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マイクロプラスチックについて
マイクロプラスチックってなに?
マイクロプラスチックとは一般に、5mm以下の微細なプラスチック類をいいます。
また、マイクロサイズで製造されたプラスチックを「一次マイクロプラスチック」、大きなサイズで製造されたプラスチックが自然環境中で破砕・細分化されて、マイクロサイズになったものを「二次マイクロプラスチック」といいます。
一次マイクロプラスチックの例
マイクロビーズ
ポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチックで作られた球状の小さなビーズをいいます。
化粧品、洗顔料、歯磨き等の洗い流しのスクラブ製品の中に、角質除去や清浄を目的とした研磨剤としてマイクロビーズが含まれているものがありましたが、現在では、産業界による自主的な使用中止の取組が進められており、塩やセルロースなどの天然素材に置き換わっています。

洗顔料等に含まれるマイクロビーズ 洗顔料中のマイクロビーズ 東京湾の海水から見つかったマイクロビーズ
(写真:東京農工大学高田秀重教授) (写真:東京農工大学高田秀重教授)
マイクロカプセル
数μmから数mmの大きさの微細容器の総称で、外側の膜にプラスチックが使用されたものはマイクロプラスチックに該当します。
合成洗剤や制汗剤、消臭・芳香剤などに使用されており、カプセルが空気中で破れることにより香料を放出しますが、香料を放出した後のプラスチック殻は降雨などにより河川等を通じて海に流出してしまいます。
また、肥料を閉じ込めたものは農業生産分野で使用されており、徐々に肥料成分が溶け出すことから、省力化等に効果的である一方で、使用後の被膜殻がほ場から流出することによる環境影響が懸念されています。

香料のマイクロカプセル 河川敷に散乱する被覆殻
(黄色・オレンジ色の球状の物体)
二次マイクロプラスチックの例
街に捨てられたビニール袋やペットボトル、たばこのフィルターといったプラスチック製品が河川等を通じて海に流出し、紫外線や波の作用により細かく破砕・細分化したものが該当します。
日常生活の中でも、合成繊維でできた衣服を洗濯することで多量の繊維くず(マイクロファイバー)が発生してしまうほか、スポーツ施設や家のベランダ等で使用されている人工芝は、長期間の使用等による劣化や不適切な管理等によってマイクロプラスチックが発生することが分かっています。
一般向けマイクロプラスチック発生抑制・流出抑制対策リーフレット(環境省)

環境省資料「海ごみ学習用教材高校生用」(2017) (写真:岐阜大学鈴木裕識准教授)
マイクロプラスチックによる環境への影響
マイクロプラスチックは、自然の中ではほとんど分解されず回収も困難であるため、半永久的に環境中に残留し続けます。
その結果、プランクトンや魚介類がマイクロプラスチックを取り込んでしまうほか、食物連鎖を通じて人間が摂取してしまう可能性が指摘されています。
また、マイクロプラスチックは海中の有害物質を吸着しやすいことが分かってきており、海洋を広範囲に移動することで汚染を広げたり、マイクロプラスチックを取り込んだ海洋生物の体内に吸着した有害物質が蓄積される可能性が懸念されています。

環境省資料「海ごみ学習用教材高校生用」(2017)に一部加工
