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第130回 森林研究所の散歩道(アメリカアゼナ、ヨメナ編)
第130回 森林研究所の散歩道(アメリカアゼナ、ヨメナ編)
第130回の今回は、アメリカアゼナとヨメナについて紹介します。
アメリカアゼナはアゼナ科アゼナ属の1年草です。北アメリカ原産で、現在では日本全土で見られます。川辺や水田などの湿地に自生します。
茎はやや多肉質で柔らかく、切り口は四角形です。葉は卵状長楕円形で少数の浅い鋸歯がありますが、まれに鋸歯が無い葉も存在するようです。
花は白色~淡紅紫色で上下の2唇に分かれます。
戦後に日本各地に広まりました。場所によっては在来種であるアゼナよりも本種の方が普通になりつつあるようです。
(出典)片桐(1997)山野草.西東社.p310.
佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p105.
長田(1976)原色日本帰化植物図鑑.保育社.p102.
写真1 アメリカアゼナ
(写真1は2023年7月19日に撮影)
ヨメナはキク科シオン属の多年草です。西日本に広く分布し、山野の湿った場所や道ばたに多いです。
丈夫な植物であり、地下茎を伸ばすことで増えていきます。高さは50~120cmで、葉はやや厚くつやがあります。
花は7~10月に、枝先に頭花をひとつつけます。花がキクに似ていることからノギクの名でも呼ばれていますが、特徴は大きく異なるため、キク科ではありますがかなり遠縁だと考えられています。
古くから、春に若葉を摘んで食用とされていきました。また同じ頃に淡紅色になる地下茎などは特有の香りが有り、食用になる野草の中でも特に美味しいそうです。
コヨメナとオオユウガギクが交配してできた種だと考えられています。
(出典)片桐(1997)山野草.西東社.p172.
佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p191.
長田(1981)原色野草観察検索図鑑.保育社.p142.
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p34.
写真2 ヨメナ
(写真2は2023年7月24日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。