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最期まで自分らしく~人生の最終段階の過ごし方について考えてみませんか?
最期まで自分らしく過ごすために
わが国がかつてない超高齢社会を迎えつつある中、誰もが最期まで自分らしく暮らせる「幸福な長寿社会」を実現するために、岡山県では、「自分や家族、身近な人の命が終わりに近づいたとき、どんな医療を選択し、残された時間をどう過ごすのか?」について、県民の皆さんに、元気なうちから考え、話し合っていただくための取組を進めています。
■岡山県内で、どのくらいの人が話し合っているの?
令和3(2021)年6月の調査では、話し合っている人の割合は33.8%でした。60歳以上に限定すると47.9%になります。話し合ったことのない理由として、60代以上の43.6%が、話し合うきっかけがなかったからと回答しています。
■なぜ、人生の最終段階の過ごし方について、元気なうちに話し合っておく必要があるの?
「死」に直面して命の危険が迫った状態になると、約7割の人は自分の意思を表示できなくなる、と言われています。あらかじめ、どのような医療を受けたいのか(または受けたくないのか)について、周囲に自分の考えを伝えておくことで、将来、自分の意に沿わない医療を受けたり、家族などが判断に迷ったりすることを避けられる可能性があるのです。
■いつ、誰と、どんなことを話し合えばいいの?
1.元気なうちは、家族や友人などと「これからの人生でやってみたいこと」と併せて、「もしもの話」を気楽に話し合ってみましょう。もしも重大な病気になったり、要介護状態になったりしたときはどう過ごしたいのか、日頃から周囲の人と話し合っておくことで、将来、医療・介護が必要になったとき、自分の考えを医療・介護関係者に伝えやすくなります。
2.体調に不安があるときは、「かかりつけ医」など身近にいる医療・介護の専門家に、自分の現在の健康状態や今後の体調の見通しについて相談すると良いでしょう。専門家としての意見をしっかり聞いた上で、自分が不安に思っていることや、今後の医療・ケアに関する希望を率直に伝えることが大切です。
■ACPについて
病気になった人の将来の変化に備えるために、これから先の医療やケアの進め方を、本人や家族、医療・介護関係者が繰り返し話し合って共有することを、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)と言います。ACPについて、分かりやすく紹介したリーフレットを作成していますので、ぜひご覧ください。
岡山県の取組
アンケート調査の実施 |
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県民の皆さんが「要介護状態となった場合の生活の場所」や「人生の最終段階における医療」などについて、どのような意識を持っているのか把握し、今後の医療・介護施策を推進する上での参考とするため、毎年の「県民満足度調査」に合わせてアンケートを実施しています。 |
県民への普及啓発 |
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「人生の最終段階の過ごし方についてあらかじめ考え、周囲に伝えておくことの大切さ」を知っていただき、話し合いを始めていただくためのきっかけとしていただくため、啓発資材の作成に取り組んでいます。 |
医療・介護関係者の人材育成 |
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患者の意思を尊重した医療・介護を実践する人材を育成するため、岡山県医師会及び岡山県看護協会へ委託して、研修会を開催しています。 |
民間企業との連携 |
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県民の皆さんが、住み慣れた地域で、最期まで安心して生活できるよう、民間企業との連携にも力を入れています。 |
在宅医療の普及に向けて
60~70年前の日本では約8割の人が自宅で亡くなっていましたが、いまは多くの人が医療機関で亡くなっています。岡山県の場合、令和2(2020)年の統計データでは、自宅で亡くなられた方は13.2%となっています。
(厚生労働省「令和2年人口動態統計」より、岡山県の死亡場所別死亡数)
(出典:厚生労働省「人口動態調査」)
一方、県民アンケートの結果によると、「余命が6ヶ月程度あるいはそれより短いと告げられた場合、療養生活をどこで送りたいですか」という問いに対し、「できるだけ自宅で」と答えた人は66.4%でした。
(出典:岡山県「令和3年度県民満足度調査」)
岡山県では、県民の皆さんが、病気や要介護状態になっても自分の希望する場所で安心して暮らせるよう、関係機関と連携して、在宅医療の普及にも取り組んでいます。
問い合わせ先
郵便番号700-8570 岡山市北区内山下2-4-6
電話 086-226-7084
Fax 086-224-2313