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河平ダム
日山谷川と河平ダム
日山谷川の概要
日山谷川は、岡山県3大河川の一つである旭川の支川である宇甘川に合流する河川です。
日山谷川は、岡山県加賀郡吉備中央町に位置し、その源を本宮山(標高 583m)に発し、山間部を南流し、下加茂地先で宇甘川に合流する流域面積9.6km2、流路延長8.0kmの一級河川です。水利用は古くから行われ、かんがい用水の水源に利用されています。また、旧加茂側町の市街地は、日山谷川下流部に形成されています。
河平ダムの概要
・河平ダムは旭川水系宇甘川左支川日山谷川の左右岸加賀郡吉備中央町下加茂地先に、日山谷川総合開発事業の一環として建設された、堤高38.5メートル、総貯水容量769千立方メートルの重力式コンクリートダムです。
・平成3年度から予備調査を開始し、平成6年度から建設に入り、平成17年度に完成しました。
・建設の目的は、洪水調節を行い下流域の氾濫を防止することや、吉備中央町へ水道用水の供給、また農業用水の安定供給、河川環境の保全などです。
河平ダムの歴史
日山谷川は、急流のため古くから氾濫を繰り返してきました。昭和47年7月の断続豪雨では、浸水家屋30戸、浸水農地5haの甚大な被害が生じました。その後も昭和51年の台風17号、平成元年の台風17号等により、河岸の決壊、氾濫が発生しており、抜本的な治水対策が強く望まれていました。
しかし、本河川下流部沿川の住家や耕地の補修、用地取得を伴う河道拡幅の改修は極めて困難であり、ダムによる洪水調整を行うことが必要でした。
また、日山谷川は吉備中央町の耕地等に対する水源として広く利用されていますが、しばしば深刻な水不足に見舞われています。そのため、既得用水の安定供給及び下流域の河川環境保全のための流量を確保する必要がありました。
さらに、近年では、生活様式の変化や高度化、宅地開発の進展により、地下水に代わる水道用水の需用の急増が予想れています。現況の水源は地下水に頼っていますが、取水可能量は限界に達しており、新たな水源の確保が必要でした。
河平ダムは、こうした治水、利水の両面を担う目的で建設されたものです。
河平ダム及び貯水池の諸元
ダム | 形式 | 重力式コンクリートダム |
堤高 | 38.5m | |
堤頂長 | 107.0m | |
堤体積 | 34,000m3 | |
堤頂の標高 | EL.203.5m | |
常用洪水吐 | オリフィスB1.3×H1.3×1門 | |
非常用洪水吐 | 自由越流B9.0×H2.5×2門 | |
利水放流設備 | ジェットフローゲートΦ100×1台 | |
貯水池 | 集水面積 | 4.4km2 |
湛水面積 | 0.06km2 | |
総貯水容量 | 769,000m3 | |
有効貯水量 | 681,000m3 | |
洪水調節容量 | 481,000m3 | |
利水容量 | 200,000m3 | |
堆砂容量 | 88,000m3 |
河平ダムの役割
河平ダムの治水
ダム地点の計画高水流量52m3/secのうち、37m3/secの洪水調節を行い、下流域の氾濫を防止します。
![]() | 河平ダムの下流に、左のような看板を所々に設置しています。ダムに貯まった水が流れ出る時は、サイレン又は放送でお知らせしますので、河川に近づかないで下さい。 |
河平ダムの利水
・水道用水
吉備中央町に、水道用水として1000m3/日の取水を可能にしています。
・既得用水の安定化及び河川環境の保全
ダム地点下流の日山谷川沿川の既得用水の安定供給及び下流域の河川環境保全のための流量を確保しています。
河平ダム周辺の見どころ・体験施設
河平ダム位置図
加賀郡吉備中央町下加茂1443-102