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第113回 森林研究所の散歩道(ムラサキサギゴケ、ナヨクサフジ編)
第113回 森林研究所の散歩道(ムラサキサギゴケ、ナヨクサフジ編)
第113回の今回は、ムラサキサギゴケとナヨクサフジについて紹介します。
ムラサキサギゴケはサギゴケ科サギゴケ属の多年草です。本州や四国、九州の湿り気のある水田のあぜなどによく群生します。
葉は倒卵形でロゼット状に生えます。10~15cm程度の花茎を伸ばし、ゴマノハグサ科の特徴である唇形花をまばらにつけます。
花の色は淡紅紫色です。ムラサキサギゴケの1品種であるサギゴケは白い花をつけます。両者ともに鷺の頭に似ているため鷺苔(サギゴケ)との漢字がついています。
(出典)片桐(1997)山野草.西東社.p34.
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p174.
写真1 ムラサキサギゴケ 写真2 ムラサキサギゴケの花
(写真1、2は2023年5月10日に撮影)
ナヨクサフジはマメ科ソラマメ属の越年草です。ヨーロッパ原産で野原に生育しています。
茎は細く硬いつる状になり、長さが60~100cmになります。写真3のように羽状複葉になります。
緑肥として用いられていたものが、本州や四国、九州で野生化しています。
(出典)長田(1976)原色日本帰化植物図鑑.保育社.p243.
林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p379.
写真3 ナヨクサフジ 写真4 ナヨクサフジの花
(写真3、4は2023年5月10日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。