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第137回 森林研究所の散歩道(アキノキリンソウ、リンドウ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0885722 2023年11月24日更新森林研究所

 

第137回 森林研究所の散歩道(アキノキリンソウ、リンドウ編)

 

 第137回の今回は、アキノキリンソウとリンドウについて紹介します。

 

 アキノキリンソウはキク科アキノキリンソウ属の多年草です。日本と朝鮮半島に分布しています。国内では北海道から九州の日当たりのよい山地に自生します。

 高さ20~80cmになります。葉はつく位置によって形が違い、上部は披針形で下部は卵形になります。また、葉と茎には細かい毛が生えています。

 8~11月に咲く黄色の花は秋を代表するものです。黄色い頭花を茎の先に多数つけます。

 和名「秋の麒麟草(アキノキリンソウ)」はその花の美しさをベンケイソウ科のキリンソウに例えたためとされています。また、アワダチソウの別名もあり、これは花を酒が発酵したときの泡に見立てたからだそうです。

 アキノキリンソウ属は北半球の温帯に分布していますが、そのほとんどは北アメリカに集まっています。国内でも特によく見かけるセイタカアワダチソウも北アメリカが原産です。

(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p32.​

    佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p200.

    長田(1981)原色野草観察検索図鑑.保育社.p147.

    牧野(1982)原色牧野植物大圖鑑.北隆館.p552.

 アキノキリンソウ

     写真1 アキノキリンソウ

(写真1は2023年11月8日に撮影)

 

 リンドウはリンドウ科リンドウ属の多年草です。本州と四国、九州に分布します。岡山県でも各地に自生するようです。

 高さ20~100cmほどになります。葉は対生し、縁に細かな突起があることが特徴です。

 9~11月に咲く青紫色の美しい花は秋の山を代表すると言われています。その美しさから観賞用としても利用され、栽培品も多いです。花は長さ5cm程度で、茎の先端や葉腋につきます。

 おしべ先熟花であり、おしべが花粉を出し終わった後にめしべのある柱頭が開くため、自家受粉を避けることができます。

 和名の由来は、薬用に利用される根茎の読み方である「龍胆(りゅうたん)」を音読みしたことから来ています。その「りゅうたん」は苦いことで有名な熊の胆(ゆうたん)よりも苦いことに由来するそうです。薬用としては、消化不良や食欲不振に効果があるようです。

(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p260.

    佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p29.

    長田(1981)原色野草観察検索図鑑.保育社.p232.

    奥田(1982)岡山の薬草.山陽新聞社.p302.

 リンドウ リンドウの花

        写真2 リンドウ            写真3 リンドウの花

(写真2、3は2023年11月8日に撮影)

 

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。

 また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。