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2025年11月19日知事定例記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:1008574 2025年11月20日更新公聴広報課
会見写真

令和8年度予算編成方針について

 私からは3項目、お話をさせていただきます。

 まず、令和8年度予算編成方針についてであります。
 始めに、予算編成にあたっての基本方針でありますが、来年度は、「第4次晴れの国おかやま生き活きプラン」の基本目標である「生き活き岡山」の実現に向け、4つの重点戦略等に基づく施策、特に喫緊の課題である人口減少問題への対応など、より実効性の高い施策に、市町村等とも一層連携を図りながら、着実に取り組んでまいります。
 これにより好循環の流れをさらに力強いものにし、本県の持続的な発展に結びつけるための予算編成としたいと考えております。
 次に、本県の財政状況であります。
 近年の好調な企業業績等を受け、税収が増加傾向にあるものの、社会保障関係費の累増、公共施設の老朽化への対応等に加え、物価高騰による行政運営コストの増加、金利上昇等による公債費の増加などにより厳しい状況が続いております。 さらに、今後は、激甚化・頻発化する自然災害等の不測の事態への対応なども想定する必要があるほか、米国の通商政策の影響や国の税制の動向などにより不透明感が高まっており、予断を許さない状況にあります。

 最後に、要求基準であります。
 来年度予算においては、令和7年度当初予算を基に、物価高騰や賃金上昇の影響を考慮して、予算編成を行うこととしております。また、投資的経費については、国庫補助事業を活用した「安全・安心な県土づくり」をさらに推進するための加算を行うほか、岡山市・玉野市林野火災跡地の復旧のための治山事業等について、所要額を要求できることとしております。
 来年度予算編成にあたっては、引き続き積極的なスクラップ・アンド・ビルドを行い、限られた財源を有効に活用し、「生き活き岡山」の実現に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

「おかやまマラソン2025」について

 2つ目の項目は、9日に開催した「おかやまマラソン2025(にせんにじゅうご)」についてであります。
 あいにくの天候でしたが、ランナーの皆様、ボランティア・沿道応援の皆様、御支援をいただいた企業・医療関係者の皆様、本当にありがとうございました。皆様のご尽力により、無事に大会が終了したことに対しまして、心より感謝申し上げます。
 ランナーの皆様からは、雨が降ったにもかかわらず、途切れない沿道からの応援が大きな励みになったとの多くの声が寄せられているところであります。雨は降りましたが、おかやまマラソンの魅力をあらためて実感していただけた大会となったものと感じております。
 今後とも、参加者からいただいた御意見をもとに改善を重ね、「走る」「みる」「支える」全ての皆様にとって魅力的な大会となるよう努めてまいります。

「晴れ恋💛晴れ婚プロジェクト」ハレコイフェスの開催について

 最後は、ハレコイフェスについてであります。
 晴れ恋♥晴れ婚プロジェクトの一環として、趣味やグルメなどをきっかけとした若者同士の交流や、恋愛や結婚をテーマにした展示等を行う「ハレコイフェス」を12月20日、21日の二日間、開催いたします。
 当日は、スイーツを食べながら新婚夫婦のエピソードを聞くイベントや、最近の若者の恋愛事情等の紹介を通じて、若者に恋愛や結婚について考えるきっかけにしていただければと思います。
 また、会場では、話題のグルメを集めたマルシェをはじめ、クリスマスに合わせたキャンドルによる装飾や、音楽の演出なども実施いたしますので、多くの若い皆さんに気軽に立ち寄っていただきたいと思います。

 私からは、以上でございます。

質疑応答

 記者)
 令和8年度予算編成方針のことでお尋ねいたします。予算編成方針の中で、重点的に配分することとして、女性・若者の流出防止、還流・定着対策という言葉が入っているかと思います。これは令和7年度の予算編成方針の概要では見られなかった文言のように思うのですけれども、この文言を新たに加えられた理由、思いを伺えますでしょうか。

知事)
 これ私がコメントに入れてもいいぐらいの思いのある項目でございます。ご案内のとおり、私もう13年前ということになりますが、初めての(知事)選挙のときに、とにかく長期的な投資が大事なのだと、それぞれの分野でそういった長期的な投資というのがあるのだけれども、分野そのものがそれに当たるというものがあって、それが教育と産業の振興なのだということを申し上げました。幸い、その選挙の前に一生懸命考えたことが、知事にさせていただいて、いろいろな人とお話をする中でも、これは変わらないぞということで、3期使わせていただいたわけでありますけれども、少しずつ状況が変わっていく中で、コロナということもあったわけですけれども、少子化の問題は、1期目から気にはなっていたわけですけれども、これは我々が当初考えていたよりも、もしくは社会全体の皆様が漠然と考えられているよりも、遥かに深刻な問題であって、これまでのようにいくつかある大事なものの一つという扱いはできない、ということで、優先順位をぐっと上げまして、これまで教育、産業ということで言った中にもう一つ柱を加えて、とにかく人口減少に対応していくのだと。その人口減少に対応していくためには、当然ながら社会減への対応、自然減への対応があると。それぞれに対応が必要なのですけれども、若い人、特に女性が地域で住みやすい、生きやすい、暮らしやすい、そういう地域に、そういう社会にしていくということが社会減対策にも自然減対策にもなっているだろう、ということで、ここについては、これまでも頑張ってきたつもりではあるのですけれども、もう明らかに(対策が)足りていない。十分出来ているのであれば、女性がこれだけの割合で流出するということも多分起きていないと思いますし、この希望出生率というのは未だに岡山県では2に近いわけですから。でも、その希望出生率と現実の岡山県の出生率はかなりの乖離があるということは、元々は結婚したい、子どもを産みたいなと思っている方でも、現実的には結婚が遅れたり、もしくは結婚しても3人欲しいと思っていたけれども、とりあえず1人産んだけれども、2人目のところでもう既に悩んでいるみたいなことが今起きているわけです。ですから、若者、特に女性に対するこの対応、そういった方々が今何で困っていて何で悩んでいて、どういったところに希望を見出されているのか、そういったことをきちんと我々は教えてもらって、そういった方々にとって、これは何か希望の光が見える、もしくは楽しいのだなと、少なくともこれまで心配していたようなことは、やっぱり起きなさそうだというふうにいかに思ってもらえるか、もしくは実感してもらえるかということは非常に大事だということで、今回予算編成においても重点項目としたということでございます。

記者)
 希望の光が見えたり、心配しなくても良さそうだというふうに実感してもらえるような施策が令和8年度では予算編成の中に組み込まれると。

知事)
 ぜひ、担当課もしくはその周辺関連の部署の皆さんが知恵を絞って、そういうものを持ってきてもらいたいと。私も常として何かものすごいびっくりするような規模の予算になるとは思ってないのです。これまでのものを拡充したり、もしくは新しく出てくるときには、そんなに馬鹿でかいものではないけれども、私の希望とすれば、結構いろいろな数を出していって、何が当たるのか、何が評判がいいのか、ぜひ確かめられるような施策を並べたいと思っております。

記者)
 この予算編成方針の中でも、先ほど少し触れられた、県の財政的にはまだ厳しい状況で、予断を許さない状況だというお話だったと思うのですけれども、今軽油引取税の廃止に向かって進んでいるということで、その場合恒久的な財源が一つ失われてしまうのではないかという懸念があると思うのですけれども、その辺りについてどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

知事)
 当然県民の負担減に繋がることですので、そこについては県民の消費の幅が広がるという点では歓迎なのですけれども、ただそれ自体が岡山県庁、もしくは県内の市役所にとって非常に貴重な安定財源になっているということでありますので、国の方針でここは減税しよう、その対応はこういったところの、例えば課税ベースを広げるとか、いろいろなことで補おうとか、方針は国の方で決めていただくわけですけれども、我々の減収に繋がることについては、きちんと恒久的な財源で対応していただきたいと、強く思っています。これはもう当然の要求だと思っています。

記者)
 今考えていらっしゃる歳入の減額の規模感というのは想定されていらっしゃいますか。

知事)
 何をどうするかということで違うわけですけれども、これまでもお伝えしておりますように、県内全体で110億円ということでございます。軽油引取税、県税の部分が103億円、それから揮発油税、これは国税ですけれども、地方税分の県分が4億円、市町村分が3億円ということで足すと110億円と、かなりの額になります。

記者)
 先日から出荷が始まった牡蠣のことで教えてください。今水温上昇で、牡蠣が死んで身入りが少なくなっているという報告が、瀬戸内海の各漁協から上がっていますが、県として現状どういうことを把握されていますか。

知事)
 実際本県でも、5つの漁協で現地調査を行ったわけでありますけれども、牡蠣いかだごとのへい死率、非常に大きなばらつきがございます。少ないところは6%、高いところが73%ということでありますけれども、例年のへい死率が大体2割、3割ということから比べると、やはりこれは例年よりも高いなと我々考えているところでございます。非常に心配な状況でありますけれども、ただこれまでも、我々は今まだ出荷していない、出荷しているか、一番最初の出荷が始まってもおかしくない時期ではありますけれども、それぞれの漁協さん、少し出荷を遅らせている状況でありまして、初期の頃のへい死率が高いのだけれども、最初のうちに何割かの牡蠣が死んで、その生息密度が下がったことによって、環境が良くなって、シーズンが終わってみると、この漁獲量がそんなに変わらなかったというシーズンも過去何回かあったということですので、漁協の皆さんが今の時点で、これは大変だということになるかどうかわからないと。心配だけれどもこれまでもこういうことはあったので、ちょっと様子を見ようという声が多いというのが我々の意識です。

記者)
 県として何か国に対応を求めるとか、近隣各県と対策について協議するというような段階とはまだ認識はされてないということでしょうか。

知事)
 例えば一部の漁協から運転資金の融資を求める相談があったりですとか、ちょっと心配だなという声は聞いているわけですけれども、大騒ぎして何か国の方に(支援を求める)というような段階だという認識ではありません。岡山県の状況は。

記者)
 今のお話の関連で(牡蠣いかだごとのへい死率が)6%から73%と、結構差があると思うのですね。知事のところに報告が上がっている中で地域性というか、岡山県は瀬戸内海に面して、東から西にあると思うのですけど、広島側の方がとか、兵庫側の方がとか、そういった何か地域的な広がりがあるのでしょうか。

知事)
 今、水産研究所で何が起きているのか、岡山県の水産研究所ですけれども、水温が効いているのか塩分濃度が効いているのか、降水量の違いが影響しているのか、いろいろなデータ分析をしている最中なのですけれども、一つの仮説として、我々岡山県では1年牡蠣と2年牡蠣の養殖割合、いかだの数で言えば1年牡蠣の方が圧倒的に多くて、8対2ぐらいの割合になっています。2年牡蠣の方がへい死率が高いということで、2年牡蠣はまだまだ確定していないのですけれども、結構へい死率が高くて、今の時点で8割近いのではないかという情報が入っています。だとするならば、広島の場合は2年牡蠣が主体ということですから、我々(岡山県)はその2年牡蠣の比率が低いので、全体とすれば、まだあまり影響が出ていないように見えているけれども、起きていることは同じことが起きているのかもしれないと。1年牡蠣の方が影響を受けにくいので、我々あまり今の時点でそれぞれの漁協さんが心配することにはなっていないのかもしれないというのが、今の時点での我々もザクッとした仮説ということでございます。

記者)
 先ほど新年度予算の編成方針を話されていますけれど、今、緊急的にこういった牡蠣の話が出てきて、当然そこに対する何らかの施策を打つだとか予算を作るだとかということを、現状はどのように考えていらっしゃいますか。

知事)
 当然漁協の方からいろいろな相談がありましたら、我々としても対応を考えるわけですけれども、実際、牡蠣養殖業者の皆さんのほとんどが漁業共済制度に加入をされています。岡山県でも現状で、他の県でどうなのかちょっと知りませんけれども、減収となった場合でも、平年の生産額の8割から9割が補填をされることになっておりますので、何か普段よりもすごく生産量が少なかった場合でも、今のこの共済制度に加入されている業者の皆さんが、そこまでひどい目に遭わないように、現時点でなっているということですので、それを踏まえて、これからどう対応するのかなど、漁協の皆さんともお話をしていくということになろうかと思います。

記者)
 あらためてこの予算編成方針について、この予算をもってどういった岡山を実現していきたいのか、知事の思いをお聞かせください。

知事)
 予算というのはやっぱり役所がこれから1年間、どう動くかということに対して大きな影響を与えるわけでございます。私の最初の選挙から訴えてきたのが、役所というのは、非常に今起きていることに敏感に対応します。これはそうあるべきなのですけれども、私自身、民間の経営者として、経営の行動と行政で違うなというふうに思ったのが、どうしても今起きていることの対応に、必死になるがあまり、今必要とされている、今すごい政治的な圧力がかかっているわけではないけれども、これは本来やっておいた方がいいな、それが5年、10年、20年後に成果が出るということがほぼほぼわかっていることへの投資が、どうしても圧縮をされてしまうということが、私は元々問題意識でありますので、今回の予算においても、同じく、今必要とされている要求が高いものに対応するのは当然なのですけれども、その中でもぜひ未来の岡山のために必要な予算を、今取って、今動いている、ということであります。今回大きく我々が打ち出そうとしているのは人口減少問題への対応ということでございます。人口減少問題、今我々が感じている、例えば定員に学生が満たない、統合しなければいけない、小学校の統合だとか高校の統合が話題になっている、もしくは人手不足になっているというのは、20~30年前の人口減少問題への対応が十分ではなかったことの帰結なわけでありますけれども、これをこのまま放置しておくと、もう20年後はもっともっと大変なことになる。ただ、それが本当に我々実感するのは20年後とか15年後なのですけれども、だからといって、我々放置はできない。今、対応することで、ちょっとでも15年後、20年後を良くしていくという、そういった気持ちをぜひ予算に込めていきたいと思っています。

記者)
 日中関係についてお尋ねします。高市総理の発言を巡って、関係の悪化が懸念されています。既に一部では宿泊の影響など、宿泊のキャンセルなどの影響が出ている地域があるのですが、現時点での県内の事業ですとか、その観光、経済への影響が出ていますでしょうか。

知事)
 現時点でというお話でありますけれども、現地の中国での観光PRデスクに確認をいたしましたところ、現時点では本県を目的としたツアーが中止されたといった情報は把握していないところでございます。また今予定している中国での事業についても中止は検討をしていないということです。ですから、来られること対しても、我々が行くことに関しても、現時点では変更はないわけですけれども、ただ、我々も中国の対応、報道を聞いていますし、いくつかもう既にキャンセルが出ているということですので、岡山県に限ってこれからも影響が出ないということはなかなか期待しづらいのではないかと考えています。

記者)
 これまでインバウンドに力を入れてきたということもあると思うのですけど、今後、影響が出てくる可能性はあるとお考えですか。

知事)
 まず基礎的な数字ということで、岡山県の今年2025年の上半期、1月から6月の外国人延べ宿泊者数、これ大変好調でありまして、約32万人、昨年同期と比べて37.4%増で、コロナ禍前の2019年と比べても39%増ということで、大変好調なわけですけれども、内訳はということで言えば、今年の上半期で、台湾が43.9%、これ延べ宿泊者数の上位ということですけれども、台湾が43.9%のシェア、中国が11.9%のシェアで、3位が韓国の7.6%のシェア、外国人全体の中で1割強を占めている中国で、渡航に関して自粛した方がいいのではないかみたいなことを中国政府が言っているということですから、影響は心配されるところでございます。

記者)
 一連のその発言とか一連の動きをどういうふうに受け止めていらっしゃるのでしょうか。

知事)
 何年か前、中国が韓国に対して似たようなことをしたことがありました。ミサイルの防衛(米軍の最新鋭迎撃システム配備)のための土地を韓国の企業が提供した(※「貸した」を訂正)ということに関して、大変中国が強く反発をして、韓国への旅行を控えるようにということで、韓国は経済打撃を受けたのだと思うのですけれども、最近、中国政府はそういったことを時々特定の国に対してすると。今回その矛先が日本に向かって来ているようだということであります。ぜひ、両国ともに冷静に対応していただければと思っております。今回の(総理の)答弁を直接聞いていたわけではありませんし、皆様方の報道を聞いて理解している程度の理解であります。大きな流れでいえばこれまでの答弁の範囲内であるのであれば、少しリアクションがきついなというふうに思うわけでありますけれども。

記者)
 (国会)議員定数の削減について、昨日与野党協議が開催されて、具体的な議論が始まったというところではありますけれども、岡山においては十増十減で(衆議院)選挙区が一つ減ったということもあって、議員定数が1割減ると地方の声が国政に反映されなくなるのではないかという懸念もあると思うのですけれども、あらためてこの議論について知事の考え、受け止め、お伺いできればと思います。

知事)
 先ほど、中国のシェアの話をしましたけど、シェアというのは非常に大事だと思っています。議会で何人代表を送っているかということよりも、その何人かというのが全体の何%に相当するのかということが実は大事でありまして、例えば我々の地域から5人送っていると。その5人送っている代わりに7人送っていいですよと。これは増えたからラッキーと思ったら、いや、全体の議員定数は倍になったのですということであれば、2人増えただけじゃ割が合いませんので、ですから、それぞれの地域が一番基本は人口ですから、人口に対して、どれだけ代表を送ることができているのかということなのだろうと思いますので、その数自体は、私は理系なので数学的な当たり前のことで言えば、それでどこが得をする損をするということでは、原理的にはないと。当然テクニカルな話をすると、そのどういった方式をとるかによって微妙な損得はありますけれども。大原則とすれば数が増えたから減ったからと、どこが得をするということはそもそもないということで、これはもう国政のことですので、国会の方でぜひしっかり議論をして決めていただければと思っています。我々とすれば、その過程で地方が切り捨てられるような議論をされると当然困るわけでありまして、それを止めてくれということはお願いしたいと思います。

記者)
 日中関係のことで、岡山県の岡山桃太郎空港に、中国東方航空が運航する上海線が就航しています。こちらへの影響というのは出ているのでしょうか。

知事)
 先ほど申し上げましたように、今の時点ではないわけですけれども、でも、(日本への)渡航について気を付けるようにということを(中国政府に)言われると、当然ながら日本に行こうと思っていたけれども、国がそういうふうに、なんか治安状況が悪くなっている、というふうに国が言うのだから、そうしたらと言って、旅行先を変える人が出てきても全然おかしくないと思います。私自身は日本における治安状況が悪くなっているということは、どこに根拠があるのだというふうに思っているのですけれども、中国の方にとっては中国政府がそういうふうに言うと、やっぱり心配になるでしょうから。そうなると搭乗率が下がって搭乗率が下がるとその航空会社が別に悪意を持っているとかそういうことで全然なくても、ビジネス上の判断で、じゃあ(便を)減らそうか、となる可能性はあるわけでありまして、そういう心配はいたしております。現時点では起きていませんけれども、できるだけ早く、ちょっとお互いに少し言葉が強かったねということで、この問題ができるだけ早く沈静化をすることを切に願っているところです。

記者)
 今月の初めに韓国に行かれまして、岡山県内への誘客に向けてPRを行われましたが、あらためましてその手応え、成果についてお聞かせいただけますか。

知事)
 韓国のプロモーション、結構久しぶりだったわけですけれども、私からするとコロナが言い訳なのですけれども、本当に今回行ってよかったなというふうに思います。1つはやっぱり定期的にそういったプロモーションというのは、これまでも担当ではしていたのですけども、そうは言っても、知事が行くというと多少インパクトが強まるということもありますので、インフルエンサーの方への説明会が1回、それからメディア、旅行会社への説明会が1回だったわけですが、大変好評で、まず申し込みの時点で好評でありまして、例えばインフルエンサーで言えば40人ということで場所を決めて募集(※「応募」を訂正)したわけで、当然その40人集まればいいなぐらいのことで、募集(※「応募」を訂正)をかけたわけですけれども、その4倍応募がありまして、我々の方でどう選ぶと言われても他の選び方はなかなかないので、インフルエンサーの方ですから、フォロワーの多い方を中心に(※「多い順に」を訂正)来ていただきました。その中にはフォロワーが20万人いらっしゃる方ですとか、数万人、結構多くの人がフォローしているという方々がお越しいただいて、岡山の今、小都市(ソドシ)が注目をされているということで、岡山まさにそういうところなのですよという、みんなが知っているような定番の見所、後楽園だったり美観地区だったり、それ以外の、最近こういうところが注目を集めているのですよということだったり、もしくはフルーツ、アート、本当に日本の中でもモモ、ブドウ中心にこの晴れの国の天候を利用して、美味しいフルーツができる場所でということで、(説明会の現場で)フルーツパフェを作っていただいて、作る過程、それから出来上がったものについて、それぞれのインスタグラムですとかに載せていただいて、それもかなりの反響が出ているようでありました。あとアートのイベントが急速に増えている場所なのですよということについても説明をして、私の体感で言えば非常に興味を持っていただいたかなというふうに思っています。大変良かったなと思っていますし、旅行会社、メディアの皆さんとの説明会についても、結局これ、26社28名にお越しいただきましたけれども、(私の)体感でとりあえず(説明会に)来たかというのと、何か興味を持って何か良い記事になりそうだということで取材をしてくださっているということで言えば、かなりの食いつきというか興味というかを感じまして、これ本当にありがたいことだなという手応えを感じたところでございます。こういったことをしてよかったなと思います。

記者)
 国立病療養所長島愛生園の開園からもうすぐ95年になるのですけれども、先日国会答弁でも高市首相が言及していましたが、あらためて、国立療養所を擁する岡山県として、このハンセン病問題にどう関わっていくのかの姿勢と、知事のお考えをお聞きしたいと思います。

知事)
 我々コロナを経験しまして、治療法がわからない、でも罹った人は大変な状態になっている、で、どううつるのかわからないということになると、本当にもうみんな不安になる、で、何とかそれを抑えないといけないということで社会全体動揺するわけです。ハンセン病も、今はいろいろなことがわかっておりまして、患者さん、もしくは元患者さんについても、平穏な暮らしが送れるように、いろいろな医学の知識の進歩もあるわけですし、実は感染力というのがきちんとコントロールされれば非常に低いのだということもわかってきているわけですけれども、昔はそういうことがわからなかったわけですから、もう本当に物理的に隔離するぐらいしか当時の最新の医学、医療でも対処法が無かったと。その現状が今から見れば、大変残念な差別に繋がったということで、感染をされた方、もしくはそのご家族の方は、本当に辛い思いをされたことと思います。これは今でも教訓になるわけですし、直近で言えば、コロナ(患者さん)の対応をしている看護師さんに対する差別というものがありましたけど、看護師さんのお子さんが学校で非常に辛い扱いを受けるということ(もありました)。でも意地悪でしているのではなくて、恐れからきているのですよね。いかに我々がきちんとそういった感染症に普段から対応する準備をしているのか。昨日の国の感染症の対応訓練、私もWEBで参加をしましたけれども、いつまた新しい、我々の知らない感染症が起きるかもしれないということに対して備えておく、医療的に、もしくは行政として備えるだけではなくて、そういうことが起きたときに社会としてどう対応するのかということも考えていかなければいけない。そういうことを考えるにあたって、ハンセン病(問題)というのは非常に、現に起きたことですし、今も続いていることですけれども、大変重い教訓であると(思っています)。

記者)
 県としては今後の方針というか、ハンセン病問題にどう関わっていくかというところを教えてください。

知事)
 (国立病療養所長島愛生園は)国の施設ということもありますので、我々は橋を架けるですとか、もしくはいろいろなシンポジウムを企画したりですとか、参加をしたり、ということで、こういったことが現に起きた、同じ病気で起きることはたぶんないけれども、また違うことでいつ起きてもおかしくない状態なのだということを、県民の皆さんにわかってもらうのが、県としても大事なことだと思っています。

記者)
 牡蠣の話で、先ほども心配だが、まだ大騒ぎする段階ではないかという話ありましたが、とはいえ、今日ちょうど広島でも大臣が視察しに来るぐらいになっていたりして、(岡山)県の中でも、重要な産業の一つでもあり、環境にも影響のあることでもあると思うのですが、今後、これからのシーズン本格化するにあたって、県としてどのような姿勢で、この状況を見守っていきたいのかというのを、今後その調査をどのように続けるのかも含めて、今後について教えてください。

知事)
 広島での状況については、我々も大変心配をしているところでありまして、海が繋がっているわけですので、先ほども申し上げましたように、今、岡山県がそこまで大騒ぎするような状況ではないと認識していますけれども、この2年牡蠣については、やはり被害が大きいということでもありますので、非常にこの事態を注視していると、それぞれの漁協の皆さんと頻繁に連携を取りながら対応していこうと思います。

記者)
 (岡山市の新)アリーナの問題で、先月の商工会議所の松田久会頭の会見で、アリーナをやらないと(作らないと)プロスポーツチームがいなくなってしまうという発言があって、今シゲトーアリーナは新リーグの基準を満たしていなくて、他県の北の方とかだと基準を満たしている施設がないからということで、他の県にホームタウンを移してしまうような事例もあったみたいです。このまま基準を満たした施設がないと、岡山県からトライフープとかシーガルズがいなくなってしまうようなリスクもあるのではないかなと思うのですけど、その辺について知事のお考えをあらためてお聞かせください。

知事)
 サッカーも含めて、今リーグが基準を定めて、この基準を満たさないとこうしますよ。1部、2部、3部、今いるところにいられないのですよ、もしくは上がれませんよという縛りをかけて、みんなを競争させると。これいろいろなスポーツでおなじみの光景でございます。で、我々がチーム、それぞれのチームから教えていただいた限りにおいては、例えばバレーボール、バスケットボールについても、今のリーグでは条件を満たしていると、大丈夫だということであります。サッカーが先行してそういう(基準を定めて縛りをかける)ことをずっとこの30年してきたわけでありまして、常にいくつかのチームは、いやもうこれは満たしていないので大変なのだということですね。一番歴史の長いサッカーでは、これまで条件を満たしていないから、そのリーグから追い出されたですとか、降格を余儀なくされたというチームはいないと聞いているわけです。ただ実際、(基準を)満たしていないですよと言われたら、当然怖いのは怖いわけでありまして、我々としてもそれぞれのチームが安心してプレーできるようにということはもう大事なことですので、それぞれのチームの話も聞きながら、必要な対応、出来ることをやっていこうと思っています。

記者)
 先日、新見市の方が買い物の環境の対策について、県の方に要望の(したという)報道があったのですけども、中山間地域が人口減で少子高齢化が進んでいて、その中で店がなくなってくるという問題が進行していると思うのですけど、この件について、まず県として今後どのように取り組んでいかれるかということと、あと県の現状の知事のご認識をお伺いします。

知事)
 これも人口減少問題の負の側面の一つだろうと思っております。人口がそれぞれの地域でどんどん減っていくと、これまで回っていたものが回らなくなってくると。あったスーパーですとか、もしくは八百屋さんですとか、そういった商売が回らなくなるということで廃業をしてしまう、撤退をしてしまう。ガソリンスタンドですとか、クリーニング屋さんですとかもういろいろなことで起きていることになります。根本的なことで言えば、それぞれの地域の人口を維持させる、少しでも戻していくということになろうと思いますし、今、我々、生き活き拠点というふうに名前を付けていますけれども、それぞれの地域で核になる地域を定めて、それぞれの核になる地域をいかに繋いでいくかと。増やす努力はするのですけれども、急に(人口は)倍になったりしないわけですから、今いる人たちでいかに支え合って、それぞれの生活が成り立っていくようにするのかということが、非常に大事であります。それをすると同時に、ガソリンスタンドもそうですし、スーパーマーケットもそうなのですけれども、個別の介入が必要な事例があるのかどうか、まずは市町村がすべき仕事だと思いますけれども、今回要望を受けたように、なかなか市町村単独では難しいので、県にも力を貸してほしいという声が、新見市に限らず、今でもいろいろな地域であるわけでございます。例えばいくつかの市町村も、移動販売車に対する支援をしているところでありまして、この移動販売車も、ちょっと人が足りない、その地域にスーパーはないけれども、でも移動販売車が回ると、その移動販売車そのものの採算が取れる地域もあります。現に民間企業、スーパーマーケットの会社がいくつか似たようなやり方で回って、地域の皆さんに喜ばれているということです。それも採算に合わない、でも、採算に合わないけれども全く合わないのではなくて、ちょっと補助してあげると採算が取れるという場合には、そのちょっとした補助がずいぶん効いてくるという場合もございます。いろいろな成功事例を紹介しながら、どういうふうに地域の要望に対応していくのか考えていく。それぞれの市町村が考えていることを教えてもらって、我々自身それを展開していくということもあろうかと思います。

記者)
 知事のことについてお伺いしたいのですけど、4期目1年経っての振り返りをお伺いしたいのと、これからについて現時点でのお考え、隣(の広島県)で湯崎さん(広島県知事)が5選目不出馬だったわけですけれども、ご自身のこれからについてお聞かせください。

知事)
 私、コロナのときに、どこまでということですけども、コロナ対応自身は一生懸命やったつもりですけれども、(コロナ患者数の)波がうわっと上がったら、とにかく感染を抑えるために、いろいろな活動を抑えてくださいということを、不本意ながらもお願いせざるを得なかった。落ち着いたら普段の活動ができるわけです。そうするとまたコロナ(の波)が盛り上がってきてという、もうこの繰り返しで、なかなか長期的なことができなかった。例えばで言えば、海外留学を増やしたいというふうに思っているのに、県境を越えた移動が危険ですよと言っている時に国境を越えた移動なんていうのはそもそも不可能であったり、もしくはなかなか推奨できなかったということで、長期的にやろうと思っていたことがなかなかできなかった。コロナはまだ病気としては残っていますけれども、我々の社会生活を大きく制限するほどではなくなってきている。死亡率ですとかを見ても、インフルエンザとどっちがどっちなのだというぐらいにまでなってきているということですので、もう一度、先ほども言いましたように、未来への投資ということを、この10年後、20年後に振り返って、このときにやるべきだった、2025年、2026年にやるべきだったなということが、いかに出来るかということをずっとやってきたつもりであります。私30年以上の長い付き合いで、大変親しくさせていただいた、尊敬をしている湯崎(広島県)知事が4期で引くという判断をされたことが、個人的にはちょっとすごく寂しく思っていますし、(湯崎知事は)自分が(知事選挙に)受かる、受からないということではなくて、広島県にとってどうあるのがベストなのかということで決断をされたことに対して、あらためて敬意を感じているところでございます。私自身、(残された任期が)あと3年ありますが、もうとにかくそういうことよりも、今の仕事を一生懸命やるということに尽きるかと思います。

記者)
 予算の関係で、人口減少対策が足りていなかったと、これまでを考えると足りていなかったということですが、あらためてどういうところが足りてなかったと考えられるのかと、それに応じて今回かなり重点に置かれるということなのですけれども、具体的に考えている部分でいいので、何が必要でどういうことを取り組んでいこうかなと考えているのか、お伺いしてよろしいですか。

知事)
 今のこの日本の少子化の現状を考えると、少子化に資するいろいろな対応というのが、これは足りていたけどこれは足りていなかったということは多分あまりないのだと思うのです。多分全部足りていなかったのだと思います。ただ、私自身の問題意識で言えば、これまでは少子化対策というと、ほぼほぼ子育て支援をしてきたと。これも国がメインだと思うのですけれども、子育て支援をすれば、子育てが以前ほど辛くない、大変ではない、仕事も両立できるということで子どもが増えるだろうという、そういう仮説に基づいて、国も地方も対応してきたということだと思います。予算額を見るともうまさにそうなのです。ただ、この場でも過去お伝えしたことがありますけれども、この50年間、50年ですよ、この50年間で見てみますと、合計特殊出生率が50年前と今で言えば、4割ぐらい減っております。4割減っていて、子どもの数がどれぐらい減っているかというと、6割減っています。1世代半ぐらい、50年だと経っているので、4割の半回りみたいな感じで理解できるかと思いますけれども、ものすごい減っています。そうしたら夫婦、結婚した2人の間に生まれる子どもの数はどれぐらい減ったのだということについては、社人研(国立社会保障・人口問題研究所)が数年に1回発表してくれています、完結出生児数という数で発表しているわけですけれども、50年前と直近数年前(2021年)に発表して以来、その後の発表はないですけれども、で比べると、2.20から1.90、今発表されている直近の数字が1.90なのですから、0.3(※「2」を訂正)しか減っていない。大体2を境にして、2をちょっと超えたのが、2をちょっと下回っているところに下がったというのが日本の特徴でありまして、35年以上一人っ子政策をしてきた中国とか、もしくは韓国では2人の間に生まれる子どもの数はうわーっと減っているわけですけれども、日本の場合は、少子化と言われながらも、結婚したカップルの間に生まれる子どもの数は意外なほど減っていない。計算すると14%ですけれども、出生率が4割減って、子どもの数は6割減っているこの50年間の間に10数%しか減っていないのに、じゃあなんでこんなに減ったのというと、ご案内のとおり、結婚しない人が、以前はむしろ珍しかったのが、今では結構増えてきていると。これが一番の少子化の原因になっています。貢献度分析とか、数字のやり方ですぐ計算できますけれども、そのザクっと専門家の方に言うと、今の少子化の8割は晩婚化、未婚化が原因であって、結婚した人の子どもが少ないという影響は2割以下だと。これは別の考えもあります。国の方が子育て支援をしっかり頑張ってきたから、完結出生児数がその程度の落ちで済んだと、これも一面の事実だと思います。なのですけれども、今の時点で結婚しないからというのが、少子化の8割の原因を占めていて、結婚したのだけれどなかなかやっぱり子どもを産めない、育てないというのが2割の原因だとすると、100点満点の試験で配点20点のところですごい一生懸命頑張って、配点80点のところは、結婚するかどうかは個人の自由だから、あんまり国とか役所が立ち入ったらいけないよなということで、これまで手を出してこなかった、もしくは若い人の楽しいパ-ティーにお金を出すなんていうのは、税金を使う場所とすればもっと適切な場所はあるだろうという、直感的には当然の批判だと思うのですけれども、やっぱりそういう批判があって、なかなか若い人の結婚支援に踏み込めないと。今でも県レベルで、若い人の結婚支援はとても県が予算を入れて、税金を入れてやることではないよというふうに言われるけれども、未だにあるぐらいですから、これまでどれぐらいアレルギーが強かったかということだと思うのですけれども、今結婚していないから、日本の場合は婚外子というのは非常に割合が低いですから、他の国と比べると。ですから事実上、結婚するかどうかというのがこの少子化を抑えられるか、それともさらに加速させるかというところで、ものすごく大きな関門になっているので、結婚が、しかも若い人にアンケートを取ると、いろいろなアンケートでほぼ同じ結果が出ていまして、結婚したい人はもう大体8割を超えています。そういう方も職場が男性ばかり、女性ばかりでなかなか出会いがないとか、いろいろな理由が挙げられるわけですけれども、そういう出会いの機会を提供するですとか、もしくはそういったことを、はっと気が付いたら、35(歳)になっていました、40(歳)になっていましたということではなくて、ちょっと早めに人生設計について考えていただくきっかけを作るというだけでも、私は違ってくるのだと思います、確率的に。そこに一生懸命取り組んでいくと。これまでなかなかやってこなかっただけに、改善の余地というのは大変大きいのではないかと思っております。

司会)
 それでは以上をもちまして、知事定例記者会見を終了します。

知事)
 ありがとうございました。

2012年の記者会見