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微生物による食中毒
★食中毒を起こす細菌(主なもの)
細菌名 | 分布 | 性質 | 原因食品 | 主な症状 | 潜伏時間 |
サルモネラ | ・自然界に広く分布 ・牛、豚、鶏などの家畜、家禽 ・犬や猫などのペット | ・加熱には弱いが、低温や乾燥には強い ・幼児や高齢者では、わずかな菌量でも感染し、重篤な症状になりやすい | 食肉・食肉製品卵・卵製品(ペット) | 吐気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱 | 4から48時間 |
腸炎ビブリオ | ・沿岸の海水(特に夏期) ・海中の泥 ・魚介類 | ・塩分を好み、真水に弱い ・増える速さが早い ・熱に弱い | 魚や貝などの海産物(二次汚染) | 激しい腹痛、下痢、吐気、発熱、嘔吐 | 4から30(12から24)時間 |
カンピロバクター | ・牛、豚、鶏などの家畜、家禽 ・イヌなどのペット ・ネズミ | ・4℃・凍結状態で安定し、長期間生存 ・微好気性 | 食肉・食肉製品生乳などの畜産品 | 発熱、頭痛、筋肉痛、下痢、腹痛 | 2から7日 |
黄色ブドウ球菌 | ・人の化膿巣、鼻、のど ・自然界に広く分布 | ・食品中で増殖する時、熱 や乾燥に強い毒素を作り、食中毒を起こす | 手作りの食品(おにぎり、弁当、サンドイッチ) | 吐気、腹痛、嘔吐、下痢 | 1から8時間(3時間) |
腸管出血性 大腸菌 | ・動物の腸内・糞便 | ・大腸をただれさせ、出血を起こさせるベロ毒素を産生 ・少量で感染する ・75℃1分で死滅 | 糞便等に汚染された食品、飲料水 | 血便、下痢、腹痛、尿毒症 、けいれん、意識障害 | 4から9日 |
その他の 病原大腸菌 | ・動物の腸内・糞便 | ・病原大腸菌とは、腸炎を起こす大腸菌の総称 1)腸管組織侵入性大腸菌 2)腸管病原性大腸菌 3)腸管毒素原性大腸菌 4)腸管凝集性大腸菌 | 糞便等に汚染された食品、飲料水 | 発熱、下痢、腹痛、しぶり腹 | |
ボツリヌス菌 | ・土壌に広く分布 | ・空気がない状態で増殖する時に神経性毒素を産生 ・毒素は熱に弱い ・芽胞を形成する | 瓶詰・缶詰 真空パックされた食品 | 神経症状、嘔吐、下痢 | 8から36時間 |
ウェルシュ菌 | ・自然界に広く分布 ・牛、鶏の保菌率高い | ・芽胞形成(耐熱性) ・空気のないところを好む ・小腸内で増殖するとき毒素を産生 ・毒素は熱に弱い | 肉類・魚介類を使ったたんぱく食品 | 腹痛、下痢 | 8から18時間 |
セレウス菌 | ・自然界に広く分布 ・土壌中(土壌細菌の1種)、穀類、豆類、香辛料に存在 | ・芽胞形成(耐熱性) ・嘔吐型と下痢型がある ・嘔吐型は、食品中で増殖する際に毒素を産生することによる | 米や小麦などの農産物を原料とする食品 | ・嘔吐型 吐気、嘔吐 ・下痢型 吐気、腹痛、下痢 | 1から5時間 8から12時間 |
エルシニア | ・自然界に広く分布 ・家畜、ネズミ、ペットなどの腸内 | ・5℃以下でも増殖する低温細菌 | 水、牛乳、乳製品、食肉など | 下痢、腹痛、頭痛、発熱、風邪様症状 | 2から3日 |
★食中毒を起こすウイルス(主なもの)
ノロウイルス | ・河川中、海水中など | ・小さな球形の構造をしている ・低濃度の塩素に耐える ・食品や飲料水を介して感染するばかりでなく、人から人への感染もある | ノロウイルスに汚染された食品・飲料水 | 吐気、嘔吐、腹痛、下痢 | 1から3日 |