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バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)について

印刷ページ表示 ページ番号:0003345 2007年5月15日更新生活衛生課

バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)

VREとは?
 バンコマイシン耐性腸球菌とは、バンコマイシンという最も強力な抗生物質さえも効かなくなってしまった腸球菌のことです。(Vancomycin Resistant Enterococci=VRE)
 VREは、1980年にヨーロッパで初めて発見されて以来、欧米ではVREによる院内感染が拡がり、我が国においても平成8年に初めて尿路感染症の患者から検出され、以後国内で12名からVREが検出されています。
 

感染するとどうなるの?
 VREは、通常の健康な人に対しては何ら健康に影響を及ぼしませんが、病気などで体の抵抗力が落ちた人がVREに感染した場合、敗血症や腹膜炎などを起こし、重篤になることがあります。
 VREに対しては、バンコマイシンのみならず、現在感染症の治療に用いられているほとんどの抗菌薬が無効の場合が多く、その治療は非常に困難です。


VREが出現した理由

 VREが欧米で拡がった原因として、
(1)欧米では、バンコマイシンが長い間感染症の治療に広く使用されていたこと
(2)鶏や豚などの飼育促進のために、バンコマイシンに化学構造が類似したアボパルシンという薬を飼料に添加したことにより、家畜の腸内で選択的にVREが増加して、ヒトに拡がったこと
などが考えられています。
 ※日本では、平成9年3月にアボパルシンの使用が禁止されています。


輸入鶏肉からVREを検出
 厚生労働省では、平成8年度から国産及び輸入鶏肉等についてVRE汚染実態調査を行っており、これまでのところ、平成9年度には、タイ産鶏肉(14検体中3検体)及びフランス産鶏肉(6検体中3検体)から、平成10年度には、タイ産鶏肉(43検体中9検体)、フランス産鶏肉(4検体中2検体)及びブラジル産鶏肉(22検体中2検体)から、平成11年度には、タイ産鶏肉(49検体中6検体)からVREが検出されています。
 VREは、バンコマイシンに耐性を持っているという特徴以外は、人や動物の腸内に常在する腸球菌と何ら違いはなく、通常の健康な人はVREに汚染された食肉を食べても、健康上の問題が生じることはありません。また、VREは適切な加熱(70℃、1分)により死滅するので、他の食中毒予防法と同じように、

鶏肉は、十分に加熱調理してから喫食するようにしましょう

厚生労働省では、鶏肉からVREが検出された国に対して、アボパルシンの使用禁止やVRE汚染原因調査を要請しており、VREに汚染された鶏肉等が輸入されないように努めています。