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令和5年9月 県議会定例会 知事提案説明要旨

印刷ページ表示 ページ番号:0874719 2023年9月5日更新政策推進課

令和5年9月 県議会定例会 知事提案説明要旨

 本日は、皆様御多用のところ御参集いただきまして、誠にありがとうございました。

 今回提案いたしました諸議案の説明に先立ちまして、当面する県政の課題について申し述べ、県議会及び県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

はじめに

・新型コロナウイルス感染症5類移行後

 新型コロナウイルス感染症が感染症法の5類感染症に移行し、約4か月が経過いたしました。この夏の感染状況は、全国と同様、本県においても増加傾向が見られたものの、これまでのところ懸念された大きな感染の波には至っていないところであります。こうした中、懇親会などの外食機会や宿泊を伴う旅行需要が増加するとともに、コロナ禍前には恒例であった夏祭りをはじめとした様々なイベントが再開するなど、県内各地で活気やにぎわいの回復が一段と進んでおります。長期化する物価高による影響はあるものの、経済活動の活性化も進んでおり、日銀岡山支店の公表によると、県内企業の業況判断は改善が見られております。先月には岡山桃太郎空港の上海線が3年半ぶりに再開するなど、インバウンドの回復も期待されているところであります。

 引き続き、こうした好循環の流れを様々な分野に波及させながら、ポストコロナにおける本県の持続的な発展に向け、取り組んでまいります。

・少子化対策の推進​

 少子化対策の推進につきましては、国では、全ての人が子どもや子育て中の方々を応援する、社会全体の意識改革を後押しする取組として「こどもまんなかアクション」を推進しているほか、先月、全知事を構成員とする「子ども・子育て政策推進本部」が国に対して「子ども・子育てにやさしい社会を実現するための提言」を行うなど、日本全体で、安心して子育てができる社会を目指しているところであります。

 本県においても、7月には県内経済団体の代表と共同で、「こどもまんなか応援サポーター」宣言を行い、県民に向けて力強く発信いたしました。今後、経済団体や企業との一層の連携の下、先般公表した企業の子育て支援の実態調査の結果も踏まえながら、子育てと仕事の両立に向けた職場環境の整備等の施策を検討し、より効果的な少子化対策の推進につなげてまいります。

教育県岡山の復活

 続きまして、第3次晴れの国おかやま生き活きプランに掲げる3つの重点戦略に沿って、御説明申し上げます。

 まず、「教育県岡山の復活」についてであります。

・学ぶ力育成

(学力向上)

 学力向上につきましては、7月に公表された全国学力・学習状況調査の結果において、小学校では全国の平均正答率を1ポイント下回りましたが、中学校では全国と同等でありました。ここ数年の傾向を見ると、全国平均と同程度の学力が定着してきたものと考えております。今後も、授業改善や児童生徒の学ぶ意欲を高める取組を一層推進するなど、児童生徒の学ぶ力のさらなる育成にしっかりと取り組んでまいります。

(ICTを活用した学びの推進)

 ICTを活用した学びの推進につきましては、1人1台端末などのICT環境を活用し、個別最適な学びの充実に取り組んでいるところであります。また、生成AIに代表される情報技術の進展に児童生徒が対応できるよう、国が示したガイドラインも踏まえ、問題を発見したり、自分の考えを形成する際に必要な能力である情報活用能力を育成してまいります。

・徳育・体育推進

(少年非行対策)

 少年非行対策につきましては、全国的に「闇バイト」等の投稿に応募した少年が特殊詐欺や強盗を実行し検挙されているところであります。非行防止教室やSNS等を活用し、犯罪実行者の募集手口を具体的に発信するなど、少年をアルバイト感覚で犯罪に加担させないための取組を推進してまいります。

・グローバル人材育成

(グローバル人材の育成)

 グローバル人材の育成につきましては、県内学生の留学への関心と意欲を喚起するため、来月、在大阪・神戸米国総領事館等の御協力をいただきながら、留学促進フェアを開催いたします。こうした取組を通じて、コロナ禍で減少した県内学生の留学者数の増加を図り、グローバルに活躍できる人材の育成に努めてまいります。

地域を支える産業の振興

 続きまして、「地域を支える産業の振興」についてであります。

・企業誘致・投資促進

(企業誘致と投資の促進)

 企業誘致と投資の促進につきましては、今年度新設した拠点化促進の補助金を活用した大型投資が7月に決定したところであります。また、市町村の団地開発に対して無利子貸付を決定するなど、市町村と一体となって産業用地のさらなる確保を進めているところであり、企業誘致と投資の促進に一層取り組んでまいります。

・企業の「稼ぐ力」強化

(企業の「稼ぐ力」強化)

 企業の「稼ぐ力」の強化につきましては、中四国最大級の展示商談会である「おかやまテクノロジー展2023」を開催することとしており、リアル展に加え、オンライン展を開催することで相乗効果を図り、県内企業の新たなビジネスチャンスの創出や競争力強化に取り組んでまいります。

(中小企業のデジタル化)

 中小企業のデジタル化につきましては、7月に製造小売業や建設業のデジタル化推進支援モデルを作成し、商工会等の支援機関によるプッシュ型支援に取り組んでいるところであり、今後、他業種のモデル作成も進め、多くの中小企業のデジタル化が進むよう支援してまいります。

(伝統的工芸品月間国民会議全国大会)

 伝統的工芸品の振興につきましては、「伝統的工芸品月間国民会議全国大会」が11月に本県で初めて開催されます。県指定の工芸品についても展示・販売や製作の実演・体験を行うこととしており、伝統的工芸品の魅力発信等を図ってまいります。

・観光振興

(観光振興)

 観光振興につきましては、先月、県議会議長とともに4年ぶりに台湾を訪問し、現地の旅行会社などに本県の観光地や高品質な白桃、ブドウの魅力を強くアピールしてまいりました。引き続き、近隣県とも連携しながら積極的なプロモーションを展開し、本県の認知度向上とインバウンドの早期回復に取り組んでまいります。

(岡山桃太郎空港)

 岡山桃太郎空港につきましては、3月の台北線に続き、先月上旬から上海線の運航が週2便で再開されたところであります。引き続き、他の国際線の早期再開について航空会社へ働きかけるとともに、再開された路線のPRや集客支援など、利用促進にしっかりと取り組んでまいります。

(岡山後楽園)

 岡山後楽園につきましては、3年ぶりに夏の幻想庭園と烏城灯源郷を同時開催し、多くの方々に御来場いただいたところであります。コロナ禍で落ち込んでいた入園者数は、先月には、令和元年度同時期の9割を超えるところまで回復してきており、引き続き、本県の観光拠点として、さらなる魅力づくりに取り組んでまいります。

・儲かる農林水産業加速化

(高病原性鳥インフルエンザ)

 高病原性鳥インフルエンザにつきましては、昨年度、県内の複数の農場で発生したことを踏まえ、これから迎える渡り鳥の飛来シーズンに向け、農場への管理基準の遵守徹底や危機管理体制の再点検を進めているところであります。今後、農場に対して、適切な管理となるよう積極的に支援してまいります。

(県産農林水産物の消費拡大対策)

 県産農林水産物の消費拡大対策につきましては、来月のおかやま米の新米記念日に合わせたイベントや11月開催のミルクフェアなど、関係団体等と連携し実施するとともに、学校給食への県産水産物の提供やとっとり・おかやま新橋館等を活用したPRなどを通じ、県産農林水産物の消費拡大を図ってまいります。

・働く人応援

(働き方改革)

 働き方改革につきましては、多様で柔軟な働き方について考えるフォーラムを来月開催し、さらなる機運の醸成に努めてまいります。また、勤務間インターバルの確保は、健康の保持とワーク・ライフ・バランスだけでなく、組織の生産性の向上や優秀な人材の確保にも有効であることから、県内の企業等に広まるよう取り組んでまいります。

安心で豊かさが実感できる地域の創造

 続きまして、「安心で豊かさが実感できる地域の創造」についてであります。

・保健・医療・福祉充実

(新型コロナウイルス感染症)

 新型コロナウイルス感染症につきましては、ウイルスそのものは消失しておらず、感染が急拡大した場合には、医療提供体制の逼迫を招くおそれがあります。このため、基本的な感染防止策の徹底を呼びかけるとともに、今月20日から、現在の流行の主流であるXBB系統のワクチンによる接種が生後6か月以上の全ての方を対象に開始されることから、希望する方が円滑に接種できるよう市町村や関係団体と連携し、取り組んでまいります。

 また、国では感染症危機への対応を統括する組織として「内閣感染症危機管理統括庁」が今月発足いたしました。県としても、こうした国の動きを注視し、新たな感染症の発生にも備えてまいります。

(子宮頸がんの予防)

 子宮頸がんの予防につきましては、HPVワクチンの接種人数は徐々に増加してきているものの、以前の接種水準までには及んでいないことから、夏休み期間の接種を推進するため、接種対象者及び保護者に対するWEBでの啓発を実施いたしました。さらに、学校等への出前講座の開催や新たに啓発漫画の制作を行うなど、若い世代の命を1人でも多く救うため、正しい知識の普及啓発に一層取り組んでまいります。

(保健医療体制)

 保健医療体制につきましては、新型コロナウイルス感染症対応での教訓を踏まえた医療提供体制の整備を図るとともに、現在策定中の「第9次岡山県保健医療計画」により、限られた医療資源を有効かつ効率的に活用しながら、医師等の確保を含む保健医療を取り巻く様々な課題等に対応できるよう取り組んでまいります。

(歯と口の健康づくり)

 生涯にわたる歯と口の健康づくりにつきましては、健康寿命の延伸に寄与することから、むし歯や歯周病などに関する予防知識の普及啓発等に取り組んでいるところであります。フッ化物によるうがいは、幼少期から始めることにより、高いむし歯予防効果が成人になっても続くことから、昨年度の新見市の小学校に続き、今年度新たに玉野市の保育所でも取組が始まったところであり、こうした取組を県内全域に広げるなど、引き続き、歯と口の健康づくりに努めてまいります。

(強度行動障害のある人への支援)

 強度行動障害のある人への支援につきましては、7月に県として初めて開催したシンポジウムでは、多数の申込みにより定員を倍増させるなど、関心の高さをあらためて感じたところであります。また、強度行動障害のある人への支援に精通したスーパーバイザーの派遣については、先月までに実施体制を整備いたしました。今後、福祉施設や学校等からの依頼に応じて派遣することとしており、現場で対応できる人材の育成等を図り、受入れ可能施設の増加と支援の底上げにつなげてまいります。

・子育て支援充実

(子育て支援の充実)

 子育て支援の充実につきましては、困難を抱える妊産婦や子ども、子育て世帯への包括的な相談支援を行う「こども家庭センター」の市町村による設置が、各地域の実情に即して進められるよう、設置・運営に係る財政的な支援のほか、研修会の開催や専門家派遣等により、市町村の取組を後押ししてまいります。

・防災対策強化

(防災対策の推進)

 防災対策の推進につきましては、平成30年7月豪雨災害の教訓を風化させないよう、7月に県民防災シンポジウムを開催し防災意識の向上を図ったほか、災害時に被害の拡大防止が図られるよう自主防災活動の充実強化や地区防災計画の作成支援等に努めております。

 また、大規模災害を想定し、来月には消防の連携活動力の向上に向けた中国・四国ブロックの緊急消防援助隊合同訓練を、11月には防災関係機関及び地域住民と一体となって応急対応等を行う総合防災訓練を実施することとしており、引き続き、災害等への対応能力の強化を図ってまいります。

(国道486号川辺橋の機能復旧)

 5月に橋脚1基が傾き通行止めにしておりました国道486号川辺橋につきましては、先般、暫定的に仮橋を設置し、当面の間の歩行者・自転車の安全な通行を確保したところであります。最終的な機能復旧については、手法や施工方法などを検討しているところであり、早期復旧に向け全力で取り組んでまいります。

・暮らしの安全推進

(交通安全対策)

 交通安全対策につきましては、今年上半期の交通事故死者数は過去10年で最少となりましたが、総事故件数及び重傷者数は増加しております。引き続き、交通事故の分析結果に基づく、交通安全教育及び交通指導取締りを推進してまいります。

 また、電動キックボード等について、新たな交通ルールを適用する改正道路交通法が7月に施行されたことから、関係機関等と連携し、利用者に対する交通ルールの周知等に取り組んでまいります。

(自転車の交通安全)

 自転車の交通安全につきましては、交通事故の防止及び被害者の保護を図ることを目的に、安全で適正な利用の促進と自転車損害賠償責任保険等の加入促進を内容とする条例の骨子案を、先月公表したところであります。県議会をはじめ、県民の皆様の御意見を踏まえながら、今後、条例制定を目指してまいります。

・持続可能な中山間地域等形成

(JR在来線の維持・確保)

 JR在来線につきましては、来月から、国が関与する再構築協議の制度が始まることとなっております。芸備線の一部区間については、JRが、国へ再構築協議会の設置を要請する意向を明らかにしていることから、国から意見聴取等があった場合は、広島県や新見市等と相談しながら、対応を検討してまいります。

(中山間地域等の振興)

 中山間地域等の振興につきましては、本県への移住・定住を促進するため、晴れの国ぐらしの魅力を発信するフェアを7月に大阪で開催したところであります。引き続き、市町村等と連携し、集落機能の維持・確保に向けた取組や道路環境の整備など、ソフト・ハード両面から、安心して暮らし続けることができる地域づくりを進めてまいります。

・快適な環境保全

(EVの普及)

 EVの普及につきましては、EVの魅力をまとめた専用のウェブサイトを7月に開設し、補助金や充電スポットの情報のほか、充電マナー川柳を掲載するなど、わかりやすい情報発信に努めております。また、11月にはターゲットを絞った試乗会を開催し、ライフスタイルに応じたEVの活用方法を周知するなど、EVの普及をさらに後押ししてまいります。

(海ごみ対策の推進)

 海ごみ対策の推進につきましては、若い世代の海ごみ問題への関心を高めるため、高校生等を対象に用水路等のごみ回収ロボットのアイデアコンテストを開催しており、海ごみの回収、発生抑制に向けた意識醸成に取り組んでまいります。瀬戸内海の優れた景観と環境を守るため、引き続き、瀬戸内オーシャンズXなど多様な主体と連携しながら、自然環境保全に取り組んでまいります。

(第74回全国植樹祭)

 来年5月26日に開催が決まった第74回全国植樹祭につきましては、今後、カウントダウンボードの設置や木製地球儀の巡回展示などの記念イベントを通じ、開催機運の醸成を図るとともに、歴史・文化など本県の数多くの魅力を全国に発信できる大会となるよう、着実に準備を進めてまいります。

・生きがい・元気づくり支援

(「晴れて輝け!おかやま国スポ」)

 令和7年に開催される「晴れて輝け!おかやま国スポ」につきましては、現在、市町村や県観光連盟など関係機関と連携し、来県される方々へのおもてなしやにぎわいの創出、本県の魅力発信等について検討を進めているところであり、引き続き、大会の成功に向けてしっかりと取り組んでまいります。

(おかやまマラソン2023)

 おかやまマラソン2023につきましては、4年ぶりにコロナ禍前と同じ規模での開催となります。「走る」「みる」「支える」全ての皆様に喜ばれる大会となるよう、シャインマスカットやきびだんごなどの沿道給食やボランティアによる温かいおもてなしなど、高評価をいただいているランナーサービスのさらなる充実を図るとともに、ご当地グルメやステージイベントなどによるEXPO会場でのにぎわい創出に向け、準備に万全を期してまいります。

・情報発信力強化

(情報発信力の強化)

 情報発信力の強化につきましては、岡山出身の芸人2組を起用し、「いま、岡山がアツい!いま、岡山にアツまれ!」という熱い想いを込めた「岡アツ!」企画を7月に始動いたしました。先月には、台湾向けに新たな動画を発信したところであり、動画やSNSなどの活用に加え、話題性のあるプロモーションを展開し、本県の魅力度の向上に努めてまいります。​

・新・ももたろう未来塾

 5年ぶりに再開した新・ももたろう未来塾につきましては、7月の第1回講座では、私みずから講義を行い、将来の地域づくりを担うリーダーとして期待することなど、私の思いを塾生に伝えたところであります。現在、20名の塾生が多様な分野の仲間とともに、地域課題の解決に向けた学びを深めているところであり、引き続き、効果的な講座の実施に努め、地域づくりリーダーの育成に取り組んでまいります。

・岡山県収入証紙制度

 岡山県収入証紙制度につきましては、行政のデジタル化等を踏まえ、来月から廃止となります。県への手数料等の納付につきましては、キャッシュレス決済や電子収納など様々な収納方法を導入することにより、県民の利便性向上や行政の効率化に取り組んでまいります。

諸議案

 次に、今回提案しております諸議案の概要につきまして、御説明申し上げます。

 まず、予算案件につきましては、当初予算編成後の情勢の変化に伴い、早急な対応を必要とするものについて、補正措置を講じることとし、所要額を計上しております。

 その結果、今回の補正予算額は、

   一般会計において   22億9,800余万円の増額

であります。

 補正後の一般会計予算額は、歳入歳出それぞれ8,133億8,800余万円であります。

 一般会計歳入予算の主な内容につきましては、繰入金20億7,100余万円などを増額する所要の補正措置を講じるものであります。

 一般会計歳出予算の主な内容につきましては、国庫支出金返納金18億4,800余万円、地方特定道路整備事業費2億5,300余万円などを計上しております。

 繰越明許費につきましては、道路整備事業など16件71億5,900余万円を繰り越ししようとするものであります。

 債務負担行為につきましては、水島港湾事務所庁舎建替に伴う防災行政無線関連機器移設等業務について、新たに債務を負担しようとするものであります。

 地方債につきましては、今回の補正予算に関連し、所要の補正措置を講じるものであります。

 特別会計につきましては、「岡山県港湾整備事業特別会計」において、企業会計につきましては、「岡山県営電気事業会計」において、所要の補正措置を講じるものであります。

 次に、事件案件につきましては、調停の合意及び権利の放棄についてのもの1件並びに令和4年度岡山県営電気事業会計など3企業会計における決算認定等についてのものであります。

 最後に、条例案件につきましては、「旅館業法施行条例及び岡山県保健医療関係手数料徴収条例の一部を改正する条例」など3件であります。

 以上、今回提案いたしました諸議案につきまして、その概要を申し上げた次第であります。

 なにとぞ、慎重御審議の上、適切な議決を賜りますようお願い申し上げます。