令和8年度当初予算(要求ベース)の概要について
本日、私からは1項目、お話をさせていただきます。
令和8年度当初予算については、各部局からの要求状況を、先月15日にご説明させていただいたところでございます。今月13日に、当初予算案としてとりまとめますが、それに先立ち、現時点での歳入見込みなどの概況をご説明いたします。
資料1ページの「1 予算要求額」をご覧ください。
令和8年度当初要求額については、先月15日に発表したものでありまして、一般会計の総額は、8,195億円と、前年度比5.5%、426億円の増となっております。
次に、「2 歳入見込み」であります。
今回見積もった歳入の主な内容についてでございます。
まず、県税については、前年度比2.9%、82億円減の2,804億円を見込んでおります。これは、軽油引取税の当分の間税率(いわゆるガソリンの暫定税率)や自動車税環境性能割の廃止が主な要因であります。
地方譲与税については、全国的な企業業績の好調を受けた特別法人事業譲与税の増が見込まれることなどから、前年度比9.2%、38億円の増を見込んでおります。
地方特例交付金につきましては、軽油引取税等の当分の間税率や自動車税環境性能割の廃止に伴う減収補塡などによりまして、前年度比840.0%、84億円の増を見込んでおります。
地方交付税につきましては、令和8年度地方財政対策や、県税をはじめとした歳入の状況などを踏まえた結果、前年度比10.8%、181億円の増を見込んでおります。なお、地方財政対策を踏まえ、令和8年度におきましても、引き続き臨時財政対策債を計上しない見込みでございます。
その他の一般財源のうち財政調整基金につきましては、令和6年度の税収増に伴う交付税精算に対応するための積立分から54億円を取り崩すものであります。
特定財源につきましては、定年引上げの影響を平準化するための退職手当基金の取崩しなどにより、全体で、前年度比6.4%、105億円の増を見込んでおります。
以上によりまして、歳入全体では、前年度比5.6%、433億円増の8,125億円となっております。
資料2ページの「3 一般会計予算の状況」をご覧ください。
歳出要求額と、歳入見込みとの差額が70億円となっており、この差額につきましては、通常分の財政調整基金の取崩しにより対応する予定としております。
次の「4 主な増減要因」及び資料3ページについては、後ほどご参照いただければと思います。
資料の説明は以上でございます。
国において、地方一般財源総額が大幅に増額されることに伴い、前年度より財政調整基金の取崩額は抑えられたものの、いまだ高い水準でございます。
本県の財政状況は、社会保障関係費の累増や公共施設の老朽化への対応等により、今後も厳しい状況が続くものと認識しておりますが、そうした中であっても、喫緊の課題である人口減少問題への対応をはじめ、必要な事業をしっかりと予算化し、市町村等とも一層連携を図りながら、着実に取り組むことで、本県の持続的な発展につなげてまいりたいと存じます。
私からは、以上でございます。
質疑応答
記者)
この度の収支不足の額を見ますと70億円ということで、過去を見ますと、これで予算要求段階でのこのマイナス収支というのは12年連続になったかと思うのですけれども、この収支のバランスの不均衡が続いているという状況については、どのようにお考えでしょうか。
知事)
自分で鉛筆をなめながら最後やったわけではないのですが、方針としての話なのですけれども、実際我々予算を立てるときに、歳入は固めに見積もります。歳出は多めに見積もるというよりも、例えば入札があるときに、我々とすれば入札で(支出が)下がる要素がなかった場合、これぐらいかかるということで、そういう意味で多めに見積もります。ですから大体例年、締めてみると、この不用(額)というものが出てくるということでありまして、それは例年100億円を大抵超えますので、そういうことも見越して、ちょっと強気に(予算を)立てるようになっていると。私自身ここで(収支不足の)70億円、私は(知事)1年目のときに予算編成過程で、一番最初の年はいくらでしたっけ、赤字が出ると、平成25年の予算の時に72億円のマイナスということで(予算を)組むという時にすごくびっくりして、いやいや最初から赤字で(予算を)組んで、そこからどんどん悪くなったらどうするよと。別に企業と違って利益を出すのが目的ではないけれども、いや、普通あるもの(歳入)を使うという前提でやるから、やっぱりゼロに、計画時点では(収支不足が)ゼロというのが当たり前なのではないか、ということで(担当課に)詰め寄ったことがあるのですけど、いや、そもそも、歳入についても歳出についても、固めに見積もって不用が出ることを見越して、大体(予算を)作りますと。そのことでどんどん財政が悪化するということにはなりませんという、実際(知事として予算を組んで)10年以上やってみて、財政悪化するとすれば、全然また別の要因で財政悪化しますので、ここについて私自身はあまりそれ自体問題だとは感じておりません。
記者)
財政の厳しい状況自体は続いているというご認識でしょうか。
知事)
社会保障関係費、私が知事になった頃は、700億円台でありました。それでも700億円ですから、結構な金額なのですけれども、この大体毎年25億円ずつぐらい増えていきました。25億円、1回増えるのではなくて、増えたままというのもよく根雪と言って毎年25億円増えていく。(25億円増えることは)、うわ、大変だということですけれども、そうではなくて、25億円増えます。で、次の年はそこにまた25億円増えます。その次の年はまたすごい(金額が増えていくが)、25億円で決まっているわけではないのです。20億(円)だったり30億(円)だったり、今回のように50億(円)増えることもあるわけですけれども、そうやってどんどんどんどん増えていきまして、もう今では1,000億(円)を超えていると。結構超えているということですので、これはもう当然ながら、県民が長生きをしているということの裏返しですので、ある意味仕方のない側面ではあるのですけれども、我々とすれば限られた財源の中から、そういった支出をしなければいけませんので、なかなか各県大体状況は似たり寄ったりだと思いますけれども、非常に台所事情は厳しいと感じています。
記者)
この度、軽油引取税とあともう一つ自動車税環境性能割の廃止に伴う減収がありまして、それを補う地方特例交付金が付いてはいると思うのですけれども、これが来年度についてはこういう補填があると。でも、さらにその翌年度以降というのは、まだ見通しがないと思うのですけれども。
知事)
本当に心配していまして、もう我々からすると全く納得できていないところでございます。その二つ、軽油引取税、この当分の間税率ですか、あと自動車税の環境性能割、これは都道府県にとっては非常に大事なもの、自主財源ということでありまして、この毎年安定的に入ってくる税金を奪われてしまって、それで、単年度ごとに(地方特例交付金等を)付けてあげる、というのは本当に我々からすると、困りますし、本当はこれはもっと強く抗議すべきことなのだと思います。もういろいろなことがバタバタと起きて、今、(衆議院議員)選挙もしていますので、その抗議する主体が一時的に消えているような状態になっていますけれども、全くそうなのです。その安定した税源(財源)が、非常に不安定な税源にすり替えられているわけですから。例えば皆さん方が、正社員としてある一定の権利を持っていると。月給が40万円です。これまで頑張ってきたから、能力もずいぶん付いたということで、40万円もらっていたのが、基本給を10万円にします。でも30万円は、これから毎月、何かボーナスのような形で出すので、(今までどおり)40万円と一緒ですというふうに言われても、これまでは40万円というのがほぼ下がることはなかったものが、もういつでも10万円に下げられてしまう、というようなものに、ちょっとその比率はね、40:10かどうか別ですけれども、もう本当に我々知事同士で心配をいたしておりまして、こういうことはちょっともう全く勘弁してほしい、我々とすれば、早急にこの代替の安定的な財源を、国の方で責任を持って見つけていただきたいと思っています。一方的に奪われた形になっておりますので、今年ちゃんと(地方特例交付金として)同額付いたからいいでしょという、そんな簡単な問題ではありません。理由はもう非常に単純なことであります。
記者)
衆院選で議論されている食料品の消費税ゼロについての知事のお考えをお聞かせください。
知事)
もし食料品が税率ゼロになったら、単純計算で、岡山県の税収が167億円減るだろうという試算が担当課から上がってきています。その消費税分というのは、半分を市町村に渡すことになっていますので、岡山県庁としての実際の減収額(※「損害額」を訂正)というのは、その半分の84億円弱ということになるわけですけども、結構大きい金額、消費税というのは非常に安定的な財源ということでありますので、この消費税で国中の福祉を賄っているわけですので、本当に先ほど言いましたように、この社会保障関係費、国においても都道府県においても市町村においても、国民が長生きをしていると、もしくは福祉水準が少しずつではありますけれども、改善をされていることを反映して、これだけ今膨らんでいるわけですので、それをどういうふうに賄うのか、という点で、大変私は心配をしています。長期金利が非常に早いペースで上がっているということ、それから、非常に大事な基幹的な財源を、いろいろな主要政党が減税をしようという発信を、公約をして、今の衆院選が戦われているということについては、海外のメディアが大変心配をしていろいろな議論をしている。それがあまり、有権者である我々にきちんと届いていないような節があります。本当に世界中が心配をしている。日本は大丈夫かということを、我々自身、知っておく必要があろうかと思います。
記者)
先日の(岡山)市長会見で、(JFE晴れの国)スタジアムの(座席の)増設について、市が費用を負担してもいいみたいな発言があって、県とやり取りをしているというお話があったと思うのですけれども、今(岡山市と)どういうやり取りをしているのか、あと知事としてのお考えをお聞かせください。
知事)
岡山市の方からファジアーノのホームタウンとして、県から要請があれば、一定の負担をする用意がある、という旨の申し入れがあったわけであります。これ県から要請があれば、ということであります。我々(岡山市に費用負担の)要請をするつもりがありませんので。そういうことです。
記者)
今回の予算も含め、今後将来的なこともお考えを伺いたいのですけれども、先ほど社会保障関係費がどんどん増えていくという話で、少子高齢化が進む中でも、この(資料)3ページの一般財源の推移を見ると、子ども関係の予算も含めて増えていくという形になっていると思うのですが、将来的に県としては、社会保障関係費が増えてく中で全体の予算のバランスをとっていくのか、どのように考えていらっしゃるか伺えますか。
知事)
社会保障関係費について、実は県の裁量は、非常に小さいものがあります。ご案内のとおり、これが介護保険であろうが、ありとあらゆる福祉の仕組みについては国が決めています。都道府県、例えば全国知事会で決めていることなんていうのはもうほぼありません。国が決めた上で、それで実際のメニューを市町村が選んで、サービスが提供されて、その提供されたサービスの一部の請求書が県に回ってきて我々が払うというのが典型的なパターンになります。当然ながら、それぞれの市町村で提供されるサービスを受けているのは、それぞれの市民であり、岡山県民ですので、それを(県が)払うことに別に我々問題を感じているわけではないのですけども、自分たちであまりコントロールできないもの(社会保障関係費)がどんどん上がっていくというのは、非常に(予算)収支を合わせる責任を持っている側からすると、なかなかこれは難しいことだなというふうに思っています。とにかく財政破綻しないように、毎年毎年ちゃんと回していくという責任、これもう間違いなくあるわけなのですけれども、それをしているうちに、実は将来世代、10年後、20年後、30年後の納税者、もしくは生活者に対して、この負担を押しつけて、今をしのいでいくということにしてはいけない。実際には、今、こんなに苦しくなっている理由の一端は、その10年前、20年前のいろんなものの先食いがあるのではないかという議論は、よく経済学者がしているわけですけれども、これまでのことはともかくとして、これからそう(将来世代が苦しく)ならないように、我々としては努めていかなければいけない、と思っています。
記者)
そうしますと、全体的なバランスというか、それは当然見えるという形にはなると思うのですけれども、その比率とかも含めて、考え方としては自主的に使える財源が多くない中で、どういうふうにバランスを取っていかれようというふうに県としては思われますか。
知事)
ここはやっぱり納得感というのが大事なのだと思います。どういう支出をするかということについて、絶対的な物理学で出てくるような、真理というのは多分ないのだと思います。方程式を解いて世代間の負担はこうあるべきだみたいなことではないのですけども、一ついいところは、人生の全ての期間を老人で過ごす人とか、人生の全てを子どもとして過ごす人というのは、子どもの時に事故に遭ったら結果的に人生全て子ども時代だったという人は出てきますけれども、みんな1歳ずつ、生きている限り歳をとって、それぞれのステージを経ていくわけですので、ですから、その何か世代間の対立と言って、いやこっちが得しているではないか、こっちはひどい目に遭っているではないかと言っても、長い目で見れば、この一つの社会の中を1人の市民、有権者、納税者はそれぞれのステージをたどっていくと。それがこの世の中が安定的に推移していれば、ある国では若い時に比較的自由にお金が使えるけど、高齢者になった時に、ちょっとやりくりが厳しいという国もあるかもしれませんし、別の国では若い時に自由に使えるお金がなくてちょっと不自由するのだけど、高齢者になったときには、すごく安心だという、それについてはもう国民の判断ですので、もう好みだと思うのですね。ただそれが、10年、20年、30年経ったときに、状況があまりにも変わって、自分たちは若い時に一生懸命納税なり、保険料(※「保険金」を訂正)の負担をしていたのに、いざ自分たちが支えてもらおうという時には、もう全くシステムが破綻をしていたというと、本当に割を食う世代が出てくるということですので、極力システムが安定的に運用されるような仕組みをつくり、また運用をしていくというのが非常に大事だと思います。年金が典型的にそうですけれども、でも、その年金についても、今もらっている人にちょっとでも多くあげたい、今負担してくださる方(の負担)をちょっとでも軽くしてあげたいというインセンティブが働くわけでありまして、それをやりすぎると当然、(システムの)安定性が大きく損なわれる、そういったことをしてはいけないと思っています。
記者)
衆議院選挙のお話について、もう選挙終盤戦になってはいるのですけれども、あらためて、衆議院選挙の盛り上がりの中で、どういった議論を知事として、期待しているのかというのと、あと先日県選管が、期日前投票の投票率が発表されましたけれども、準備期間(が短い)というか、(解散から投票日までが)戦後最短ということもあってか(投票率が)下がっています。その辺りについての受け止め、また呼びかけがあればお願いします。
知事)
期日前投票の数が減っているというのは、これはもうしょうがないと思います。準備がなかなかそれぞれの市町村選管で間に合ってない。でもその投票日にはちゃんと投票できる準備ができているはずですので、ぜひ皆さん期日前であれ、投票日であれ、投票に行っていただきたいと思っております。公約を見ると、主要政党が軒並み消費税の減税を唱えているというのは、私自身は歳入の安定性ということで、正直心配をしているうちの1人でありますけれども、ただそれぞれの政党の公約、もしくはそれぞれの有力候補の方の党首級の方の発言を聞いていると、ずいぶんやっぱりニュアンスは、違うのだろうなと思っています。どの考え方、どの政党の考え方、これはどっちが正しいということにはならないのですけれども、それぞれの方が、どういう政党が自分の考えと近いのか。これが将来のことも考えて、国を任せるに相応しいと思えるのか、ちゃんと考えた上で、貴重な1票を投じていただきたいと思います。
司会)
それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了します。
知事)
ありがとうございました。