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2013年4月4日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0332205 2013年4月4日更新公聴広報課
会見写真

新年度にあたって

 知事に就任して初めて迎える新年度でございます。改めて身の引き締まる思いを感じております。今年度は、政策重点指針に掲げた5つの重点分野について、費用対効果に留意しながら、市町村との適切な役割分担や連携強化を図りつつ推進してまいります。特に、「教育県岡山の復活」、「産業の振興・雇用創出」につきましては、できるだけ早期に県民の皆様の目に見える形で、その成果をお示しできるよう全力を尽くしてまいりたいと存じます。
 今年度においても、厳しい財政運営が見込まれることから、持続可能な財政構造の確立に向け、これまでの改革の成果を維持するとともに、不断の改革・改善にも取り組みつつ、私の掲げる「生き活き岡山」の実現に邁進してまいる所存でありますので、引き続き皆様方にはご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
 そして、いよいよ今年度は、美作国建国1300年の年であります。私も昨日、ナルト列車出発式に参加して盛り上げてまいりました。今後、美作地域では歴史や文化を織りまぜた多彩な記念事業が1年を通じて繰り広げられますので、是非とも多くの方に美作の国を訪れていただきたいと考えております。

岡山-台北線就航を記念した台湾への訪問について

 昨日、4月3日、待望の岡山-台北線が就航いたしました。
 空港で記念式を開催し、関係の皆様とともに就航をお祝いしたところでありますが、改めまして、岡山空港として4番目の国際路線の誕生を大変うれしく思います。
 これを記念しまして、お手元配付資料のとおり、早速今月下旬に、東アジア総合プロモーションの一環として台湾を訪問することといたしました。
 目的は、航空会社等への就航御礼、本県観光のPRと旅行会社への送客要請、それから県産農産物に関する関係者との意見交換、の3つでございます。
 期間は、4月20日からの4日間。県議会議長、県経済団体連絡協議会座長とともに訪問させていただく予定です。
 日程は、現在調整中ですが、エバー航空社長をはじめ関係者に直接面会してお礼を申し上げますとともに、本県観光のPRのため、約50台に及ぶラッピングバスを1カ月間、台北市内を走らせることとし、その出発式を21日に行う予定です。また、県産農産物の販路拡大に向け、百貨店幹部との意見交換等も行ってまいりたいと存じます。
 今回の訪問を通じまして、現地において、直行便の就航と本県の魅力をしっかりとお伝えし、岡山-台北線の利用の促進と、航空路線の活用をした両地域の一層の交流の拡大、経済・文化の発展につなげてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

質疑応答

記者)
 今回、台北便の就航で行かれるということですが、もちろん、御礼の意味も大きいと思いますが、初めての海外でのPRということで、台湾への意欲というか、意気込みを伺いたいのですが。

知事)
 本県への外国人旅行者のうち、実際6割が東アジアからというデータがございます。台湾はその中でも非常に有力な先でありまして、是非、私、今回、就任して初めての海外のPR先として、一生懸命PRしていきたいと思っています。いろんな意味で、台湾というのは岡山にとって大事な先でありまして、まず来ていただく、それから岡山の産品を買っていただく、この2つだけでも非常に岡山にとって大きな経済効果があると思います。当然、岡山の皆さんにとって、台湾に行きやすくなるという、生活が豊かになる部分もございます。これはもう気合いが入っています。

記者)
 農産物に関する関係者との意見交換ということですが、知事がいつもおっしゃられているようにマーケティングに今回重きを置くのか、それとも特別にこれを売り込もうという目的があるのか、その辺をもう少し具体的に教えていただけませんでしょうか。

知事)
 実際、台湾は県産のブドウが年間150トンも輸出されている先ですから、そういった今売れているものについて実際に頭にあるわけですけれども、まず私が常に考えていることは、先に、例えば今回はもうブドウと白桃の話だけっていうことじゃなくって、そもそもどういうものが評判がいいのか、岡山に限らず、日本の果物っていうと、その現地のマーケットではどういう期待がされているのか、もしくは、どういうところが不便だったり問題があるからこの程度で終わっているのかっていうことを、予断なく、いろいろお話を伺いたいと思っています。こちらのほうで決めてかかると、この話を聞いてるんだから、これに答えておこうかということで、せっかく教えてもらえるかもしれない情報を外してしまう可能性があります。いろんな話を教えてもらうことを楽しみにしております。

記者)
 エバー航空の社長にお会いするということですが、秋以降に向けた定期便、通年運航、そういったところの要請もされるのでしょうか。

知事)
 そうですね、はい。我々とすれば、夏だけでなく秋冬についても是非お願いしますということは申し上げます。そのためにも、これからの半年間の成績が非常に大事ですので、どうやって搭乗率を上げていくのか、評判を上げていくのか、そういったことについても意見交換をしていきたいと思っています。

記者)
 もう一点。ラッピングバスなんですが、これは台北市内を走るんですね。

知事)
 そうです。

記者)
 あと、こういった取組は初めてなのかということと、なぜバスに着目されたのでしょうか。

知事)
 まず、私でわかるところをお答えします。
 台北はラッピングバスが非常にはやっているというか、にぎわっているそうでございます。日本でもラッピングバスは走ってるんですけれども、それ以上、注目度が高いということを聞いております。ラッピングバスが初めてかどうかということについては担当のほうから。

担当課長)
 ラッピングバスですね、エバー航空のこの定期便が決まった時点で、3月から既にラッピングバスを走らせている分もあるんですが、その評判もいいということで、新たにここで岡山県の宣伝を入れたラッピングバスを走らせるということになっております。

記者)
 台湾でのPRということですが、台湾へは日本全国の自治体が売り込みをしていると思います。例えば果物に関して言うと、山梨などが先行していて、通り一遍のPRだと全国の中で埋もれてしまうと思いますが、その辺りで何か差別化、際立たせる戦略を教えていただけますでしょうか。

知事)
 そうですね、そういうことをきちんと立てる意味でも、私自身が行って、現地の百貨店の関係者、経営層の人にお話を聞くことがすごく大事だと思っています。そもそも岡山県の強みっていうのは、その製品、果物そのものの品質が、これはもう本当に抜群に高いものが多いですから。ただ、それを、確かに比べると「いいよね」っていう程度じゃなくて、本当にこれはもう、日本の桃はすばらしいけども、その中でもこの岡山はすごいぞ、ブドウはおいしいけれども、その中でも岡山はもう全然違うということを、いかに理解していただくか。それをどういうふうにアピールするのがいいのか。
 これは、私自身もちょっと経験がありますけれども、国によって何をうれしく感じるかとかというのが違うものですから、是非その売り込みたい先の人たちの現状、嗜好に合わせたPRの仕方を考えていきたい。もしくは、合ったものを出していきたいと考えています。大変楽しみにしています。

記者)
 今月10日に瀬戸大橋が開通25周年を迎えますが、改めてこの橋が地域で果たしてきた役割ですとか、岡山経済にとっての存在意義みたいなところをお伺いします。

知事)
 25年、今では我々、当たり前のように思っていますけれども、それ以前は当然そうでなかったわけでありまして。四国に行くことに対する心理的な、遠い場所だなっていうことは、私、以前感じておりました。今はもう本当に、すっと車に乗って、もしくは岡山駅に行って、すぐ行けるわけですよね。本当に四国と陸続きになった、身近になった気がいたしております。私の周り、本当に身近な周りでも、四国から通って岡山の学校に来られてるとか、行ったり来たりしている。本当に、少し遠かったお隣の県が、本当の意味でお隣の県になったなと思っています。
 あとは、電車のほうは非常に安く渡れるわけですけれども、車で渡ろうと思ったら、やはり往復1万円近くかかるということで、なかなか行きづらかったわけですけれども、料金が随分引き下げられてきた、これからも引き下げられる見込みになっておりますので、せっかくある橋ですから、存分に使いたいと思っています。

記者)
 今のお話しにもあったのですが、通行料金が依然として高くて、岡山の優位性を十分生かし切れてないのではないかという議論も根強くあるのですが、14年度を目途に他の高速道路料金並みにということで合意していると思うのですが、改めて値下げの必要性についてのお考えをお願いします。

知事)
 せっかくあるのに、料金が高くて使えていない場合、本当にもったいないですよね。もっと極端な話、余りに高くて、ほとんど誰も使えないのであれば、ないのと一緒ですから。せっかく作ったものをいかに有効活用するか。そのためにも、料金が安くなるということは本当大事だと思っています。

記者)
 関連ですが、今の料金の話でいうと、知事ご自身は片道いくらぐらいが適正だとお考えでしょうか。

知事)
 私自身はそのことについて、私の勘みたいなものを申し上げる立場にはないと思っています。それぞれの人が、橋の料金に対する思いは違いますので。私とすれば、多くの関係者の人が、これなら使えるなというふうに思ってもらえる料金が大事だろうと思っています。必ずしも、ただが一番いいって言ってるわけではないんですけれども。これなら使えるっていう料金があるだろうと思っています。
 もう一つは、安くすれば、基本的には安いほどありがたいんですけれども、玉野市のフェリーのことを考えると、極限まで安いのがベストかというと、また違うこともございます。いろんな要素を考えていきたいと思います。

記者)
 地方からの出資の話で、岡山県も相当の額の出資を続けています。今後の見通しと、地方の出資のあり方についてどのようにお考えでしょうか。

知事)
 これまでも大変、岡山県としても負担をしてまいりました。高速道路料金並みにするために、またさらに期間限定で出資を受け入れたわけであります。私とすれば、これでもう十分ではないかと考えております。

記者)
 これ以上は地方からの出資は必要ないとの考えでしょうか。

知事)
 必要あるかないかはともかくとして、岡山県とすれば、もう十分お付き合いをしたと考えています。

記者)
 関連で、来年度からの新料金に向けて、ちょうど1年ほど前に国と関係自治体の間で合意したかと思いますが、この1年間全く交渉が動いてなくて、2年かけてスキームを作るということになっていましたが、すでに半分の時間を消化したということで、国に対して何か思いはございますでしょうか。

知事)
 これはそれぞれ利害の違う関係者が同意しなければ動かないことですから、それぞれ交渉をしてくれている。同意しなければ動いたように見えませんので、これからも粛々と適宜交渉をしていくことになると思います。
 余談ではありますが、木幡副知事は香川県にいらっしゃるときに、瀬戸大橋の交渉に携わった人ですので、今回そのことに関しても、岡山県は非常に強力な援軍を得たと考えています。

記者)
 給与カットのことですが、国の要請どおりの内容で労働組合側に交渉の申し入れをされましたが、今、全国的に他の自治体では、国への反発ですとか職員への心理的な影響なんかを考えたりしながら、判断を見合わせているところがほとんどなのですが、その中で先駆けてそういう判断をされた知事の考えをお願いします。

知事)
 まず判断の内容と、それからそのタイミングの2つが入っていたと思いますので、その判断ということでありますけれども、まず、国から閣議決定に基づいて、給与削減を実際に実施した国家公務員と同等の給与水準に引き下げるよう要請をされていることが1点。あともう一つ、現実問題として25年度の地方財政計画におきまして、25年7月から国家公務員と同様の給与削減を実施することを前提として、地方交付税算定上の地方公務員給与費が削減をされている。この2つを踏まえれば、削減をせざるを得ないと私は考えております。
 実際に削減をせざるを得ないのであれば、7月からの実施を考えますと、6月の議会で承認を得る必要があります。それまで組合との十分な交渉時間を持たなければいけませんので、この日程調整もできた以上は、できるだけ早く我々の意図をお示しする必要がある。このように考えて、3月28日に申し入れを行いました。

記者)
 労働組合側、職員側の理解を得られるとお考えでしょうか。

知事)
 理解をいただけるように、誠実に交渉を進めていきたいと考えております。

記者)
 全国知事会の会長選について、知事はどのような方が会長にふさわしいとお考えでしょうか。

知事)
 私自身、まだ就任して間がないわけでありますが、現在の山田会長が地方の立場を体現して、まず知事会を非常にうまく運営をされていること、それから国に対して戦ってくれているという2点を、短い期間ながら実感いたしておりますので、私は山田現会長を支持したいと思い、推薦人の一人に加わらせていただくことになりました。これについては、私が尊敬する近隣の知事の方ともご相談をして、そのような結論に至っております。

記者)
 近隣の知事というと、広島県の湯﨑知事がいち早く態度を表明されていましたが。

知事)
 はい、鳥取県の平井知事、広島県の湯﨑知事とは意見交換をして、山田会長を推すことにいたしました。

記者)
 行動をともにするということでしょうか。

知事)
 はい、そうですね。

記者)
 政府の教育改革について伺います。教育再生実行会議が、教育長を教育行政の責任者と位置づけて、首長が議会の同意を得て任命できる、そういう改革案をまとめていますけれども、知事は就任会見でも、知事と教育行政のあり方についてベストだという保証はないと言われていました。今のこの改革案についての是非と、まだ何か足りない議論があるとすればどういった点がありますでしょうか。

知事)
 私、教育行政の仕組みについては、もともとの問題意識が、権限を分散させて、戦前に起きたような、行政が本当に国家目的のために、行政のために教育を使わないようにするという、そういうことでいえば、うまくいっていると。逆に、今の我々の問題意識、何とか機動的に皆さんの要望を踏まえた行動をとってもらいたいということでは、もうばらばらになってしまうという問題点があると考えています。
 それからすると、例えば知事がいて、県の教育委員会があって、教育委員会の中に教育長と委員長がいる。小学校、中学校に関しては、市町村長がいて、市町村の教育委員会があって、その中に教育長と教育委員会の委員長がいるという、もう本当に権限と責任が分散化されている。これはやはり都合がよくないであろうと。
 そういうことですので、教育委員会の委員長と教育長が一緒になるというか、教育長が教育委員会を率いていくということは、改善に向けての大きな第一歩だとは思うんですけれども。全体の問題の大きさを考えると、本当に一歩でしかないと思っています。是非進めていただきたい、ありがたいと思っています。

記者)
 5ヶ月間近く知事をされてきて、教育行政との立ち位置とかどういった姿がいいのかということが見えてこられたと思いますが、知事がお考えになる知事部局と教育庁のあり方とはどのようなものなのでしょうか。

知事)
 これはもう一言で言えるようなことではありませんけれども。あと、私がどれだけきちんと理解してるかっていうこともあるんですけども。ただ、一般論として、何事かきちんとやろうと思ったら、権限と責任はきちんと一致していなければいけないと思っています。今の仕組みでは、誰に権限があるのかわからないという、実質的な権限が余りにも分散されていて、いいことが起きたときに誰を褒めていいのかわからない、問題があるときに誰に反省を求めていいのかわからないという、もう本当に共同責任、もう共同責任は無責任ということが、教育行政では本当に見られるわけでありまして、もう少し、この人が責任者だという人物をつくらなければいけないと思います。
 具体的にどうするかというのは、いろいろな考え方があるとは思うんですけれども、とにかく権限と責任が分散をし過ぎているというのが問題だと思ってます。会社に社長に相当する人が5人とか6人いたら、その会社はどうなるかという、そういう問題意識を持っています。

記者)
 地域経済の動向ですが、政権交代後の円安株高の流れを受けて、岡山経済もようやく持ち直しの兆しが見えていますが、改めて政府の経済運営に対しての期待感みたいなところがあればお願いします。

知事)
 「景気は気から」と、よく言われるわけであります。実際に、何か前向きな明るい気持ちがあって、チャレンジしようっていうことになると、いろんなものが動いてきます。これはすばらしいことでありまして、是非このチャンスを岡山県としても生かしていきたいと考えてます。

記者)
 給与カットについて、これまで国からの削減を前提とした措置は望ましくないと反発されてきたと思うのですけれども、今回それを呑んだ形で組合に提示されたと思うのですが、7.8%でなければだめなのかというところで、交渉の中でいろいろ妥協点が見いだされていくと思うのですが、7.8%にこだわらなければならないのかという点についてお伺いします。

知事)
 私自身は、これはとんでもないことだと思っていまして、47都道府県の中でもかなり強く、一番かどうか知りませんけれども、反発した人間だと思っていますけれども。ここまで全て決められてしまった以上、もうそういう段階ではないと思っています。もし、7.8%を下回るカット率になった場合には、実際にはラスパイレス指数100にしろという国の要請を満たすことができない。それは国としても、100を達成できたところとしないところは扱いを変えるというふうな懸念もあるわけでありまして、県の財政に対して、さらに悪い影響が予測されます。
 また、実際7.8%削減を前提として、給与費相当分が削られてしまっているわけでありますので、我々がそれに対応しない、もしくは十分な幅で対応しない場合は、その分、この他から切ってこなければいけないということで、それは県民の納得を得ることは大変難しいと考えています。私自身、悔しいわけでありますけども、現実的な県政運営からすれば、対応せざるを得ないと考えてます。

記者)
 道州制についてお尋ねします。先般、自民党が4月中に道州制の基本法案を提出するとの考えを示しました。この動きに合わせて、広島県が新たな広域自治体制度の共同研究を、岡山を含めた近隣自治体に申し入れをしているという動きがあります。知事はこうした広島県の共同研究に対してどのように対応されるのでしょうか。

知事)
 まだ、その件について全く内部で協議をしておりません。いろいろな動きが、国レベルでも地方レベルでもあると思います。それ自体は、私は歓迎をしたいと思っています。今のこの仕組みがベストであると考えている人はほとんどいないわけでありまして。どういう改革、改善をして、より効率的で役に立つ政府もしくは地方政府の仕組みを作っていくか、これはもう大問題、大テーマであります。みんなでいろんな議論をしていきたいと思っています。ただ、個別のことに関して、それに賛同していくのか、一緒に協力、研究していくのかというのは、これから決めたいと思っています。

記者)
 知事公舎のことについてお尋ねします。現状で入られていないと思いますが、今後、入る入らないをどのように判断していくのか。もし入らない場合はどのように活用していくのか、今のお考えを教えてください。

知事)
 はい、大変悩ましい問題でありまして。私自身はこの岡山県というところ、47都道府県の中で一、二を争うほど地震に対して安全な県で、活断層もほとんど見つかっておりませんし、過去1,000年まで遡っても、すごい地震が起きていないところですので、岡山県の現状からすると、そこまでの耐震性がどうなのかっていう議論はあるとは思うんです。ただ、今、100年に一度、1,000年に一度の災害が来ても、県民の安全をできるだけ確保できるようにということで、県庁の中で集まって指揮がとれる場所を耐震化したりですとか、通信回線・回路などを確保する努力をしているときに、そういう本当に何百年に一回の災害が起きたときに知事公舎が潰れているというのは、整合性がとれないと考えています。
 ただ、大変お金のかかることですので、また、もともとが築60年で、本当に私も見学しましたけれども、なかなか大変な場所で。実際、耐震のことを考えれば、建て直すほうが早いかもしれないということでありますけれども。現在のこの厳しい県の財政を考えると、いろんな方にお願いをしなければいけない立場の私が、税金で自分の住むところを建て替えるというのは、これは大変やりづらい。自分の任期が終わった後に建て替えてねっていう、お願いをしてやめたいぐらいなんですけれども。次の人も必ず困るでしょうから。ちょっと、いろいろなことで悩んでおります。

記者)
 維持費が年間300万円かかっている。庶民感覚で言うと結構かかっていると思いますが、いつ頃までにそういった判断をされるのでしょうか。

知事)
 今、一番簡易な耐震判断が終わったぐらいのことでありますので。もうしばらくかかると思っております。ちょっと期限を切ることは、今の時点ではできません。ただ、私自身も、引き延ばしていいことがあると思っているわけではありません。

記者)
 岡山市と共同で進めようとしているマラソン大会の対応について、総社市からの申し入れがあったり、先般の議会でも関係者の意見を聞きながら慎重に検討を進めるとおっしゃられたと思いますが、その後、今の段階でこういうふうにしたいという方針があれば教えていただきたいということと、岡山市、総社市と今後どのような調整を進めていくのか、何か決まっていることがあれば教えていただきたいのですが。

知事)
 先ほどのお話のとおりでありまして、関係者の方と引き続き協議を進めていきたいと思っています。これに関して、何か独断でどんどん進めていくっていう意図はございません。是非皆様方のご理解を得られれば、私自身はこれは検討を進める価値のあるプロジェクトだと思っていますし、これからもその努力を続けていきたいと思います。

記者)
 知事としては協力が得られればマラソンは是非やりたいということでよろしいでしょうか。

知事)
 やりたいというよりも、非常に筋のいいプロジェクトだという、現時点で判断をしています。これは、もともと私がやりたくて提案をしたプロジェクトではありません。私自身、説明を受ける中で、岡山にとって非常に経済波及効果の高いプロジェクトだということを、分析した後で感じています。岡山にとって得なことなので、皆様のご理解が得られれば、進めたほうがいいのではないかと考えております。

記者)
 1票の格差をめぐる全国訴訟で、岡山2区でも選挙無効との判断も出されましたが、知事の1票の格差に対するお考えをお願いします。

知事)
 はい、私自身の考えということで申し上げますと、憲法を憲法学者じゃない素人として読んでみると、1人1票という大原則が非常に重いと、私は考えております。ほかにもいろいろな考慮をすべきことはあると思うんですけれども、1人1票の原則は大変重いと考えております。

記者)
 そうなりますと、人口割りで1人1票を決めてしまうと、地方の議員が減るというか都市部に議員が偏ってしまうということになりますが、その辺りはいかがでしょうか。

知事)
 実際にはいろいろ考えなければいけないことがあると思うんですけれども、憲法の要請は1人1票だと私は理解をしています。

記者)
 地方の議員がそれによって少なくなっても知事はそれで構わないということですか。

知事)
 それを構わない、困るということではなくて、私自身、新社会革命からの人類の500年、1,000年の流れは常に1人1票を目指して進んできた、そういう中でつくられた日本国憲法だと考えています。

記者)
 上告に対する判断は。

知事)
 それは選管のすることですので、私が決めることではないと考えています。適切に判断してくれるものと考えています。

司会)
 それでは、以上をもちまして定例記者会見を終了いたします。ありがとうございました。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見