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第121回 森林研究所の散歩道(カワラマツバ、ヨツバムグラ編)
第121回 森林研究所の散歩道(カワラマツバ、ヨツバムグラ編)
第121回の今回は、カワラマツバとヨツバムグラについて紹介します。
カワラマツバはアカネ科ヤエムグラ属の多年草です。北海道~九州及び朝鮮半島に分布し、乾いた河原などに自生します。
和名は松葉のように細い葉が河原に多く生えることに由来します。
その松葉のような細い葉と10枚の輪生をすることが特徴です。
7~8月に茎の先や上部の葉腋から花柄を伸ばし、円錐状の集散花序をつくって多数の小さな白い花を密につけます。
原種は黄花をしており、ヨーロッパでごく普通に見ることができるそうです。
(出典)佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p53.
牧野(1982)原色牧野植物大圖鑑.北隆館.p526.
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p53.
長田(1981)原色野草観察検索図鑑.p172.
写真1 カワラマツバ 写真2 カワラマツバの花
(写真1、2は2023年6月19日に撮影)
ヨツバムグラはアカネ科ヤエムグラ属の多年草です。北海道~九州及び朝鮮半島、中国に分布します。田畑のあぜや丘陵地の草むらに自生します。
茎は下部で分枝をして直立し、高さは20~50cmになります。名前のとおり葉が4枚輪生しますが、正しくは偽輪生であり、大きい1対は真の葉ですが、小さいもう1対は托葉です。
5~6月に枝先や葉腋に短い花序を出し、数個の花が密集してつきます。
学名(Galium trachyspermum)のうち種小名(trachyspermum)はざらざらした種子という意味だそうです。
(出典)牧野(1982)原色牧野植物大圖鑑.北隆館.p523.
佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p54.
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p154.
長田(1981)原色野草観察検索図鑑.p175.
写真3 ヨツバムグラ 写真4 ヨツバムグラの花
(写真3、4は2023年6月19日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。