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畜産バイオマスエネルギー回収技術実証試験事業
畜産バイオマスエネルギー回収技術実証試験事業
家畜ふん尿を利用したバイオマス発電では、家畜ふん尿のみを発酵原料とする場合にはエネルギーの回収効率が低いことや、エネルギー回収後の消化液(残渣液)中に窒素とリンが高濃度に残存するため浄化処理が難しいこと、また、排出水が黄褐色に着色していることなどが普及上の課題となっています。
総合畜産センターではこのような課題に取り組むため、平成16年度にバイオマス発電実証施設を整備し、バイオガス発生量や発電量など普及のための運転データを蓄積するとともに、ガス発生量の増加に向けた各種添加物の調査及び消化液の浄化処理技術の向上を目指した試験研究に取り組んでいます。
総合畜産センターではこのような課題に取り組むため、平成16年度にバイオマス発電実証施設を整備し、バイオガス発生量や発電量など普及のための運転データを蓄積するとともに、ガス発生量の増加に向けた各種添加物の調査及び消化液の浄化処理技術の向上を目指した試験研究に取り組んでいます。
1 施設の概要
(1)設置年度 平成16年度(バイオマス利活用フロンティア整備事業で対応
(2)主要施設 メタン発酵槽(有効容量50m3×2槽)、発電施設、水処理施設
(2)主要施設 メタン発酵槽(有効容量50m3×2槽)、発電施設、水処理施設
2 平成21年度の成果
(1)メタン発酵実証展示施設のデータ蓄積
平成21年度のバイオガス発生量は14,573m3/年、メタンガス平均濃度63.1%、発電量は11,306kwh/年でした。
平成21年度のバイオガス発生量は14,573m3/年、メタンガス平均濃度63.1%、発電量は11,306kwh/年でした。
(2)未利用有機質資源の添加によるエネルギー回収の効率化
バイオガス発生量の増加に向けて、家畜ふん尿以外の有機質資源を加えた場合の添加効果とメタン発酵に及ぼす影響について検討しました。
利用した資源は前年度の実験において効果の認められた粗製グリセリンで、添加量を1%として小型発酵槽により試験を行いました。
その結果、バイオガス発生量は増加し、pHの変動やメタン濃度の変化など粗製グリセリンを添加することによる悪影響は認められず、有効性が確認できました。
バイオガス発生量の増加に向けて、家畜ふん尿以外の有機質資源を加えた場合の添加効果とメタン発酵に及ぼす影響について検討しました。
利用した資源は前年度の実験において効果の認められた粗製グリセリンで、添加量を1%として小型発酵槽により試験を行いました。
その結果、バイオガス発生量は増加し、pHの変動やメタン濃度の変化など粗製グリセリンを添加することによる悪影響は認められず、有効性が確認できました。
(3)水素発酵の組合せによるエネルギー回収技術の検討
実験室内で、温度調整及びpH調整により家畜ふん尿から嫌気発酵による水素の発生試験を行いました。
これまでに、pH8付近で55℃での振とう発酵により水素が発生することが確認できました。
実験室内で、温度調整及びpH調整により家畜ふん尿から嫌気発酵による水素の発生試験を行いました。
これまでに、pH8付近で55℃での振とう発酵により水素が発生することが確認できました。
(4)消化液に残存する窒素・リンの効率的な除去及び処理水の脱色技術の検討 | ![]() |
担当部署
農林水産部 畜産課 衛生環境班