水と緑と大地を守る

　中山間地域や棚田地域の農業・農村が持つ多面的機能と、その保全の必要性について一緒に考えてみましょう。

　一般に山麓や丘陵及び扇状地などにおいて、自然傾斜を緩和した階段状の水田を『棚田（たなだ）』といいます。小さなものまで数えれば千枚にも達するところから『千枚田（せんまいだ）』ともいわれ一枚一枚の田んぼの水に映る美しい月は『田毎の月(たごとのつき) 』とも呼ばれて、その風景はふるさとの原風景として、日本人の心の中に刻まれてきました。
　山肌を削って累々と築かれた棚田の姿は、稲作にかけた人々の形容しがたい情念と、それを実現するために積み重ねたであろう、すさまじいまでの営農情景を伝え、『耕して天に至る』あるいは『農民労働の記念碑』と形容される棚田の一段一段には、彼らの汗と涙が籠められているようです。

岡山県農林水産部農村振興課　　　　　　　　　　
Tel　086-226-7438　（農道整備班）