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岡山県の花粉発生源対策の取組
花粉発生源の現状と対策
国民の約4割が罹患しているといわれる花粉症は、社会的に大きな問題となっており、抜本的な対策の実施が求められています。
花粉発生源となるスギ・ヒノキ人工林の現況
林野庁HP 森林資源の現況(令和4年3月31日現在)より
日本の国土面積(37,798千ヘクタール)の約7割を占める森林(25,025千万ヘクタール)のうち、スギ・ヒノキ人工林面積は約28%(国土全体の約20%)です。
そのうち花粉の発生源となる21年生以上のスギ・ヒノキ人工林の割合は約97%を占めています。
そのうち花粉の発生源となる21年生以上のスギ・ヒノキ人工林の割合は約97%を占めています。
林野庁HP 森林資源の現況(令和4年3月31日現在)より
岡山県の面積(711,444ヘクタール)の約7割を占める森林(484,745ヘクタール)のうち、スギ・ヒノキ人工林面積は約38%(県全体の約26%)です。
そのうち花粉の発生源となる21年生以上のスギ・ヒノキ人工林の割合は約97%を占めています。
全国に比べ岡山県では気候風土に適したヒノキが多く植えられています。
そのうち花粉の発生源となる21年生以上のスギ・ヒノキ人工林の割合は約97%を占めています。
全国に比べ岡山県では気候風土に適したヒノキが多く植えられています。
花粉発生源対策
花粉発生源対策として、スギやヒノキ人工林の伐採を推進することは大きな柱の一つです
一方で、スギやヒノキは木材利用や地球温暖化の原因でもある二酸化炭素の吸収など私たちの暮らしにかかせない役割があります。
花粉発生源対策と「伐って・使って・植えて・育てる」という林業サイクルをうまく循環させることを両立するには、スギやヒノキを伐採したあとには花粉の少ないスギやヒノキへの植替えを推進していく必要があります。
花粉発生源対策と「伐って・使って・植えて・育てる」という林業サイクルをうまく循環させることを両立するには、スギやヒノキを伐採したあとには花粉の少ないスギやヒノキへの植替えを推進していく必要があります。

岡山県では花粉の発生源とされているスギ・ヒノキ人工林を花粉の少ない森林へ変えていくため、少花粉苗木による植替えに力を入れています!
岡山県では令和7年3月に策定した第4次晴れの国おかやま生き活きプランにおいて、令和10年度までに少花粉スギ・ヒノキ苗木による植替面積を4年間で800ヘクタールとする目標を掲げ、苗木の安定供給体制の整備、森林所有者による植替えの促進など、花粉発生源対策に取り組んでいます。
少花粉苗木
少花粉苗木とは、花粉をほとんど発生させないスギ・ヒノキの品種です。
それぞれの地域で元々生育しているスギ・ヒノキの種類はたくさんあります。
その中に花粉が少ない個体があり、それらを研究して、国が定めた花粉量の基準をクリアした花粉の少ない品種が少花粉スギ・ヒノキとして登録されたものです。
それぞれの地域で元々生育しているスギ・ヒノキの種類はたくさんあります。
その中に花粉が少ない個体があり、それらを研究して、国が定めた花粉量の基準をクリアした花粉の少ない品種が少花粉スギ・ヒノキとして登録されたものです。

花粉の少ない苗木には色々種類がありますが、岡山県で生産しているのは全て少花粉苗木です。

岡山県の取組
苗木がないことには始まらない!
スギ・ヒノキ人工林を花粉の発生源にしないために少花粉苗木への植替えを推進していくには、花粉の少ない品種を開発する必要がありました。

県の森林研究所において、平成8(1996)年から雄花の着花性や花粉の少ない品種等について調査、研究を行い、平成14~20(2002~2008)年度にスギ10品種、平成19(2007)年度にヒノキ7品種を開発しました!

苗木の本数がたくさんなければ植えられない!
少花粉品種を開発しても森林所有者が植替えに使用できるだけの苗木の本数が確保できなければ、従来の苗木を植えるしかありません。

一般的な挿し木方式による生産を進めましたが、発根率が悪くうまく増産できませんでした。
そのため、実生(種)からの生産に切り替えましたが、少花粉の品種は雄花をほとんど着けないため、ジベレリンなどの植物ホルモンを用いて花が着くように工夫するなど、様々な調査研究を重ね、少花粉苗木の量産に成功しました!

使わなければ始まらない!
少花粉苗木をたくさん生産できるようになっても、森林所有者は「これまでどおり順調に成長するのか」「植栽や下刈りなどの保育作業のコストが心配」などの不安から植替えに消極的でした。

従来の補助事業よりも高率な補助事業を創設し、植替えを後押ししています!

県内各地にモデル林を設置し、少花粉苗木をPRしています!(現在県下15箇所)
少花粉スギ・ヒノキの普及促進のため、少花粉スギ・ヒノキモデル林植樹のつどいを市町村等と協力して開催しています。
岡山県だけにとどまらない!
飛散する花粉には行政の境は関係ありません。
都道府県を越えた取組を行わなければ、花粉発生源対策としては不十分です。
都道府県を越えた取組を行わなければ、花粉発生源対策としては不十分です。

中国地方の各県に呼びかけ、平成26年(2014)度より「少花粉スギ普及推進中国地方連絡会議」※を設置し、毎年度開催しています!会議では対策の広域連携に向けた取組や苗木の生産技術の情報交換に取り組んでいます!
※令和2(2020)年度から、ヒノキもテーマに加わり、「スギ・ヒノキ花粉症対策推進中国地方連絡会」として開催
中国地方各県の担当者との情報交換
令和2(2020)年度に全国知事会に設置された「花粉発生源対策推進プロジェクトチーム」では岡山県知事がリーダーとなり、他県にも対策を呼びかけながら取組を進めるとともに、令和4(2022)年度に国に対して提案・要望を行いました!
伊原木知事から林野庁長官へ提案・要望書を提出
これまでの成果
岡山県では植替えにはほぼ100%少花粉苗木を使っています!

取組のさらなる強化に向けて
現在、岡山県では植替えにほぼ100%少花粉苗木を使っていますが、県全体のスギ・ヒノキ人工林を全て少花粉苗木で植替えるには長い年月を要します
そのため、岡山県では花粉発生源対策をさらに強化することを目的に様々な取組を展開しています!

岡山県の花粉発生源対策の歩み
