが。

知事)
 この結果について、他県の取り組みもあるわけですので、我々がこういう取り組みをすれば次は20位から、その次が15位で、最終年度にどうのこうのというのはなかなか難しいことだと思います。とにかく、我々が最善を尽くすことで10位以内を目指したいと、こう思っています。
 ちょっとどう関連するか、広島県は以前かなり教育で苦労されていたと私は理解していますけれども、いろいろな取り組みをした結果、今では一桁台の常連になっています。是非、そういった例があるわけですから、もしくは高知県が上位県のやっていることをかなり取り入れて順位を随分上げている。そういう成功事例もありますので、そういったところも参考にしながら、しっかり追いついていきたいと思っています。

記者)
 10位以内というのは必ず達成しなければいけないと考えていらっしゃいますか。

知事)
 この順位、何度も言いますけれども、他県との比較ですので、これはいい順位を目指して最善を尽くす、このように考えています。高いハードルであることは承知をしています。

記者)
 夢づくりプランでは、3年後に達成すべきことがかなり明確になったと思う反面、前のプランにあった例えば道州制ですとか先進的な政策、岡山モデルとかいったようなちょっと県として背伸びをして、他県に発信したり働きかけたりするそういう性質のものは減ったように見受けられますが、そのあたりプラン自体の立ち位置は変わりましたか。

知事)
 道州制については先ほど申し上げたとおりなのですけれども、岡山モデルにつきましては、私自身が考えているのは何かあるアイデアだとか施策が岡山県にとって非常にいいものであれば、それが岡山県で発案されたものであるか、それとも他県で始められたものであるかというのは私にとっては関係ないのです。むしろ、自分たちのところで考えたかどうかというのを気にすること自体を戒めて、そういう教育を私は受けてきました。これは、外資系の会社、アメリカの学校で、車輪をもう一回発明しようと思うなという、何度も何度も言われるフレーズなのですけれども、車輪というのは人類の進歩にとって物すごい一大発明だったわけですけれども、誰かが発明をした後は2度目の発明の意義はほとんどないわけです。ですから、誰かがすごい発明をしたのであれば、あれは使わないぞ、悔しいからというのではなくて、いいものについては取り入れればいいのではないか、私は他県、他地域、他国のいいものについてはできるだけ取り入れて、岡山県民のための仕事をしたいと思っています。
 その中で、岡山で非常にいいやり方、応用の仕方があって、他県がまねをしていただいて、それを他県の方々が岡山モデルとか岡山方式というふうに呼んでいただくことについては全然差し支えないわけですけれども、我々自身がこれが岡山発なのか岡山発でないのかというのをそんなに区別する必要を私自身は考えておりませんので、今回のプランからはその文字を外させていただきました。

記者)
 いわゆる独自施策ということにはこだわりはないということでしょうか。。

知事)
 一言で言えばこだわりはありません。いろいろほかでどういう施策をしているのか、どういう工夫をしているのかということを調べた上で、それでも足りないというときに、それを調べた上で考えるわけじゃないですか。考えて、これまでにない、いいやり方があったといったら、当然それを試すべきでありまして、常にそういう仕事をしていくと、そのうちの幾つかは後になって岡山モデルと他県から呼ばれることになるかもしれないと考えています。

記者)
 関連で、そういった意味では、例えば施策なんかで、前の知事から伊原木知事に変わられて、新たに知事のお考えで入れられたもののボリューム感でどれくらいあるのでしょうか。

知事)
 そうですね。指標でいえば、90のうち廃止・追加が42。施策については、1割強変更になりました。

記者)
 約1割が知事のお考えで新たに変わったということ・・・。

知事)
 私の考えには限らないのですけど、みんなでいろいろ考えた上で、時代が少しずつ変わってきているですとか、新たな県民の皆さんの民意を反映させるなどして変わりました。

記者)
 民間出身の知事として、今回のプランを改訂されたということですが、その中でやはり期待されるのが企業誘致とか観光振興、このあたりになると思うのですが、そういう意味でこれまでの数字も少し増やしている感じもするのですが、例えば目標だけでなくてプロセスのあたりで新しく取り組みたいとか、この数字についてはこういう思いがあって私の経験を生かしたいとか、そのあたりの何か思い入れみたいなものがあればお願いします。

知事)
 おっしゃられるとおり、(仮称)生き活きプランですとか、行財政経営指針のところにも、私なりの思いですとか色を出したいという思いはありました。色が出ている、いや、余り出ていない、いろいろ御意見はあろうかと思うのですけれども、実際の知事がかわった、民間出身の人間がトップになって指揮をとるようになった、この違いというのは、こういったものをどういう形で推進していくのか、どういった形で県庁職員が仕事をしていくか。ここにこそ、現れてくるものだと思っています。
 例えば観光を振興したほうがいいかよくないかということについて、多分、意見の相違は余りなくて、これは振興したほうがみんなにとっていいに決まっているわけですけれども、どういうやり方でやっていくのか、ここは随分違ってくると思います。私は、今までの仕事の悪口を言うつもりはありませんけれども、どうしても作業を仕事というふうに考えがちな構図になっていますから、例えば3年前につくったパンフレットをアップデートしたら仕事したなという感じがするわけですけれども、これはいろんな方の手に届いてその方に読んでいただいて、これなら行ってみたいなと思ってもらって、そのうちの何割かの人に実際に来てもらって初めて仕事になるわけです。
 本当の意味で成果が、結果が出ているのかということに照らし合わせて、各段階での仕事を微調整していきたいと思っています。今でもいろんなプレゼンを行うときに、そもそもこの仕事は何を、今回のプレゼンで何をしたいのだと、聞いてくださった方にどういうふうに思って帰っていただいたら今回のプレゼンが成功だったのか、ということは何度も関係している皆さんにお願いをしていまして、そういった意識はそんなに急には浸透しないにしても、私はしつこくこれから皆さんに訴えかけていきたいと思います。

記者)
 今の話と関連するかもしれませんが、プランの中で、特にこだわりの部分とか知事の独自色が出ている部分とか思いとか、どのあたりでしょうか。

知事)
 これは私の選挙公約のほうに戻るわけですけれども、私自身、5年、10年を考えると、岡山をよくする、よくできるかどうかというのは産業の振興にかかっている。このように考えています。産業の振興ができて雇用が増える、所得が増える、税収が増える、そういったことができて初めて、皆さんの生活水準もしくは福祉水準に直結する福祉予算ですとか、医療の予算ですとか、介護その他いろんなところにお金を回せるようになります。
 そのほか、30年後、次の世代の岡山をどうするかということになりますと、ちょっとした税収がどうのこうのというよりも、教育だと思っています。どんなに今から10年間うまくいったとしても、次の世代を担う子どもたちが努力を嫌がるですとか、自分のことしか考えない、そういった子どもたちであれば、どんなに今、現役の人たちが頑張っても意味がないと思います。
 ですから、この2つ、今から5年、10年の岡山、それからその先の岡山のために、その2つをしっかり頑張っていく、当然ながら、県庁の仕事はそれだけでは全然ありませんので、それ以外のことについても大事なことについてはしっかり取り組んでいく、そういうことでございます。

司会)
 それでは、以上をもちまして定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見