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第120回 森林研究所の散歩道(スズサイコ、ナンキンハゼ編)
第120回 森林研究所の散歩道(スズサイコ、ナンキンハゼ編)
第120回の今回は、スズサイコとナンキンハゼについて紹介します。
スズサイコはキョウチクトウ科カモメヅル属の多年草です。東アジアの温帯に広く分布し、日当たりの良いやや乾いた草地に自生します。
茎は細く直立して高さ40~100cmになり、地下には多数のやや太いひげ根があります。葉は長細い長披針形で少し厚いです。
集散状にまばらに花をつけます。花は早朝に開き、日が当たると閉じる性質があります。
スズサイコの名前は、つぼみが鈴に似ること、また全体がセリ科のミシマサイコに似ていることに由来します。
(出典)佐竹(1981)日本の野生植物.平凡社.p40.
牧野(1982)原色牧野植物大圖鑑.北隆館.p449.
写真1 スズサイコ 写真2 スズサイコの花
(写真1、2は2023年7月13日に撮影)
ナンキンハゼはトウダイグサ科ナンキンハゼ属の落葉高木です。西日本の暖温帯の河原や林縁に自生します。
葉の横幅が非常に広いこと、葉をちぎると白い乳液が出ることが特徴です。
枝先に長さが最大で20cm近くになる総状花序を出し、黄色い小さな花を多数つけます。
名前は中国原産であり、秋に紅葉しロウを採ったことに由来します。
(出典)太田(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p196.
千葉(1984)岡山の樹木.山陽新聞社.p118.
林(2020)樹木の葉 実物スキャンで見分ける1300種類.山と渓谷社.p423.
写真3 ナンキンハゼ 写真4 ナンキンハゼの花
(写真3、4は2023年7月7日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。