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2010年11月15日知事記者会見

印刷ページ表示 ページ番号:0298995 2012年11月12日更新公聴広報課

知事からの話題

質疑応答

知事からの話題

あっ晴れ!おかやま国文祭を終えて

 それでは、私のほうから、数点、お話をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、「あっ晴れ!おかやま国文祭」についてでありますが、今日からこのバックボードも一新をしているところでございまして、「地方の自立 活力ある社会」というようなこと、そして「夢と元気」こういったことでボードも一新したわけでございますが、先日、国民文化祭が閉幕をいたしました。
 10月30日、振り返ってみますと、開会式、そしてオープニングフェスティバルにつきまして、皇太子殿下の御臨席を仰ぎ開幕をいたしました国民文化祭でございましたが、「晴れの国おかやま 文化回廊」をテーマといたしまして県内各地でさまざまな事業が行われ、県内はまさに国民文化祭一色に染まったような感がいたしました。
 県内外から大勢の方々が会場を訪れていただきまして、9日間の会期中の参加者の数でございますが、これは速報値になりますけれども、110万人に達しておりまして、そしてその前からのスタートしておりました国民文化祭全体の参加者数ということになりますと、これは現在集計中ではございますけれども、目標としておりました160万人を大きく上回る見込みとなっているところであります。
 御承知のとおり、私どもの「あっ晴れ!おかやま国文祭」は、先催県の平均の半分の県費で実施をしたということでございました。そういった中にありましても、この国文祭は成功裏に幕を閉じることができたということは本当に多くの県民の皆様の御支援と御協力の賜物でございまして、ここに改めて厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 「あっ晴れ!おかやま国文祭」は、県民総参加の国民文化祭を目指したところでありまして、期間中は、音楽、演劇、美術等の芸術分野を初めといたしまして、伝統芸能そして生活文化、さらには岡山独自の文化など、さまざまな主催事業が開催をされました。また、県民によります企画提案事業とか、企業、団体等が取り組まれました協賛事業や応援事業、また職場や町内会などで企画をされましたおもてなし事業が県内の至るところで展開をされまして、まさに県民総参加の国民文化祭となり、少ない経費で最大の効果を発揮したという点におきまして、国民文化祭のいわば岡山モデルというものになったものと自負しているところであります。
 国民文化祭・おかやまから生まれました文化の息吹は、新しい風となって未来へ向かって吹き始めたような感がいたします。この文化の風に乗りまして、先人から受け継いだ文化を大切に守り、そして新しい文化の創造に取り組んでまいりますとともに、郷土に愛着と誇りを持ち、そして心豊かに暮らしていける岡山を築き上げていかなければならないと決意を新たにしているものでございます。
 以上、国文祭の終了につきまして、御報告をさせていただきました。

11月補正予算案の概要について

 次に、お手元の資料をごらんいただきながら御説明をさせていただきます。
 11月補正予算案の概要についてでございます。
 10月15日の会見でも申し上げてまいりましたとおり、円高の長期化に伴います企業業績の悪化が懸念をされますほか、有効求人倍率につきましては0.73倍と依然として低水準にあるところでございまして、新規学卒者の就職状況につきましても、引き続き厳しい状況にある。こういったことなどを踏まえまして、先ほど緊急経済・雇用対策本部会議を開催いたしまして、経済対策のための補正予算を取りまとめたところであります。
 その概要を御説明させていただきたいと思います。
 今回の経済対策のための予算規模でありますが、約162億円となっております。その財源といたしましては、資料1ページ右下の財源内訳にお示しをいたしておりますとおり、国の緊急総合経済対策に計上されました地域活性化交付金23億円などを活用いたしまして編成をしたものであります。
 2ページ目でございますが、経済対策の概要は、「直面する厳しい雇用情勢への対応」、「将来の発展に向けた重点投資」、「安心して暮らせる岡山実現のための施策」といたしております。
 3ページでございます。
 今回の補正予算に盛り込んだ事業の概要を順次御説明をいたします。
 まず、雇用創出でありますが、緊急雇用創出事業約34億円を計上いたしておりますが、今回の補正予算では、基金への積み増しを行った上で、このうち約6億円を取り崩し、重点分野の範囲や事業実施期間についての運用改善が図られたということも踏まえまして、介護、医療、農林等の重点分野雇用創造事業に活用する予定であります。
 4ページでございます。
 低炭素社会構築の促進といたしまして、8,000万円弱を計上いたしております。電気自動車の普及を促進するために、岡山空港や道の駅など、県内7カ所に急速充電器を整備することといたしております。
 また、持続可能な農林水産業づくりといたしまして、3億円弱を計上いたしまして、県産材の利用拡大等を図るための県産材使用住宅への助成制度を拡充することといたしております。
 5ページでございます。
 岡山の魅力発信、観光客誘致の促進といたしまして、約8,000万円を計上いたしております。
 来年3月に九州新幹線が全線開通することとなっておりますが、熊本県や鹿児島県におきまして、観光展を開催いたしますほか、中国のマスメディアを活用いたしました岡山県PRの実施、あるいは後楽園の進入路の改良を行って、にぎわいの創出を図ることといたしております。
 6ページであります。
 安全で安心して暮らすための地域社会の構築といたしまして、約36億円を計上しているところでありますが、市町村が実施する子宮頸がん等ワクチンの接種事業を助成するために、国から交付されます交付金、これを基金に積み立てまして23年度までに実施をいたしますほか、消費者行政、DV、障害者対策等を推進するための事業等、実施をすることといたしております。
 最後に、7ページでありますが、安全・安心の確保のための公共施設等の整備につきまして、約87億円を計上いたしております。
 今回の補正予算では、国の補正予算に対応いたしました社会資本整備事業のほか、県立高校の耐震補強工事等を前倒しで実施をするなど、さまざまな公共施設等の整備を実施することといたしております。
 次に、別途の資料1枚紙をご覧いただきたいと思いますが、今回の補正予算におきまして、この夏の猛暑によります米の品質低下により収入が低下した農家の支援のために、低利の緊急融資制度を創設いたしまして、金融機関から借り入れた運転資金等に対する利子補給を行うことといたしております。
 概要は以上のとおりであります。
 本県におきましても、経済・雇用情勢は依然として厳しい状況にあるということから、これらの対策を迅速かつ的確に実施をすることによりまして、地域経済の安定的な回復と雇用の確保を図ってまいる所存であります。

岡山空港第1駐車場及び岡山後楽園の駐車場有料化について

 次に、岡山空港第1駐車場及び岡山後楽園の駐車場有料化について、御報告をさせていただきたいと思います。
 今回の補正予算におきまして、岡山空港第1駐車場及び岡山後楽園の駐車場の工事経費を計上しております。
 県庁外来、県立図書館及び総合グラウンドの3施設に関しましては、去る9月1日に有料化をしたところでありますが、残る岡山空港第1駐車場と岡山後楽園駐車場につきましては、来年7月1日からの有料化を予定しておりまして、後楽園駐車場につきましては、今後、河川管理者であります国の了解、そして協力をいただいた上で、準備を進めてまいりたいと考えております。
 駐車場の有料化は、行財政構造改革大綱2008の方針に沿って進めてまいりました取り組みの一つでありまして、利用者の皆さんに県の施設を公平かつ効率よく使っていただきますとともに、さらなるサービスの向上にも努めてまいりたいと考えておりますので、特段の御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。

(社)岡山県畜産公社の解散について

 最後、4点目でございますが、社団法人岡山県畜産公社の解散についての報告であります。
 本年度末をもって解散の方向としておりました社団法人岡山県畜産公社につきましては、先般、臨時総会が開催をされまして、公社の解散及び県の長期貸付金に対する債権放棄の要請等が決議されたところであります。
 これを受けまして、公社に対する貸付金4億6,000万円のうち、返済可能な約7,000万円を差し引きました額、約3億9,000万円の債権放棄につきまして、11月定例会に提案をさせていただくこととしております。
 公社は、畜産農家への優良牛の供給などを通じまして、本県の畜産振興に寄与してきたものと、このように考えているところでありますが、債権放棄をせざるを得ない事態に立ち至ったことにつきましては、重く受けとめているところでございます。改めて、県民の皆様方に深くおわびを申し上げる次第でございます。
 今後は、公社から譲り受ける牧場施設等を有効に活用いたしまして、引き続き本県の畜産振興に努めてまいりたいと考えているところであります。

質疑応答

記者)
 TPP環太平洋パートナーシップ協定の件ですが、APECでも菅総理大臣が協議を開始すると表明されましたけど、岡山県の状況を踏まえて、石井知事はこれについて参加すべきかと思うか否かについてと、参加した場合の影響等について、岡山で独自に試算しているものがあれば教えてください。

知事)
 TPPについての考え方という御質問でございますが、国際的な経済連携というものが進展をしていく中にありまして、TPPへ参加することによりまして、我が国の貿易あるいは投資の環境の整備促進、そして諸外国との交流を拡大していこうという方向性というものは理解をするものでございます。
 とりわけ、貿易によって今日の我が国の経済の発展があったということに鑑みますと、今後の方向性ということにつきましては、それはそれなりに理解ができるものではございます。
 しかしながらその一方で、いわゆる関税の原則撤廃によって農家の方々に対する影響というものが強く懸念されるという意見があるところでございまして、それに加えて、海外からの人の流動化によって、多くの方々の雇用、国民の雇用への影響といったことなど、国民生活の幅広い分野での影響というものを懸念する声もあるところでございまして、こういった声につきましては、私も、その点理解ができるものでございます。
 いずれにいたしましても、こういったような国の将来を左右する重大な政策の方針決定ということにつきましては、まずは国民の全体のコンセンサスというものが是非必要ではないかというふうに思います。
 国におかれましては、参加することの有用性、そして一方でそれに伴う影響というものなどを具体的に国自ら丁寧に説明して明らかにしていただくということが、まず肝要かなと思います。そして、論議を十分に尽くしていただきまして方向を決定していただきたいと私は考えているところでございます。
 そして、影響についてでありますが、これは国で試算をして発表になっております数字は、皆様も既に御承知のとおりでありまして、農林水産省は参加した場合の影響額を農産物の生産減少額4.1兆円の減と発表されておられます。一方、経済産業省の試算は、参加しなかった場合の影響額ということで、自動車、電気・電子、機械産業の3業種だけで見ても10.5兆円の減となるということが示されております。
 本県への影響ということで、両省に事務当局を通じて教示していただきたいと問い合わせをしたところであります。
 この結果、経産省におきましては、算式を照会しても、それについての教示がございませんでしたので、本県についての影響は計算・計測不能でございますが、一方農林水産省のほうでは算式を明らかにしてくれましたので、これに基づいて農林水産省の試算で用いられた計算式をもとに影響額を算出させていただきましたが、そうすると582億円という数字になりました。これは、2008年度の農業産出額1,294億円の約45%ということでございます。
 比較的、他県の数字も若干私は把握しておりますが、本県はやや割合が高いほうに位置すると承知しております。
 しかしまた一方で、県内産業は、輸出主体の製造業が大変多いということから、参加しないことによっての県内企業の国際競争力が低下をして、そして雇用が縮小するということの懸念、こういう意見もあるということもあわせ、紹介をさせていただきたいと思います。

記者)
 先ごろ、岡山アワードというものが創設されたのですが、知事も顧問として関わっておられますけれども、これに対する期待というものを少し話していただきたい。

知事)
 クロスカンパニーの石川社長ともお会いして、お話をお聞きすることがあったのですが、各分野において非常に特徴的な取り組みをしている意欲的な方々に光を当ててアワードとして顕彰するということは、今までの県内においてはなかったことでありますので、大変そういう面においては、そういった観点から思い切って岡山を元気にしていく、力強く発展をしていくことを期待してみんなで後押しをしていこうということですね。そういう趣旨からのアワードではないかというふうに思いますので、その点は、私は、大変前向きで、そして意欲的な取り組みで、一つの岡山県のこれからの未来を元気にしていこうという、それを後押ししていくという意味におきまして意義あるものと承知をしておりまして、是非こういったことで岡山県が大いに盛り上がっていくということにも期待をいたしたいと思うのですね。

記者)
 全国知事会が特区の一斉提案を予定していると思うのですけど、岡山県はそれに賛同するのかどうか。あと、賛同する場合、何項目を一緒に提案する計画なのか、教えてください。

知事)
 岡山県といたしまして、特区の一斉申請でございますが、ほとんどの項目につきまして、同様の趣旨で賛同し、申請をすることといたしました。ほとんどということで、例外が、一、二、あったかなというぐらいだと思います。
 特に、そういう意味においては、他県と比べましても比較的数字が高いほうに位置していると承知しております。

記者)
 畜産公社の債権放棄に関して、最近、同様の住宅供給公社の債権放棄の事例が続いておりますが、県としての責任、対応について知事のお考えをお聞かせください。

知事)
 先般、住宅供給公社の解散に伴っての手続があり、またこのたび畜産公社について、先ほど発表させていただきましたとおりでございますし、今年度末ということで農地開発公社についても予定をしているところでありまして、スケジュールに乗っているところでありまして、そういった面におきまして、本当に県民皆様に対して、このような多額の債権放棄をせざるを得なかったことにつきましては、改めて深くおわびを申し上げる次第でございます。
 その背景ということですが、やはり当時の社会経済情勢の中にあって、それなりに意義があり、そしてそれなりの実績はもちろん上げてきたところであろうかと思います。
 しかし一方で、経済のバブルが崩壊をし、長引く経済の低迷といったようなこともあり、また、社会経済情勢のいろんな面でさまざまな変動要因がありまして、このような事態に立ち至ったというように思っております。
 こういったことを教訓として、今後、県政を推進するに当たっては、二度とこういったようなことが起こらないように、自らを戒めながら適切に県政を推進していかなければいけないと思いますが、いわゆるこういった公社等の設立につきましては、そういった経緯からいたしまして、より慎重に考えていかなければならないのではないだろうかというふうにも感じております。

記者)
 県北でクマの出没が相次いでいるということで、保護管理計画の運用上、出来るだけ山に放していると思うのですけれども、その辺の運用について、変更のお考えがあるのかということにつきまして、そして、住民の安全のための具体策があればお聞きいたします。

知事)
 ツキノワグマの出没が、昨年と比べますと現時点で6倍以上の出没件数となっておりまして、幸い今まで人身事故は発生していないところでありますけれども、しかし住民の安全というものを最優先にして、引き続き県民の皆さんへの啓発、そして緊急時とか再捕獲の場合のこの対応の明確化などを早急に取り組みを検討いたしたいと思っております。
 御承知のとおり、環境省のレッドデータブックの中で、絶滅のおそれのある地域個体群ということで、ツキノワグマが東中国個体群として位置づけられているということであり、鳥獣保護法に基づくツキノワグマ保護管理計画を策定して、狩猟を禁止して、人とのすみ分けによる共存を目指しているということでありますが、しかしながらいずれにいたしましても、人身被害を防ぐというのが一番重要な観点かなと思います。
 こういう点におきまして、明後日、美作県民局管内の関係者の方々に集まっていただきまして、緊急対策会議を開催することとしておりますので、その場におきまして、十分関係者の方々の意見を聞きながら、今後の方向性について検討をいたしたいと思っております。
 基本的な考え方は、法律に基づいてのそういう計画になっているわけでありますから、しかしながら、それについてより柔軟な対応といいましょうか、とにかく人身被害を絶対起こしてはいけないということを第一義に考えていくという運用ですよね。これを一番念頭に置いて、今後の方向性を考えていかなければいけないということを事務当局には指示をしているところでございます。

記者)
 ツキノワグマの関係なのですけど、美作市とかは、捕まえたら山に戻すなというふうに要望していますけど、先ほど知事がおっしゃられたのは、緊急時や再捕獲の場合というようなことをおっしゃっているのですが、その山に放さないという、つかまえて山に放すなという要望に対しては、これは対応していくようなお考えなのですか。

知事)
 問題は、1回目の捕獲のときは、ほとんどが、これは御案内のとおり錯誤捕獲といいまして、イノシシとかシカ等を捕獲するためのわなに誤って捕獲されるケースが大半なのですけれども、いずれにいたしましても、一回捕獲されると、もう二度と人里に近づくと痛い目に遭うよということを学習させる。唐がらしのスプレーをかける等いたしまして、そういうことで一旦放獣しているわけなのですけども、これが再捕獲というときに大変心配だということはよくわかるのですね。
 そこで、再捕獲されたときの状況ですね、これがどういったところで捕獲されたのか、人里から近いところなのかどうなのかといったようなこと等々、学習効果がちゃんとあったのかということを十分検証しながら、そういう場合は、もう危ないということが考えられる場合には、人身保護ということを第一に考えて、それは殺処分とするということを徹底するということも一つの考え方ではないかというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、いろんなケースがありますので、現地で専門家の方々、関係者の方々が十分協議をしながら、人身保護を第一に、最優先しながら方向性を検討いたしたいというふうに思っております。