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第110回 森林研究所の散歩道(オオバコ、マグワ編)
第110回 森林研究所の散歩道(オオバコ、マグワ編)
第110回の今回は、オオバコとマグワについて紹介します。
オオバコはオオバコ科オオバコ属の多年草です。日本全土の道ばたで見ることができます。
10枚ほどの根生葉がロゼット状に地面に広がり、その葉は肉厚で卵形です。平行する葉脈は目立ちます。
花期には10~50cmの花茎が伸び、小さな花がびっしりと穂状につきます。
漢字では大葉子(おおばこ)と書くように葉は大きいです。
足の裏という意味の学名を持つように、踏まれても問題なく、足に種子を運ばせます。
(出典)林(1983)日本の野草.山と渓谷社.p155.
長岡(1997)野の花・街の花.講談社.p126.
写真1 オオバコ
(写真1は2023年6月1日に撮影)
マグワはクワ科クワ属の落葉高木で高さ6~15mになります。中国原産で、日本では本州~九州の河原や人里付近の林縁に野生化しています。
かつて養蚕のために広く栽培されていたものが放置され、野生化しています。
果実は集合果であり、2cm程度の楕円形になっています。はじめは白く、その後6~7月に赤色から黒紫色となり成熟します。
(出典)石井(2000)樹に咲く花.山と渓谷社.p314.
林(2020)樹木の葉 実物スキャンで見分ける1300種.山と渓谷社.p343.
写真2 マグワ 写真3 マグワの実
(写真2、3は2023年5月30日に撮影)
所内の散策をされる際にはこれらの植物も一緒に探してみてはいかがですか。
また、植物の位置がわからない場合はお気軽にお尋ねください。