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第125回 森林研究所の散歩道(アキノタムラソウ、メリケンムグラ編)

印刷ページ表示 ページ番号:0874381 2023年10月13日更新森林研究所

 

第125回 森林研究所の散歩道(アキノタムラソウ、メリケンムグラ編)

 

 第125回の今回は、アキノタムラソウとメリケンムグラについて紹介します。

 

 アキノタムラソウはシソ科アキギリ属の多年草です。東アジアの温帯、熱帯に広く分布しており、日本では本州~沖縄にかけての山地や野原に自生します。

 茎は断面が四角く、高さは20~80cmになります。葉は対生し、3出葉または羽状複葉となります。

 写真1のように淡紫色の花が数段の輪生をし、層のようにつきます。アキギリ属の雄しべは、自家受粉を避けるために特異な構造をしています。

 近縁には、ハルノタムラソウやナツノタムラソウといった独特な名前の植物が存在します。

 属名(Salvia)は薬用になる植物が多く含まれているため、治癒の意味があります。特にハーブとして利用されるセージが有名です。

(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p220.

    長田(1981)原色野草観察検索図鑑.保育社.p202.

    片桐(1997)山野草.西東社.p317.

    牧野(1982)原色牧野植物大圖鑑.北隆館.p473-474.

 アキノタムラソウ

      写真1 アキノタムラソウ

(写真1は2023年7月24日に撮影)

 

 メリケンムグラはアカネ科オオフタバムグラ属の1年草です。北アメリカが原産で、日本では神奈川県以北~九州に分布しています。河畔などの湿地に自生します。

 茎は多く分かれ、地表に這うように広がります。花は1cm程度で真っ白です。

 1969年に岡山市で日本では初めて確認され、そのとき採取された標本から和名が付けられました。

 近縁のオオフタバムグラは要注意外来生物に指定されています。また検索サイトで本種の名前を入力すると、検索候補に駆除や除草剤といった単語が出てくることから、害のある植物であるようです。

(出典)長田(1985)原色日本帰化植物図鑑.保育社.p94.

    今村ら(2011)アカネ科外来草本メリケンムグラ(Diodia virginiana L.)の発芽ならびに生育特性.ランドスケープ研究 74(5).p479-482.

    国立環境研究所 侵入生物データベース.オオフタバムグラ.https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/81280.html​

 メリケンムグラ メリケンムグラの花

       写真2 メリケンムグラ        写真3 メリケンムグラの花

(写真2、3は2023年7月24日に撮影)

 

 所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。

 また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。