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第131回 森林研究所の散歩道(オオカナダモ、キンミズヒキ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0875715 2023年10月31日更新森林研究所

 

第131回 森林研究所の散歩道(オオカナダモ、キンミズヒキ編)

 

 第131回の今回は、オオカナダモとキンミズヒキについて紹介します。

 

 オオカナダモはトチカガミ科オオカナダモ属の多年草で沈水植物です。南アメリカのアルゼンチン原産で、日本では本州から九州に分布し、地溝や湖沼、河川の岸に群生します。

 茎は密につきます。葉は3~6枚の輪生であり、それぞれの輪生葉は左右にややねじれているようです。写真2のように水上には白い花のみを出します。

 実験材料として日本に持ち込まれたものが、逸出し野生化したと考えられています。雌雄異株であり、侵入したものは雄株だけですが、栄養繁殖で増えていきました。さらに低温や水質汚濁などの悪条件にも耐えられるため、在来種であるクロモを追いやるように広まっています。

(出典)長田(1976)原色日本帰化植物図鑑.保育社.p398-399.​

 オオカナダモ オオカナダモの花

       写真1 オオカナダモ          写真2 オオカナダモの花

(写真1、2は2023年7月31日に撮影)

 

 キンミズヒキはバラ科キンミズヒキ属の多年草です。日本や朝鮮半島、台湾、中国、シベリア、ヒマラヤの暖帯から温帯に分布します。日本では本州以南の林中や原野に自生します。

 茎や葉に毛が多く、高さは30~80cmになります。葉は5~9枚からなる羽状複葉で、表面には腺点があります。写真4のように、花は1cm程度の黄色い5弁花であり、細い花穂に多数つきます。

 花弁の外側にあるがくと副がくは果時にも残って果実を包みます。この副がくはかぎ形をした棘になっているため、動物にひっつき、生息域を広げていると考えられます。この棘は特徴的であるため、それだけでキンミズヒキ属であることがわかるようです。

 和名である「金水引」は黄色い花穂を、タデ科のミズヒキが金色になったものに例えたことが由来だそうです。

(出典)牧野(1982)原色牧野植物大圖鑑.北隆館.p221.

    佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p185.

    長田(1981)原色野草観察検索図鑑.保育社.p317.

    林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p413.

 キンミズヒキ キンミズヒキの花

      写真3 キンミズヒキ        写真4 キンミズヒキの花

(写真3、4は2023年8月2日に撮影)

 

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。

 また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。